[プロレス映画鑑賞記] 力道山(2005年・日本&韓国合作:原題:Rikidozan 上映時間:149分)

せかぷろ
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作品解説

2007年2月15日観賞。

日本のプロレス界の歴史的人物、力道山の半生を「パイラン」「ホワイトクリスマス 恋しくて、逢いたくて」のソン・へソン監督が映画化。力道山は「オアシス」「シルミド/SILMIDO」のソル・ギョングが体重を5カ月で28キロ増やし、日本語を習得して熱演。1945年、貧困を逃れるため相撲取りになることを夢見て単身日本にやってきたシルラク。関脇になったシルラクは横綱を目指すが、そこには目に見えない民族の壁があった。(解説は映画comより)

力道山を再現

映画を見る前に二つ個人的な観賞ポイントがあって、一つは本編通りの力道山の物語として、もう一つは亡くなった橋本真也の勇姿を目に焼き付けたいという所。

一番目は力道山役のソル.ギョングが朝鮮訛りの日本語で完璧に力道山を再現していたこと。プロレスのシーンなども本家以上の迫力があり(飛びつき十字や、トペはやりすぎとしても^^;)本人よりやや細めながらも20キロの増量をして挑んだ体つきは、当時を知らなくても力道山の雰囲気や存在感を存分に伝えきったと思う。

人間関係を絞った

何度か結婚歴があり、子供もいる実際の力道山だが、映画では妻をあやという女性一人に絞り、これを中谷美紀が好演。二人の国籍を超えた夫婦の物語としてもこの作品は非常に良くできていると思う。

夫婦間だけではなく、力道山をとりまく人間関係を何人かに絞ったことがただ長いだけの映画ではない、また悲劇でもないエンターテインメントとして成功しているのだと思う(だから弟子のレスラーも大木金太郎しかでてこない。猪木.馬場をはずしたのはある意味正解だったと思う)。

橋本真也の雄姿

二番目はリングで躍動する橋本真也の勇姿。出番は少ないが、垂直落下式ブレンバスター等は今でも彼がまだ生きているかのようで、涙がこみ上げてきた。この後の悲劇を想像できないと言う意味でも力道山に近い生き方をしたのかもしれない。

史実にフィクションを加えているのでレスラーの名前などが微妙に変わっているのだが、それは大した問題ではない。また暗に裏社会や、事前の取り決めなどもはずすことなく、しっかり描いていたのも好感が持てた。

柔道の鬼・船木

要するに、それによってこの映画自体が力道山に対しても、プロレスに対しても最大限の敬意を払って作られていることがわかるのである。

セット一つ取っても当時の東京の町並みを再現し、試合に至っては武藤や船木(柔道の鬼を熱演!)、橋本にスコットスタイナーなどといった本物をきちんと使っているし、ちゃんとしたプロレスを撮っている。

男の生きざまを描いた

決して興味半分で除いたような裏社会とのつながりだったり、ヤオガチ論に乗っかっていないところがただのプロレス映画ではない、一人の男の生き様を描き抜けた要因の一つだと思うのである。

2時間半があっという間だった。大いに拍手を送りたい。






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