[プロレス観戦記] 九州プロレス・北九州ば元気にするバイ!最強九州男児決定トーナメント開幕戦

九州プロレス・北九州ば元気にするバイ!最強九州男児決定トーナメント開幕戦
(福岡・北九州芸術劇場中ホール・452人 超満員 2012年1月22日 日)

がむしゃらあけて日曜。またしても小倉入り。前日はあまりに興奮しすぎて疲れてしまい、すぐに寝入ってしまったがこの日は電車で会場入り。小倉駅から徒歩でリバーウォークまで。

週末から寒くなるという予報通りこの日は冷たい雨がふりすさぶあいにくの空模様。でもまあ、傘さすほどではない感じなんで、そのまま徒歩でアーケード伝って歩いた。芸術劇場というくらいだから勿論プロレスは初進出。しかも結構きれいな建物だから(新しくはないけど)やっぱちょっといつもとは勝手が違う。

開場までしばらく前で列作って並んでいたら、がむしゃらのマスターと林さんんと鉄生さんが九プロ打ち上げINがむしゃらの告知を・・・・いや~ありそうな気はしてたけど、翌日小橋の剛腕ナイトが控えていたんでこの日は帰ることにした。まあ、この選択は正解だったんだけど。

開場して中に入ってみると、まあ結構な広さ。しかしもともと演劇をやる舞台の上にリング組んでるので前列より中段~上段(ちなみに全席自由)から順に埋まっていたのが面白かった。がむしゃらのメンバーも色んなところで観戦されててここにも個性が表れていて面白かった。やっぱ自分なりのベストポイントがあるんだな。

オープニングアクトは二部構成で一部がダークマッチで九州の障碍者プロレスFORCEのVlood・ワタル対ナガノ・V・アキラ のシングルマッチが。ともにスタンディングクラスという立って戦うクラスの選手でナガノはあのメジャー団体ドッグレッグス(障碍者プロレスの老舗)にも参戦している実力派。ワタルはナガノの弟子筋にあたるそうで、今回は師匠越えがかかっていた。

で学プロ同様実況がつくのだが実況アナも車いすのかた。しかしやはり10年の歴史を感じる余裕の進行ぶり。

ダークマッチ・FORCE提供試合
○Vlood・ワタル対●ナガノ・V・アキラ (スクールボーイ)

ワタルはなんと校長のセパラドスで入場。やっぱこの曲がかかるとなんかプロレス会場にきたなあという気はする。

で、この試合のポイントはスリーパーなど密着技を得意技にするワタルとベイダーフックのような横殴り式ラリアットを得意とする、ナガノの対決という初めて見るものにもわかりやすい構図になっていた。

スタンディングクラスという事で意識的にかどうかは知らないが立ち技の攻防が目立った。ここで誤解してほしくないのはいわゆる障碍者プロレスは全女でやってたミゼットプロレスとも、メキシコで盛んなミニ・エストレージャとの試合とも違うという事。

そしてあえて、見る側もやってる側に障害があるという意識があってみない方が絶対面白いということは言える。確かになれないよそ様のリングなんでちょっと勝手が違った部分はあったがこのチャンスを生かそうと二人とも必死だった。特にナガノは先輩プロレスを一切せず堂々と若いワタルの技を受けきって、堂々と負けた。

最後にナガノがマイクをもって「この後九州プロレスがもっともっと凄いプロレスをみせるから応援してくれ!」と熱いマイク。でこの熱戦の後に天神でいつもいろんな
劇団や芸人さんを招いてのプロレスレクチャーがはじまった。男性一人とコンビの女性芸人が登壇。ネタ自体は・・・う~ん・・・という感じだったが、女性コンビの片割れがなんと柔道女子日本一という無駄に凄い肩書を持っていて実際にネタの中で一本背負いを披露するんだが笑いが起こるはずのところで「おお~!」と変に感心されていた。

いや、その肩書に偽りないあまりに見事な投げだったんで。なんか普通にプロレスやっても通じそうな気がする逸材なんだが。なぜお笑いを目指したかなあ?で、選手入場式につないでXや初登場となるバンバンギランを除くと討伐団含めてほぼ全員が登場。

筑前がマイクとって「北九州からでないとだめだったんです!」と熱いマイクで開会宣言。理事長自身は一月の北九大会を定着化させたい意向があって、そういう意味でもこの大会は外せなかったのだ。

しかしダークマッチ含めてトーナメント8試合の全9試合とは思い切ったことをしたもんだ。初期のIWGP形式で続いていくのか毎年G1みたいに冬の名物詩になるのか
はわかんないけど、意気込みは感じた。ビッグマッチ仕様できたことを考えれば九プロが本気で仕掛けてきたのはよくわかった。

第1試合・最強九州男児決定
トーナメント1回戦
○筑前りょう太(4分39秒 片エビ固め)林田伸一×
※まっすぐとぶバイ!!

最強九州男児決定トーナメント、初戦に登場したのは、とにかく優勝をめざして一直線の筑前りょう太。対するは12月の大会でまさかのふんどしで現れた博多のいぶし銀・林田伸一。今回はもとのコスチュームに戻って、マレンコ道場仕込みのキラーモードで、47歳の再挑戦に挑む。その林田は執拗に筑前の腕を責め続けていく。要は多分担ぐバイ!封じと、若い筑前のスタミナをロスする作戦での一点突破を目指したんだろう。

筑前の直線的な攻撃をことごとく読んではすかし、隙あらば脇固めを決めていくが、林田自身が飛ばし過ぎたのが誤算だったか、筑前のスタミナがロスする前に決めきれなかった。そこがもう勝負の分かれ目だった。

短期決戦を狙う筑前の強烈なスピアーをまともに食らい、最後は「まっすぐ飛ぶバイ!」で畳み込まれて押し切られてしまった。う~ん・・・意気込みは買ったが
ちょっと、急ぎ過ぎたかな。

第2試合・最強九州男児決定トーナメント1回戦
○台風(10分1秒 リングアウト勝ち)藤田ミノル×

海を越えた山口県出身の藤田ミノル。わざわざ福岡に引っ越し、住民票を移し替えてまで挑むと12月の大会で表明。さすらいの裏切り狼男はどんな裏切りを見せてくれるのか?

相手は九プロではある意味人気№1の台風。しかもそこそこ実力もある。どっちも最強九州男児の座を虎視眈々と狙ってるので初戦を落とすわけにはいかないのだ。入場時から興奮状態で動き続ける台風は早くも暴走ムード。さらに、観客の声援がすべて台風に集中するなか、「いや、台風頑張れっておかしいでしょ」とまったくペースを掴めない藤田。

さらに「こいつは台風なんかじゃないから」とマスクはぎにまで出たもんだからすっかり大ブーイングの標的になってしまった。更に度重なる場外戦が続くがここで手繰り寄せたはずのペースも藤田のものにはならない。予想以上に台風が踏ん張ったのだ。リングに戻るととたんに攻勢にでる台風に対して応戦はするが防戦一方になる藤田。

まあ、なんとなくだがこうなるとリングアウト狙いなのかなというくらい場外戦が続いてしまった。最近のファンならともかく腐るほど不透明決着を見てきた我々世代はなんとなくニオイでそれがわかる。

果たしてエプロンでの攻防で台風がとっさにヒップアタックを放ち藤田が場外へ転落。
ここでカウントアウト。やっぱりリングアウト負け!というかこれをねらってたのは藤田なんだろうけど逆にしてやられたってことかな。しかしあれだけストーリー作っておいて一回戦敗退はもったいない。今後藤田ミノルがどう九プロに絡むのかはわかんなくなったけど・・・・

第3試合・最強九州男児決定
トーナメント1回戦
○田中純二(4分20秒 拷問逆エビ固め)マンゴーみゆき×

純二の相手は、当日発表の「X」枠。バックステージで筑前にエントリーを直訴したのは、なんと女子のアップルみゆき。筑前は、「女子」という理由で断る。しかしアップルは「デビュー以来、男も女もなく闘ってきた!筑前さんならわかるでしょう?」と執拗にアピール。

かつてKAIENTAI DOJO時代の同門として理解を示すもやはり「九州じゃない」という理由で却下。ならばとアップルは「九州ならいいんですね。」と言い残して去っていった。。。

そして登場したのは、アップルのテーマのままで宮崎県産を名乗るマンゴーみゆきが現れた。九プロお約束のX=アップルというのはもうそんなに驚かないんだがまさか最強トーナメントに組み入れるとは・・・女子だからどうということではないんだが、精鋭16名をそろえるならば、やっぱ勝負論重視で来てほしかったかなあ・・・

とはいえ、G1みたいな大がかりなリーグ戦を組む体力がない分、やっぱ奇襲になるのか?この辺は難しいチョイスだよなあ。

もはや男と女の性差以前に産地偽装疑惑が持ち上がる。まあK-DOJOで一緒だった
純二は嫌でもしってるが、これって純二が勝っても、負けても得しないよなあ。その上勝たないとメンツが保てない。案外難しい試合はこうしてスタートした。

アップルではなくマンゴー、気合い十分で一方的に先制。そのまま攻め立てるも、やはり一発一発の技に重さが違うのは致し方ないところ。どっちが勝ちあがるのかというよりどう試合が組み立てられるのかに興味がうつってしまった以上、ある程度アップルの土俵で勝負して、勝たないといけない。

ということでウソ泣きまでは付き合った純二も容赦ない拷問逆エビ固めであっさりマンゴーを仕留めた。試合後「でてきた勇気は認めちゃるけん」という純二に対して「今日負けたのはマンゴーだ!アップルはまだ負けてない」と言い放つアップルは継続参戦
をアピール。阿蘇山に続いて純二が今年の標的に???

第4試合・最強九州男児決定
トーナメント1回戦
○旭志織(6分34秒 月食)がばいじいちゃん×

KAIENTAIDOJOのトーナメントで、これまでシングル、タッグと2度制覇している旭は今絶好調。年末はめんたい☆キッドをも退けて防衛を果たしたシングル王者。

そこに対するは、佐賀県武雄市が送り込んだ、という触れ込みになってる史上最高齢?のニューカマー、佐賀のがばいじいちゃん。着物姿で杖をつき、ゆっくり時間をかけて、客席から休み休み入場。

このじいちゃんのテーマ曲がなぜか「がばいばあちゃん」だったのは置いといて、完全にヨボヨボのおじいちゃんムーブ。リングインするのもやっとというありさま。しかも高齢のため杖が公認凶器になるとういう、九プロではちょっとありえないルール変更が
なされ旭も唖然。

「本当に試合する気あるの?」と飽きれつつもいざゴングが鳴ったらこの杖がやっかいで、タイミングよく急所うちを繰り出してなかなか旭にペースを掴ませない。じいちゃん、ここからなんとか杖をついてロープ綱渡りに挑戦。ただし腕を決めてないので旭がしぶしぶ付き合ってるのがわかる。

しびれを切らした旭は杖を奪いじいちゃんのバランスを崩してしまうと場内から大ブーイング。「いや、おかしいでしょう?」と頭を抱える旭。しかし非常な旭は杖を折ってしまった。しかしこれに怒ったじいちゃんは、なんとそこまで歩くのもやっとだった
のにいきなり高速ロープワークから宇宙人プランチャにスワンダイブドロップキック、さらにはスピードのある旭の阿吽をしのいだじいちゃんは、フィッシャーマンズスープレクス、がばいスプラッシュでフィニッシュを狙ってきた。

ええ~~~~!!!!会場大興奮!まあ本当にじいちゃんが闘ってるとは思わないにしろ、ここまでできる選手だったとは。あの旭志織がたじろぐ猛攻で一気に会場のハート
をわしづかみにしたじいちゃん!

だがこの猛攻もカウント2でかわされ、ラストは旭の月食に沈んだものの会場大興奮。
がばいじいちゃんはその名の通り「がばい(凄い)」じいちゃんだった。破れはしたものの、インパクト絶大の衝撃的なデビュー戦を飾ったのだ。

これは是非継続参戦してほしい逸材である。もう切り替えでは驚かないけど緩急自在の試合運びはただもんじゃない!!!また新たな新星が誕生したこの日のベストバウトだった!

第5試合・最強九州男児決定
トーナメント1回戦
×クルメンひろせ(9分15秒刀狩)秀吉○

昨年、「秀吉の中の人間は、最強の九州男児たい!」と九州男児であることをカミング
アウトしてこのトーナメントの火付け役になった大阪プロレスの秀吉。

「最強九州男児」を名乗る男としては初代王者となることは当然の目標である。大阪が誇る戦国タッグの看板もかかっている。かつてアステカの下で雑用をこなしていた頃の「彼」ではないのだ!

相手は、その戦国タッグ戦で能力を覚醒させたクルメンひろせ。体格差はあっても、そのスピードとテクニックには光るものがある。「完食宣言」をした秀吉を打ち取れるのか?

スピードとパワーの激しい攻防が続き試合はまたも白熱。しかし思わぬアクシデントがクルメンを襲う。試合中に肘を脱臼してしまいそこを見逃さない秀吉はあっさり刀狩でクルメンを仕留め2回戦進出を決定。ちょっともったいなかったな。一度はしのいだ刀狩りも二度目は返せなかった・・・・

ここでやっと休憩。いや思った以上に長い。この日は地元マスコミの取材もたくさん入っていてさすが理事長の行動力には舌をまくばかりだったが彼らにはどう映ったろうか?

第6試合・最強九州男児決定トーナメント1回戦
×せごどん(10分15秒 スクールボーイ)バンバン・ギラン○

昨年12月に初登場した、薩摩最強戦士せごどん。「鹿児島が最強です。」と優勝宣言してタッグ組んだ阿蘇山をいきなり裏切っての参戦。

対するは、先日、九州プロレスと業務提携を発表した、サッカーJ2(当時)、ギラヴァンツ北九州からの刺客。この日デビューのバンバン・ギラン。以前、がむしゃらのマスターと「名古屋にグランパスマスクがいるんだからギラヴァンツマスクとかいたらいいですね」と話をしてたことがあったんだが、いや、なんでもいっておくもんだな。

しかもマスコットのギランくん先導で気合十分に入ってくるバンバンギラン。しかしマスクにくちばしがついていて視界の悪そうなマスクデザインとサッカーのユニフォームをそのまま着こんだバンバンギランは明らかに動きずらそう。

まあ、ライガーの「デビュー戦」がそうだったんだけど、こういう全身コスの選手は慣れてないと呼吸困難になったりスタミナロスしたりする。ましてや素顔とは違うキャラも確立しないといけないから中身の選手は大変だったと思う。

がばいじちゃんのせいでハードルもあがっちゃったし、そういう意味では気の毒ではあった。おまけにコスチュームが途中でずれちゃうし。しきりに気にしてたなあ・・・・

それでも小気味いい動きでせごどんを翻弄し、体格差を感じさせない闘いぶりはさすが。せごどんも、パワー溢れる「桜島落とし」や、必殺技、トップロープからの「飛ぶが如く」でフィニッシュを狙ってくる。ここで引き立て役には回りたくないせごどん
も必死。なんとか生還したギランは「黄金の右」、そしてその場跳びのムーンサルトプレス、翼ラリアットと畳みかけ、大型のせごどんをギラン式スクールボーイで丸め込み
3カウントをとった。しかし、2回戦の相手はディアブロ対めんたいの勝者。どっとが勝ちあがっても厳しいなあ。

青息吐息のバンバンギランをギランくんが無理やり立たせて勝ち名乗りさせたのはちょっと気の毒だったかな。

第7試合・最強九州男児決定トーナメント1回戦
×阿蘇山(8分13秒 スクールボーイ)相島勇人○

暮れのタッグトーナメントも制覇し、復帰後向かうところ敵無しの相島。一回戦の相手は、遂に「本気」を出した?阿蘇山。リングインした相島は新人レフェリーのスキンヘッドに早速いちゃもん。「まねすんじゃねえ!」「なに剃り残してるんだよ!」といいたい放題。

確かに相島は口だけでないガタイでも勝負できる選手なんで、同じくガタイのいい阿蘇山との真っ向勝負はむしろのぞむところだったろう。

序盤から阿蘇山は、真正面から相島を潰しにかかってきた。これに対して相島は、戦術を頭脳戦に切り替え、相手の勢いをすかす方向に舵をきった。ラストは一瞬のスクールボーイで丸め込み阿蘇山から逆転勝利。二回戦、因縁の台風戦が決定。

「おい!山!プロレスってのはな。身体使うだけじゃねーんだよ!ちーーとこっち(頭)を使わねーと勝てねーんだよ!」とマイクも絶好調。

第8試合・最強九州男児決定トーナメント1回戦
○めんたい☆キッド(13分27秒片エビ固め)ディアブロ×
※めんたいスプラッシュ

前回のタッグトーナメントでディアブロに敗れ優勝を逃しためんたい☆キッド。実は一度もディアブロには勝った事がない。だがこの相手をを倒さなければ、最強の九州男児にはなれないと、気合いはいつも以上に十分!

めんたいはゴングと同時にディアブロに奇襲。馬乗りナックル!さらにコーナーに詰めてもなおこぶしをふるう。さらに序盤から、ディアブロのパワー封じとばかりに腕ひしぎ逆十字、腕へのコーナーtoコーナーミサイルキックと速攻で畳みかける。

なりふり構わぬめんたいに一時防戦状態になったが、セコンドの相島の介入もあって
ディアブロは、セコンドの相島も加わり、チェーン絞首刑、悪魔首折り弾と大逆襲!めんたいのマスクも切り裂き、精神的にも追い込んでいく。フィニッシュを狙った必殺
ディアブロドライバーはめんたい、2.9でなんとかキックアウト。

しかしここで筑前も登場し、介入を繰り返すセコンド・相島を抑えにかかる。逆に怒り心頭のめんたいはなんとチェーンを奪っての絞首刑に。ここはレフェリーの注意を受けるも激しい攻撃はやまず、ついに見事なめんたいスプラッシュを決め、めんたい☆キッド、ディアブロから大逆転の初勝利を奪う事に成功!

マイクをとっためんたいは「ディアブロ! 同じマスクマンなら、どんだけマスクが神聖なもんか、わかっとろーもん!」となおも怒りを爆発。助けに入った筑前にも「最強の九州男児の座は譲りませんけん」と宣戦布告。望むところ筑前もこれを受け最後は「北九州ば、元気にするバイ!」で大会をしめた。

いや、長い大会だった。正直どうなるかなと思ったけどまずまず成功してよかった。

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