PALOMA EXPO’26
(2026年10月24日・土・広島産業会館東館)
イントロダクション
広島でのプロレス観戦は2019年10月6日の「西日本社会人プロレスサミット」以来7年ぶりになる。
隣県であり、かつて4年間過ごしてきた思い出の場所なのに、随分とご無沙汰してしまった。
その広島で「アカプルコ」というお店を経営しているレイ・パロマ選手の自主興行が「PALOMA EXPO’26」である。

副題に「アカプルコ10周年レイ・パロマデビュー26周年」とあるように、どちらかというとアカプルコの方に重きが置かれているような気がする。
実はアカプルコでアフターパーティーもあるらしいのだが、そもそもこの日は宿がとれなくて、日帰りも確定してしまった。
それでも自分の誕生日に、かつて住んでいた街でプロレスが見られるというのは、これ以上ない贅沢ではある。
自宅→広島駅
「西日本社会人プロレスサミット」が開催されたのは、今はなき広島マリーナホップという会場だった。

したがって、広島産業会館となると、同年8月のFREEDOMS以来ということになる。

迎えた当日、季節外れの台風接近に伴い、あいにくの空模様。
まだ上陸こそしていないものの、早いうちにイベントが中止になるなど、慌ただしい雰囲気になっていた。
しかも新下関へ行く道が大渋滞し、迂回して駅周辺にたどり着いたら、駐車場が満車。

何回かぐるぐる回ったあと、ようやく空いた場所に車を滑り込ませた。


本来なら14時台の便で向かいたかったのだが、この遅刻で1時間遅れて広島に向かうことになった。

広島駅→広島産業会館東館
7年ぶりに来た広島駅はその様相をガラッと変えてきていた。
駅ビルをはじめ、広島駅周辺はすっかり大都会のような様相を呈しており、見違えるような街並みにはただただ驚かされた。
路面電車は駅構内まで入っており、乗り降りもしやすくなっていた。
イメージとしては小倉駅のモノレール風になったと言っていいかもしれない。

広島焼きで軽く晩飯を食べたあと、産業会館方面に行く電車に乗り、駅から徒歩で東館へ。

中に入ると既に満員の観客が席を埋めており、かなり蒸し暑く感じるくらいだった。



スペシャルシングルマッチ
15分一本勝負
◯レイ・パロマ 対 ×安芸戦士メープルカイザー(3分20秒)
もともと12年前、メープルカイザーの引退試合にあたり、対戦予定だったパロマが負傷欠場してしまったため、メープルカイザーが一夜限りの復活を遂げ、あらためて引退試合を行うというのがこのカード。



さすがに12年のブランクは埋められなかったものの、メープルカイザーは結構頑張ってはいた。しかしパロマがおちゃらけなしで叩き潰しにきていたのが印象的な試合になっていた。

時間にしてわずか3分少し。しかし、メープルカイザーは清々しそうにみえた。

そんな姿に「プロレスはやめてもヒーローはやめないでください」とパロマが声をかけ、最後はノーサイドで幕となった。

第一試合
15分一本勝負
◯小河彪 対 ×開本貴洋(7分21秒)
2025年に旗揚げしたプロレスリング「アップタウン」で、同年12月にデビューした小河と、ダブプロレスで2023年にデビューしている開本とのシングルマッチ。

小河は初めて見たが、身体がデカいし身軽。

開本は迫力ある水平チョップで追い詰めたが、小河もこれに呼応。


ダブ対アップタウンの若者同士の激しいラリーが続いていく。
しかし小河は大柄な身体を活かした攻撃がうまい。

この辺が開本との差として現れたのかもしれない。

結果、あと一歩及ばず。アップタウン対ダブの団体対抗戦は小河が先制する形になった。

第二試合3WAYマッチ
15分一本勝負
×佐野直 対 ◯KEN 対 イデア(4分24秒)
KENは、2019年8月10日、ダブプロレス預かりの練習生「Ken」として暗黒プロレス組織666に入団した選手。
かたや、イデアは、大阪府を拠点に活動する日本のローカルプロレスラーであり、無料プロレス団体「NPWプロレス」の3代目代表である。
そして佐野直は1997年にIWA格闘志塾でデビューした、関東のインディシーンではお馴染みの選手である。

しかし、試合はなぜか佐野とKENだけが激しくやり合い、ほとんど場外で激しく揉み合う。

残されたイデアは1人リングの上で置いてけぼりを喰らわされる羽目に。


ようやく2人がリング内に戻ってきて、3WAYになるかと思いきや、気づけばまたイデアが蚊帳の外に追い出されてしまう。

結局、わずか3分ちょっとで佐野がKENから勝利を奪い取り、とうとうイデアは最後まで試合に絡ませてもらえなかった。
第三試合 タッグマッチ
20分一本勝負
渡邊龍太郎&×清水佑 対 ◯デイモス&オマル(9分34秒)
愛媛で活躍する渡邉と、名古屋のスポルティーバ所属の清水が、シークレットベースに参戦経験があるデイモスとオマルのチームと対戦する。
九州方面ではまず見られない顔合わせだけに、楽しみでならない。

覆面選手のデイモスとオマルの外国人タッグは、イタリア出身のデイモスが頭一つ抜けてでかい。

ただ、渡邉も清水もよく喰らいついたと思う。

それでも外国人コンビのタッチワークは群を抜いており、渡邉と清水はなんとか追いつこうと必死になっていたように見えた。


全体的に3WAYに続いて、これも割とあっさり目の試合だったと思う。
第四試合 6人タッグマッチ
20分一本勝負
TORU&三原一晃&◯ヴァンヴェール・ジャック 対 政宗&×秦野友貴&進佑哉(13分16秒)
大阪を拠点に活動しているTORUと三原に、博多の悪ガキ集団MY WAYのヴァンヴェール・ジャックが加わった6メンタッグ。
対戦相手の政宗と進は言うまでもなく、秦野は2022年4月にはヒートアップ生え抜き8番目の男としてデビューし、現在DDTで活躍している佐藤大地とともに、HEAT-UPユニバーサルタッグ王者となった経歴もある。
若さとうまさがぶつかり合う試合は要注目と言えるだろう。

試合は政宗組が今勢いに乗るジャックに集中砲火を浴びせていく。今や複数のベルトを戴冠するジャックは敵からすれば美味しい相手。

特にベテランの政宗がしつこいくらいジャックに厳しい攻撃を仕掛けてくる。

しかし、これでくじけないのが、今のヴァンヴェール・ジャックなのだ。

厳しい攻撃を必死で耐えていくジャックだが、政宗はもとより、秦野も進もここぞという時に、実力を発揮してくるタイプ。
結局、ジャックが主に盾になり、三原とTORUが援護射撃する形にはなっていった。

しかし、今が旬だからこそヴァンヴェール・ジャックの勢いは止まらない。

三原とTORUの出番はそれほど多くはなく、自らが狙われる立場にありながら、そこから自力で這い上がってくる現在のジャックは、実力を存分に発揮したと言えよう。

最後は鮮やかなシューティングスタープレスで秦野を沈めて、自らが勝利を手にしたのだった。

ハーフタイムショー

プロレスリングJTOのホルスタイン・エンジュのクラリネット演奏がハーフタイムショーとして、幕間に取り入れられた。

第五試合 6人タッグマッチ
20分一本勝負
×黒潮TOKYOジャパン&立花誠吾&花薗桃花 対 ◯グンソ&谷嵜なおき&”brother”YASSHI(18分54秒)
こちらはアップタウン対ダブプロレスの対抗戦という試合。



どちらも代表格の選手が揃う中で、女子の花薗桃花が入っているのが見どころになりそうな予感がする。
最初こそ人相の悪いダブ勢が、桃花を女の子扱いしていくが、それだけで終わらないのが、花薗桃花。



泣き出したのは確かに桃花が最初なのだが、彼女が口火を切って、ダブの三人に次々とローブローを入れていく。
更にニヤリと笑いながら「小さいな」とダブ勢を完全に馬鹿にしてかかる。
これに傷ついたダブのメンバーを皮切りに、なぜかアップタウンのイカつい人間まで、全員泣き出す始末。

おまけにかわいい犬の人形をグンソが庇って、ニコニコになるなど、わけのわからない展開に抱腹絶倒。


キャラの立つ団体同士ならではの妙味が堪能できた試合だった。

最後は子犬を守ったグンソがイケメンを時間制限スレスレで仕留めて、地元広島で錦を飾った。

セミファイナル シングルマッチ
30分一本勝負
×岡田剛史 対 ◯田中将斗(10分30秒 スライディングD)
記憶が確かならば、当初、岡田の対戦相手はなかなか決まらなかったように思う。
そして、それが田中将斗と発表された時の衝撃はなかなかのものであった。

試合は、格闘技色とストリートファイトの色合いが抜群に織り込まれた名勝負となった。


岡田はスーパーフライを膝で迎撃するなど、中盤まで田中将斗にペースを握らせず、鋭いキックを田中の胸板に何度も叩き込むなど、優勢に攻め続けていた。


しかし、若いころから厳しい攻撃を喰らい続けてきた田中将斗は、厳しい攻撃も跳ね返していく頑丈さで、岡田を窮地に追い込んでいく。

最後はスライディングDの前に岡田は沈められる結果となった。

試合後は両者が健闘を讃えあい、ノーサイド。見事な好勝負だったと思った。
メインイベント
30分一本勝負
宮本裕向&×近野剣心 対 ◯レイ・パロマ&越中詩郎(13分37秒 逆さ押さえ込み)
メインに登場するのは、いずれも広島にゆかりがある選手ばかり。
パロマのパートナーはXとなっていたが、ほかの3人が広島絡みとしたら、このXもそうなる確率が高いのではないだろうか?

メインはMC Shujiリングアナがリング上から、一人一人選手を呼び込むスタイル。
パロマのパートナーXは越中詩郎。

見たことのないようなデザインの袴が異様に目立っていたが、「島根で藤田(ミノル)くんからぶんどったんだよ」ということらしい。


大事に着ているようで、思った以上に似合っていた。
越中と広島は縁が深いわけではないのだけど、中国地方でつながれた袴がこうして試合に登場するのも大変興味深かった。

その越中がサポートする形で、パロマも大いに頑張った。もちろんロングタイツが途中で脱げてしまうのもお約束。





結果はパロマが剣心を逆さ押さえ込みで仕留め、自らの記念試合に勝利した。
エンディング
パロマが越中に対する礼を述べ、自分に足りてないというヒップアタックの継承を願い出て、越中もそれを了承。



最後は出場選手全員が四方のお客さんに向かって記念撮影。
終わってみれば立ち見も出る大入満員の盛況ぶり。パロマエキスポは大成功のうちに幕を閉じた。

後記
帰りがけ、私の席の後方に設置された本部席にいたMC Shujiアナにご挨拶。
篠栗ではお声がけできなかったので、産業会館でお話できて嬉しかった。なんか変な気分だったけど。



帰りの路面電車に一本乗り損ねてしまい、一本後の電車で広島駅へ。
結局、最終便のこだまで帰ることになったが、行きも帰りもワンピース新幹線で往復することになった。

こうして誕生日記念観戦は無事終了となった。
最初から最後までこれでもかというくらいの密度が濃い大会に大満足の一日だった。
いつかアカプルコにも行って、美味しい料理も食べてみたいと思っている。

次回の広島は11月8日。かつて下宿していた祇園町の近くにある可部駅で無料のイベント試合がある。
昭和末に4年間住む中で可部駅は最寄り駅としてずっと使っていた。
令和になってからは初めて行くけど、約40年ぶりの可部がどう変化しているのか、今から楽しみでならない。

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