[プロレス観戦記] がむしゃらプロレスGAM-1 CLIMAX ‘2022

がむしゃらプロレス観戦記

がむしゃらプロレスGAM-1 CLIMAX ‘2022(2022年10月2日・門司赤煉瓦プレイス)

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イントロダクション

主催大会としては七月以来となるがむしゃらプロレス。

9月18日には、久々になるからあげ王座決定戦で、イベント試合が予定されていたが、イベント当日に台風が上陸し、からあげ決定戦自体、17日のみの開催となり、試合は中止。

その間、がむしゃらの選手たちは、柳生や防府、島根などで試合を行っていた。

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台風による中止は、選手サイドから見れば、いい休養に充てられたかもしれない。

さて、秋のがむしゃら主催大会は、近年矢野貴義生誕祭が入っていたが、今年はGAM1 CLIMAXになった。

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年末のGAMSHARA MANIA に向けて、タイトルマッチに絡むストーリーを生み出すには、少し時間が足りないような気もするが、鉄は熱いうちに打てということなら、このタイミングもアリかもしれない。

10月1日に…

ところが、前日にプロレス界を揺るがす大事件がおきてしまう。燃える闘魂・アントニオ猪木さんの逝去である。

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SNSでも書いたが、がむしゃらプロレスの先生である阿蘇山の師匠は、新日本プロレスでキャリアをスタートさせた仲野信市である。

両者は、仲野がレッスル夢ファクトリーに在籍していた時に、接点があった。

つまり、猪木さんから薫陶を受けた仲野に指導された阿蘇山は、猪木さんの孫弟子にあたる。

そして、阿蘇山に指導されているがむしゃらプロレス勢は、猪木さんからしたら、ひ孫弟子にあたる。

九州の片隅にも、脈々と受け継がれている「闘魂の遺伝子」は、猪木さん亡き後も、プロレスの歴史を紡ぎ続けているのだ。

オープニング

オープニングアクトは、トゥエルノ・ゲレーロと、ダイナマイト九州。まず、1日に亡くなられたアントニオ猪木さんに、会場全員で黙祷とテンカウント。

ちなみに、客入りしてからのBGMは、ずっとさまざまなバージョン違いの「炎のファイター」が流されていた。

しんみりしたのも束の間。出演したラジオ番組の会場での反響が薄く、九州は前説で愚痴り出した。

とはいえ、大会前に「親戚」の出していたお菓子は完売と大盛況だったのだが(笑)

前説の後は全選手入場式。それぞれが思いの丈を述べていたが、全員気合十分。

 

そして、来年設立20周年になるがむしゃらプロレスは、記念大会として年末に行うGAMSHARA MANIA を年始1月15日に開催すると発表があった。

本家新日本よりスパンが短く、年始にGAM1優勝者とGWAヘビー級王者がぶつかり合う闘いは見逃せないこと間違いない!

▼オープニングタッグマッチ(30分1本勝負)

×HAGGAR & 久保希望vs KENZO & ○尾原毅
(13分22秒ハイキック→エビ固め)

SNSで盛んにGAM1出場をアピールしながら、結局トーナメント出場が見送られたKENZO。

HAGGAR共々、そろそろ新人の域は脱しつつあるが、お楽しみは来年以降にとっておくとしよう。

防府でも成長著しいところをみせた、KENZOと HAGGARが、現GWAヘビー級の尾原と、GWA6人タッグチャンピオンの久保の前で、どれだけ自分らしい試合ができるか?

この中で注目していたのは、HAGGARと尾原の絡み。蹴りと関節というファイトスタイルは、両者に共通している。

あとは、若さと勢いのあるHAGGARか?王者であり、キャリアも重ねた尾原か?

試合は、尾原対久保という6人タッグ王者同士のマッチアップでスタートし、しばらくはKENZO対HAGGARと交互に展開していくが、やがて久保対KENZO、尾原対HAGGARの顔合わせに移っていく。

こうなると、キャリアの前に新人2人は翻弄されていく。特に「くぼさとうパンダ」の被り物で入場する久保は、ライバル?のクマゾーに目をつけた。

あろう事か、クマゾーを凶器に使ってやりたい放題。

あるものはなんでも使うのが、久保のインサイドワークなら、尾原のそれは老獪な試合運びとコンビネーション。

さすがにベテランの旨味の前では、KENZOもHAGGARもキャリア不足を露呈してしまう。

急成長している彼らでさえ、GAM1を勝ち抜けるイメージができない。それが現時点での現実だと思う。

しかし、収穫だったのはKENZOに比べて、表情が乏しかったHAGGARに、はじめて感情がみえたことだった。

特に尾原の厳しい攻めを耐え抜いた事は、この試合一番のハイライトになった。欲を言えば、関節とられても切り返していけたら、なお良いのだが、それはこれからの課題にしておこう。

結果的には、関節でギブアップしないHAGGARを尾原がハイキックで沈め、強引にフォール勝ちしたが、試合後のマイクで急成長した新人2人を認めていた。

来年のGAM1はもしかすると…。

▼GAM-1 Aブロック1回戦(時間無制限1本勝負)

×サムソン澤田 vs ○鉄生
(12分07秒金的→スクールボーイ)

共に、Re:ZARDとして活動する澤田と鉄生は、シングル初対決。

パワーとパワーならば鉄生に分があるけれど、こと関節が硬いがゆえに、澤田の関節技は脅威である。

とはいえ、そんな事は百も承知だろうし、同ユニット同士ならではの、裏の読み合い、かきあいがポイントになりそうである。

試合開始前から、「同じRe:ZARDだから勝ちを譲れ」と鉄生にいきなり要求してくるサムソン。

いつのまにか、Re:ZARDのスポークスマン的な役割を担ってきたが、自分が負け役にはならないあたり、自己主張の強さをみせてくる。

サムソンのマイクにあった通り、左膝に不安がある鉄生は、大人しく寝っ転がり、サムソンがフォールすると、カウント3つ前でキックアウト。

ここから、お互いの自己主張をぶつけ合うバチバチファイトに終始していく。

面白いのは、ハードコア未経験であるはずのサムソンが、自らハードコアを仕掛けていった点で、得意のグラウンドと併せて効果的に鉄生の膝に一点集中攻撃をみせていく。

さすがにこれを耐え凌ぐだけでは、トーナメントに影響してくる。GAM1優勝歴もある鉄生は、その辺も心得ており、レフェリーをセコンドにいたジェロニモに惹きつけてからの、金的→スクールボーイで、鉄生が辛勝!

ヒールながら散々丸め込まれて敗戦してきた体験を、はじめてプラスに転じた鉄生が、難敵サムソンを振り切り、まずはAブロック初戦勝ち上がりを決めた。

▼GAM-1 Bブロック1回戦(時間無制限1本勝負)

○陽樹 vs ×HIROYA
(13分29秒デスバレーボム)

SNSで散々舌戦を繰り広げてきたHIROYAと陽樹。そろそろシングルの勲章がほしいHIROYAと、現チャンピオン尾原にリベンジしたい陽樹の思惑がぶつかり合い、どちらも負けたくない試合であるのは確かである。

入場が見せ場の陽樹が先に入り、戦闘態勢に入る…前に、反対側コーナーからダッシュしてきたHIROYAが奇襲。

先手を打ったHIROYAは、Re:ZARDの領域である場外に雪崩れ込み、観客席を破壊しながら、ハードコアバトルを仕掛けてきた!

しかし、陽樹も葛西純&竹田誠志と闘って覚醒した経験者。先手を取られたくらいでは、早々は揺るがない。

心理的に相手のフィールドに連れ出して、場外でダメージを与える計算だったHIROYAだが、少し場外にいる時間が長すぎた。

レフェリーもGAM1だからこそ、リング内に入れようとするが、あれは正直カウントアウトにしても良かったと思う。

先手を打ったはずのHIROYAだが、リングに戻れば陽樹にはさほどダメージはなく、あっさり反撃を許してしまう。

HIROYAは、今まで先輩に対しても臆する事ない強心臓ぶりで、新人時代から規格はずれな選手だった。

穴らしい穴もみせずに、タッグのチャンピオンにまで登り詰めたので、私も忘れていたが、キャリア的にはKENZOやHAGGARのすぐ上がHIROYAなのだ。

この試合では、今まで武器になっていたHIROYAの若さと勢いと強心臓が全部裏目に出た感じがした。

これだからプロレスは難しい。ヘビー級として非常に恵まれた身体をもち、ハートも強いHIROYAが、若さを曝け出して負けてしまうのだ。

結果だけみれば陽樹が要所要所のポイントで、ダメージを与えて、HIROYAにトドメを刺した。

先手必勝が通用しないプロレスの奥深さを見せられた試合だった。

▼タッグマッチ(疲れん程度1本勝負)

×パンチ君 & ブラック☆スティック vs ダイナマイト九州 & ○リキ・ライタ
(15分39秒丸め込み)

7月に、ゲレーロを破る殊勲の勝利を挙げたリキ・ライタ。リバウンドしたら、ジュニアの体重ではなくなってしまう危険性はあるのだが、ホームである「疲れん程度」でも存在感が発揮できるかどうか。

そのリキ・ライタのパートナーは、水面下でGAM1出場を狙っていたダイナマイト九州。

実は2013年に出場した時は、大本命の林祥弘を破っている実績もある。

しかし、その試合で負傷し、棄権。繰り上げで勝ち上がった林が優勝してしまうというGAM1史上例がない珍事件もおこしているのだ。

GAM1に関係がないようで、実はしっかり因縁があるこのチームには要注目である。

入場は、先輩方3人(なぜか敵チームのダイナマイト九州も含めて)が先に入場。

今月末がハロウィンという事で、3人がお菓子を配りながら入ってきた。

そして「トゥエルノ・ゲレーロに勝った男」というキャッチフレーズがつけられた、リキ・ライタは何と単独入場。

しかし、特別扱いはここまでで、序盤から中盤は、九州とブラック☆スティックやパンチくんがひたすら戯れ合うという展開に。

コーナーにいるリキ・ライタには、出番すら与えられない。

下手すればこのまま終わりかねない中、ノータッチルールを活かしてようやくリキ・ライタがリングインしたら、今度は九州とブラック☆スティックが場外戦をはじめてしまう。

散々待った末のリキの見せ場なのに、誰1人としてリング内を見ていない、という非情な事態に陥ってしまう。

しかし、そこは「トゥエルノ・ゲレーロに勝った男」だけあって、成長の跡を見せたリキ・ライタは、ついにパンチくんを丸め込んで、自力勝利。

試合終了後「お前は、いつまでも疲れん程度で試合していていいのか?」と、九州がまさかの「卒業宣告」までしたが、リキ・ライタはそれには応えず。

しかし、リキ・ライタが抜けてしまうと、疲れん程度のメンバーに穴があいてし、そこまで本当に考えていたかどうかまでは、この試合ではわからずじまいだった。

▼GAM-1 Aブロック2回戦(時間無制限1本勝負)

×豪右衛門 vs ○鉄生
(10分07秒変形肩固め)

2022年にがむしゃらプロレス復帰を宣言した豪右衛門。

ただですらブランクがある上に、MIKIHISAがジュニア戴冠、尾原がヘビー級戴冠と、NASTY OUTSIDERSの仲間たちの活躍は、頼もしく感じる反面「置いていかれたくない」気持ちもあるだろう。

うまい具合に転がれば、勝ちにつながるが、焦りを生むと足元を掬われかねない。

全選手入場式で「優勝したらやりたい事がある」と言った豪右衛門。

当然、狙うは鉄生の左膝一点のみ。復帰して間もない豪右衛門にとって、シード枠を獲得できたのは、ラッキーともいえる。

実際、豪右衛門は自分の体重も乗せる形で、鉄生の膝を破壊しにいく。

片エビにとらえたあたりまでは、おそらく豪右衛門の計算通りの展開だったはず。

しかし、プロレスのトーナメントで、シード枠が決勝に残り、優勝してしまう例は決して多くはない。

GAM1もその例に漏れず、よほど特殊な例でもない限り、1日三試合した方が優勝している。

だから事前アンケートで、鉄生と陽樹が最多得票したのは、そうした事例を踏まえての予想だったのだ、と私は考えている。

果たして、豪右衛門の執拗な足殺しを耐え切った鉄生は、まさかの関節技で豪右衛門からタップアウトを奪った。

考えてみたら、肩固めは鉄生がデビュー当時得意にしており、最近は見せていなかった技。

それを変形で出してくるあたりに、鉄生のトーナメントにかける並々ならぬ意気込みを感じた。

さて、これで陽樹が勝ち上がれば、予想通り久々の鉄生対陽樹…しかも、Re:ZARDになってから初の「同門対決」が実現することになるのだが・・・

▼GAM-1 Bブロック2回戦(時間無制限1本勝負)

○SMITH vs ×陽樹
(10分22秒逆さ抑え込み)

久々の表舞台に燃えているであろうSMITH代表。個人的には、GAM1のSMITHは、一回戦から勝ち上がって気がつけば優勝しているイメージなんで、シードされて、後半から登場するというのは、なんだか見慣れない感じがした。

とはいえ、SMITHほどのベテランになれば、試合順など大した問題ではないだろう。

無冠だけど、欲まで無くしたわけではないSMITHは、このトーナメントでどうでてくるだろうか?

第五試合でも書いた通り、トーナメントでシード選手が勝ち抜ける例は少ない。

そもそも陽樹にしろ、SMITHにしろ、一回戦から三試合した方が勢いづくタイプなんで、今回シード枠にいってしまったSMITHが、どういう手に出てくるか?

とはいえ、策士SMITHは、第二試合から延々と続く場外戦に、自ら陽樹を誘い込もうとする。

セコンドについている、HIROYAもイスを持ち出して、一触即発。

しかし、陽樹がそれに乗っかって場外に出ると、今度はSMITHがリングインし、あわよくば何か仕掛けようとする。

こうなると、陽樹のリズムは完全に狂わされた。

しきりに「やりづれえわ!」と口にする陽樹に対して、飄々と自分の試合展開を作り上げていくSMITH。

これはかつて、何度も実現した陽樹対SMITHの焼き直しのような展開である。

GWAのベルトも巻き、がむしゃらプロレスで確実に一時代を築いてきた陽樹ほどの選手でも、こと対SMITHになると、若手時代に引き摺り戻されてしまう。

人間的には、決して相容れないはずの鉄生とは、ハードコアを通じてRe:ZARD結成にまで至った。

しかし、SMITHとはそうした邂逅するチャンスがありそうでなかった。

ということは、手の内をさらしていない相手としてSMITHにとっては、陽樹こそ与しやすい相手だったことになる。

ご丁寧に、前半から押さえ込みを連発するなどの布石を作っておいて、要所要所でエクスプロイダーや、シスター・アビゲイルをさらっと混ぜてからの、最後は逆さ押さえ込み。

完璧すぎるSMITHワールドだった。ちょっと上手くいきすぎた感じもしたけど、ベテランがこれで勢いづいたのは間違いない。

▼Jr.ヘビー級 スペシャルタッグマッチ(30分1本勝負)

YASU & ○アストロZ vs ×MIKIHISA & トゥルエノ・ゲレーロ
(17分19秒グラウンド卍→タップアウト)

七月は惜しくも欠場したアストロZが、満を持してのがむしゃらに参戦。

以前、リング上で挨拶した際は、がむしゃらのジュニアを狙うと公言していたが、ターゲットになるMIKIHISAは、対角線上にいる。

果たしてアストロZは、どう動いてくるか?そして、パートナーのYASUも七月の汚名返上を狙ってきそうなだけに、目が離せない試合になりそうだ。

アストロZを除いた3人は、七月の大会にも出ていた「がむしゃらジュニアの現在」である。

しかし、プロデビューもして、防府でも適応能力の高さをみせつけていたアストロZは、すんなりとこの輪に入っていく。

見ていて思うのは、ジュニアでありながら、タッグチャンピオンでもあるゲレーロが、実に嬉しそうにこの中で戦っていた事。

純粋にジュニアとして闘える喜びに溢れていたようにみえた。

さて、やはりGWAジュニアを狙うと公言しているアストロZのターゲットは、やはりジュニアトーナメント優勝者であり、現ジュニアチャンピオンのMIKIHISA。

持ち味の蹴りは、対戦相手が嫌がる威力があるのだが、そこはさすがアストロZ。

MIKIHISAの厳しい蹴りもガンガン受けていく耐久力と、逆転に転じる瞬発力は、4人の中でも抜きん出ていた。

それに加えて、山口県タッグとして柳生のリングで練習もしている、YASUとの連携もバッチリ。

不自然な感じはしなかったものの、元々ゲレーロとMIKIHISAは、所属ユニットも違い、組む機会もない。

最後は、YASUの好フォローで、MIKIHISAを追い込んで捕獲したアストロZが、グラウンド卍で現役チャンピオンからギブアップ。

華☆激だとまだまだ若手の位置にいるアストロZだが、この試合ではさすがの強さをみせてきた。

そしてマイクで、GWAジュニアへの挑戦をアピールしたアストロZに対して、最初は少し難色を示したチャンピオンだったが、最終的には挑戦を受諾した。

これによって、長らく動いてこなかったGWAジュニア戦線が一気に活性化してきた。

一月の20周年大会における目玉カードの一つが、ここで決定した事になる。ギブアップ負けという屈辱をMIKIHISAは、倍返しできるか?それとも勢いに乗るアストロZが、再びベルトを海峡の向こうに持ち帰るか?

▼GAM-1 優勝決定戦(時間無制限1本勝負)

○鉄生 vs ×SMITH
(13分33秒鋼鉄ロケットランチャー)

シード選手にとって初戦突破は鬼門になりやすいのだが、SMITHは策を弄して決勝に出てきた。

しかし、SMITHが「追う立場」として、GWAヘビーを戴冠してから13年。全選手の高い壁だった頃とは立場もキャリアも大きく変化した。

がむしゃらプロレスの代表となり、既に追われる立場からも一線を引いたSMITHは、いつの間にか「まだまだできるベテラン」になっていた。

要するに緩やかにレジェンド枠に移行し始めていたのが、ここ最近のSMITHだった。

しかも、決勝の相手はSMITHがまだ高い壁だった頃にベルトを剥がしていった鉄生である。

おそらく鉄生には、その時の成功体験が刻まれているし、逆にSMITHにはほろ苦い想い出になっているはずである。

しかし、大方が自身を下り坂としてみている事にSMITHは激しく抵抗した。

それが陽樹戦だったと私は思っているし、この試合で、先にダイビングニーを決めようととした事からも窺える。

ところが、SMITHはこれであろうことか自身の膝にダメージを負ってしまう。まさかのアクシデント!

かつて「全三試合を一つの試合として、計算している」と話したSMITHのお株を奪っていたのは、鉄生の方だった。

第一試合では丸め込み、第二試合では関節技とそれぞれ異なるフィニッシャーを用いてきた鉄生。

もちろんSMITHは容赦なく左膝を狙ってはきたのだが、それも鉄生は織り込み済みだったのだろう。

むしろ膝を攻められた事で、かつてSMITH越えを果たした試合のように、鋼鉄ロケットランチャー(コーナー最上段からのダイビングヘッドバット)の連発はできなくなっていたのも好都合だった。

それでも念入りに、一発で仕留める威力がある鋼鉄ロケットランチャーを連発。

ついに、時間に抗うSMITHを沈め、鉄生が激闘を制した。

エンディング

試合終了後、マイクを握った鉄生は杖をつきながらも、膝攻めしてきた対戦相手に対して「ザマーミロ!」と悪態をつく。

そして、かえす刀で「今まで興味はなかった」と言いつつも、現GWAヘビー王者・尾原毅を呼び出した。

もちろん試合を見ていた尾原は対戦を受諾しつつも、鉄生の膝破壊も同時に宣言。

これによって、1月15日のメインは鉄生対尾原で決定…したはずだったのだが、話はこれで終わりではなかった。

鉄生は、年内に大会がないことに不満を示し、運営に対して年内にもう一大会の開催を要求。

後日、ミーティングの結果、11月26日土曜日に主催試合の緊急開催が決定。しかも翌日には、プロレスリングFREEDAMSの北九州大会があり、がむしゃらプロレスも出場するのである。

FREEDAMSが預かり知らないところで、巻き込まれた形にはなったが、この連戦が一月に繋がるのは間違いない。

さあ、どうなっていくのだろうか?

後記

余談だが、決勝に進出した時点で、ダイナマイト級チャンピオンだったのは、SMITH。

タイトル保持者に勝つと自動的に移動するため、鉄生はGAM1 CLIMAX覇者と、九州ダイナマイト級新チャンピオンというダブルタイトルを手にした。

数々のタイトルホルダーでもある鉄生が、まさか自身初(と思われる)のダイナマイト級戴冠という意外な結果になるとは想像もしていなかった。

しかも、11月を鉄生が無敗で乗り切れば、来年一月のメインはGWAヘビーと、ダイナマイト級のダブルタイトルマッチになり、ダイナマイト級初のメインイベントでの試合になる。

別な意味でがむしゃらプロレス20周年の幕開けは、要注目のスタートになりそうだ。

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