[プロレスコラム] プロレス想い出回想録 我が青春の投稿常連会プレッシャー④ どうにもならなかった地方格差

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地方会員の重課税

我が青春の投稿常連会プレッシャー③ 過去のトラウマを乗り越えて…はこちらから

週刊プロレス投稿常連会プレッシャーは、全国規模の珍しいプロレスFCであった。80年代後半から90年代において、SNSのない時代に日本全国で繋がれる組織のメリットはたくさんあった。

しかし、地方の会員がその全てを享受できたか、というとそうではない。実際はどうにもならなかった地方格差というものがあって、地方民には都会への観戦には、チケット代+交通費+宿泊費というどうしようもない「重課税」が覆い被さってくる。

地方のプロレスのチカラ

そこへきて、収入は都会の方がいいのだから始末に負えない。田舎は物価が安いのと、人目に触れにくいという以外はデメリットだな、と当時の私も考えていた。

もっともここ10数年で、地域密着型団体が根を下ろした形で、東京にない「地方のプロレスのチカラ」が顕在化してくると、昔ほど地方のプロレスファンは東京にありがたみを感じなくなった。それはある意味健全ともいえる。

体験格差

ちなみに、プレッシャー絡みだと「プレッシャーの座談会が新日ドーム増刊号に顔写真入りで掲載された事がある」

「後楽園ホールそばやデンバーにUFC観に行った時に声かけられたり、プロレスラーの店のカウンターで話しをするとペンネームを知ってる人が多く、プロレス話もしやすかった」

という別な会員の証言もあるが、私は前者には参加していない。後者は人前で名乗っても違和感のないペンネームにしていたせいか、今まで気付かれたことはない。

イベントのためだけには

ついでにいうと、プレッシャーが一時期ラジオ番組をやっていた時期もあるが、これにも私は全く関わっていない。

プレッシャーのイベントは大概関東で開かれており、イベントのためだけに、私は関東には行っていないからである。

のちに東北でザ・グレート・サスケ&石川雄規両選手のトークショーと、私が共催したアステカ&川内大裕(現・九州プロレス・玄海)両選手との忘年会くらいが、私の知る限り地方で行われたプレッシャーのイベントのはず(合同観戦は除く)。

プロレス観戦は絶対

私には、あくまで関東・関西へはプロレスを観に行くという前提が絶対であり、イベント参加のためだけに、時間と金は最初から使う気はなかった。青森行きは本当に例外中の例外だったのだ。

もちろん、プロとして業界に関わったり、選手と親くなる事に憧れがなかったといえば、ウソになる。ただ、私は地方にいた事で、伏魔殿のようなプロレス業界とは適切な距離を保ち続けられた。

それはある意味幸運だったと思っている。プロレス関係者や、マスコミにならずに、ただプロレスファンとしてだけで、40数年過ごせたのは、私の財産の一つと言っていい。

現実は違う

後年、関東会員や関西会員のコネやツテで、ミスターヒトさんや、ザ・グレート・カブキさんのお店で貴重な話を聞けたのも、巡り巡ってきた恩恵だとも思っている。

ネット創世記には、「プレッシャー会員」=「業界や選手に近い」イメージをもたれていたようだが、現実は違う。強いて距離が近くなったとしたら、ここ10数年の話でしかない。

現状維持は結果的に

実際、近くなればなったで面倒くさいというか、関わりになりたくないというのが、プロレスラーであり、プロレス関係者である。

偏見?そう思われても仕方あるまい。だが、多分距離感を誤ると、私はもっと早くにプロレスの伏魔殿で我が身を滅ぼす結果になっていたかもしれない。

時が過ぎてみれば、現状維持というのが1番よい結末だったように、今では思えてならない。私は有名になりたかったわけでも、プロで飯を食っていく気もなかったからだ。

ステータス?

こうして、私が入会した当時、生のプロレスを見るには、自分の街にプロレス巡業がくるのを待つか、さもなくば大都会に自ら赴いて観戦するか、の二択しかなかった。

現代よりは人的交流が全体的に活発だったのが、1990年代初頭だったともいえるが、それは主に地方→都会という図式であって、逆はみちのくプロレスが出来るまではなかった。

折りしも、週刊プロレスが、地方のプロレスファンが都会のプロレス観戦に行く様を「密航」(週刊ゴングは「遠征」)と表現しており、そういう観戦スタイルは、ある意味ステータスでもあった、そんな時代でもあったのだ。だが、本当にそれはステータスだったんだろうか?

プロレス想い出回想録
プロレス“ザ・モンスター”ハラダが自らの体験を赤裸々に綴った回想録記事です。長い期間プロレスを見てきた彼が抱えてきた出会いと別れ、予想外の悲しみ、そして「楽になりたい」という想いとは?彼が「書く」ことで得た救いとは何だったのか?感動必至の一...






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