[プロレス観戦記] DDT | D王 GRAND PRIX 2023 in Fukuoka | (2023年12月16日)

DDTプロレス観戦記

DDT D王 GRAND PRIX 2023 in Fukuoka

(2023年12月16日・土・福岡・西鉄ホール:観衆:355人-満員-)

イントロダクション

ついに2023年最後の観戦になった。昨年はまさかの室温3℃の中で震えながら観戦していたが、今年は2年ぶりの西鉄ホール。

しかもD王となると、2020年以来だろうか?コロナ禍で一地方大会に格下げされた近年の福岡大会では久々のビッグタイトルである。

ただ、年の瀬に開催されるD王はなかなかリアルタイムで追うのが難しい。確かに他団体がビッグマッチをやらない年の瀬は「隙間」的にはピッタリなんだが、どうも忙しない感じがするのだ。

とはいえ、九州・山口方面はG1もN-1も来ないので、リーグ戦の開催は何げに嬉しかったりする。さて、今年のD王はどうなっていくだろうか?

今年も数々の団体が大会を開催した西鉄ホールも、2023年は今回がラスト。

とはいえ昨年のピヴォーレ福岡に比べたら冷暖房完備の西鉄ホールは天国みたいな場所だ。

ただし、団体サイドからすると日曜日は抑えにくい、終わりの時間が終バスに合わせて早めなどなど制約も多い会場だ。

来年の計画はまだ未定だが、どこからスタートするか、色々考えながら年の瀬を過ごすのも楽しみの一つになるだろう。

下関→西鉄ホール

金曜日は年末とは思えない暖かさで、気温は20℃越え。そこから一気に例年の気温に戻され、しかも強風という環境下で、出かけるにはハードルが高い状況になってしまった。

まあ、この気温が冬の当たり前ではあるんだけど、小倉着いたらまさかの20分待ち。

土日年末対応で早めに出かけたのが裏目に出たのだが、今更どうしようもない。途中道も渋滞していたし、いつも上手くいくことばかりじゃない。

しかし、昼飯も食べてきたし、特別することもないので、記事を書きながらホームで強風に耐えながら列車を待つことにした。

西鉄ホール到着→開場

今回は休憩なしで、サイン会も前半、後半でメンバーが分かれるスタイルになっていた。西鉄ホールは終わりの時間が決まっている会場なので、普段なら休憩を挟むDDTが休憩なしで、ダークマッチから9試合一気にやるという。

大丈夫かな?結構腰にきそうな気がするけど。

○ダークマッチ

九州産業大学プロレス研究部提供試合 15分一本勝負
紫雷イオナズン&⚪︎タイガーニシヤマスク(12分33秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め)喰霊斗たむ&×オカルト大魔王

過去DDTに九産大プロ研が試合したのは、私が知る限りなかったと記憶している。

多分OBのアズール・ドラゴン経由でブッキングされた試合だろう。

学プロの場合新人が入る反面、卒業していく人間もいるため、毎年一定のクオリティは期待できない。

しかし、真面目に取り組んでいれば、チャンスももらえるくらい、学プロの地位も上がってきた。あとは彼らがこの機会をどうモノにできるかどうかだけなのだ。

この試合だけ実況・解説付き。後でわかったんだが、このメンバーは全員社会人のOBらしい。

今の九産大プロレス研は、学生と社会人OBが混在している半学プロ、半社会人という極めて珍しい構成になっていた。

現役学生のレベルはわからないけど、今回上がった4人はクオリティも高く、以前観た時のような独りよがり感はなかった。

[プロレス観戦記] 第12回大橋サマーフェスティバル
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実は大社長がXでかなり前から「紫雷イオナズン」をチェックしていた事が判明。あの地位にいても、まだ人材発掘に余念がないのは、さすが大社長としかいいようがない。

大社長のXは大会終了後に見たので、実際知識はまっさらで見たのだが、個人的にはイオナズンのほかに、オカルト大魔王が気になった。

パンプアップしたパワー系ヒールというかのが面白くて、場数踏んでいるせいか?思った以上に、きちんとしていたし、見せ方も心得ていた。

まあ、リングに上がればプロもアマも関係ないからね。盛り上げ役として彼らはよい仕事をしたと思う。

機会があればまた見てみたいと思った。

オープニング

オープニングコールに指名されたのは男色ディーノと、大石真翔。大石がマイクをとり、KO-D6人タッグの前哨戦になる博多の試合で、「俺たちにはこれがある」と生ワサビをアピールした大石。

男色先生に無断でワサビを咥えさせて、それを相手に口移しで飲ませるという作戦を一方的に暴露。

嫌がる男色先生を無視したまこりんはそのままオープニングコールをして、勝手に大会をスタートさせてしまった。

○オープニングマッチ

30分一本勝負
坂口征夫&○高尾蒼馬(7分58秒 首固め)納谷幸男&×岡田佑介

当初発表がなかったオープニングマッチに納谷が登場。リーグ戦で見たかった気持ちはあるが、相手は坂口&高尾という曲者2人。

キャリアもある岡田がパートナーだし、うまくすれば、納谷のひとり舞台にもなりそうだが、果たしてどうなるだろうか?

試合が始まってみると、以前ならあの身体を持て余していた納谷が実に堂々とした試合運びをするではないか。

これに呼応して坂口&高尾も比較的容赦なくせめていくのだが、自分の体格を武器にできている今の納谷には小手先の変化球は通用しない。

それくらい今の納谷は試合内容が安定している。今回も全く危なげがなかったし、欲を言えば公式戦で納谷のシングルが見たかったなあ。

試合は、エンドレスワルツの要領で首固めを連発した高尾が、岡田から勝利。こういう丸め込み系、固め技系を持っているといざという時には役に立つ。

その見本みたいな試合だった。

○第二試合

スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
MAO&○小嶋斗偉&ヴァンヴェール・ジャック(9分33秒 不思議の国の小嶋〜コジマワンダーランド〜片エビ固め)アズールドラゴン&彰人&×須見和馬

久々の参戦で話題を呼んだヴァンヴェール・ジャック。多分記憶違いでなければ、アズールとの対決は初めてのはずだし、彰人みたいな曲者との対戦からは色々得るものがあるはずだ。

おそらく手が合うのは須見との絡みになるだろうが、異なるタイプである彰人やアズールが、ジャックにどういう試練を与えるのか?注目してみてみたい。

入場から息のあったThe 37KAMIINA&ジャック。

なぜかこの試合は須見和馬の強い要望でノータッチルールに変更された。しかし、この試合ですごかったのは、アズールとDDT選手たちの対応力。

普段どんなスタイルでもやっているせいか、ジャックを活かしながら、ジャックの領域で全員が勝負できるんだから、たいしたものである。

特にThe 37KAMIINAの2人は、本当に息もぴったりだったし、MAOがジャックに「副社長ボコろうぜ!」と悪い大人の誘いをかけたり、なかなか見応えがあった。

対抗戦だとこうはいかないけど、交流戦という場でいかにしてゲストを盛り立てられるか?普段から意識してるからできるんだろうな。

注目の須見対ジャック、ジャック対アズールはほんのさわり程度だったが、これは是非続きがみてみたい。実際は大人の事情で厳しいかもしれないが、ジャックがアズールと並んで遜色なくなっていたのは、昔から彼らの試合を見てきた人間としては非常に感慨深いものを感じた。

試合は、若さと勢いに勝るThe 37KAMIINA&ジャック組の勝利。この他団体ゲストを活かし切るというDDTの個性は他にない強みだし、それがまざまざとわかる内容だった。

○第三試合

Bブロック公式リーグ戦 30分一本勝負
×クリス・ブルックス<1勝3敗2点>(9分46秒 奇跡を呼ぶ一発逆転首固め)○平田一喜<1勝4敗2点>

いまだリーグ戦全敗の平田がもし勝つとしたら、クリスあたりかな?と思う。

ただ、平田のプロレスにも余裕で付き合えるクリスが負ける理由が見当たらない。

しかも生半可な勝ち方ではお客さんにも納得してもらえない。このあたりの匙加減は難しいところだろうなあ。

とにかく勝ちが欲しい平田は普段ならオープニングでたっぷり尺を使って、踊り切るところだが、今回は自分の入場テーマ曲の途中から、こっそり忍び寄ってレフェリーにゴングを要請。

背後から忍び寄ってクリスを急襲したが、ノーダメージのクリスがいきなりカウント3を取られるわけがない。

ここからはひたすら平田がやられ続けるという展開になっていき、会場の平田コールにクリスが「うるさい!」と遮ろうとする。

しかし、途中で諦めたのか平田はダンスを始めようとするが、これは度々クリスがカット。ならばとクリスに平田グラスをかけさせて視界を奪うという手に出たが、これも通用せず。

ところが策に溺れたようで、実は強かなのが平田一喜。だてにエクストリーム王者ではないところを見せてきた。

クリスの厳しい攻撃を耐えながら、奇跡を呼ぶ一発逆転首固めを連発。最後の最後で平田の執念が上まわり、前KO-D王者から殊勲のピン!

これこそが今の平田一喜がもつ力なんだよな。両国の対ヒロム戦はヒロムがDDTに寄せた事で話題になったけど、実はしっかり平田が自分のレベルアップをしていた事実には誰も気づいていない。

見事に対戦相手もお客さんも騙し切った平田のリーグ戦はこれで終了。しかし、エクストリームは案外長期政権を築くかもしれない。

○第四試合

Bブロック公式リーグ戦 30分一本勝負
KANON<2勝2敗4点>(11分43秒 ボディスプラッシュ→体固め)斉藤レイ<3勝1敗6点>

DAMNATION T.A対VOODOO-MURDERSという、ありそうでなかったヒール対決。体格差はあるものの東スポ新人賞もとり、タッグ二冠王として乗り込んできた斉藤レイは、やはりシングルとして爪痕を残したいだろう。

さて、KANONはどう出てくるだろうか?

入場してみると、セコンドには2人とも誰も連れてきていない。

悪対悪といいながら、結構お互いが真っ向からやり合う好勝負になった。

強いて言えば場外に出るとレイの独断場になったあたりが、KANONにとってはやや不利だったか?

しかし、それでもしつこく絡みつくコブラツイストを軸に巨漢のレイをなんとか突破しようとした意気込みは買えた。

だいたい同世代になるKANONにしてみれば、斎藤レイは悪役云々の前にまずライバルでもある。

やはり先を越されたくないという気持ちは、随所に現れていたように思う。

これだけの試合しながら、世間的注目が集まりにくいという点では、忸怩たる想いがある。

最後は体格差を活かしたレイのマッドスプラッシュが決まって、KANON轟沈。

しかし、コブラツイストにこだわるファイトスタイルは間違いなくこの試合のキーにはなっていた。

いつか近い将来KANONが優勝候補になる日がくるのではないか、と私は思っている。

○第五試合

スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
秋山準&男色ディーノ&○大石真翔(10分22秒 直伝トルネードクラッチ)岡谷英樹&×石田有輝&正田壮史

翌日の八代大会がバーニングラスト所属になる秋山は、既に新ユニットD・O・Aとして、ディーノ&大石と活動を共にし、既にKO-D6人タッグベルトまで保持している。

もともとは、火野の休業で宙に浮いたΩに所属していた大石が、フェロモンズ解散で行き場を失い、スランプになっていたディーノに声をかけ、成り行きで秋山が巻き込まれたのだが、最近その大石がなぜか暴走気味になって、早くもユニット内に不穏な空気が流れている。

とはいえ、そこはベテラン。寄せ集めの若手相手に途中まではよい流れを作っていた。

だが、男色先生をコーナーに据えて「ケツを出せ!」というまこりんに、秋山が反発。「ケツは出すな!」とこれを静止。

早くもギクシャクし出したD・O・A。

しかし、オープニングで使おうとしたワサビをまこりんが出した瞬間、本部席から今林GMがいきなりマイクで怒り出した。

まさか、ワサビは反則とかいい出すのか?と思いきや、「博多といえば辛子明太子だろ!」と故郷・福岡の名産「辛子明太子」を大石に渡す。

これに対して「魚卵はちょっと…」と戸惑う男色先生に「遠慮せんとよかよ」となぜか博多弁で満足そうに去っていくGM。

かくして、ワサビの代わりに辛子明太子が使われる羽目になったのだが、いざ使おうとしたら、これを松井レフェリーが厳しくチェック。

「食べ物を粗末にするな!」と反則以上の剣幕で詰め寄る松井さんにたじろぐ男色先生だったが、暴走するまこりんは無理やりディーノの口に、辛子明太子を詰め込み、それを石田に口移しさせるという暴挙に出た。

これが効いたか、石田はノックアウト状態。試合権利がある大石の直伝トルネードクラッチが炸裂して、D・O・Aは前哨戦を制する形になった。

後日のSNSでは八代大会では、ワサビではなく、辛子レンコンが使われたらしいが、どっちにしろ男色先生には受難としか言いようがない。

ちなみに辛子レンコンは、責任もってまこりんが完食したそうである。

○第六試合

Aブロック公式リーグ戦 30分一本勝負
樋口和貞<3勝1敗6点>(12分3秒 ブレーンクローから押さえ込み→体固め) 飯野雄貴<1勝2敗2点>

まさかの10月24日の同誕生日対決が目の前で実現!

長いプロレスファン歴でも、自分と誕生日が同じ選手同士がシングルで闘うのを、生観戦するケースは初めてである。

セクシーを卒業した新生・飯野が真っ向勝負できる相手が、角界出身の樋口である。

これからKO-Dも再び狙っていく2人にとっては身体と身体のぶつかり合いは望むところだろう。

最近見かけなくなったど迫力対決、ぜひこの目で耳で体感したい。

試合はまさにモンスターバトル!最近WWEでブロンソン・リード対アイバーの巨漢対決が話題になっていたが、まさか日本人同士で激しいぶつかり合いがウリになるカードが実現するとは!これは嬉しい誤算だった。

強いて言えば、セクシーを経て再び真っ向勝負のスタイルに戻してきた飯野は、まだキャリアとして自分の体格を十分には活かしきれていない感じはした。

しかし、今の時点でさえ会場を揺るがす大迫力バトルができるんだから、そのポテンシャルは恐るべし!としかいいようがない。

対する樋口は2022年のサイバーフェス以降、強さの象徴として、ハリマオのリーダーとなり、常に激しくて強い試合をしてきた。

今まではここに火野がいたわけだが、台頭著しい納谷に加えて、飯野が加わるとなれば、リード対アイバーに引け目を感じる必要はどこにもない。

かつて生観戦したハンセン対ベイダーはただひたすらに身体がぶつかり合い、顔が腫れ上がるまで殴り合うだけで成立していたモンスターバトルの伝説的名勝負である。

それが今また令和の時代に、日本人対決として甦りつつあるのだから、プロレスは面白い。

全日本だと逆に目立たないかもしれないモンスターバトルは、あらゆるスタイルを内包するDDTでなら十分に光り輝く。

それを見事に実証してみせた試合だった。文句なしに2023年のベストバウトは、飯野対樋口で決まり!である。

○セミファイナル

Aブロック公式リーグ戦 30分一本勝負
上野勇希<2勝1分1敗5点>(14分21秒 WR→エビ固め)HARASHIMA<1勝3敗2点>

DDTの過去から現在を支えてきたHARASHIMAと、現在から未来を見据える現チャンピオンの上野。

上野も負けられないが、HARASHIMAもここで終わるわけにはいかない。HARASHIMAはとにかく手段を選ばないとないエグい攻撃をみせてくるだろう。

試合は、序盤からどちらも負けたくないという意地が爆発した好試合になった。

ただ、HARASHIMAの場合、コーナーでえげつない攻撃を仕掛ける事が多い。そもそもフィニッシャーとして使っている蒼魔刀自体、コーナーに詰めた相手に両膝をぶつけていく技である。

したがってたっぷり相手をいたぶらねば、下手するとロープに逃げられてしまう。

一見すると昔と変わらぬパフォーマンスをみせているHARASHIMAだが、最近蒼魔刀で決まる試合が少なくなってきている。

要するにコーナーにいる相手が、比較的手ないしは足を伸ばせる位置を計算しており、最大限のダメージを受けずに、ロープブレイクするパターンが目立ってきたのだ。

したがって、HARASHIMAのシングルでの勝率もだんだん下がっている。まだまだ平幕クラスなら十分すぎる破壊力をもつ蒼魔刀だが、チャンピオンクラスとなれば、逃げ方も心得てきている。

ところが背水の陣で挑むHARASHIMAは、上野の必殺技であるWRを何度も跳ね返していく。

これは多分HARASHIMAなりの意地だったのだろう。

確かに上野には、WRよりインスパイアされた、ローリング・ギロチン式エース・クラッシャー「Jul.2」もあるが、タイトルマッチならまだしも、リーグ戦の中で出す技ではない。

しかも、HARASHIMAのこだわりが蒼魔刀なら、WRは上野のこだわりでもある。

ましてやDDTの歴史を乗り越えるためには、チャンピオンとしてWRで決めたかったという気持ちは試合から伝わってきたように思えた。

試合はそのWRで粘るHARASHIMAを、上野が振り切った。確かに同級生の竹下は、世界レベルで成長しているが、実は上野も恐ろしい勢いで成長している。

それをまざまざと見せつけられた試合だった。

○メインイベント

Aブロック公式リーグ戦 30分一本勝負
遠藤哲哉<2勝2敗4点>対佐々木大輔<1勝1分1敗3点>

旧DAMNATION時代から色々な因縁がある2人の対決。そもそも前哨戦からしてカリスマと遠藤は丁々発止のやりとりを繰り広げてきた。

多分現・DAMNATION T.Aの介入もありきだろうが、荒れそうな予感しかしてこない。果たして今回はどうなるだろうか?

東京近郊なら他のダムネメンバーの介入も考えられるが、地方大会はそういうわけにはいかない。

大メンバーで移動するメジャーとは違い、インディあがりのDDTは、リングも現地調達。どうかしたら選手も現地調達と徹底している。

したがってKANON同様、カリスマの試合でもセコンドの介入はなし。

しかし、セコンドがいなくてもカリスマには卓越したテクニックと、悪知恵に長けた頭脳がある。

これが結果的には遠藤を大いに苦しめることになる。

そもそもこのカードは先月12日の両国大会でも対戦しており、14分50秒クロスオーバー・フェースロックからのレフェリーストップでカリスマが勝利している。

この日も遠藤の負傷箇所である膝を徹底的に攻める狡猾さ。数多いディック東郷門下生の中では、カリスマが一番師に近い感じがする。ヒールの所作だけではなく、こうした一点集中攻撃というクラシカルで意地悪い攻め方は、現在のプロレス界ではトップクラスになるのではないか?

それくらいこの日の佐々木大輔はいやらしい攻めを見せ続けた。確かに遠藤もトーチャーラックボムや、バーニングスタープレスも出したが、攻めが全部点になっていて、線にはなっていなかった。

正直これでは両国の借りを返すどころではない。残念ながら、またしてもカリスマには煮湯を飲まされる羽目になってしまった。

遠藤の場合、節目節目でアクシデントや怪我に泣かされ、なかなか自分の時代が作りきれないまま現在に至っている感じがするけれど、このままズルズル後退していくのは、あまりに忍びない。

何とか再浮上してもらいたい、と切に願うばかりである。

エンディング

勝ったカリスマは、息も絶え絶えながら、ところどころズバリ的を得たマイクで遠藤の弱味を指摘してみせた。

「遠藤哲哉、今日も俺の勝ちだ。弱い! 強いけど弱い! 俺とオマエの過去のこと、これからのこと、今はそんなことは関係ない!」

とばかりに、場内から佐々木コールを要求。さらに、

「この福岡での勝利の余韻に浸らせてくれ。俺はこのD王、引退をかけてるんだ。今度こそ本当だ! 佐々木大輔がちょっくら優勝してきます!」と、何処かで聞いたようなフレーズで大会を締めた。

帰りがけ、何人かの選手からサインをいただいたが、私の前の方が高橋ヒロムポーズをとる平田選手を撮影していた。

私の時は「パンフにこれだけデカく扱っていただけたのも、全てこの方(高橋ヒロム選手)のおかげでございます」と言っていたが、両国の試合で東スポプロレス大賞に、一票入っていたし、IWGPジュニアのベルトにも勝ったんだから、確実にレスラーとしてのステータスは上がったと思う。

実際この日のクリス戦もいい試合だったし。

後記

DDT西鉄ホール大会は、本当に多幸感あふれる内容で、やっぱり年の瀬はDDTに限るという感じだった。

2023年のプロレス観戦はこれにて終了。楽しかったなあ。来年も今年くらいはプロレス観に行きたいもんである。

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