プロレススーパー仕事人列伝⑭ ロン・バス編2
実はベビーフェイスも
今回の仕事人列伝は2017年3月に他界されたロン・バス選手を取り上げています。ロン・バスというと外国人ヒールのイメージが強いですが、実はベビーフェイスもこなしていました。
この動画はWWWという団体におけるブッチャー対ロン・バスの一戦です。
アブドーラ・ザ・ブッチャー対ロン・バス
見ての通り、ロン・バスの窮地を救うダスティ・ローデスが映像では一番目立っています。なんと、ベビーフェイスなのに、ロン・バスはブッチャーやローデスの引き立て役に回っています。これを損しているととるかどうかは人それぞれですが、私は実力があるからこそ、スター選手を陰で支えられるのだ、と考えます。ロン・バスにしかできない仕事ではないか?とさえ思います。これでロン・バスが悪目立ちするとこういう試合は成り立たないのではないでしょうか?
アウトローズ対決!
さて、所代わりテキサスのチャンピオンシップ・レスリングの試合をご紹介します。こちらでは、ローデスがベビーフェイス、ロン・バスがヒールになってますが、ヒールサイドにワンマンギャングがいるせいか?ワンマンギャングの引き立て役をしているロン・バスが確認できます。実はロン・バスの二つ名はアウトロー。そしてダスティ・ローデスはかつてディック・マードックとテキサス・アウトローズというチーで名を馳せてました。いわば、この試合は、アウトロー対決になるわけですね。
しかし、先ほども書いた通り、ロン・バスはワンマンギャングのフォロワーと化しているため、残念ながらこの試合では、あまりローデスとの絡みはみられません。しかし随所で地味な仕事をして試合を盛り上げています。
最後にご紹介するのは、同じチャンピオンシップレスリングより、チャンピオン・バリー・ウィンダムとのタイトルマッチです。さすがテキサスというべきか、ロン・バスが負けると、カウボーイの命ともいうべき馬の鞍(サドル)が、ウィンダムが負けると、チャンピオンベルトがとりあげられる、タイトルコントラサドルという試合形式で行われています。私なんかは「馬の鞍よりチャンピオンベルトだろ?」と思うので、正直理解不能な感覚ですね。
バリー・ウィンダムとの対戦
ロン・バス対バリー・ウィンダム(サドル(馬の鞍)対ベルトマッチ)
この試合は実に22分もの長丁場になっています。映像のバリーはまだ若いせいか、アームホイップもぎこちなく、序盤は動きが硬いのですが、中盤から首にターゲットを絞って、じっくり攻めていくあたりに、若いながらしっかりした技術を持っていることをうかがわせます。
大技は絵にならない
そんなチャンピオン、ウィンダムに対し、技術ではひけをとらないロン・バスは、互角以上のテクニックで王者を窮地に追い込みます。しかし、終盤の場外戦で流血したロン・バスの動きが鈍りはじめると、ウィンダムが一転攻勢になります。最後は王者が逆転勝ちをおさめて試合は終わります。実にわかりやすいタイトルマッチですね。
高い技術力を誇りながらロン・バスがなぜスーパースターになれなかったのか?色々考えてるみるに、やはりハンセンのような代名詞と呼べる大技を持てなかったことが要因に挙げられるかもしれません。小技は卓越してますが、大技はお世辞にも絵にならない。そんなロン・バスだからこそ、私は敬意を込めて「スーパー仕事人レスラー」という称号を贈りたいと思いました。
永遠の仕事人、ロン・バス。どうか安らかにお休みください。
LIP…。
コメント