九州プロレス・チャチャタウンスペシャルマッチ・九州プロレスがやってきたバイ!
(2023年7月22日・土・チャチャタウンイベント広場)
イントロダクション
5月に開催が発表されながら、雨天中止になった本大会。振替が7.22と告知されたものの、週間天気予報では雨予報。
しかもかなり降水確率が高い。にもかかわらず大会当日は、時々晴れ間が覗く曇天。
さて、予定通り開催されるかどうか?
前回の九州プロレス観戦は同じチャチャタウンで、コロナ禍前。
以前はあまり変わり映えしなかった九州プロレスも、TAJIRIの入団などでガラリと風景を変えてきた。
元々九州プロレスは新日などと同様にフラットな気持ちで見ているので、面白ければ面白いというし、そうでなければそうでないというだけ。
プラスにできる点があるとしたら、九州プロレスは、本大会よりイベントプロレスの方がハマると私は思っている。
荒天予報を乗り越えた今回のチャチャタウン大会はどうなるだろうか?
第一部(11:00〜)
開始直前にチラホラ雨がぱらついたが、概ね晴れ。しかしすり鉢状のチャチャタウンは、天然サウナ状態。
いわゆるプロレスファンと思しき層が少なく、家族連れや子どもさんが多いのが、九州プロレスがターゲットにしている客層であり、普通の会場とはやはり違う。
こうして満員のお客さんが見守る中大会はスタート。
プロレス教室
第一部の先生は阿蘇山。北九州は基本的にお客さんのノリがよく、子どもたちもたくさん集まって、プロレス教室はスタート。
最初はスクワットからはじまり、ロープワーク、そして最後はなぜか阿蘇山と相撲をとる事になった。
阿蘇山も久々に見たが、相変わらずコンディションが良さそうで、子どもたちに囲まれて嬉しそうにしていたのが印象的だった。
第一試合
×ばってん×ぶらぶら対◯佐々木日田丸(スリーパーホールド)
7年前はばってんのところに野崎広大が入って、結構見応えのある試合をみせてくれた。
まあ、お互いキャラクターは分かり切ってるし、その上で場を盛り上げると思うので、フラットな気持ちで見たい。
入場がやたら長いばってんだが、時代が変化したのか?子どもたちのばってん人気が凄まじい。
あれだけやりつくした感があるチャチャタウンエルボーすら大人気である。
以前ならブーイングだらけだったのだが、変われば変わるもんだ。
一方の日田丸は、見るからに強面で、しかも九州タッグベルトまで持ってきているためか?会場から「強そう!」と声があがる。
会場の声援をバックにやる気充分のばってん。しかし背後をとった日田丸があっという間にスリーパーで、ばってんを締め落とし、12秒で試合終了。
これに納得しないばってんは、帰りかけている日田丸に再試合を要求。
ベタはベタだが、盛り上がっているんなら問題ないか。
再試合
×ばってん×ぶらぶら対◯佐々木日田丸(ゴッチ式パイルドライバー)
最初こそ同じように絞め落とされそうになったばってんだったが、今度はレフェリーを巻き込んでなんとかブレイクに成功。
どうしてもチャチャタウンエルボーをやりたいばってんは、日田丸の強烈な打撃や関節技で、なぜか半ケツ状態になりながらも、カンチョー攻撃などなりふりかまわない反撃で必死に耐え、とうとう念願のエルボーを決めてみせた。
しかし、必殺のチャチャタウンエルボーを食らってもノーダメージな日田丸は、さらに厳しい打撃でばってんを追い込む。
ばってんも半ケツ状態でダイビングヒップアタックを見舞うなど健闘するが、フライパン状態のマットに寝かされると、やけどしかねないくらいの照り返しという逆風が吹いてしまう。
さらに、国際センターで鈴木みのると絡む日田丸は「メッセージだ」とばかりに、ゴッチ式パイルドライバーで、粘るばってんを振り切って試合終了。
試合後、国際センター大会をアピールし、鈴木みのるを意識した(でも名前は出さない)マイクを展開した日田丸は、同い年のばってんを呼び込んで「九州ば元気にするバイ!」で大会を締めた。
暑い中、特に子どもの声援が凄まじく、盛り上がった第一部。ひとまず成功といっていいかもしれない。
第二部まで時間があるため、駐車場の日陰で昼食とりながら、涼をとって第一部の観戦記を車内で書いていた。
第二部(14:00〜)
昼飯を食べて第一部の観戦記を車内で書き終えたあとは、しばし駐車場で休憩。炎天下の観戦は思った以上に体力を消耗する。
ましてや、普通の身体ではない以上、休息は必須である。したがって車内で涼みながら、次の回まで時間を潰すことにした。
プロレス教室
第二部の先生は、子どもに大人気のばってん×ぶらぶら。
ところが、先程まで晴天だった空がだんだん曇り出した。ばってん曰く「雨が降る」という予報のため、プロレス教室も巻きで行うという。
午前中はあれだけたっぷり時間をかけて入場していたのに(笑)
というわけで、スクワットやったあとすぐに相撲対決にいき、巻きで記念撮影したあと、ルール説明して、オープニングは終了。
本当に雨降る前に終わらせる気だな?
第二試合
○めんたい☆キッド&阿蘇山&ジェイク・リード対玄海&ミルコ・モーリ&×ニコ・インベラルティ(めんたい☆スプラッシュ)
注目はTAJIRI人脈?で発掘された外国人レスラーたち。彼らがいることで、日本人比率が異様に高い九州のプロレスシーンが大きく変わってくる。
野崎のように九州から世界に行くものもいれば、この試合のメンバーみたいに、世界から九州に活路を求める人材もいる。
人財の循環はプロレス界に限らずとても健全ではないだろうか?
玄海サイドについたミルコとニコはイタリアから、めんたいサイドについたジェイクはイギリスから来た選手なんだそうだ。
イタリア組は最初から日本語で「バーカ!バーカ!」と会場を煽ったり、ところどころで見せるヒールモードなどがなかなか心得ているな、という感じ。
もしかしたらTAJIRIがレクチャーしたのか?本人達の工夫なのかはわからないが、許されるなら、対角線のジェイクも含めてもう少し長く見ていたかった。
ロックアップから始まって、腕を取り足を取るという基本的なレスリングの攻防は、おそらく阿蘇山を始め、優秀なコーチ陣が教えているのだろう。
外国人選手たちのスムーズな動きは目を見張るものがあり、国籍こそ違えど彼らが、九州プロレスの明日を支えていくのは間違いないだろう。
雨が降って試合が巻きにならなければ、もうちょっと彼らの実力ぶりを確かめられたのだが、逆に考えると、10分ちょっとで終わったのはむしろ幸運だったのかもしれない。
プロレスは長ければいい試合になるというわけでもないからだ。
エンディング
試合後、まだ日本語になじめてないジェイクに「九州ば元気にするバイ!」の締めを任せようと、無茶ぶりをするめんたい。
あまりにも天候が気になりすぎていたのか、慌てて締めようとしていたのだが、本人も「雨が気になりすぎていて」いたのを反省したのか、1回練習してジェイクに「九州ば」まで言わせた後、全員で「元気にするバイ!」で大会を30分以内で終わらせた。
後記
それにしても、プロレス教室及び試合がこんなスピードで見られるとは思わなかった。
かつて DDT系列でスローモーションプロレスを見ているが、プロレス観戦歴の中でも倍速プロレスは初めて見たかもしれない。
そういう意味では印象に残る大会だったし、ギリギリで雨をかわせたという点ではついていたかなと思う。
第一部、第二部含めてイベントプロレスらしい空気感の中、普段とは違う環境でプロレスが見られたのは自分的には良かったと思う。
ちょうど、車に乗って チャチャタウンを出た後に雨が降り出したので、幸運にも濡れずに帰ることができた。
下関に入ると全然雨は降っておらず、すごく蒸し暑かった。
トンネルを通っただけでこれだけ天気の差があるのだから、北九州は近くて遠い街なんだなと思わずにはいられなかった。
次の観戦予定は大橋。九州プロレスとはかぶってしまうので、国際センターには行けないけれど、どちらも成功するといいなと思っている。