[プロレス入場テーマ曲] プロレス的音楽徒然草 BLACK-RIDER

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草
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作曲は都倉俊一氏

今回は「UWFのいぶし銀」木戸修選手のテーマとしておなじみの「BLACK-RIDER」を取り上げます。

一説では、第1次UWF時代のキース・ハワード選手のテーマ曲として使われたのが最初だという話もあります。そして第一次UWFの会場使用BGMとしてずでに使われていたとも言われています。

「BLACK-RIDER」は、もともと1979年の正月映画「夢一族 ザ・らいばる」のBGMのひとつです。音楽を担当されたのは、都倉俊一さんで、サントラ盤は「都倉俊一グランドオーケストラ」が演奏をつとめています。(下の動画はプロレステーマ曲専門バンド「MonkeyFlip」のライブ映像です。)

映画のあらすじ

「BLACK-RIDER」は、1979年フジテレビ系列で放送された『ビッグベストテン』のテーマ曲に使用、また『CBCレースガイド』(CBCテレビ)のBGMにも使用されました。

さて、映画「夢一族 ザ・らいばる」は、コーネル・ウールリッチの推理小説『睡眠口座』の映画化になります。テレビ「時間ですよ」「ムー一族」の演出で知られる久世光彦氏の、映画初監督作品になります。

あらすじは、

新聞の朝刊で睡眠口座の公示を見かけたマコトは、預金者である雨笠家の人間になりすまし、預金額八百万円を横取りしようとする。市役所に雨笠治の戸籍謄本を取りに行ったマコトは、そこで治の死亡届を出しに来た雨笠家の祖父と鉢合わせてしまう。

となっています。

久世監督で大衆喜劇を

1979年1月にあった「ムー一族」の打ち上げで、樹木希林によって不倫スキャンダルが暴露され、久世氏はTBSを退社します。しかしTBS退社後の1979年3月初めに森繁から「秋に一ヶ月(スケジュールを)空けるから映画を撮れ」と勧めがあり、久世氏は感激し他の仕事はしなくてもこの映画だけは撮ると決めたそうです。

企画は岡田茂東映社長[で、「あたら才能を埋もれさせてはいけない」と森繁久彌さんが岡田社長に話を持ち掛け、製作が決まったそうです。ほかにも久世光彦氏を後押しする声もあり、「TBSを退社した久世監督で大型喜劇を作ろう」と岡田社長は語っています。

東映カラーを破る

1977年夏に岡田東映社長が「映画は必ずしも映画会社で作るものでない」と公言し、積極的に外部資本と提携した映画の製作方針を打ち出し、若い観客層の開拓と久世氏の人脈を活かして、従来の東映作品にない配役を狙い、東映カラーを破るコメディを期待したそうです。

企画書には「寅サンシリーズ」を10年も続かせている日本の映画界がだらしない!活動屋は何しているのか、情けない。おれが叩き潰す」などと日本の映画界の現状批判から映画を売るポイント、CFのコンテまで細部に至るまでビッシリ記載され、久世氏の強い意気込みに東映は大いに期待します。

寅さんに喧嘩を売る

1979年9月26日、東映本社で製作会見があり、,久世監督は「正月映画で寅さんに喧嘩を売ろうというのです。勝って見せようと正気で考えているのです。」などと捲し立て「寅さん」に喧嘩状を叩きつけました。

また本作のタイトルの意味について、「地縁・血縁重視の『寅さん』とは対照的で『寅さん』が”愛”を売り物にするのに対して『夢一族』は”夢”がテーマ。貧しくたって”愛”があればだけではない」等の説明があったそうです。

興業不振・・・

しかし、「トラック野郎シリーズ」の第10作『トラック野郎・故郷特急便』の併映作品になったものの、コンスタントに興業収益をあげてきた「トラック野郎」と「夢一族」の二本立てが興行不振により、公開期間を4日短縮されてしまいます。

このため「トラック野郎シリーズ」を終わらせた原因の一つとして、併映作である本作の出来の悪さが理由として語られるようになりました。

結局、「夢一族 ザ・らいばる」は、前年比約30%減、前年比約40%減[と成績を落としたことで、当時のマスメディアから「テレビ映画もどき」「正月映画にしては地味ですし、見せ場が少ない。やはりテレビ的過ぎた」「監督にテレビ屋なんか連れてくるからだ」等と叩かれ、「CMディレクターやテレビ畑のディレクターさんたちが映画畑に進出して作った映画以前の映画ともいうべきおふざけギャグ映画」などと酷評されたのでした。

それ見たことか!

1970年代当時は映画人だけでなく、マスメディアもこぞって、テレビディレクターやCMディレクターが映画監督をやってコケると、「それ見たことか」と徹底的に叩いた[時代だったのです。

世間の無理解や、マスコミの風潮に対して、自分たちの理想をわからせたいという点では、初期のUWFに似ているともいえるかもしれないですね。

早すぎた企画

私も後年、大人になってから、深夜枠で放送された「夢一族 ザ・らいばる」を拝見したのですが、正直、久世信者でなければ評価できない内容だなと感じました。

とはいえ、映画は今やテレビ局主導で作られ、テレビ出身者が当たり前のようにメガホンをとる現代、内容はともかく「夢一族 ザ・らいばる」は早すぎた企画だったのかもしれません。

時代が変わり、総合格闘技が台頭し、時代にも受け入れられ、Uの理念は今でも生きていますが、ある意味役割を終えたともいえます。第一次UWFの時代から比べると隔世の感がありますね。

もう一回見たいか?

Amazonプライムでは、「夢一族 ザ・らいばる」が、2021年現在レンタルで見られるようです。星は四つと意外にも高評価です。ただ、わざわざお金出して借りてみているくらいなんで、ユーザーの評価は高めなんでしょう。

B級映画大好きな私でも、正直この映画をもう一回見たいか?といわれたら「NO」といっちゃうでしょうね。

UWFを経て

映画がこんな評価ですから、「夢一族 ザ・らいばる」のサントラCDは、発売されておらず(LPレコードは時折、中古市場にでています)、「BLACK-RIDER」は、格闘音楽大全「プロレスQ4ever」に収録されているのが、私が確認した限り、唯一のオリジナル音源のCD化と思われます。

Amazonプライムの星数だけでは、「夢一族 ザ・らいばる」に時代が追いついたとは思いませんが、UWFを経てプロレスが大きく変化したのは紛れもない事実です。

そういうことを思って「BLACK-RIDER」を聴くと、また趣深いかもしれないですね。

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プロレスオタクで心理カウンセラーの資格を持ち、両親の介護をしながらガンサバイバーとして生きる著者が、自分の人生や仕事について赤裸々に語ります。プロレスやオタク文化に関する豊富な知識や経験、心理カウンセラーとしてのスキルや活動、介護やガンサバイバーシップに関する悩みや工夫など、興味深く感動的な内容が満載です。あなたも著者のストーリーに共感しませんか?







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