[プロレス用語辞典](ラ行) ロックアップ

せかぷろ

[プロレス用語辞典](ラ行) ロックアップ

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がっちりと組み合う

今回のプロレス用語辞典は、ロックアップです。

ロックアップは、プロレス用語で、レスラーがリング上でがっちりと組み合うことで、主に試合序盤の攻防として用いられます。

ロックアップ=闘い

私は「ロックアップ=闘い」だと思っているので、この機に私見を述べさせていただきたいと思ったのです。

そもそもロックアップの由来は、片手で相手の頭を自分の懐に引き込みつつ、もう一方の手で相手のそれを防御する、という攻防です。

レッスル

この体勢を「レッスル」と言うそうです。 レッスルより始めるからレスリングなんですね。プロレスがレスリング由来である重要な部分です。

日本語に翻訳するのに、適切かどうかは定かではないんですが、このレッスルの部分って、私は「組み手」なんじゃないかと思っています。

コンタクト・スポーツ

この組手があるなしっていうのは、結構重要で、街の喧嘩や、なんでもあり寄りの総合に、組手はまずないと思います。

誤解を恐れずに言えば、組手があるものは明確に「コンタクト・スポーツ」なのではないかと思います。

例外として

相撲、アマレス、空手、柔道など、組手が存在する格闘技は決して少なくはありません。

キック・ボクシングやボクシングには組手がないですが、そもそも掴めないグローブをはめているので、これは例外でしょう。

ロックアップの意味合い

日本プロレスの始祖ともいうべき力道山選手は、アメリカでプロレス武者修行を行っています。当然そこで、ロックアップの意味合いも教わってきたと思われます。

で、大相撲出身の力道山選手はなぜこのロックアップを自分のものにできたのでしょうか?

自身の中で咀嚼

私が想像するに、大相撲にある「組手」の概念を、自身の中で咀嚼してきたのではないかと思うのです。

大相撲では、組んでから右四つ、左四つに組んで、そこから投げる競技ですが、レスリングでもこの差し合いは、勝敗を決める非常に重要な要素になります。

闘いの概念を注入

そこにはれっきとした「闘い」があるわけで、アメリカンプロレスになかったであろう「闘い」の概念を注入したのは、力道山選手ではないかと私は思っています。

その力道山選手の遺伝子を受け継いだのが、ジャイアント馬場さんと、アントニオ猪木さんだったわけですが、馬場さんはプロ野球出身者、猪木さんは陸上競技出身です。

年々薄れて

そもそも両スポーツとも組手の概念はなかったので、これも想像するに、師匠が「こうだ!」というものを、そのまま素直に受け取った結果、後世に「組む=闘い」の概念が受け継がれたのではないでしょうか?

ただし、その遺伝子は年々薄れていっているので、ここでロックアップ論争が再燃したことは、選手にとってもファンにとっても意義のあることだと思っています。

考える契機

なぜなら「なんとなく」やっているロックアップにどういう意味があるのか?

お互い考える契機になったと思われるからです。

アマレスでは

では、最初にご紹介したレッスルという点からアマレスを引き合いに出してみましょう。アマレスには、足への攻撃がNGで上半身のみを使うグレコローマンスタイルとフリースタイルの2種類があります。

グレコローマンでは、足へのタックルなどはナシになっています。片や、フリースタイルは文字通り自由で、全身が使えます。

グレコローマンの意味

子供の頃から始める場合はフリーのみで、高校に入学する段階でフリーを続けるか、グレコローマンへ転身するかを決めることが多いようです。ただし、子どものころからからフリーをしてきた選手にはかないません。

例えるなら、ボクシング選手がキックボクシングには即、対応できないようなものなので、途中からアマレスをはじめた、他競技から転向してきた選手にとって、グレコローマンが存在する意味というのはあるわけです。

あいさつがわり

組手というのは、レスリング経験者にとっては「あるある」なようで、部の仲間同士が校内や部室で声を交わすとき、あいさつ代わりに組手を仕掛け合うことがあるようです。

ここで、1982年に山本小鉄さんが刊行された「THEストロングスタイル」という本から、ロックアップに纏わる部分を抜粋して引用したいと思います。

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格闘の基本形

まず、組手基本トレーニングの体勢は、スパーリングの基礎であると同時に、レスリングのファンダメンタルポジションの基本形でもある。

相手の後頭部に手を回しもう一方は腕に添えて相手の首を引き寄せてを組み替えて、また引き寄せる。これを両者に同時に行い約10分の5セット行う。

ファンダメンタルポジションとは格闘の基本形であり、つまり格闘開始の自然体であり、戦いの構えは各自各人各様によって違いがあるが、前後左右に自由に動けるよう、重心を低く安定させているのは同じだ。

バランスの取れた体勢のまま相手と組み合うが、この組み合う瞬間から技は開始されている。

次の技に有利な体勢、相手のバランスを崩す体勢を取り合う、この駆け引きは相撲の差し手争い、柔道の聞き手の取り合いと同じだ。

レスリングの試合に「手四つの体勢」と表現されるのは、レスラー同士が片手を相手の首の後方にかけ、逆の手で相手の上腕をつかむ場合が多い。

この体勢で押し合い、もみあいをしながら技の機会をうかがう。

そこで次の技を推測するのが楽しみというプロレスファンも多いようだが、新日本プロレス体験から割り出せば、まず攻めに行くのは腕が最も多く、続いて頭部脚部と脚部の順となるようだ。

とあります。

チェーンレスリングの序章

小鉄さんは力道山最後の弟子として日本プロレスに入っていますので、力道山先生から教わったことを、口述している貴重な証言だと思います。

ロックアップというのは、チェーンレスリングの序章にあたる部分で、そこだけが今回「騒動」としてクローズアップされたわけですね。

ボディランゲージ

そして、そこにはボディランゲージという共通項があるわけです。

これはレスリングに限らず、コンタクトスポーツには大なり小なり同じ意味合いがあるのではないか、と思われます。

レスリングの場合、「肘から上で組み手をするということは、自分の守りの体勢を崩さないようにするための攻め方」という意味があります。

基礎のしっかりした

つまり基礎のしっかりした選手という印象を、お客さんにわからせるためには、頭の先から指先まで神経を張り巡らさないといけません。

かつて馬場さんは指先一本一本にまで緊張感をもって動かしている藤波辰爾さんの試合を、ほめていたことがあったんだそうです。

誤解を招く解釈

ロックアップがおざなりに見えたということは「攻守の意味が選手自身にわかっていない」とお客さんに、誤解を招く解釈をされかねない危惧もあるわけです。

ロックアップができないということは、その先のチェーンレスリングもできないということにもないかねません。

間合いの変化

そうなると、「プロ」の「レスラーではない」という意味にもなりえると私は思います。

80年代前半までは、ロックアップがプロレスの闘いを示す合図のひとつでしたが、UWFが出現し、蹴りと打撃をプロレスに導入したことで、間合いも大きく変わっていきました。

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いつ決まっても

UWFの「いつ決まってもおかしくない」という空気は、それまでのプロレスにないものを導入してきたのです。

具体的には、タックルにこようとする相手にキックで威嚇して間合いに入らせないとか、打撃で両者の間合いを図ったりとかいうスタイルですね。

「闘い」の表現が

ただ、これの出現によって、ロックアップやチェーンレスリングの出番を奪っていったのも事実です。

しかし、それだけになってくると「闘い」の表現が狭くなってきているんですね。

どっちかになってしまうと

やっぱりロックアップからのチェーンレスリングもあって、片やUWFのような間合いを簡単に詰められない闘いというのもプロレスにはあっていいと思うんです。

でも、どっちかになってしまうと、これはこれで面白くないわけです。

個人的に

UWFが持ち込んだ間合いには、個人的にひとつ気に入らないところがあるんです。

これは私が昔からそう思っていたのですが、U系には「会話」がないんですね。

UWFでの会話

そう、アマレスのあるあるである、組手が挨拶代わりになっているというアレです。

Uに会話が全くないとないいません。

グラウンドでは会話が成り立っている場面もありますからね。

観客にわかる会話

でも序盤で手探りの攻防でなぜ会話が必要なのかというと、そこで会話している内容というのは対戦相手と選手自身だけでなく、観客にわかる会話なわけです。

それが間合いを詰められないUスタイル系の序盤で、いきなり跳び技系やエルボー合戦してしまったりするというのは、なんか違うと私は思うんです。

Uスタイルだけだと

プロレスが闘いであることを示すのには、Uスタイルだけだと物足らないと思います。

UWFはあくまでもプロレスの一スタイルであり、その全てを内包した闘いの中に「プロレス」もあると私は考えています。

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プロレスオタクで心理カウンセラーの資格を持ち、両親の介護をしながらガンサバイバーとして生きる著者が、自分の人生や仕事について赤裸々に語ります。プロレスやオタク文化に関する豊富な知識や経験、心理カウンセラーとしてのスキルや活動、介護やガンサバイバーシップに関する悩みや工夫など、興味深く感動的な内容が満載です。あなたも著者のストーリーに共感しませんか?







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