プロレス的音楽徒然草 怒りの獣神(獣神サンダー・ライガーのテーマ)
初代オープニング
今回は2020年に引退した獣神サンダー・ライガー選手のテーマ曲「怒りの獣神」のご紹介です。
「怒りの獣神」は、もともと1989年3月11日から1990年1月27日まで、テレビ朝日系列で放送されたアニメ「獣神ライガー」の初代オープニングテーマ曲です。
原作は
原作はマジンガーZなどを手掛け、プロレスファンとしても知られる永井豪さんです。
永井さんはこの時期、ビッグバン・ベイダー選手の甲冑などもデザインされております。
アステカイザー
またかつては、「プロレスの星アステカイザー」という特撮ヒーロー番組も手掛けらており、同作には新日本のレスラーやアントニオ猪木さんも出演されています。
このように、新日本プロレスとは少なからずご縁があるクリエーターです。
1話〜28話まで
「怒りの獣神」は、1話〜28話まで使用され、次期オープニングテーマ「奇跡の獣神」にバトンタッチします。
これは、アニメ内でバイオアーマーのライガーがバージョンアップし、最終形態の「サンダーライガー」に変化したことに合わせてのものです。
サンダーライガー
歌詞でも「サンダーライガー」というフレーズが連呼されています。
ライガー選手はもともとこのアニメとタイアップした企画で誕生したレスラーであるため、当初のリングネームは「獣神ライガー」でした。
放送終了後も
そして、ファイヤーライガー→サンダーライガーとバージョンアップするたびに、コスチュームとマスクが変わり、最終的には「獣神サンダー・ライガー」で落ち着きました。
「怒りの獣神」は、放送終了後も2020年1月の引退まで長きにわたって使用され続けていたことで知られています。
テーマ曲が変わらなかった
バージョンアップに伴いマスクやリングネームが変わっても、テーマ曲が変わらなかった理由は不明です。
一説では、獣神サンダー・ライガー選手ご自身の希望だったとも言われています。
デビュー作
「怒りの獣神」を歌われている弘妃由美さんは、この楽曲がデビュー作になります。
ご両親とも俳優で、お兄さんはプロゴルファーなんだそうです。
最優秀主題歌賞
弘妃さんのヴォーカルは力強く、実力を感じさせるもので、アニソンに限らず広く活躍が期待されておりました。
実際弘妃さんは、1989年に日本アニメ大賞の最優秀主題歌賞を受賞されています。
花形ではない
しかし、結局「怒りの獣神」を含めた「獣神ライガー」の主題歌・挿入歌6曲と、アニメ「人魚姫 マリーナの冒険」の主題歌二曲のみをリリースした後、2023年時点では、新しい作品を発表されていません。
私が推察するに、昭和末期〜平成初期は、今ほどアニソンシンガーが花形という時代ではありませんでした。
作品イメージが
したがって、楽曲に作品イメージがつきまとうアニメソングは、もしかすると歌手として活躍するにあたり、ジャマになると考えたとしたなら、それは無理もない話でした。
今なら、ライガー選手が引退後も使い続け、アニメタイアップだったことすらわからなくなるくらい「怒りの獣神」は浸透してしまいました。
もし可能ならば
それがシンガーにとって望まないことであったとしても、当時は仕方なかったのです。
弘妃さんがフェードアウトしてからも、「獣神ライガー」はスーパーロボット大戦などで知名度を保持しており、「怒りの獣神」は、アニメソング歌手としても知られるMIQ(MIO)さんがカバーされて、歌いつがれています。
MIQさんのカバー版も素晴らしいのですが、もし可能ならば今一度弘妃さんのオリジナル歌唱による「怒りの獣神」を一度聞いてみたいと、私は今でも思っています。