【プロレス観戦記】 MY WAYざっしょまつり(2023年12月10日)

MY WAY 観戦記

MY WAYざっしょまつり(2023年12月10日・日・西鉄雑餉隈駅前)

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イントロダクション

実に4月以来のMY WAY。オートスタジオは遠すぎて今の体力では観戦は無理だし、さいとぴあは裏被りするしで、縁がないなあと思っていたら、今年さざんぴあでプロレスがなくて行けてなかった雑餉隈でMY WAYがイベントプロレスをやるという。

ちょうど同じ山口県内で社会人オールスターもやっていたが、実は会場まで行くには雑餉隈より遠くてお金もかかるので、今回はこちらにした。山口県の広さと不便さは住んでみないとわからない。

下関→雑餉隈

最近忘れ物が増えてしまい、やはり年齢による衰えを日々痛感させられる。

そもそもパスケースを背広に入れっぱなしにしているのも悪いんだが、更に小倉駅改札通ってから、携帯を車内に忘れた事に気づき、慌ててUターン。

プロレスは13時スタートと聞いていたので早めに出てきたのだが、おかげで電車内では汗だくになってしまった。

そもそも12月とは思えない気温の高さは異常である。次のDDT観戦時はまた寒くなるらしいので、防寒対策もせねばなるまい。

バタバタしながらも博多駅から南福岡まで乗り継いで徒歩で雑餉隈へ。今回は天神経由ではなく、あえてこのルートにした。

今週何かと忙しくて運動不足だったし、陽気もいいからこれくらいでちょうどいい。

雑餉隈到着

本日は南福岡で別なお祭りもやっていたみたいで、普段閑散としている南福岡から雑餉隈界隈がまるで天神みたいな賑わいになっていた。

そういえば西鉄の高架線ができてから一度も来ていなかったので、いつのまにか踏切がなくなっていたのは、びっくりした。年月が経つとこういう変化も起きるわけだ。

イベントはすでに始まっており、キッズダンスが繰り広げられていた。とりあえず南側に空席がなく、北側に移動して観戦。こうして子どもたちがイキイキしているのをみると、未来ってあるんだなあと思わせられる。

実際、自分の住んでる町内で子どもの姿をまずみないので、彼らのまぶしさが日差しと相まって直視できなかった。

こうして、田舎は滅びても、福岡は生き延びていくんだろうなあ。マチのパワーの差を痛感させられた。

第一試合(30分一本勝負)13時スタート

ウラカン・マリーノ&⚪︎RANMA対BEAST&×HIRAMASA

会場ではさかんにルチャリブレと謳われていた第一試合。個人的な感想としてはだいぶ従来型のプロレスがミックスされている。

しかし、お祭りだからと言っていきなり奇襲から場外になだれこんだりするのではなく、立ち上がりは静かに見せて、徐々に開場があったまっていくタイプの試合が個人的には好きかな?

その目線で見てしまうと、マリーノは空中戦に頼りすぎだし、第三代我蛇王として出てきたHIRAMASAに、そこまでのうまさは感じられなかった。

なんとなく、RANMAに引っ張られて試合になっている感じがしていて、なんとしてもこいつに勝ちたい、という強いモチベーションが感じられなかったのは残念だった。

むしろ、この中で一番ベテランのRANMAが第三代我蛇王を狙っているかのように、積極的な動きを見せていた。

MY WAYができてよかった点はRANMAがイキイキと試合できているところなんで、この試合のポイントはそこかな?

とにかく対抗戦だとMY WAYはめちゃくちゃ輝く。敵が強大なほど皆燃えて熱い試合をする。

しかし、身内同士でそのモチベーションを上げていかないと、常に外敵を用意しないといけなくなる。

それはある意味ドーピングと同じで強い刺激がないと、高いモチベーションが保てないというのは、ある意味団体としての独り立ちを阻害してしまう。

対抗戦は劇薬でクスリが切れた途端に潰れてしまった団体を私は数多く見てきた。MY WAYにはできればそうなってほしくはないと願っている。

幕間

第二試合が14時40分からという事で運動をかねて、さざんぴあに移動。ロビーで観戦記を書いていた。

西鉄新雑餉隈駅は、割とさざんぴあに近い位置にできるみたい。会場へはアクセス良くなったが、問題はここでプロレス開催されるのかどうか。

と思っていたら、さざんぴあは老朽化のため、来年はほぼ休館するらしい。となると次に行けるのは2025年かな?

それまでは生きないといけないな。

再び高架線下に戻り、今度は南側に座る。しかし日差しが半端なく暑い。今12月だぞ?なんで22度もあるんだ?

しばらくキッズダンスみながら、観戦記の残りを書いて過ごした。

第二試合(30分一本勝負)14時40分スタート

⚪︎ヴァンヴェール・ネグロ&フリー・シン・ジャクソン対×ヴァンヴェール・ジャック&COCO

MY WAYには他のどの団体にもない個性がある。それは未来を担う若者が誰よりもすごいキャリアを持つベテランで、歳上の大人たちは、それを追う立場にあるということ。

歳上のオヤジが若さに嫉妬したっていいし、なんなら勝てないまでも刃向かって行ってもいい。それが唯一無二の個性になるからだ。

さて、この試合に勝利者賞として地元酒店の名酒1年分が贈呈されることがアナウンスされた。これで俄然火がついたのは、大人チーム。

正直、第一試合に続いてまた場外戦スタートだったので、こりゃ交通費無駄にしたかな?と最初は思っていた。

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しかし、6月の時点では実娘と闘うことを躊躇っていたネグロが、この日ばかりはその殻を脱ぎ捨てて、若者チームに立ち塞がる。

体格では大人チームがまだ勝っているため、一見すると大人の用意した試練にぶつかって乗り越えようとする若者という図式に見えたかもしれない。

しかし、それは大人側が意識してやらないと成り立たないのだ。実際はキャリアがあるジャックに任せれば試合が成り立つのだが、それだと大人は何もしていないことになる。

そういう意味ではかつての親子喧嘩とは明らかに違う熱がこの試合からは感じられた。

今まではルチャドールとしては上になる息子を追うだけで精一杯だったネグロが、形はどうあれ、ぶつかってくる息子や娘を叩き潰す役割ができたのだから、これは彼の成長とみて間違いない。

そして、キャプテンクジラから素顔になったフリー・シン・ジャクソンが素晴らしい。あのキャプテンクジラと同一人物とは思えないくらいにイキイキしているのだ。

彼もまたプロレス界における若き宝であり、比較的年齢が近いジャックにとってはライバルになりえる存在である。

ユーセーがいなくなって孤高の存在になりかけていたジャックは、本当に素晴らしい環境に身を置けているんだな、と思えた。

度重なる怪我を乗り越えてきたCOCOも6月の時より更に急成長を遂げていた。

しばらく見ないとどんどんデカくなる兄貴に似ているのか?ルチャドーラとしての雰囲気も纏い始めていて、とても今年デビューした新人とは思えないほどだ。

これがネグロDNAの恐ろしいところなんだが、今までは肝心のオヤジがなかなか成長しないところに度々もどかしい思いをさせられてきた。

しかし、自らが恩返ししたいという雑餉隈でついにDNAの大元が覚醒した。これは大変喜ばしいことである。

そして、なかなか越えられなかった息子の高い壁を自らが超えてみせた。これはとてつもなくでかい。

しかし、息子にとっては親父はやはり高い壁だったようで、これはこれで側からみていると不思議な親子関係だな、と思う。

私は結婚歴もないし、子どももいないから、ファミリーというものが今ひとつよくわかっていない。

だが、ファミリーというのは決して馴れ合いや綺麗事では成り立たないことは理解できる。

そうした四者四様の生き様が試合に反映されていたから、この試合は盛り上がったし、私もはるばる遠いところから観に行った甲斐があったと心から思えた。

こういう試合が全員できるようになると、MY WAYは安泰かもしれない。

エンディング

試合後マイクを握ったネグロはほぼ独演会状態。今帰りの電車内で書いているので、可能な限り再現したい。

「勝ったぞ!」と勝利宣言したネグロは、「俺は俺たちが、ちっちゃい時からこう大人になって、この街に育ててもらった恩返しを。俺たちはしたい。この街を盛り上げたいと思って、この街の人に話をして、そして俺たちは今日ここで リングを組んで、皆さんの前で試合ができることになりました」と感謝の弁を述べた。

続けて「今日は言いたいのは、1つだけ。今日ダンスとか太鼓とか歌とか、色々出てるけど、大人が大事なんじゃねえ。子どもたちが大事なんだよ。だからみんなボランティアで打ち上げで酒飲もう。全部一生懸命子どもたちが楽しめる祭りを無理して 自分を犠牲にして戦ってる。俺たちもこうやって戦って、みんなに何かを伝えようと思ってる」と言って、ジャックとCOCO、そして血は繋がっていないが、息子と呼ぶジャクソンを紹介した。

「あなたたちもファミリーがいるんなら、一生懸命なれ合うんじゃなくて、 ぶつかってでも思いついて、この街を元気にしようって。大人同士で喧嘩なんかしてんじゃねえよ。 大人同士で喧嘩なんかせんで、俺たちが仲良く一緒の目的で、この子どもたち、未来のために俺たちが どんな形でも戦い続ける。俺たちは最高の宝が老後を幸せにしてくれると思ってる!」と吠えた。

「そして今日の酒はうめーぞ。酒飲めねーやつはスプライトがうめーぞ!そうだろ?息子?」とジャックにマイクを渡す。

「俺たちは、いつもみんなに支えられて、 もちろんここに来てくれた人たちにも支えられて、俺たちMY WAYがやってきた!最高で最強なネグロさんにこのリングで何度もぶっ飛ばされてます。 でも、いつかちゃんと親父を越すために、俺はこのリングで戦ってます。こんなかにも、そんな最高な、俺が言えることじゃないかもしれないけど、そんなひとたちがたくさんいます!俺は最強の未来になってこの街に恩返ししたいと思ってるんで、また 開催してほしいし、俺たち前も今日来てくれた皆さん、MY WAYもちょっと チェックしてみてください。よろしくお願いします。今日はありがとうございました」

再びネグロがマイクをとり「俺なんか何もできない。ぶっ飛ばしてるって言ってるけど、 俺が最近ぶっ飛ばされてるよ。心じゃ負けんのよ。親父がだぞ。いいか。この後の打ち上げが1番盛り上がるんだ。そして 今日俺たちは最高だった。って言ってこの辺飲み歩いて帰ってベロンベロンでリビングで腹出して寝ればいい」と言ったあと、ジャクソンにマイクを渡す。ジャクソンは雑餉隈に礼を述べ、「また来年もやりたい!」と絶叫。

最後はCOCOの音頭による「俺たちのMYWAY!」で大会を締めた。

後記

リングを降りる時、COCOを肩に引っ掛けて帰るネグロがカッコよく見えた。あれがファミリーを背負って闘う人間の姿なんだな。

今までファミリーとは、自分とは縁のない世界だと思っていた。もちろんプロレスを観ている限り刹那の時間はみんなファミリーになれるんだけど、家に帰れば1人きりになる。

でも離れた場所にいても、心のつながりは必ずある。

だったら、形はどうあれ皆ファミリーだと思えば、必要以上に孤独を感じる必要はない。

何より、ジャックやCOCOだけでなく、ネグロやジャクソンまでが未来を見せてくれた。それだけで充分である。生きていればいろんな事もある。無理かもしれなかった再会だってできた。

プロレスはやっぱり素晴らしいな。

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