[プロレス観戦記復刻版] 全日本プロレスANNIVERSARY TOUR 09福岡・博多スターレーン 大会(09年10/24 (土)

全日本プロレスANNIVERSARY TOUR 09福岡・博多スターレーン 大会観戦記(09年10/24 (土)試合開始18:00観衆1500人(満員)

24.日は土曜と言うこともあって、下関ではイベントだらけ。彦島ではFM山口のイベントが、シーモールホールでは辻ちゃんのトークショー、そしてそのシーモールホールを追い出されたドラゲーが海峡メッセで興業...知っていれば博多まで行かなくて済んだのに...

15時に家を出て、すいすいと小倉まで着いてしまった。西日本総合展示場にクルマを止めて、徒歩で小倉駅へ行き、そこから「よかよか切符」を購入。新幹線で博多まで。到着はなんと16時半...あまりに早すぎたので、前日開店したという駅商店街のデイトスに入って見たが、これがまたたいしたものがあるわけでもないのに、人.人.人でごった返し。

ユニクロに至っては行列まで出来ている。たいしたもの売ってるわけでもないのだが...失敗した。

早々に切り上げて、博多駅横のヨドバシカメラに逃げ込んだ。何年かぶりに行ったら、中に巨大な本屋が出来ていてびっくり。駅挟んで、紀伊国屋と戦争だ。しかし、これでも共存できるのが大都市の強みなんだろうなあ...ほどよく時間がつぶれたところで、スターレーンに向かった。ここも半年ぶりの訪問である。昔、馬場全日時代は
死ぬほど通った聖地も、今は年に一回行くか行かないかになってしまった。

それほど体力も気力も追いつかなくなっている。まあ、当たり前か...

いつまでも昔と同じというわけにはいかない。会場に入ってみると、17時過ぎているのに入場させていなかったので、1Fロビーは人であふれかえっていた。寄り道して正解だったな...と思いつつ、しばらくしたら開場した。

あがってみてびっくり。なんと、全面スペースを開放しているではないか。通常半スペースを使うことが多いのだが、これも意外だった。

武藤のスポンサーがいるからとはいえ、強気に出たなあ...

今回は誕生日観戦と言うことで、これも10数年ぶりに特リン席をとっての観戦。前の席に年の頃なら35~6歳の小太りな女性が、しきりに紙テープの準備をしていた。仲間の女性たちも集まって話しをしていたのを、聞くともなしに聞いていると、ずっとツアーの追っかけをやっているらしい。

テープの色からするとブードゥー.マーダース(VM)のファンらしいが、なんかその
話し方が上から目線で、凄くイタい感じに見えた。関係者とも親しくしゃべっているところを見ると、本当の常連なんだろう。

他人のことは言えた義理じゃないが、人のふり見て我がふり直すのは、試合が終わってからでもよかったのに...と、この偶然には少々辟易してしまった....

このファンの「痛さ」については、また後ほど。

18時開演と同時にF4タイムがあって、VMが乱入してという、今シリーズのパターンを踏襲(稔のばきばきタイムも全く同様)した前説があって試合開始。

◆第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
NOSAWA論外 ×対 ○ ヘイト
(8分31秒:横入り式エビ固め)

ヘイトが相手と言うことで、NOSAWA論外が完全ベビーの立場で闘っていた。こういう姿は本当はじめてみたかもしれない。ある意味貴重。ヘイトはこれで売れなきゃ後がないという危機感みたいなものを感じる。

しかし、アイテムが消火器と言うところにWAR出身という出自が見えてしまう。まあ、今の人たちはケンドー.ナガサキが元祖.消火鬼だったという事実は知らないだろうから、それはいいんだろうけど。

でもまあ、選手として初めて一皮むけつつあるヘイトは応援したくなった。

試合は、ヘイトが勝ったけど、ベビーの論外が試合を作っていた。こういうのも珍しい。四方に礼をしてリングを後にしていた論外。なんか調子狂うなあ。

◆第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負

西村修 &○真田聖也 対 稔&× 歳三
(11分11秒:回転足折り固め)

VMはまさかのバトラーツタッグ。あれから流転したあげく、こういう形でタッグを組むんだから、人生ってわからないものだ。長く見ていると、いろいろ感じる部分がある。

西村には...特にないな。会場人気は高かった。下関では見せなかった倒立も見せていたし。件のイタい女性ファンが稔のことをさかんに「みの様、みの様ーっ」と叫んでいる。

真近で見ている私は「げ...」と思っていたんだけど、離れた場所から、それに呼応して男性客が「ミノサマー」とかえすと客席がどっと沸く。このノリの良さは間違いなく博多ならではのもの。久々にスターレーンらしさを満喫できた^^

試合は、VMが好き放題やっていたが、おいしいところは西村が全部持って行った。まあ会場が沸いたのだから、それでいいんだろうと思う。

◆第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負

カズ・ハヤシ&KAI × 対 ○ 近藤修司&スペル・クレイジー
(15分11秒:キングコングラリアット→片エビ固め)

この4人は本当に仕事の出来る選手たちなので、何の心配もいらずに安心してみられた。スペル.クレイジーはベビーをやっても、ヒールをやっても映える選手。どこのポジションを守ってもそれなりの結果を出す。だからカズもいつも以上に生き生きしていた。ヘイトとのタイトルマッチ前哨戦だったら、ちょっとこうはいかなかっただろう。

いい気分転換になったんじゃないかな。試合内容としては、この日一番の出来だったと思う。全日本入りした近藤が少々埋没しかかっていたのが気になったけど、キングコングラリアットで存在感を示した。ここらへんのサバイバルレースは見た目以上に過酷な武藤全日であった。

ここで休憩。

最初はガラガラだった会場もほぼ8割の入りになっていた。半スペースなら間違いなく超満員札止め。実券入場者もかなりいたから、この興業は儲かっただろう。だが売店には、選手が誰も出てこない。

普通サイン会の一つもやるはずなのに。それでもグッズを買っていく人が結構いたから不思議。博多はなんだかんだいっても景気がいいのかなあ?下関じゃ考えられない光景である。

◆第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

諏訪魔&河野真幸&征矢学 ○対 鈴木みのる&高山善廣&× MAZADA
(19分29秒:ラリアット→片エビ固め)

GURENTAI対正規軍の6人タッグ。入場テーマも高山のものが使用され、「風になれ」は聴けず。下関で聴けたのは幸運だった。高山をスターレーンで見たのって、この会場でデビュー戦を見て以来だと思う。

そう考えると、時がたつのは早いなあ...と思ってしまった。一見するとただなんとなく組まれた感じのカードだったが、ここでみのるのプロレス頭がさえまくった。リング内をMAZADAに任せて、場外で河野をターゲットに乱闘しまくり。それも関節技とイスの二段攻撃。リング上ではキックとパンチで、一点集中攻撃。見た感じけがもなく、みのるはグッドシェープをずっと維持している。

Uの頃から月一しか試合していなかった時期が長かったのに、純プロ復帰後、けがらしいけがもしていないで、各団体に出まくっている。ある意味、これは驚異的である。間近で久々に見た乱闘はやはり迫力満点。

これで河野が肘を負傷してしまい、戦線にしばらくもどれなくなってしまった。リングドクターまで出てくる非常事態にチームリーダーの諏訪魔も心配そう。ということで征矢がローンバトルの展開に。パンフで読んで知ったのだが、征矢は開幕で西村を裏切って長州に弟子入りしたというストーリーがあったみたいだ。

道理で、無我らしからぬパワーファイトぶりが、同じ出自の MAZADAのムーブと対照的だなあと思っていたら、そういう事だったのね。意外にも試合は長く、しかも征矢の粘り勝ち。団体としては期待をかけている一人なんだろう。しかしみのるは

このメンツの中にあって、きちんと仕事をしていた。ちゃっかり河野との因縁も作って、彼の商品価値をなにげに上げていたし、来シリーズへの布石も打った。この辺は諏訪魔にもっと勉強してほしいところである。

◆第5試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負

曙 ○&浜亮太 対 × TARU&ジョー・ドーリング
(16分35秒:ボディプレス→体固め)

※第82代王者曙&浜亮太組は初防衛に成功

こちらもヒールが試合を完全に作っていた。まあ、王者チームがいっちゃ悪いがでくの坊なんで、そうせざるを得なかったんだろうけど、TARUさんの職人魂に火が付いた。この日にかける意気込みは相当あったと思われる。もともと闘龍門ジャパン時代
からここでの会場人気はあったが、それをブーイングに変えるまでそう時間はかからなかった。

「わしが一番嫌いなスポーツはな、相撲なんじゃ!」と相手チームをヒートさせ、なんと浜をコーナーに縛り付けて、横綱をローンバトルにするという思い切った手に打って出た。これで曙のやられっぷりにも箔が付いて、試合は思った以上に白熱。

途中この日二度目のヘイトの消火器も飛び出して、VMやりたい放題。そこへ満を持して縛りを自ら解いた浜が押っ取り刀で駆けつけ、横綱を救出。盛り上がりに盛り上がりまくりのスターレーン。久々にこういう熱気を感じたなあ。曙もローンバトルをよく堪え忍んだと思う。TARUさんの手の中で転がされていただけとはいいながらも、そこまでついてこられなければ、試合は成り立たないわけだし。

巡業に随時帯同していないゲストとの因縁抗争は作りにくかったと思う。前哨戦らしいものもなかったし。それでもこれだけの内容を残したTARUさんのプロレス頭はたいしたものだと思う。

空手着着て、蹴りと突きしかできなかった時代を知っているだけに、余計感慨深いものがあった。当年とって45歳。まだまだいける!同い年の選手のがんばりは励みになった。ありがとう、TARUさん!!

◆第6試合 6人タッグマッチ 60分1本勝負

武藤敬司&船木誠勝 &○渕正信 対 小島聡&ゾディアック&× 大和ヒロシ
(20分58秒:バックドロップ→体固め)

この試合の途中でカメラのバッテリーが「いっちゃうぞ、バカヤロー」になってしまって、ケータイで撮影。武藤の「本拠地」という事もあって、社長自らノリノリで先発。

地方大会とはえらい違いである。小島相手にアキレス腱固めの掛け合いや、バックの取り合いなど新日本道場の練習風景のような展開を見せた後、こちらもシリーズ帯同していない淵にタッチ。正直今の淵をみて、グッドシェープといいきる人はほとんどいないだろう。足も細くなっていたし、正直フロントの人というイメージの方が強い。

だが、この日は白い肌に小島のチョップをみみず腫れが浮き上がるくらいまで受け、ゾディアックをパワースラムで投げ飛ばし、ゾ.ディ.アックのポーズに対抗して、社長のフ.チポーズに呼応して、ローンバトルを戦い抜いた。

肝心の船木の出番はわずかだったが、ドロップキックにストンピング、チキンウイング.フェースロック以外はフィニッシュのバックドロップまで完全に純プロレスの技を使いまくっていた。ようやくプロレスラーの船木としての力量を存分に発揮しだした感じ。

まあ、後はプレイヤーとしてだけでなく、プロレス頭の方も磨き上げて、早く鈴木の
レベルまで駆け上がってほしいが、それもそう時間はかからないだろうと思う。

小島との「異次元」対決でもこの人なりに頭を使った展開を見せていたし、この中にあって存在を埋没させなかったのは、天才のなせる業ではないかと思う。

試合は、フツーなら次世代を担うF4にはなをもたせるんだろうが、スポンサーの手前、そうもいっていらなれないんだろう。武藤にしては珍しい「先輩プロレス」ふかせまくりで、武藤組が危なげなく勝利。

ちょっと大人げなかったかも^^全試合終了してみて、観客のノリも良かったし、試合の質自体も悪くなかった。曙とかゲストが入るとカードがいびつになるという弊害はあったけど、それは選手個々人がテーマを持って、内容を充実できるように工夫していた。

武藤全日本で常時出場出来ると言うことは、ほかの団体でもある程度飯は食っていける
という証明になるかもしれない。過当競争の中でいかにしてお客に飽きられずに、自分を売り込んでいくか...あのヘイトでさえ、素顔時代にはなかった危機感を持って挑んでいるのが、今の全日本の光景なのだ。

それを思うと、見に来てよかったなあと思った。

小倉で降りてクルマに乗り換えて家路へつくも、夜間工事がそこかしこで行われていて、行きの何倍も時間がかかってしまった。帰り着いたのが、日付の変わる30分前。へとへとだったけど、膨大な数のお祝いコメントをむげにもできず、全部に返信してから寝た。おかげでぐったり。でもありがたい話しではある。

私は幸せものだ。

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