[プロレス観戦記] 九州マットプロレスツアー2018

イベント試合:九州マットプロレスツアー2018

(2018年8月22日(水)会場/ヒットエンドラン 開場20:30 開始/21:00)
写真はこちら
http://sekapro.net/2018/06/30/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e8%a6%b3%e6%88%a6%e8%a8%98%e3%81%8f%e3%81%84%e3%81%97%e3%82%93%e3%81%bc%e3%81%86%e4%bb%ae%e9%9d%a2-%e7%b5%b5%e6%9c%ac%e5%87%ba%e7%89%88%e8%a8%98%e5%bf%b5/

イントロダクション

7月に続いて2018年二度目のマットプロレスは、よりによって史上稀にみるダブル台風の接近下で開催されることになった。前日の山口県光市のドロップキックでは、台風の影響か?選手到着が遅れたそうで、開催時間が繰り下がるハプニングもあったそうだ。

今回はくいしんぼう仮面だけではなく、大阪にゆかりがある選手も多数参加することから、とりあえず山口につけば、いつぞやの大雨みたいにならなければ、陸路で北九州入りは可能である。

とはいえ、稀に見るダブル台風の影響はかなりなもので、台風から約600キロ離れている北九州でも前日から突風が吹きすさぶあいにくの空模様。しかも雨が降らない上に、気温も下がらないので、蒸し蒸しした熱風が吹いてくるので、涼しくもなんともない。

オープニング

とりあえず一旦帰宅して晩飯食べて再び小倉へ。ますます強まる風の中、ヒットエンドランへ向かった。今回はちゃんと座席指定があって、立ち見ゾーンも用意されていた。飛び入りのお客さんが帰らざるを得ないくらい大入り満員になったヒットエンドランは立ち見もでる大盛況。くいしんぼう仮面のあいさつの後、試合が開始された。

〇第一試合

三原一晃&タコヤキーダー&○高井憲悟 対 ×HIROYA&トゥエルノ・ゲレーロ&鉄生

ヒットエンドランという決して広くない空間で、いきなり空間が密な6人タッグ。入場してくるなり、三原と高井がなぜか、「〇〇ば、元気にするバイ!」のポーズ。いきなりパクりからスタートした試合は、コテコテの大阪お笑い路線に。

ゲレーロにインディアンデスロックを決めたタコヤキーダーが、鉄生の技を受ける度に、倒れてリバースのインディアンデスロックが決まるお約束ももちろん、普段は激しい試合を信条にする三原も、楽しい路線で、がむしゃら勢に襲いかかる。

ここでも見せ場を作ったのはHIROYA。プロ以上の長身と、プロ相手でも決して怯まないメンタルの強さはここでも発揮。これくらいの素材になると、受ける方でプロも思い切り受けられるせいか、どの選手も楽しそうにしていた。ただ、ホームなんで当然がむしゃら勢に声援が集まり、大人気ないプロには容赦ないブーイングが。

しかし、やはりマットプロレスを熟知しているプロ勢は全体的に空間を非常にうまく使う。通常のリングに見立てて試合していたがむしゃら勢とは異なり、ロープもコーナーも最初から「ないもの」として想定し、あるものを上手く使う。

これは全ての試合に共通していえることだったが、無軌道に暴れているようで、ちゃんと計算ができているのは、やはり経験の差ということになるのだろう。

最後はがむプロ勢を分断してHIROYAを孤立させ、2人がかりで仕留めるあたりも徹底していた。高井と三原のサンドイッチラリアット、その高井を踏み台にしたタコヤキ―ダ―の空中弾。とどめは三原が再びラリアット。さすがのHIROYAもここまで畳みかけられたら万事休す。始終大人気ないプロは、堂々と勝ち名乗り。精神面でもアウェイの場を支配しきった大阪勢の完勝だった。

〇第二試合

×くいしんぼう仮面 対 ○菅沼修

全国的にはくいしんぼうといえば菊タローとの絡みが真っ先に出てくるが、実はより濃い絡みが見られるのが、この菅沼との対決。なんせプロレスの尺には収まりきれない闘い模様は文字で書き表すのは、そもそも不可能。

組み合う前から「よっしゃ!俺が楽しむぞ!」となぜか、自分が楽しむ気満々のくいしんぼうに対して、我が道をいく菅沼ははじめからしまいまで、自分のペースで試合を進めていく。片腕をとられて反転しようとしたら、いつの間にか両腕を決められているというパターンから、くいしんぼうはお客さんの膝を使って菅沼の頭をぶつけていく。そのたびに流血アピールをする菅沼だったが、当然一滴も値は出ていない。


そこから「プロレスはぶつかり合いじゃ」といって、タックル合戦の果てにお笑い路線を加速させていく二人。通常、プロレスは受けたり攻撃したりを繰り返して試合にしていくのだが、すきあらば2人とも笑いをとりにいくので、油断もすきもない。どっちも美味しいところは譲りたくないという空気があっという間に会場を支配してしまう。まさにこの2人ならではの爆笑空間である。菅沼はとにかく真面目な顔しておかしな事をするので、ある意味ズルイ(笑)

故・島木譲二さんのパチパチパンチやカンカンヘッドも、コワモテの菅沼がやると、パクりなのになぜか憎めない。そもそも灰皿置いた位置を本人が忘れるというボケは本家すらやってないと思う。

こんなふざけたことをしても決めるときはビシッと決めてくるんだから、更にズルい。最後はで、くいしんぼうからフィッシャーマンズ・スープレックスでフォール勝ち。しかし、SHIGEKICHIリングアナが間違って「くいしんぼう仮面の勝利」を告げたので、なぜかくいしんぼうの方が勝ちほこり、マイクで「今日は勝ったけどな、いつでもやってやるからな!」と負けたのに上から目線のマイクしだす有様。

何よりくいしんぼうが心の底から菅沼戦を楽しんでいるのが伝わってきて、こちらもめちゃくちゃ嬉しくなってしまった。機会があればマットプロレスはもちろん、通常のリング上での闘いもみてみたい。最初から最後まで腹がよじれるくらいに笑わせてもらった。素晴らしい試合だった。

〇メインイベント

レイ・パロマ&×ダイナマイト九州 対 ○青木いつ希&岡田剛史

レイパロマはなんだかんだいいながら、九州には古くから来ているのだが、がむしゃらプロレスと絡み出してからは、また一味違う魅力を出しつつあるようにみえる。本人的には通常営業なんだろうが、なぜか気持ち悪さに拍車がかかってきたような気さえしてくる。

そんなパロマの入場テーマ曲に乗って、パロマダンスで九州が入場。続いて本家が入場してくるのだが、やはりくねくねっぷりからして既に桁が違う。

笑いの面では九州も十分勝負できるが、あの佇まいの土俵に立つとさすがに分が悪い。九州らしい試合にはなっていたが、やはりパロマの出番がくると、全てもっていってしまう。しかも相手に女子の青木がいることで、気持ち悪さにプラスセクハラ攻撃という手を出してきたので、これでは誰も勝てるはずがない。

相手がパロマなんで岡田と青木は普段通りに試合ができたらある意味よかったともいえるので、そういう点では普通の試合というより、こういうカードだったからこそよかったともいえる。岡田はデスマッチカーニバルでも見たけど、こっちの試合も楽しそうにしていて、非常に魅力ある選手だったと思う。

試合は終盤岡田と青木が九州に襲い掛かり、パロマの介入を阻止して勝利。勝ちは拾ったものの、正直パロマの色に染められた試合になった。最後はくいしんぼう仮面が再び登場。中締めをしてアフターパーティーに突入した。

さてレイパロマが主催するお店アカプルコがマットツアー最終日になるのだが、試合終了後の時点ですでに台風がかなりの位置まで接近しており、果たして一行が無事広島にたどり着けるのか心配になったのだけど、盛り上がるアフターパーティーにも残れず帰る羽目になってしまった。

なぜかというと同じ月に東京と広島に行ってしまったために、これ以上散財ができないという事情があったからだ。来月だって3つの観戦を控えている。

後記

さすがに理性で欲求を抑えるのには苦労したが、グッズを買うより、ひとつでも多くの試合が見たいのだから、ここは我慢して正解だったと思う。

でも、マットプロレス自体はとても楽しかったので、また機会があればぜひみてみたい。すっかり定着した九州マットプロレスの次回開催が待ち遠しくて仕方ない。

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