[プロレス観戦記] プロレスリング華☆激~博多☆エストレージャ「令和大戦」

せかぷろ

プロレスリング華☆激~博多☆エストレージャ「令和大戦」

(2019年8月12日・日・さざんぴあ博多)

http://sekapro.net/2019/04/08/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e8%a6%b3%e6%88%a6%e8%a8%98-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0%e8%8f%af%e2%98%86%e6%bf%80%e3%80%8egt-r-project%e5%a4%a7%e4%bc%9a/

イントロダクション

今月は前半と中盤に観戦が偏ったスケジュールになっており、中盤のさざんぴあ二連戦の初日が、プロレスリング華☆激。今回は春の新泉浩司プロデュースに続き、小川聡志プロデュース大会と銘打たれている。

ただ開催時期がお盆休みとなってしまったこともあり、小倉駅前の駐車場はどこも満杯。西小倉にとめて歩く手も考えたが、夏真っ盛りのこの時期に歩くのは自殺行為。

したがって土日祝日は少し高いが、あるあるシティの駐車場に空きがあり、そこにとめて、新幹線→地下鉄→西鉄で雑餉隈まで移動。西小倉にとめてJRで往復するより結果的には安いし。無理して100円バスに乗るのも考えものなんで、これは多分正解だと私は思っている。

多分明日のDDTも同じコースになるかもしれない。100円の節約で健康損ねたら本末転倒だし。やはり昨年末から今年1月までの腸閉塞+喘息の経験は私の価値観を大きく変えたといって間違いなさそうだ。

オープニング

14時過ぎにさざんぴあに到着。すでに長い列ができており、最後列に並ぶ。闘病中のFさんがわざわざ大分からきていたのは感動した。また再入院が決まっているのに、相変わらずほぼ最前列にいる。これぞプロレスファン魂である!

入場して席を確保したあと、ジャックのメキシコプロジェクトを支援するため、Tシャツを購入。トイレで着替えて応援準備は万端!

第1試合 20分1本勝負

ヴァンヴェール・ネグロ&○聖氣 (11分02秒 片エビ固め)ヴァンヴェール・ジャック&ユーセー・エストレージャ●
※33

7月7日のレアル10周年大会にて組まれ 実の親子によるリアル親子喧嘩(笑)しかし、がむしゃらとバッティングしたため、ほぞを噛んでいたら、なんと華☆激で同一カードの再戦が組まれた。これはいくしかない!というわけで、この試合見るためだけにチケット買ったと言っていい要注目カードがこの試合である。

最初に入場式で中学生コンビをみた時、また背がデカくなっていたのにまずビックリ。Tシャツ買ったから言うわけではないが、ユーセーの背丈にジャックの背が追いつきつつあるのだ!並び立った時の二人がまた頼もしく、本当に絵になるし!

そしてキャリアのなせる業か?二人とも貫禄が半端ない。ぶっちゃけネグロ&聖氣が中学生コンビに食らいついているようにさえみえたくらい、空中戦でも試合はこびでも、ジャック&ユーセーは圧倒的だった。

印象深いのはこの四人に混じると聖氣だけが置いてけぼりくらう場面が多々見られたのだが、この試合では息子に離されまい、ネグロに置いてかれまいという姿勢がみえたこと。攻めも守りも非常に積極的で、昨年までの一軍半ぶりがウソのようだった。

中学生コンビに見とれて、見落としがちだったけど、今年レアルで最も成長しているのは、聖氣だと言っていい。もともと持っていたポテンシャルは高かっただけに、いよいよ開花となれば、レアル一軍であるクレイジールチャチームにとっても心強い。こうした試合が身近で見られるというのは、本当に幸せなことだと私は思う。

第2試合 20分1本勝負

△スカルリーパーA‐ji(1分36秒 両者リングアウト)林田伸一△

◎再試合

△スカルリーパーA‐ji(3分24秒 両者リングアウト)林田伸一△

個人的にはなぜ今このカードなのかがイマイチよくわからないのだが、どっちが勝っても負けてもあまり大勢に影響しそうにないし、タイトル戦線にも繋がらない。

A-jiはたしかにベルトホルダーだけど、林田がそのベルトを狙っているとは思えない。そこまでガツガツする理由がないからだ。

一見しただけでは、とりあえず考えられる意味合いが見えない場合、長年のプロレス者の習慣から強引に観戦ポイントを見つけていくしかない。それでもわからない時は試合を見るしかないのだ。

とは言ったものの再試合までして両リンというのはなあ。インディのゆるさがたっぷり詰まっていてマニア受けはしたかもしれないが、前の試合で中学生が素晴らしいルチャリブレを見せていたのに、この内容は残念といわざるをえない。

てか、そもそも無気力試合やる時点で二人ともプロ失格だろう。勝ち負けにこだわらないにしても、プロレスラーたるもの目の前の試合がきちんとできないようではやはりダメでしょう。

あげくA-jiがマイクでカードの不満を述べた後に「林田とは決着つける気はありません」「今度は大分までタイトルマッチの応援に来てください」とか言い出した日には何をか言わんや。これはちょっと残念な試合だった。

第3試合 3WAYマッチ 30分1本勝負

○エル・ブレイブ (13分12秒 ジャックナイフ固め)コスモ☆ソルジャー●
※もう一人はKING
※ハラキリ・ハカタJr.欠場の為、カード変更となりました

コスモとKINGはかつての博多タッグチャンピオン。だが、近年まで博多タッグ王者だったのは、コスモとブレイブである。ということになると、2019年はなかなか華☆激で防衛戦する機会がない博多タッグの行方をこのカードで占ってみるのも面白いかもしれない。

現・博多タッグ王者は新泉&ネグロ。特にネグロは近年メキメキ実力をつけてきているので、穴らしいアナがない。などと予想していたら、まさかのハラキリ欠場(しかも理由がトルティーヤボーイのイベントとバッティング!)で3wayに。

まあ、内容的にはタッグより良かったけど、前の試合がひどかった分取り返すまでには至らず。普段とは違いなかなか機転が利いていたブレイブが漁夫の利をかっさらって勝利。この試合に関してはカード変更が結果オーライとなった。

翌日SNSでハラキリならびにアステカがダブルブッキングの謝罪をしていたが、第2試合があれで、第3試合がこれだとさすがに大会クオリティとしても「大丈夫か?」と言わざるを得なかった。

第4試合 ~やきとり処みくみや杯~ 45分1本勝負
アステカ&○スペル・デルフィン&エル・ファルコ 
(12分09秒 デルフィン・クラッチ)二代目上田馬之助&アズールドラゴン●&KAZE

このセミファイナルは、今年の大橋で不満に感じた部分をある程度解消しているカード。強いて言うなら、アズール&KAZE&ファルコでも見たかった気はするが、ファルコにとって、デルフィン&アステカは組んでも戦っても得るものがあるはずである。

他方、トップどころに引導を渡すとリング上で宣言したKAZEは、大分だけではなく、福岡でも爪痕を残さねばならない。そういう意味では、スペル・デルフィンというのはこれ以上ないターゲットでもある。

と書いてはみたものの、試合は典型的なレジェンドを立てた試合になった。役回り上、ファルコが長くつかまり、アステカに繋いでデルフィンが締めるというある意味伝統芸能のような試合だった。まあ、今のアステカやデルフィンにバチバチした試合は求められていないとは思うんで、これでいいと思う。

その上でプレッシャーはあっただろうが、ファルコはダークサイドの集中砲火にもよく耐えた。ファルコとあたる時だけ厳しめのあたりをみせてくるKAZEもうかうかしていると、足元をすくわれかねないだろう。

レジェンドを引退させる前に迫り来る下の世代にもKAZEは目を向けた方がいいだろう。本人は若いつもりでも周りはそうは思っていないのだから。

第5試合 博多ライトヘビー級選手権試合 60分1本勝負

○【挑戦者】小川聡志(21分28秒 体固め)【王者】新泉浩司●
※クローズライン。
王者新泉が3度目の防衛に失敗。小川が第21代王者となる

プロレスラー小川聡志としては、おそらく最初で最期になるかもしれない(本人はそう思ってないかもしれないが…)博多ライトヘビー級へのチャレンジ。

小川は年齢の割にはデビューが遅く、通常ならレジェンド枠に入る歳ではあるが、プロレスラーとしてのキャリアは約15年で、中堅どころにあたる。だからこそシングルベルト挑戦が最初で最期になりうる、と言われているのだ。

だが、相手は博多タッグとの二冠(返上してなければ、篠栗88と合わせて三冠)王の新泉浩司である。歴代王者の中で最もアタリが強いと思われる現・王者は、あの超人KINGが減量して挑んでも叶わなかった。

そんな王者・新泉浩司に対して、小川聡志がどう生き様をぶつけてくるか?どう新泉が全力で叩き潰しにくるか、が見どころになるのではないだろうか。

果たして試合はまさに小川劇場。小川の生き様が存分に発揮された、これぞこの二人にしかできないタイトルマッチだった。たしかに試合の九割は新泉浩司が作っていたし、新泉の厳しい攻めにひたすら小川が食らいつく、という展開にはなったが、正直途中KOと判断されて試合が終わってもおかしくなかった。

小川が見せ場にしている山笠も足元がふらつき満足に新泉を担ぎ上げることができない。それでも小川は何度となく立ち上がり、反撃してみせた。まさに遅咲きのオヤジの意地、ここに極まれり!

たしかに出来としては決して綺麗な試合ではなかっただろう。だが、54歳の戴冠は会場にいた多くの人に勇気を与えたことだろう。間違いなく小川聡志のベストバウトだったと私は思う。

後記

選手・小川聡志としては大団円で終わった大会だったが、プロデューサー・小川聡志としてはやや微妙な形の大会になってしまった。特に第2試合の無気力試合は、単にカード組むだけでない一工夫があっても良かったと思う。選手本人がモチベーションを上げようのない試合を、我々はどう解釈して見ればよいのか?

マニアならばグダグダした内容すら受け入れてしまうかもしれないが、そうでないお客さんには不親切極まりない。第1試合とメインでかなりすくわれたが、GT-Rみたいなブランドとして定着するまで、小川聡志プロデュースはまだまだ課題があるな、と感じた大会だった。

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