[プロレス観戦記復刻版] プロレスリングFREEDAMS小倉大会(11・11月11日(金)

せかぷろ

イントロダクション

FREEDAMS初の地方ツアーの初戦がこの小倉大会。といっても小倉と広島だけだけど、団体の規模から考えたら、これはかなりの冒険ではある。殿(佐々木貴代表)が何度も小倉に足を運んで慣れない場所で懸命に営業したそうだが、やはり北九州は広い。

小倉だけでも全部は回りきれなかったみたい。箱も北九パレスではなく、小倉北というハウス的にはちょっと規模がでかいんで心配は心配だったんだが・・・・

さて、年末が近づくとこの界隈は特に夕方の混雑が半端ない。加えてなぜか、こういう時に限って用事がかさむんで、いったん家に戻ってまた出発というあわただしさ。もう狭い小倉北の駐車場では無理だなと踏んだんでいつもの昭和町の駐車場に停めて徒歩で会場へ向かったら、なんと試合開始15分前で空きがあった・・・・

隣の施設が工事してるんでいつもより狭いスペースなんだが・・・・大丈夫か?この入り????そうそうリングを運ぶトラックとかがなかったんで多分地元団体のリングをレンタルしてたんだろう(小倉ならがむしゃら、広島ならダブプロ)。

オープニング

中は久々にシートも何もひいてない状態・・・そう、小倉北は実は土禁の会場なのだ。多分撤収に時間をかけられないからだろうけど、かわりに下足入れの袋を配っていた。

今はなきFMWなんか冬でも土禁の会場でこうした袋やスリッパとかすら用意してなかったことを思えばかなり親切ではある。

もっともこの日の小倉は11月とは思えない気候(曇りでやや雨)でやたら気温が高かったんで素足でもそう問題なかったんだけど。

チケットのもぎりはなぜか大日の李日韓さんがやっていた。まあ、選手として大日の社長が上がってる関係なんだろうけど、バーターでいろんなことやってるんだなあ^^

席はリングサイドというのが最前列のみで後は自由席。北と南は6列で東西は3列しかない!

でもまあこれは無難な策でしょ。招待券ばらまいても意味ないし、実数でこれだけ埋まれば小倉なら御の字といっていい。当然満員では
なかったんだが、いろんな団体の協力と、殿自らの手売りだけでそこそこお客をいれたんだから大したもんだと思う。

試合開始前にやたら気合入った若手が出てきてマイクでアジる。彼は杉浦透といって、北九の出でなぜかFREEDAMSで頑張ってるらしい。でも実力者が多い団体できっちり練習してるのはよくわかった。

どっちかというと、全日の大和がやってたような、段取りがある前降りではなくて、どうも度胸付けみたいな感じで、多分あまりしゃべることはそんなに考えてなかったっぽい感じだった。

「名前だけでも憶えて帰って下さい」とこの後の試合で闘う小鹿さんを「21歳の自分が老人を倒します!」と大人げない打倒宣言をして、いよいよ大会はスタート。

第1試合 6人タッグマッチ

●ジ・ウインガー&めんたい☆キッド&杉浦透 vs ○グレート小鹿&旭志織&魁

FREEDAMSを席巻していた小鹿軍も「老人の我儘」が原因で、存続の危機にあるらしい。何とか残ってるのはDDTのアントンだけらしいんだがそれでもしぶとい小鹿軍はなんと?ダブの魁とK-DOJOの旭を抱き込んでチームを作ってしまった。

もっとももともとが寄せ集めなんで実際小鹿総帥にしてみれば大した問題ではない様子^^

一方の対戦者には九プロのめんたい☆キッドが入ってる。こっちもよくわからんチーム。

よく見たら本部席に見たような人がいるんで誰かなと思ったら素顔の阿蘇山選手だった。まあ住まいが小倉だし、同僚の応援に来たんだろう。でも・・・実際この6人の中で小鹿さんはダントツにでかい!190近くあるタッパと御年70近いとは思えぬ肉体となによりリング
上の選手でウィンガーを除けば生まれる前からプロレスやり続けてるのだ。

普通に考えたら70の年よりを20代がやっつけるなんてありえない話だが、こうして相対峙すると、本当にそこまで宣言しないと倒せない相手だという事がよくわかる。

しかもかつては亡き大熊選手と極道タッグで鳴らしたタッグマッチのオーソリティーでもある。

その上、多くのお客を前に数限りない試合とサーキットをこなしてただけあって、そのガタイを更にでかく見せる術を熟知してるから、衰えどころかリング上の誰より強くみえてしまう。

要するに電池切れすることなく他の二人を手駒に使って、最小限の動きで最大限相手をほんろうするんだから、ウィンガーが20年選手
であっても赤子同然。

要するに小鹿を捕まえる隙さえ作れなかったわけで、その上若くて動ける魁と旭に体よく翻弄される始末。

めんたいがいかに実力者でもこればかりはどうしようもない。

やっぱ見事に寸断されて孤立した杉浦が返り討ちにあうという結果に・・・・

いや、グレート小鹿恐るべし。

第2試合:がむしゃらプロレス提供試合

●YASU&TAーKI vs 竹ちゃんマン&○野本一輝

この試合の見所は本戦ではまず組まないであろう選手が組んで闘うところと、がむしゃらを知らない層にアピールするところにある。

しかし、キャリアで勝るTA-KIはともかく、野本はまだなんだかんだ言ってもキャリア2年。しかも普段正パートナーの林と組んでるイメージが強い(実際、現タッグ王者だし)んで、タッグ屋みたいなイメージが強いがもともとはシングル向きのプレイヤーなのはデビューから見てると大概わかる事。

林とのタッグはそのシングル向きの性質がいい形で現れた結果だが他の選手と組むと意外なくらい光らない。相手も本人も。

ましてや今回みたいにイレギュラーで中身が変わる選手とのタッグはそうとうやりにくかった・・・・のではないかな?そもそも入場テーマが北斗の拳2だったりしたあたりが「?」だったし^^

逆にYASUはタッグチームを組んだ経験こそないが、上手にTA-KIのリードに乗っかって今までの自分に+したムーブで互角以上の大健闘!

特別野本が悪かったわけではないんだが、勝手が違う感はありありだった。

竹ちゃんマンが途中で帰ろうとしたり、勝手気ままにやってる分割を食ったのは事実だった。

蹴りのオーソリティーであるはずが、逆にTA-KIに蹴り貰ったりしていたが、これもまた貴重な経験ではなかったかと思う。

結果こそキャリアの差を見せつけることにはなったが、下で見ていた相方にいい所みせられなかったのは残念だった。

まあ、毎回うまくやれなくてもいいから少しずつ経験を積んでいけばいいと思うんで^^

第3試合:シングルマッチ:ルチャ対空手:異種格闘技戦

●アミーゴ鈴木 vs ○小笠原和彦

小笠原先生生で見るのって破壊王がまだ存命だったころのゼロワン以来だから、ホント、いつ以来だか。

しかもいつの間にか「格闘王」の称号を勝手に名乗ってるし・・・・だいたい空手対ルチャっていったってロケット正拳やフライングクロスチョップを放つ小笠原先生にそんなカテゴリーわけはもはや無意味ですらある。

それがわかったうえでこのカード組んだんだろうけど^^まあ、でも以前ゼロワンで見たときはまだぎこちなかった小笠原先生、すっかり堂にはいってる、勝手知ったる我が家という感じで、逆になにされるかわからないアミーゴの方がちょっと緊張してる^^プロレスルールなのに。

果たして試合はもう100%先生ワールド。のっけからフライングクロスチョップを出したかと思えば下で見ててもかなりやばいところにガンガン正拳を入れたり、明らかに鍛えにくい所をバカスカ蹴りまくったりやりたい放題。

途中どうにかアミーゴもルチャらしい動きで一矢報いたけど、ゼロワンの頃の先生相手だったここまですらできなかったろうなあ^^

しかも途中で道着を脱いだあたりから勝手に先生スイッチが入ってしまったらしく、もうワンランク上の容赦ない攻撃で散々ダウンを奪って結局あの大日で無数のデスマッチをさばいてる李日韓さんが止めに入ってレフェリーストップ。

まあ・・・・こうなるだろうとは思ってたけど、こんだけ好き放題やって誰からも?許されるの先生の人徳だよなあ^^色んな意味で
ね^^

第4試合:6人タッグマッチ

○マンモス佐々木&神威&HIROKI vs●石川修司&宮本裕向&忍

3月の博多大会では欠場してたマンモスが満を持して九州初上陸!しかも相手には現・日本マット界では巨漢レスラーとして名を馳せる
ユニオンの石川がいる。

地方向けのわかりやすいカードだったが、果たしてやはり石川とマンモスのド迫力バトルは見ごたえ十分。しかも動ける二人だからまさに震撼という言葉がぴったりくる感じ。

他の4選手がかすんだわけではないんだが、やっぱ流れが完全に巨漢対決になっちゃったからね。もっともその巨漢相手に小柄な選手が柔よく剛を制するのも見どころで、そこはみんなきちんと仕事できてたと思う。

でも忍あたりはもう少しこん中でかき回せるとさらに面白くなったのになあとは思った。リング下のフリーダムさがリング上でも発揮できればある意味無敵なんだが^^

結果はその忍がマンモスにきってとられた。しかもブレーンバスターが決まり手とはなかなか渋い^^

セミファイナル:シングルマッチ

○GENTARO vs ●浪口修

休憩あけからリングアナ氏がリングにたってコール開始。浪口も破壊王存命のころのゼロワン時代以来の地元凱旋。正直体しぼんだなあという感じと頭髪の薄さも手伝ってずいぶん老けて見えた・・・・

一方のGENTARO(GEN)は「GENTARO」として小倉で試合するのは初めて・・・のはず・・・いや、ナスティ時代に小倉で試合して以来だからそうとうぶり・・・・

カード的には浪口凱旋という目的があったにせよ、セミとしては明らかに格下というか・・・

ところが今夜のGENはなぜか最初から最後まで長州モード。「立ってこい!こらあ!」からのストンピングといい、中盤で繰り出したサソリ固め!(ここから弓矢固めに移行したのが唯一オリジナルムーブか)腕を回してのラリアット!

全盛期の長州なら「なにタコこらあ」もいれて欲しかったが、使う技が本当少ない中で確実にお客を釘づけにするその手腕はさすがに昭和プロレス愛好者のGENらしい。

本人に聞きそびれたんだけどなんで今長州スタイルだったのか?

おそらくだが浪口を叩き潰してそこから立ち上がって、這い上がる姿を地元に見てもらうには藤波スタイルより長州の方がわかりやすい
と踏んだのだろう。この辺のセンスはただマネをするというだけでなくGENがやるからこそ説得力が生まれたんだろう。センスもそうだが日頃の努力の賜物だね。

今のGENは体の厚み、たたずまい、オーラ、そして確かな技量と本当理想的なプロレスラーなんだよな。あれでタッパが後10cm高かったら無敵だと思う。

そしてこの長州ムーブは吉と出た。地味でこれといて売りがない浪口が想像以上に頑張ったのだ。ラリアットやサソリを食っても決して試合を投げ出さなかった。想像以上にGENの壁は高くて険しかったがそれでもがんばったと思う。

見た目のしょぼさは試合後半になると完全に忘れていた。その位浪口は輝いていた。ほとんどGENのおかげといってもいいんだが、それでもこれは浪口のベストバウトといっていい!

しかしGENは大事な所まで温存していた長州の代名詞を土壇場で出してくる!

それはひねりを加えたバックドロップ!!!それでもキックアウトしてくる浪口にとどめの急角度式がズバッと決まってGENの貫禄勝ち!

見事に浪口を光らせたGENの仕事師ぶりがいかんなく発揮された試合だった。

今年一番のバウトかもしれないな。

メイン:タッグマッチ

○佐々木貴&葛西純 vs●バラモンシュウ&バラモンケイ

やっと温まってきたと思ったらもうメイン。バラモンは初見だったが闘龍門時代を知ってるとよくぞここまで針を振り切ったなあと感心せざるを得ない。

あちこちで水を含んでは観客にかけまくる。「おら!シーンとしてんじゃねぇ!」と自ら火つけ役に回るあたりはさすがというか、あちこちに引っ張りだこになるはずだ。

しかもどっからもってきたのか工事用の三角ポールやらキャリーバックやら、ペットボトル用のごみ箱やら・・・・・(キャリーバックは本当に本人たちの移動用らしい)後で殿が「あいつらには事前に注意しとかないと、会場によってはしゃれにならないものまでもってくる」といわれていたが、本当にしゃれにならんというか^^何に使う気なんだか?

しかもそこらじゅうで水吹きまくるから床や椅子が水浸し。ここに土禁が加わるからある意味最悪な光景が展開された^^

そのうえ、ポールを片足にはいて観客に「ぎ●く」や「か●わ」コールを要求。あげくとがった方を葛西の臀部に突き刺す始末・・・・

ああ・・・・こうやって使うんだ。せめてフォーゼっていってほしかったなあ^^;

あまりに下品な光景に怒り心頭の殿と葛西はやっぱ外にバラモンを連れ出すがそれこそ思う壺であちこちで水吹き。しかもゲルのおまけまでついて^^逃げたいけど床が滑りそうでうまい具合に逃げられないという^^パラドックスな展開に戸惑う観客。

いや、あわてて逃げたら本当滑りそうだったんですよ。

試合はまあ殿が大活躍して勝つんだけどバラモンは試合後も子供を全力でおっかけたりもうやりたい放題。持ってきていたペットボトルは散乱するわ、かえって撤収の邪魔をしたという意味ではリアルに迷惑かけてたな。

殿は締めで「小倉の人の人情に惚れて大会開催を決意しました。小倉を(FREEDAMSの)西の聖地にするまで頑張ります!」と頼もしいコメント!

後記

全試合終了後「お足もとが悪いのでお気をつけてお帰りください」とアナウンスが。いや屋外大会じゃないし、やったのは天気じゃなくてバラモンだし^^

撤収作業には小鹿社長の姿も。ベテランでもああして撤収手伝うんだなあ。ちょっと感心した。

ということでここからがむしゃらに移動して殿の宴に移行するんだがいったんここでしめます。






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