Welcome to the Jungle(カンナム・エクスプレスのテーマ)
伝説のタッグの調べ
今回は、全日本プロレスの黄金時代を支えた伝説的な外国人タッグチーム、カンナム・エクスプレス(The Can-Am Express)の入場テーマ曲である『Welcome to the Jungle』をご紹介します。
曲名の由来と背景
曲名にある「Jungle」の由来には諸説あります。「大都会ロサンゼルスのダークサイド」を意味するという説や、「ホームレスの男性に言われた脅し文句」だったという説、「ヒッチハイクで移動中、目的地に到着した際にトラック運転手から“Welcome to the Jungle”と言われた」というエピソードなどが有名です。
いずれにせよ、誘惑も危険も多い大都会(ジャングル)が、そこへやって来る者へ挑発的な脅しをかけているというのが歌詞の内容です。
究極の身体能力
さて、カンナム・エクスプレスは単なる「力自慢の外国人」ではなく、圧倒的な身体能力とレスリング技術を兼ね備えた、当時のプロレス界でも極めて完成度の高いコンビでした。彼らの持ち味は、パワーとテクニックの完璧な融合にありました。
驚異のパワーと技
メンバーのダグ・ファーナス選手は元パワーリフティングの世界記録保持者。その驚異的な背筋力から繰り出される「世界一美しい」と称されたドロップキックや、軽々と相手を放り投げるジャーマン・スープレックスは圧巻でした。
一方、カナダ出身のダニー・クロファット選手は非常に器用なレスラーで、空中殺法から巧みなインサイド・ワーク、そしてトラース・キックのような鋭い蹴り技を得意としていました。
アジアタッグの顔
彼らは1989年の初来日以降、全日本プロレスのアジアタッグ戦線の「顔」となりました。カンナムは同王座を5回獲得。これは当時の最多記録であり、アジアタッグ王座の価値を一段引き上げたのは、間違いなく彼らでしょう。
都会の狂気へ誘う
そのカンナムの象徴として使われていたのが『Welcome to the Jungle』です。
街に降り立った際、浮浪者に放たれた「お前、自分がどこにいるか分かってんのか? ジャングルへようこそだ!」という言葉がモチーフ。
この曲は、まさに「ジャングル=都会の狂気」へと誘うような楽曲になっています。
衝撃が止まらない
演奏には一切の非の打ちどころがなく、最初から最後まで衝撃が止まらない名曲です。一曲の中で曲調が二転三転するなど、緻密に計算された構成で、かっこいいフレーズを惜しみなく詰め込んでいます。
サイン色紙の思い出
私は一度だけ、ミスター・ヒトさんが経営されていたお店でカンナム・エクスプレスのお二人にお会いしたことがあり、無理を言ってサインをいただきました。お食事中にもかかわらず、二人とも気さくに応じてくださり、大変感激したことを覚えています。その色紙は、今でも家宝として大切に保管しています。
歴史を創った名盤
『Welcome to the Jungle』が収録されているガンズ・アンド・ローゼズのデビュー・アルバムが1987年7月21日に発売された『アペタイト・フォー・ディストラクション(Appetite for Destruction)』です。
当初、バンドメンバーのアルコールやドラッグの問題からMTVはミュージック・ビデオの放映を拒否していました。しかし、レーベルのゲフィン・レコード上層部の説得により放映が始まると一気に人気が爆発。50週間かけて全米1位まで昇り詰めました。ライブの定番曲が数多く収録された、バンドを代表する名盤です。
今なお現役の愛聴盤
もちろん、当時の私はこのアルバムを「カンナムのテーマ曲」目当てで購入しました。そして今に至るまで手放さずに持っています。さすがに帯は紛失し、ケースはボロボロですが、CDは今でも現役で再生可能です。
全米1位の金字塔
さて、このアルバムには『Welcome to the Jungle』と並ぶ代表曲が、9曲目に収録されています。それが『Sweet Child O’ Mine』です。ガンズが初めて全米ビルボード1位を獲得した曲であり、イギリスやアイルランドなど世界各国で大ヒットを記録。今なお高い人気を誇ります。
時代を超える衝撃
ハードロックらしからぬ大人びた雰囲気を感じさせ、一味違う側面から「カッコよさ」を見せつけているのが特徴です。その凄さは40年以上経った今でも変わらず、ロックを聴き始めた現代の若者たちにも激烈な衝撃を与え続けています。現在、YouTubeやSpotifyでの再生回数はいずれも10億回を突破。ジャンルの垣根を超えて愛される名曲です。
ガンダムとの邂逅
この『Sweet Child O’ Mine』が時を経て、2026年に『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』のエンディング主題歌に起用されました。『アペタイト・フォー・ディストラクション』自体が名盤であるため、収録曲がさまざまな形でテーマ曲や主題歌に使われるケースは多くあります。
40年越しの奇跡
しかし、今回のように発売時からほぼ同時期に存在し続けたコンテンツ同士が、40年という歳月を経て初めて邂逅した点に大きな意味があると思います。「プロレスは長く見ていると得をする」と言われますが、アニメもまた、長く追い続けていると幸福な瞬間に立ち会えるジャンルなのかもしれません。
未来への期待を込めて
最後は話が脱線してしまいましたが、『アペタイト・フォー・ディストラクション』はどの楽曲も素晴らしく、上記2曲以外にもプロレス入場曲やアニソンになり得る可能性を十分に秘めています。
なにより、ガンズ・アンド・ローゼズはいまだに現役です。それだけに、未来における新しい邂逅にも期待せずにはいられません。それもまた、プロレス入場テーマ曲やアニソンを嗜む上での醍醐味ではないかと私は思うのです。
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