[プロレス] 私的プロレススーパースター烈伝#53 アントーニオ本多

[プロレス] 私的プロレススーパースター烈伝

プロレス入りまで

今回はDDTにおける超個性派レスラー・アントーニオ本多選手(以下・アントン選手)のご紹介です。

アントーニオ本多選手は武蔵野美術大学在学中はプロレス研究会所属の傍ら演劇あるいは前衛演劇に出ているという変わった経歴を持っているそういう選手であります。そして卒業後は俳優業と学生プロレスを続けていたんですけれどもマッスル坂井選手にスカウトをされて2005年1月4日マッスル2に参戦して頭角を現してきます。

マッスルなき後 DDT に参戦するようになったアントン選手は当初はレスラーではなくマネージャーやスポークスマンというポジションとして試合を盛り上げていましたそのキャラクターが変われまた体も大きくなってきたこともあり次第にプロレスラーとしても活躍していきます。

対天山広吉戦

有名なところでいますと2010年11月18日新日本プロレスネバー4にいて1年3ヶ月ぶりに怪我から復帰した天山広吉選手の相手になったことは有名な話です。これは当時でも大抜擢と言える扱いだったんですけれども天山選手も実は新日本の若手以外だとアントンしか知らないという発言をしています。

この時代にはすでに他団体の選手にも知れ渡っていたということが伺えると思います。そして2012年4月8日新木場大会の開始前にラジオ体操の音楽に合わせてハルクホーガン選手のモノマネをするハルクホーガン体操が話題になり一躍人気者になりました。最近では試合中に膝を負傷し負けを認める前に聞いてほしいという風に懇願をして徹夜で考えてきたと言われている創作昔話ごんぎつねを披露しながらサミングによる奇襲を仕掛ける場面がよく見られます。

このようにアントンアントニオ本田選手の戦いと言うのは非常に無限大であるということが分かると思います。

天山選手を相手にする真剣勝負の試合、HARASHIMA選手とお互いのパンティとブラジャーを取り合う試合、リングなしのキャンパスのみで女子プロレスラーと戦う試合・・・どの試合もアントーニオ本多選手のキャラクターを最大限に出しお客様を楽しませようとしています。

優れたプロレスラーは

これこそがアントン選手の最大の魅力といっても良いでしょうと書く色が深く色眼鏡で見られがちな学生プロレス出身者ですがアントーニオ本多選手に関して言うとプロレスの技術はしっかりしており数年前2年前お笑い抜きで真面目に非常に数年前お笑い抜きで真面目に戦う試合も私は見ております。

この試合を見ていた他団体の某選手も絶賛していたことでした。基本アントン選手はアメリカプロレスのリスペクトベースですけれどもそこに敬意を忘れないところもアントン選手のアントン選手らしいところであります。

かつてDDTに竹下幸之助選手らと組んでいたハッピーモーテルというユニットがありました。竹下選手はアントン選手の「プロレスラーはWWEの選手もDDTの選手も地方の選手もみんな家族だ。だから家族にリスペクトをもって試合しないと、家族のバランスが崩れてしまう。ひとつひとつの技も大切に使わないといけないんだよ」と話したことに非常に感銘を受けたんだそうです。

一方でアントン選手も「僕の人生は、竹ちゃん以前、竹ちゃん以降で確実に何かが変わったんですよ。プロレスラーはアスリートでもあり、かつ優れたプロレスラーは詩人なんですね。その詩人の心が 竹ちゃんにはあるんだと思います」と語っていたそうです。

とはいえ本人も自分のプロレスに自信が持てなかったようでハッピーモーテル解散の際に竹下幸之介選手にこのようなメッセージを残しています。

全てがつながっていく

「私がこれまでこんなに泣いたことは若い時に失恋した時で、その時の涙は自分の存在を全否定されて本当に悲しくて辛くて泣いてしまった。けど竹下選手を見て流した涙っていうのは自分がこれまでやってきたことをハッピーモーテルを結成して一緒にやってきたことその全部が肯定されたような気がした。私のようなプロレスラーと一緒にやっていればいろんな人に舐められてしまう可能性があると思うんだけれども竹下選手は自分の個人的自分の個人的な想いをリングにあげようとする男だから自分みたいな人間との関係性をそのままリングに上がって戦ってくれた。あのバイオニックエルボーが出た瞬間に全て繋がったんだよあれはあれは僕らがやってきたことの総決算でありプロレスが出した一つの正解だ。ありがとう」というふうにお礼を言ったそうなんですね。

このすべてがつながっているというのは 、プロレスの醍醐味でありその連綿と続く大河ドラマに演者であるアントン選手が救われたというのも非常に興味深い点ですその竹下選手とアントン選手の物語は2021年にまた一つの節目を迎えます。

西鉄ホール大会で

2021年1月17日 DDT 西鉄ホール大会夜の部メイン竹下幸之助うえ野勇希・竹下幸之助組対アントーニオ本多・男色ディーノ組戦。この試合はプロレス界では先輩後輩でありながら、実は高校の同級生である上野選手と竹下選手。ですけれども、上野選手はユニバーサルのチャンピオンベルトを巻き竹下選手は現在無冠。

そして男色ディーノ選手は小4の竹下選手の年を呼んだった頃の竹下選手のファーストキスを奪った相手で、アントーニオ本多選手と竹下選手はかつてハッピーモーテルで一緒に活動していたわけです。そのハッピーモーテル時代の竹下選手を見てプロレスを入れよう決意したプロレス入りを決意したのが上野選手なんですね。

つまり四人が四人とも己の歴史と向き合いそれをさらけ出すことによって試合をしていたわけです。まさに大河ドラマだった訳なんですね。その上試合のクオリティも高く非常に素晴らしい試合でありました。

プロレスシェア

この試合の最後アントン選手がいった「プロレスをシェアしよう」という名言はお客さんも含めた全てがプロレスなんだという意味を持っていたと私は思っています。私はそれに深い感銘を受けましたまさにプロレスは歴史の上に成り立つものでありその上でその上で懐古趣味に走らず現在進行形の試合をしてくれた!これこそがこの日のメインを飾った四人のプロレスラーとしての矜持だったんだと私は解釈をいたしました。

「私と男色さんはルームシェアをして過ごした時期もありましたが、やっぱり俺たちはプロだから下がってく人間上がってく人間立場は違えどシェアしていく物はプロレス。プロレスなんですという風に安定しちゃったわけですねそしてそれを受けたそれを受けた ディーノ選手も「今日も本来の来てくれるか誰も来られなかったとしてそれでもそれでもこれだけ来てくれたということは私たちにとって誇りですありがとう勝手に行ったるわ!また来るよ」という風に言ったんですよね。

これもすごく感動いたしました。

プロレスを愛する気持ちがあれば

そして竹下選手が最後に「今リング上にいる僕たちをにプロレスそして今日この会場に来てくださった皆さんもプロレスシェアの一員です。みんなでプロレスを盛り上げて僕達もまた1年後とは言いません。すぐに博多に帰ってきてまたプロレスを盛り上げを盛り上げたいと思いますのでよろしくお願いします」

と言って「3・2・1プロレスシェアー」で大会を締めたわけですね。このプロレスシェアという言葉が非常に私に何も刺さった言葉になりました。今年2021年は私もプロレスシェアの一員としてプロレスを大いに盛り上げていきたい、そういう気持ちになることができました。

本当にアントニオ本多選手を始め竹下幸之介選手上野優樹選手そして男色ディーノ選手には感謝してもし尽くせません。また DDT プロレスリングの皆さんも素晴らしい試合をしてくれました。

非常宣言非常事態宣言の中にあって何度も何度も大会が中止になってそれでも延期延期に延期を重ねた上で昼と夜の部を開催してくれたそれだけでも感謝するべきことだと私は思っております。そしてどうしても来られなかった方いると思います。でもその来られなかったことを気に病む必要はないと思います。

立場は違えどどこにいたってプロレスを愛する気持ちがあるのであればそれはプロレスシェアの一員だと私も思います。

ですからプロレスシェアという気持ちを持ってみんなでプロレスを盛り上げて、そしてプロレスでハッピーになって行きたいなという風に私は思っております。






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