【プロレス観戦記】 GLEAT G PROWRESTLING Ver.65 |-BURN YOUR HEART-(2023年11月18日)

GLEAT観戦記

GLEAT G PROWRESTLING Ver.65 |-BURN YOUR HEART-

(2023年11月18日 | 土 | 福岡西鉄ホール:観衆312人)

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イントロダクション

6月以来のGLEAT博多大会。あの時は当たり前だが、ほぼ夏で薄着、冷房の中での観戦だった。

しかし、半年経つうちに気温はただ下がり、その上台風並みの突風で完全防寒態勢が必須となってしまった。

その上、最近ありがたい事に仕事が立て込んでしまい、なかなかGLEATをリアルタイムで追えないまま、当日を迎える事になった。

ただ、夏のビッグマッチで流出したタッグ王座はそのままらしく、斉藤ブラザーズのタイトルマッチが見られるのはありがたいと思ってチケットを購入した。

しかし、体格差がある上に勢いもある斉藤ブラザーズから至宝を奪還するのは至難の業。今回のチャレンジャーはある意味GLEATの最終兵器だけど、果たしてG-INFINITYは戻ってくるのだろうか?

下関→天神

朝方は5℃しかなかった気温も昼過ぎには和らいだ。しかし強風は相変わらず。北九州に入ると風もなく、穏やかな冬の気候に。

先月で廃止された「小倉〜博多よかよか切符」の代わりに小倉から出るソニックの切符を、金券ショップで購入し出発。6月もソニック使ったけど、まさかあの時はよかよか切符が廃止されるとは、全く想像していなかった。

土日はトンネルも混むし、高速バスは高速降りて天神着くまでが、渋滞地獄にはまるので、ソニック以外の選択肢が存在しないのだ。

結局、寒さ対策で久々に地下鉄利用。ICカードと小銭入れを忘れてきたのは失敗だったが、久々に切符を買ってみると、150円になったバスと210円の地下鉄なら、寒い時期くらい贅沢はしてもいいだろう。

というわけで地下鉄で西鉄ホールへ。地下鉄駅のほぼ真上が西鉄ホールがある西鉄天神駅なんで、寒風を浴びずに会場へ。

オープニング

西鉄ホールに到着すると、既にヤマムラタケヒロ選手によるDJタイムが始まっていた。

9月にDJのなんたるかを薄ら学んだ身としては、ヤマムラ選手の一挙手一投足が気になってみてしまった。

もちろん選曲もだけど、やっぱプロになるくらい極めた人は違うよなあ。

自分も練習したいけど、機材高いしなあ

調印式

2022年4月のG-REX選手権以来となる博多での調印式。テーブルが横に長いのはタッグ仕様だから。

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既に七度の防衛を果たしている斉藤ブラザーズはすっかり王者の風格。一体格的にGLEATの切り札と言っていいKAZMAとストームは、獲る気満々のマイクアピール。

記念撮影した後に両者がにらみ合い、ムードは最高潮!ただ、挑戦者組に取り返してほしいと言うより、会場は完全に斉藤ブラザーズについていたのがちょっと気にはなったかな。

オープニングバトル

G PROWRESTLING【6人タッグマッチ】
カズ・ハヤシ&田中稔&○飯塚優
(8分34秒、ヒールホールド)
×伊藤貴則&鬼塚一聖&児玉裕輔

6月に博多初登場したやんず家が今回はほぼフルメンバーで勢揃い。対するGLEATベテランチームに飯塚が加わったメンバーとはよい試合になりそう。

なんだかんだいって、大事なオープニングマッチを任されているのは、GLEATがやんず家を信頼しているからだろう。

スタートからはやんず家がお得意のチームプレイでベテラン組をリードするが、ベテラン組は、飯塚を温存しつつ自分たちが矢面に立つという戦法で少しずつ詰めてきた。

一番動ける飯塚を切り札にするあたりは、動けるベテランならではの戦略だと思ったが、これが奏功する。

鬼塚が撹乱して児玉が締めて伊藤に繋ぐやんず家の勝ちパターンにはついにならなかった。

気づけばリング上は飯塚と伊藤の一騎打ち。格的には飯塚不利かと思いきやサンボ仕込みの関節技を武器に躍動していく。

伊藤の張り手やハイキックを食らって口元から流血しながらも、飛びつき腕十字から足関節地獄に引きずり込んでタップを奪い逆転勝利。

ベテランの頭脳と飯塚の若さが難敵やんず家を飲み込んだ試合だった。

第2試合

G PROWRESTLING【シングルマッチ】
Generation Y vs Z
○チェック島谷(9分36秒、サムソンクラッチ) × 頓所隼

GLEATは、最近近況を追えていないのだが、頓所は60セカンズ解散後は、無所属なんだろうか?

島谷のシングルマッチは多分DDT時代から計算しても生で見るのは初めて。期待のシングルマッチと見ていいのか?それとも…。

試合はその頓所がチェックの首狙いの一点集中で攻めていく。チェックはおそらく様子見していたはずだが、あまりにオーソドックスな頓所の攻めはかなり効いたと思われる。

だが、やられてばかりはいられない。チェックも地味に反撃して、頓所に対して完全優位には立たせない。

それでも8割がた頓所が攻めていたし、クラシカルな攻防も見応えがあった。とてもY世代対Z世代の対決には見えなかったが、最後の丸め込み合戦からのサムソンクラッチで島谷の辛勝!

最後に出たのはキャリアの差かもしれないけど、頓所にはぜひ若さに似合わないクラシカルで基礎的な部分をこれからも磨いていってほしい。

それでも8割がた頓所が攻めていたし、クラシカルな攻防も見応えがあった。とてもY世代対Z世代の対決には見えなかったが、最後の丸め込み合戦からのサムソンクラッチで島谷の辛勝!

最後に出たのはキャリアの差かもしれないけど、頓所にはぜひ若さに似合わないクラシカルで基礎的な部分をこれからも磨いていってほしい。

第3試合

G PROWRESTLING 【タッグマッチ】
○井土徹也&JDリー (11分04秒、キルゾーン)鈴木鼓太郎&×佐藤恵一

こちらも60解散後に袂を分つ結果になった井土と佐藤の絡みが注目だが、BLACK GENERATION INTERNATIONAL入りしてからの佐藤は実にイキイキしている。

それに対して井土がどこまで意地を見せられるか?注目したい。

さて、新顔となるJDリー だが、動きだけ見ているとキャリア初期のジェイソン・リーっぽさがある。

まだ大技に頼り切った動きしかできていないけど、ちゃんと基礎を学べば化ける素材だとみた。

そんな未来ある若手の芽は早いうちに積んでおいた方がいい。キャリア7年でスタートは全日本プロレスだった佐藤と、NOAHデビューで、全日にいたこともある鼓太郎のタッグワークはさすがの一言。

やっかいなのは、BLACK GENERATION INTERNATIONAL(B.G.I)が最初からJDリーではなく、井土を標的にしていたことで、途中までは完全に鼓太郎組のペースで試合は進んでいた。

しかし、データが少ない分JDリーには未知の勢いがあり、後半で繰り広げた空中戦で井土をアシストし、自軍に勝利を導いた。

薄氷の勝利かもしれないが、難敵を退けた事で井土にも、JDリーにもよい影響が出そうな勝ち星だったと私は思う。

第4試合

G PROWRESTLING【タッグマッチ】
○ウナギ・サヤカ&青木いつ希(10分17秒、拙者、蒲焼き者で候→片エビ固め) MICHIKO&Aoi●

G PROWRESTLINGで唯一方向性が定まっていない女子部門。今回は細川もいないし、もともと外敵だったウナギがいつのまにかGLEAT側にいて、そのウナギに追い出された宮城改めMICHIKOが、GLEATにDIAMOND EGOISTとして反旗を翻している。

古巣スターダムでも上がったはいいが、抗争は継続しなかったみたいだし、ウナギが抜けたらどうなるんだろうか?

試合はそんな悪い予感がもろに的中してしまう。そもそもAoiはあのチーム200キロとして今をときめく優宇に勝利し、QUEEN of JTO初戴冠となったばかり。

どうみてもAoiの方が格上に見えるんだが、誤爆を機にDIAMOND EGOISTは一気に険悪なムードに。これはどうみてもMICHIKOが悪いようにしか思えない。

反対にウナギと青木は急造タッグとは思えぬ息のあいっぷりで、正直穴らしい穴もなく、余裕の勝利。

試合後なぜか苦悩するAoiにウナギが上から目線で(この場合はウナギの通常運転なんで問題なし)「お前は今のままでいいのか?」と問いかける。

結局、試合後AoiがMICHIKOにシングルマッチを要求した。

しかし、なんでJTOのチャンピオンにまでなったAoiが悩めるキャラで、迷走してるMICHIKOが上から目線で挑戦受ける側なのかが最後までわからなかった。

おまけに正規軍2人ともGLEAT所属じゃないし、空気扱いしちゃうし。

DIAMOND EGOISTはもはやヒールユニットとしては限界に来てるんじゃないだろうか?

この流れでAoi対MICHIKOのシングルやってその先に何が生まれるんだろうか?

GLEATに対してはLIDETUWFやMMAも含めて、好意的に見てるんだけど、なぜか女子の試合だけが腑に落ちない。あくまで個人の見解だけど。

第5試合

G PROWRESTLING 【タッグマッチ】
○渡辺壮馬&進祐哉12分25秒ファイヤーバードスプラッシュ→片エビ固め)石田凱士&×ハートリー・ジャクソン

B.G.Iの勢いは以前ほどではないにしろ、まだまだ一大勢力には違いない。

ただ、外敵感が薄い気がするのだけど、どうなるだろうか?

見た感じ渡辺&進はどうみてもB.G.Iの対角に立つには色々弱いなと思ってしまった。

キャラもそうだが、ある程度なんでも受け止められて、日本のプロレスにも順応できているジャクソンがいるせいか、どう見てもB.G.Iが負けるイメージがしない。

それでなくても渡辺&進には、あまりにチームとしてのイメージがない。もしかすると見てない間にドラマがあったのかもしれないが、この試合を見る限り、2人でなんとか頂点目指そうという意気込みも感じられなかった。

試合もどうにか勝ったという印象。正直石田とジャクソンが勝って、斉藤ブラザーズへ挑戦の方が観たかったかな?

試合後握手を求めたジャクソンと簡単にシェイクハンドしてしまった渡辺は、案の定ジャクソンの豪腕で轟沈。進の肩を借りて立ち上がる姿はとても勝者には見えなかった。

まあ、この流れで渡辺&進が至宝を奪還したらそれはそれでドラマティックではあるんだろうけど。

休憩

ここで10分間の休憩。そういえば秋のGLEATはなぜかスクリーンを使わないんだよなあ。

ずっと座りっぱなしで疲れたので、ここはちょっと立って伸びをしたり、体調を整えて後半戦へ。

《セミファイナル》

G PROWRESTLING【6人タッグマッチ】T-Hawk&エル・リンダマン&×俊桀(ジュンジェ)
(15分59秒ラリアット→エビ固め)
河上隆一&○田村ハヤト&ガレノ・デル・マル

前回の博多大会ではアクシデントで不完全燃焼になってしまった俊桀(ジュンジェ)。今回は#STRONG HEARTSの仲間によるバックアップもあるだろう。

しかし、B.G.Iのおかげでベビー人気まで獲得したバルクは結構強敵でもある。

心配した俊桀(ジュンジェ)はだいぶプロレスに対応できるようになっていた。まあ、T-Hawkとリンダマンがいるから六月みたいによほどのことがなければ大丈夫だとは思っていたけど。

しかし、かつてはGLEAT一のヒールユニットだったバルクもすっかり人気者になってしまい、今や#STRONG HEARTSを上回る勢い。一時期解散説までささやかれていたとは思えないくらい、今のバルクは絶好調。

特に河上リーダーは何をやっても許されるくらいの勢いがあって、そこに田村とガレノの規格外パワーが加わるんだから、正直田村&ガレノで斉藤ブラザーズに挑戦してもいいんじゃないだろうか?

特に田村がフィニッシャーにした俊桀(ジュンジェ)へのラリアット二発は説得力十分。これを斉藤ブラザーズへぶつけてほしいなあ。

試合敵にも内容的にはほとんどバルクのものだったような気がする。G-REXの現王者と全王者がいるわりにはちょっと#STRONG HEARTSがおとなしく見えた。

《メインイベント》

G PROWRESTLING【タッグマッチ】
G-INFINITY選手権試合
《王者組》斉藤ジュン&○斉藤レイ (17分12秒ダイビング・ボディープレス→片エビ固め)×KAZMA SAKAMOTO&クワイエット・ストーム《挑戦者組》
※第3代王者組8度目の防衛

夏にキャリア初の戴冠を達成し、11月まで7度防衛してきた斉藤ブラザーズ。小柄な選手が多いGLEATで、KAZMA SAKAMOTOとクワイエットストームは数少ない対巨漢戦力である。

今では滅多にお目にかかれない怪獣対決は、きっとプロレス本来の魅力が伝わる試合になりそうな気がする。今回はこのカードのためにチケットを買ったようなものである。

試合はこの両チームらしく序盤から激しい場外戦に始まり、SAITO BROTHERSは水を得た魚の如く縦横無尽に暴れ回るが、会場は大声援。人気者のバルクをして斉藤ブラザーズ支持は圧倒的だった。

このように苦戦が続くBULKだったが、KAZMAが機転を利かせて窮地を脱出し、ストームがパワーファイトでSAITO BROTHERSと壮絶な肉弾戦を展開。

一時はジュンの120kgの巨体を53cm腕ラリアットで吹き飛ばすなどして流れをなんとかたぐり寄せようとした。

だが、兄のピンチを救うべくレイが1vs2の大立ち回りを演じて流れは再び王者組に。

KAZMAが集中砲火を浴びてしまい、ストームはジュンから受けたダメージが深く救援できない。

最後はレイがチョークスラムから必殺のダイビング・ボディープレスを炸裂させてKAZMAから3カウントを奪って完勝。思った以上に差があった試合になってしまった。

それにしても2020年にプロレス転向してキャリア3年の選手が、ここまで堂々としたプロレスをやれてしまうのは恐れ入った。会場人気もものすごいし、ここに勝てるチームが見当たらないのが正直な感想である。

エンディング

試合後には、渡辺壮馬&進祐哉のイケメンタッグが挑戦表明。しかし会場の反応は今ひとつ。

そこで敗者のKAZMAが「そんな気持ちがこもってないマイク、ここのお客さんに伝わるかよ」とまさかのダメ出し。

「今日来た博多の客さんに後押しされるようなマイクで締めることが出来るのか!」と厳しくも愛ある檄を飛ばした。

これを受けてマイクを手にしたジュンの美声に観衆から「声、かっこいいよ!」の合いの手が入る。

女性ファンが色めき立ってジュンがたじろぐというほのぼのとした空間は、もはやどっちがベビーフェイスかわからない状態。

それでも斉藤ジュンは、「お前たちをひねりつぶすのは簡単だ。俺たちは誰の挑戦も受けてやる。だがそれを決めるのは、GLEATだ。DOOM!」と言い残してリングを降りた。

残った渡辺は「なんとかこのチームでベルトをGLEATに取り戻す」と宣言するも、会場の反応は今ひとつだった。

後記

大会終了後、とりあえずエレベーターに乗って、地下鉄経由でソニックに乗って小倉へ。やっぱ新幹線と違って停車駅が多い分、時間もかかる。

車中で観戦記もだいぶ書けたけど、20時前に会場を出て家に着いたのは22時過ぎ。いつもの仕事終わりとあまり変わらない。

本来なら明日も残ってマーベラスも観たかったけど、ちょっと身体のことを考えたら泊まりは避けたいところ。

今回のGLEATは、カードも良かったし、試合内容も良かったんだけど、メイン以外はあまりお客さんが湧いていなかったイメージ。6月はあれだけ盛り上がっていたんだけどなあ。

個人的には第二試合とか好きな部類の試合なんだけど、今のファンのニーズとは違っていたのかな?

プロレスって難しい。いまだに答えが出ない。

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