[プロレス観戦記] 新日本プロレスG1クライマックス25(2015年7月29日(水)福岡・福岡国際センター)

 新日本プロレスG1クライマックス25

(2015年7月29日(水)福岡・福岡国際センター:観衆:2,640人)

イントロダクション

G1(ジーワン)とは、元々競馬の最高格付けの競走のこと。発案者は当時の新日本プロレス社長坂口征二さんである。「G1」は競馬ファンとしても知られる坂口・現相談役が競馬のGIレースから取って名づけている。

ということで最高格付けであるべき選手が出場して凌ぎを削るのがG1であると考えるなら、最多日程かつ大人数で行うリーグ戦形式になった今のG1が果たしてG1クライマックスと呼んでいいのかどうかは甚だ疑問が残る部分ではある。そういう疑問はさておき私としては「腐ってもG1」という位にある程度ブランドになったG1への信頼もまた捨てきれていない。

私の隣に中学生くらいのお孫さんを連れた年配の方が観戦していらしたが、G1歴代決勝ダイジェストの映像が流れているときに実に的確な場所で拍手をおくられていたのが印象的だった。フィニッシュホールドも「これは!」というところで感嘆されてらしたし、回顧趣味ではなくちゃんと今のプロレスにも一定の理解をしめしていた。時々気になってチラ見していたんだけど、飯伏対柴田とかにも好反応されていて、いい感じでプロレスをみららてこられたのだなあというのがわかる。ただそこに座っているだけでプロレス好きというのが伝わってくるというのはなかなかできることではない。

オープニング

若い世代の見方というのもそれはそれで参考にはなるが、年配の方の見方というのはなかなか触れる機会がない。それだけに貴重な体験をさせてもらえた。

意外な見方、異なった考え方に触れることで自分のプロレス観をより豊かにすることができるのは幸せなことだと私は思う。

お客の反応をみていると自分とは違った視点でプロレスをみていることに気づかされるが、

プロレスを見始めて40数年で、自分よりキャリアの長いファンから観戦の姿勢を学ぶことができるというのはかなり贅沢なことだからだ。

プロレスは長く見続けるとよりお得なジャンルではあるが、この年になってくると自分より年上の観客自体がとても少ないため、どうしてもファンのキャリアでいうと最年長になってしまう。

うるさ型の年寄というのは今すぐにでもなれると思うけど、たたずまいとか雰囲気で、ただものでないお年寄りというものに憧憬がある私には、あれこそ目指す未来像だなと思えたのだ。やはりこういう出会いがあるからプロレスはやめられないのだ。

孫を連れての観戦は無理だとしても、あのくらいの年齢になってもプロレスはみていたいなあと思う。

第1試合:20分1本勝負

タイガーマスク&マスカラ・ドラダ(○)vs.デビッド・フィンレー(×)&ジェイ・ホワイト
(7分58秒ドラダスクリュードライバー→片エビ固め)

昔に比べるとよくなったとはいえ、やっぱ大舞台の前座でしかCMLL勢をみられないのは、正直つらい。ドラダはもっと上で使ってもいい選手なんだけどなあ。まあ掴みとして第一試合を任せられる人材でもあるんだけど。

一方青い目のヤングライオンであるジェイと、フィンレー二世はまだ上では使えない「これからの素材」である。特にデビッドはこれからどうしたいのかがまだよくみえてない感じがした。いいものはもってるんだけど、おやじさんと比較されたくないからか、スタイルが凡庸で、これという確かなものをまだみせてはくれなかった。

福岡国際の第一試合って、ジュニアの4WAYか、出られない選手を寄せ集めた混合タッグとかそんなのばっかだったんで、多少はましにはなったんだけど、もう少し妙技を堪能したかった。

第2試合:30分1本勝負

永田裕志&小島聡&田口隆祐&小松洋平(×)vs.カール・アンダーソン&高橋裕二郎&タマ・トンガ(○)&コーディ・ホール(11分13秒ベレノ→片エビ固め)

まあその寄せ集め感が多々でたのがこの試合。とはいってもそれなりに役者はそろっているので、試合自体は悪くもなくよくもなくといった感じ。こういうところで小松を使っているのはもったいないなあと思う。経験値を積む点では悪くないんだけど、やっぱやられるのは誰かってなると、小松になっちゃうしなあ。

こういう点でいうと新人だけどコーディのでかさはやっぱズルい。大物二世ではあるんだけど、もって生まれたものだけで勝負できる点ではやはり一枚違う。

G1の場合もともとリーグ戦やトーナメント敗退した選手同士が、前座で夢のチームを結成したりということがあったんだけど、もう95年あたりからは、出られない選手の枠用に前座があてがわれることが多くなった。永田だって当時は斎藤彰俊と第一試合でずっと闘ってもいた。

でもできたらこの枠は将来G1に出られそうな有望株のための枠にしてほしい。地方でもみられるような寄せ集めのタッグマッチはやはりG1にはふさわしいとは思えないからだ。

第3試合:30分1本勝負

マイケル・エルガン(ROH)&本間朋晃(○)vs.石井智宏&YOSHI-HASHI(×)
(13分00秒こけし→体固め)

中邑の負傷欠場で6人タッグから変更になった第三試合。しかしエルガンという思わぬ副産物があらわれたことで内容は俄然面白くなった。こういう試合があるとやっぱG1だなあと思ってしまう。カードだけでは判断できないプロレスの奥深さの一つである。

一見すると「みんなのこけし」が全部かっさらっていったように見えるこの試合。でもそのほとんどはエルガンと石井が流れを作っていた。とにかく石井と真っ向勝負できる外国人という、今までになかった枠にエルガンが入ろうとしているのはなかなか新鮮だった。

同じBブロックにいるせいか本間とエルガンの連携もほとんどなく、逆にそこをつかれて敗北したが、エルガンはパワーだけでなくテクニックもあるし、111キロという体重から信じられないくらいの身軽さをもみせてくれた。石井の試合はこの試合で本間とやり合った時もそうだが、基本チョップとか打撃系の一本調子になることが多い。しかしそこへ投げっぱなしジャーマンや、スワンダイブ系など新しい線を加えて見せたエルガンは、石井にとって格好の標的だろう。どうもエルガンも石井狙いできていたことは明白で、この二人のぶつかり合いは本当に面白かった。

まあ人気の本間がラストだけ格好つけさせてもらえたということで、エルガンとも一触即発状態になっていたのも面白かった。こういう未知の逸材を大爆発させてこそのG1だと思うので、ぜひG1以降も継続参戦して真壁と石井がとりあっているNEVER戦線に旋風を巻き起こしてほしい。間違ってもバレットクラブにだけは入らないでと思うが、まあROH所属なんで、いずれは石井とコンビを組んでも面白いかもしれない。

第4試合:30分1本勝負

後藤洋央紀&獣神サンダー・ライガー(○)vs.オカダ・カズチカ&外道(×)
(10分15秒ヨーロピアンクラッチ)

G1チックでもあり、地方大会っぽい第四試合。まあIWGPチャンプのオカダとインターコンチの後藤という二人のチャンピオンがあいまみえるという意味ではなかなか面白いカードだが、ここにライガーと外道が加わっている点も見逃せない。闘龍門時代にメキシコでウルティモドラゴン二十周年記念大会でミラノ・ライガーと組んだ試合が、オカダにとって新日転身のきっかけになったことを考えると、オカダの歴史からライガーは外せないし、マネージャーとして帯同している外道が、選手として、タッグパートナーとして横にいる図はかなり新鮮でもあったりする。

そして新日所属のままWWEのNXTに出場が決定しているライガーにとってはG1ラストマッチでもある。特にアナウンスはなかったが、壮行試合を兼ねていると考えてもなかなか憎いカードである。

まあそうはいって後藤対オカダ、ライガー対外道で進むのかと思いきや意外にもオカダとライガーの絡みがたくさんあったのは収穫だった。いつもやる首狙いではなく、純粋に空中戦を楽しんでいたようにみえるオカダはヘビー級相手の時とはまた違った面をみせていたように思う。

もちろん後藤ともやりあいはしたが、まあインターコンチとIWGPは基本混ざらないでほしいのであまり興味はない。外道はスーパージュニアの時とは違ってインサイドワークを駆使してライガーを翻弄。このあたりはさすが伊達に長年邪道とタッグ屋をやってきたわけではないところをみせてくれた。忘れがちなんだけど、CHAOSってもともとヒール軍団なんだし、外道みたいなことはもっとやってもいいと思う。

ライガーもフィニッシュにヨーロピアンクラッチというまたしぶい技を使ってくるし、あの年齢でこのメンツに入って常時試合できるというのは本当にすごいことだと思う。

ということでマイケル・エルガン対石井と、オカダ対ライガーの絡みが、個人的には前半戦の主なハイライトになった。

第5試合:「G1 CLIMAX 25」Aブロック公式戦第4回戦:30分1本勝負

矢野通(×):2点(1勝3敗)vs.ドク・ギャローズ(○):2点(1勝3敗)
(6分58秒マジックキラー→片エビ固め)

多分矢野がインサイドワークを駆使した試合になるかな?と想像していたら、そのとおりの試合展開に。乱入も厭わないバレットクラブのセコンドを煙にまき、ひとりで全員を相手にしていた。典型的な巨漢ファイターを翻弄するプロレスは、やはり矢野にしかできないだろう。

消化試合とまではいわないが、意外性も何もなかったなあ。この試合で露呈したのは矢野人気の高さと、バレットクラブがやはり、AJ以外は烏合の衆だという事実かもしれない。

パワー以外は矢野に分があるのはわかりきっているので、バレットクラブももう少し頭脳戦ができないとなあ。くせ者・矢野のインサイドワークに対してろくに主導権も握れないで、セコンドのカール・アンダーソンが介入して矢野得意の急所攻撃を妨害し、ギャローズが逆に急所攻撃を決めて、アンダーソンとの合体技マジックキラーで3カウントを奪った、という感じでラストだけしか働いていなかった印象しかないし。

彼らが用意された役割以上の働きができないというのはある意味致命的。AJはよく「我々はプロフェッショナル集団」というけど、やはりどう見ても「AJスタイルズとその他大勢」なんだよなあ。

第6試合:「G1 CLIMAX 25」Aブロック公式戦第4回戦:30分1本勝負

真壁刀義(○):4点(2勝2敗)vs.天山広吉(×):2点(1勝3敗)
(8分41秒キングコング・ニードロップ→片エビ固め)

苦労人同士の一騎打ち。正直肉体派の真っ向勝負はもう天山にはキツいんだろうなあ。顔を歪めるシーンがやたら目立ったし、かつて天下を取ったアナコンダバイスも繋ぎ技にしか使えない。モンゴリアンで一時的に会場を沸かすけど、真壁をおいつめきれない。逆に真壁は立ち塞がるかのように天山を追い込んでいく。

幸いなのは真壁も真っ向勝負嗜好のファイターだけに、天山の持ち味までは死ななかった。しかし同タイプだからこそ、天山の衰えも垣間見えてつらかった。

第3世代に引導渡す側の真壁も正直複雑だっただろう。NEVERの現役チャンピオンとはいえ、インターコンチからもIWGPヘビーからも徐々に遠ざかりはじめている。まあそれをいったら天山だってNWAのチャンピオンなんだけど、今のNWAの扱いを考えてみたら、まあ「功労者が巻くベルト」でしかないし。

真壁だって実は安穏とはしていられない。棚橋、中邑の天下ですらそう長くないだろう。オカダの登場はそれだけ新日本プロレスの時計の針を進めてしまったのだ。いずれこの日の天山と同じ姿を数年後の真壁がさらしてしまうと想像したらそれはそれでつらい。

だからこそ真っ向勝負に関わらず淡白にリングを後にした真壁の姿に感じるものがあったし、うずくまり、セコンドの肩を借りて退場する天山の背中に想うところがたくさんあった。公式戦の一場面として片づけるにはあまりに切ない試合だった。

真壁はラリアット、キングコングデスバレーボム、キングコングニードロップと畳み掛けて勝利をものにしたが、この必殺技ラッシュもかつては天山が通ってきた道。そうなると余計に今の天山の姿に未来の真壁の姿がだぶってみえたのだ。

第7試合:「G1 CLIMAX 25」Aブロック公式戦第4回戦:30分1本勝負

飯伏幸太(×):4点(2勝2敗)vs.柴田勝頼(○):6点(3勝1敗)
(13分25秒PK→エビ固め)

ザ・レスラーといいつつ柴田のイメージから格闘技の色を消して考えるのは難しい。戦績は芳しくなくても、なんとなく格闘技畑の選手だよな、という思い込みをどうしても払拭できない。

しかし、彼はあの柴田勝久の息子なのだ。レフェリーとして活躍する前、新日本の創世記を支えた職人レスラーのDNA。それが飯伏戦で大爆発した。今までの試合を見る限り、戦術という点で柴田本人は格闘技でそれを学んできた意識があるように私にはみえる。

しかし、持って生まれた才能がベースにあるということは、普通の選手がいくら努力しても手に入らない領域を柴田は持っていることになる。

そうでも考えないと、あの天才・飯伏幸太の技を完全に読み切るということは不可能だろう。飯伏の反射的に繰り出す技は常人ではかわしきれない。それに真っ向勝負するかのように見せかけて、ダメージを喰らわないようにかわし、常に先手を抑えていく柴田の動きは、やはりDNAレベルで違いがあると考えなければ、私自身が納得できない。

いくら一定のパターンがあるとはいえ、飯伏の技は相変わらず変則的である。それについていける反射神経と、動体視力、そして戦術の面でこの日の柴田は完全に飯伏の数歩先を行っていた。それくらい完璧に飯伏封じをしてみせたのだ。

多分お客さん的にはバチバチしばき合う両者が期待以上にしばき合ってくれたので、それだけで満足だっただろう。序盤は、エルボー、ドロップキック、ミドルキック、顔面ウォッシュなど打撃戦に。中盤には柴田のバックドロップに飯伏がカウント1で返すと、飯伏のジャーマンに柴田もカウント1で返す意地と意地のぶつかり合いが展開されたからだ。

しかし、一時的に格闘技に行っていたとはいえ、元々柴田勝頼は新日本から生まれたレスラーである。飯伏とはそこが決定的に違うのだ。

飯伏には壁はないと信じたいが、チャンスが与えられても勝てない試合が増えてくるとしたら、そこはやはり新日本でない出自も要因としては考えられる。そこを飛び越してこそのゴールデンスターなので、まだまだ飯伏には大いに期待をしておきたいのだけど。

この試合は石井のような肉体対肉体の真っ向勝負のようにみえて、実は柴田と飯伏がそれぞれ持ち合わせた天賦の才をぶつけ合った試合だったのだ。そう考えると、柴田がザ・レスラーであることを、この試合で余すところなく見せてくれたのだとも言えるだろう。

最後は飯伏の打撃ラッシュを張り手で返した柴田がスリーパーホールドからのPKで勝ちをもぎとったが、終始柴田から余裕が消えることはなかった。中邑と違うアプローチだからこそこうなったともいえるけど、この試合がこの日の中でもっともG1らしい試合であったことは疑うまでもない。見事な闘いだった。

第8試合:「G1 CLIMAX 25」Aブロック公式戦第4回戦:30分1本勝負

棚橋弘至(×):4点(2勝2敗)vs.バッドラック・ファレ(○):6点(3勝1敗)
(13分7秒フォーリングココナッツ→片エビ固め)

G1あるあるではないが、この試合は公式戦のひとつでしかないから、棚橋が負けても傷はつかない。タイトルマッチなら、バレットの介入でベルト移動だとお客さん的には歓迎したくないけど、長い公式戦で勝ち続けることの難しさを考えたら、ファレあたりに取りこぼしても不思議ではない。

しかも棚橋にはキャプテン以外にパートナーらしいパートナーがいない上にそのキャプテンがTV解説席にいるとなると、棚橋は事実上1対大勢を闘うことなる。

まあ、試合はそのとおり、バレットがレフェリーを巻き込み、審判不在の中、ハイフライフローが決まるも、カウントは入らず、逆にバレットの乱入を許し、ファレがカバーしたところに、セコンドがレフェリーを戻してスリーカウント。まあ、棚橋もあっさり負けるわけでなく粘りに粘って力尽きて負けた形にしたのはさすがに逸材だけのことはあるけれど、一歩間違えばプロレスにありがちな茶番で終わる危険性もあった。G1を短期集中でやる意味はこうした茶番になりそうな試合の数を減らせることにあるのだが、長期シリーズにした負の部分が矢野戦やこの棚橋戦に出てしまった気がする。普通のシリーズなら茶番もありだけど、グレードワンを謳う歴史ある大会で、こういうのはやっちゃダメだと私は思う。

矢野戦が茶番にならなかったのは矢野自身のキャラクターに助けられた部分が多分にある。いくらプロレスがなんでもありだとはいっても、業界最大手の最高のシリーズでこういう試合をしちゃねえ・・・まあ昔からこういうのは、なかったとはいわないけれど。正直セミファイナルでやる内容ではなかった。

第9試合:Aブロック第4回戦:30分1本勝負

AJスタイルズ(×):4点(2勝2敗)vs.内藤哲也(○):6点(3勝1敗)
(17分13秒:デスティーノ→片エビ固め)

内藤というのは自分自身がまるで見えていない選手なのだろうか?前にG1でてたときもTシャツ着たまま試合してて会場から「内藤、Tシャツ脱げ」といわれていたし。今回もテーマ曲は今までのままなのに、その明るい曲調とは不似合な黒づくめの衣装に、不気味なマスクで登場。

それでいて試合前にそのコスチュームをじらすように脱いでいく。AJをいらだたせる心理戦をしかけているようにもみえたけど、単に脱ぐのに手間取った印象しか得られなかったし、百戦錬磨のAJ自体がそもそも動じてもいない。会場から「いいから早く脱げ」の声があったようにむしろお客さんの方がいらついていた。仮に演出なのだとしても、そこでお客さんに伝わってない限り、内藤の自己満足でしかない。あれだけ奇抜な中邑の衣装や田口の言動がお客の支持を受けているのはちゃんと「伝わっている」からなのだ。

そもそも内藤がなんでG1の大舞台でキャラチェンジを図ろうとしているのか?さっぱりわからなかった。それは観客も同じだったみたいで、終始AJには大声援、内藤には大ブーイングという展開がずっと続いていた。

内藤はロープブレイクに手を離さず、ロープを利用してのチョーク攻撃、AJにつばを吐きかけるなどラフファイトを展開。場内からは当然大ブーイング。ヒールのそれと違って明らかに、場違いなことを繰り返す内藤への不快感からくるブーイングだったことを、本人は理解しているのだろうか?それも含めてプロレスだといえばそれまでなんだが、あまりにも説明不足だし、全然伝わってないからこその不支持だということをもう少し新日本も内藤も頭を働かせて勉強すべきではないのだろうか?そもそも個人的なキャラチェンジはG1の前にやっておくべきで、新キャラのお披露目に使っていいシリーズではない。

最後はブラディサンデーを狙うAJの一瞬のスキをついて新技デスティーノで完璧な3カウントを奪った。まあ政治的にいえば、飯伏も広島でAJに雪辱していたし、内藤もそうしたことでとりあえずイーブンにしておきたかったのだろうけど、飯伏の雪辱と内藤のそれは意味が全然違う。飯伏の勝利は素直に喜べるけど、内藤のはなあ・・・・

試合後に海野レフェリーや、TVカメラマンに暴行していた内藤。場内からの大ブーイングにも「トランキーロ(焦るなよ)」と余裕しゃくしゃくでいたのだが、これが演出なんだから、という内藤の態度は正直どうかと思う。「もう誰も止めることはできない。ということは今年のG1の優勝者は……ロス・インゴベルナブレス、ナイトー!!」と優勝宣言でリングを後にしたが、正直スペイン語と日本語をごっちゃにしたことで余計真意が見えづらくなってしまった。

この試合も正直メインで組むべきカードではなかったかなと思う。

後記

試合終了後、バス待ちをしていると多くの方が「飯伏対柴田をメインにすればよかったのに」とか「国際センターっていつもメインが微妙」などという声が聞かれて「ああ、今のファンも同じように感じていた人も多かったんだな」と思えた。

「かといってスターレーンじゃ飯伏対柴田なんかやってくれないし」とか聞いてて「そうだよな」と思える会話も聞こえてきた。そうファンだってばかじゃない。大阪城をメインにもってきて、福岡が格下げされたことを結構福岡のファンは根に持っている。

そこを見誤ってどんなカードでも客は入るんだというおごりを新日がみせはじめているのも確かなんで、もう一回そこらへんを肝に銘じ、カード編成にいっそう魂こめて誠実にファンに対応していってほしい。今のままだと正直また奈落の底に沈む可能性が捨てきれないからだ。

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