[プロレス観戦記] がむしゃらプロレスイベント試合:第13回 撥川(ばちがわ)ホタル祭り

がむしゃらプロレスイベント試合:第13回 撥川(ばちがわ)ホタル祭り

(2018年5月26日(土)会場/曲里の松並木公園=黒崎ひびしんホール前)

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イントロダクション

黒崎ひびしんホールといえば個人的に忘れられない。昨年末にアートイベントを手がけながら、体調不良でぶっ倒れた因縁の場所である。

イベント前に「いつかここにがむしゃらプロレス呼びたいね」と出来もしないことを語り合っていたのが、もう半年も前のこと。それがまさか全然違う形で実現しちゃうとは。しかし、私が関わったイベントより、撥川ほたる祭りの方がよりキチンとしたお祭りだったので、これで正解だったと思う。

戸畑から黒崎に行く国道3号線はいつも混んでるけど、それでも少し早めに出たらギリギリについた。もともとひびしんホールの駐車場にとめるつもりだったけど、ちょっと欲かいてサンリ○にとめようとしたら、案の定満車だった。というわけで、不法駐車せずに(笑)ホールに車とめて会場へ。

昨年イベントやって知ったのだが、ひびしんホール前の曲里の松並木公園は、北九州市の所有でひびしんホールとは異なる空間。公園の管理は黒崎駅前の八幡西区役所の管轄なんだが、ここの役所は北九州でも有名なくらい「お役所お役所」したとこで、二度と関わりたくないと個人的には思っている。

そんな八幡西区役所と13回もやりとりしながらほたる祭りを開催し続けている実行委員会の方々のご苦労を思うと、試合前から私は泣けてきた。

オープニング

初めてほたる祭りに行ったけど、正直こんな立派なお祭りがあるんだな、と感心させられた。学生さんたちの書道アートも素晴らしいものだった。プロレスさえあれば、他は割とどうでもいいとおもっている私が感動するくらい、彼らのパフォーマンスは立派だった。

ステージに使われていたリングを選手全員でロープを張ってあっという間にプロレスのリングが出現!そのスピードたるやさすがとしかいいようがない。

復旧したリングではプロレス教室。子どもたちは元気いっぱい(一部除く)。黒崎はまた明らかにカラーが違うから面白い。HIROYAが子どもと対峙すると、昔、ライガーと組んでいたエル・ヒガンテを思い出してしまった。若い人にはわからないとは思うが(笑)

第1試合

MIKIHISA&×パンチくん対 ○鉄生&TOSSHI

イベント試合でありがちなのは、正規レフェリーが仕事の都合で来られなくて、代理レフェリーがでてくること。先週はNIKKYだったが、今週はなんとKENTAにお鉢が回ってきた。当然ペイントなしの、超真面目なレフェリングに徹していた。しかし仲間とはいえLCRがレフェリーのいうことを聞くはずもない。

かといってパンチくんやMIKIHISAがレフェリーに従順なわけでもない。そもそもLCRより先に一升瓶を振り回して好き放題に暴れるパンチくんは、最初からレフェリー無視の自由さで、鉄生、TOSSHIを煙にまく。

おまけに初夏の陽気も手伝って夕方の時点で30度近い気温の中、慣れないレフェリングでKENTAはすでに汗だく。まあ、今日いるメンバーの中で、キャリア・実績を考えたら一番適任ではあるのだ。

そして一番レフェリーに向いてない4人がリングの上で試合しているというのは、ある意味なんかの罰ゲームかと思った。

イベント試合でありがちな場外乱闘は二試合とも見られたのだが、門司や小倉で鉄生を見慣れている子どもは、場外に出てきてもそれほど怖がらない。しかし耐性のない黒崎の子どもは鉄生にドン引きしていた。

観客参加型というのはイベント試合のだいご味でもあるのだが、この試合に関しては裏目に出てしまったとしかいいようがない。これもまた計算できないイベントならではの出来事といってもいいだろう。

鉄生を見慣れているいつものメンバーにとっては、ありのまま怖がってくれる子どもたちの反応は非常に新鮮に映ったのだけど。

試合はTOSSHIがMIKIHISAを分断し、パンチくんを孤立させたところへ、鉄生が必殺の鋼鉄ロケットランチャーでとどめを刺した。自分が所属しているチームなのに、レフェリングしにくかったせいか?TOSSHIと鉄生の手を上げるKENTAレフェリーの顔はかなりお疲れの様子だった。

第二試合

トゥエルノ・ゲレーロ&美原輔&×HIROYA対〇豪右衛門&陽樹&YASU

今勢いにのるドリームチューバ―対gWoの対決。先のタッグトーナメントで優勝をかっさらった美原がイベントとはいえ、はじめてYASUとぶつかるということは、当然その先のベルト奪取を見据えていないといけない。ところが、試合が始まってみたらおいしいところをかっさらっていったのはまたしてもHIROYA。

さすがに現ジュニアチャンピオンのゲレーロこそ、HIROYAの存在に消されることなく闘っていたが、美原がYASUに傷跡を残せたかというと、実はそうではない。

土屋・YASU組からベルトをとりたいなら、美原はなりふり構わずYASUにつっかかっていかないといけないはずではなかったのか?この日の美原はどうもHIROYAとゲレーロのつなぎ役に徹していたように見えて仕方なかった。

むしろ、タッグ王座に挑戦してくる敵として美原をみていたgWoが逆に美原狙いで攻めてきたのとは全く好対照だった。確かに美原には素質があるし、運もある。タッグワークでいうとサムソン澤田とのコンビは熟練の域に達してもいよう。

だが、タッグ屋としてきれいな試合をみせることが今の美原には必要だろうか?なりふりかまわずYASUをしつこく追い詰めるくらいでないと、あのチームからベルトをとるなんてことはまず不可能だと私は思う。

昨年二度もチャンスをもらいながら、タッグのベルトに手が届かずいまだ無冠でいる美原の存在は、gWoにとっても本当は厄介なはずなのだ。でも現実は「はげ」呼ばわりで美原をおもちゃにしているだけ。

本当はそこから反撃に出てくる美原の感情が見たかったのだが、髪型弄りに美原がのっかったおかげで、タッグの前哨戦どころかコミカルな試合になってしまった。

結局印象に残るのはゲレーロの卓越した空中戦と、HIROYAが縦横無尽に活躍する場面だけ。もちろんgWoもこの時点でHIROYAを新人扱いなどしてはいない。本当は味方二人を差し置いてでも、タッグのベルトに貪欲な美原が見たかったのだが、今回もそれは見られずじまいだった。

実際、タッグトーナメント優勝という実績は十分すぎるものだが、それに見合う活躍をしていかないと、仮にベルトをとったとしてもお客さんが美原をチャンピオンとして認めるだろうか?この試合を見る限りではかなり厳しいといわざるをえない。

エンディング

試合後、マイクを持ったYASUが美原に激を飛ばすシーンがみられたが、あまりに正論すぎて返す言葉がないというのが正直なところ。前哨戦でやる気のないふりして本番ではやたら強さを発揮するSMITHのような芸当は、美原にはできるとは思えない。そうなると、どれだけタッグのベルトが欲しいのかを、こうした試合でも表現していかないといけない。

本心はどうあれ、結果的にイベントをgWoが締めた時点で、美原が心の底から悔しがってくれたらよかったんだけど、それも見られなかった。美原はツイッターでは悔しがっていたけど、それを試合の中で伝えないとダメ。SNSはあくまでリアルの補足ツールでしかないからだ。

美原が基本いいひとなのは皆知っていることだけど、それはあくまでリングを降りた時だけでいい。上を狙う前にすでに同じチームに自身の存在を脅かすHIROYAが後から食らいついてきている現状を考えると、力雷汰以上に美原がやばくないかな?と私は思うのだ。

後記

気が付いたら後輩の後塵を拝しいていたということが、あながちそう遠くない将来に実現しそうなのが、私は心配なのだ。はたして美原は今後の試合でどれほど現タッグチャンピオンの余裕を打ち消していけるだろうか?正直、トーナメントに優勝したといっても、美原に後がないことには変わりない。

なんならかつて藤原組長が入場中の長州力を襲撃したみたいに、YASUの入場を待たずに先制するくらいのことをしないと、ちょっとこのままタッグチャンピオンになったとしてもインパクトが弱いんじゃないかなあ。

ともかく次期挑戦がいつになるかはわからないけど、挑戦できるところで立ち止まっていちゃだめなのだ。果たして「その日」までにどれだけ美原が覚醒するか?注目してみたいと思う。

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