がむしゃらプロレスLIVE2010がむプロだよ!全員集合
(2010年4月25日・日・17時半試合開始 会場.北九州パレス)
イントロダクション
実際前日からもう観戦モードに入っていたのでハードルをあげるような展開予想をしてみたりすっかり気分は紅く燃えていた。今回行く北九州パレスは全くはじめていくところだったので、一応用心のために正午に家を出たのだが、これが幸か不幸かデジカメの
予備バッテリーを忘れていた事に気がつき、あわてて、Uターン。ところが今度は名刺入れを置いてきてしまい、さすがに二度は家に戻れないのでそのまま会場に向かった。
先週もそうだったが、今週も交通の流れが全く読めずなんだかんだいって、13時45分に会場に着いた。私的には迷わず行って迷わずいけたので^^珍しいと言えば珍しい。
オープニング①
行ってみると駐車場は既に満杯。ここはいろいろな運動施設とか文化施設の複合体で日曜という事もあって、他の利用者がたくさんいらしていたのでうこなっていたのだ。6月にノアがここを使うらしいがポスターには「駐車場はありません」と告知してあったらしい。
確かにバスもわざわざ会場前まで乗り入れていたくらいで、知っている人なら交通機関を利用してくるのだろう。しかし、下関からという事になるとそうはいかない。ということで粘り強く待って待って、やっと空いたスペースに滑り込んだ。でメディコさんに電話してみると既にいらしてはいたものの、駐車スペースがないとの事。やはり空きを待って止められたと言う事だった。
メディコさんは自転車を車に積んでおられたので遅い昼食を取りにいかれたのでその間街を散策して歩く。15時頃再合流して、まだ時間もあるので、という事で近くの公園をぶらぶらと歩く。ちょうど裏口付近には選手の皆さんが試合前のひとときまた戦闘モードでない状態でたむろっていた。まあ地方大会ならではののどかな光景でもある。
まもなくするとがらんとしていたロビーにいつの間にか人が集まってきて、列を作り始めた。さすがにここは並んでおかないとやばいと思って、最後列についた。やはりというか、車できていたのは我々のような他県人くらいで地元の人達は皆交通機関を使ってきていたみたい。
オープニング②
試合開始前にGWA現.王者SMITH選手の撮影&サイン会があった。すでにサインはいただいているのだが、せっかくなので2ショットとサインをお願いした。やはりがむスターズ結成第一弾の試合という事でサインもLOC時代のモノからかわっていた。
入場ゲートは前回のモノを使い回ししていたけど、照明から音響まで何もかもタイミングばっちりなのには毎回驚かされる。入場式も今回は正規軍~LOC~がむスターズの三段構えで、新しいがむプロの風を感じさせるモノだった。正規軍は一人一人が入場時にマイクを持って抱負を一言言っていくスタイルで挨拶。一方のLOCはおなじみドン.タッカーがメンバー紹介。
で、がむスターズは...なんとヒゲダンスのテーマで入場。TA-KI選手とSMITH選手のゆるい掛け合い漫才で新たに七海健大選手が加入した事が告げられる。ただ、メディコさんの話だと毎回サプライズがあるという。今回は果たして...
▼第1試合 ジャンボ原デビュー戦!オープニング6人タッグマッチ(30分1本勝負)
パンチくん &七海健大 &二夜vs 竹ちゃんマン&アリマティ&ジャンボ原
ジャンボ原というのは別に阿修羅でもなければ鶴田でもない。ただ、髪型がジャンボ尾崎に似ているというだけでつけられたリングネームである。年齢もいってからのデビューなのでかなり厳しいのではないかと危惧していたが、なかなかどうして基本的な技も受け身もしっかりしている。さすがこうでないと大事な第一試合は任せられない。
このあくの強いメンバーの中にあって、しっかり自分を見失わずにファイトできていたので及第点はあげられると思う。ジャンピングニーを出したのはやはり「昭和プロレス好き」ということで、こちらの期待通りのこともしてくれたし。一方でデビュー2戦目
にして試合を引っ張る側に回った「前回デビュー組」も決して引き立て役に回ることなくそれぞれが持ち味を発揮していた。今回のように試合に出られない選手も多々いる中でリングに上がれるチャンスをもらえたということはそれだけで尊い事だと思うので、こちらも及第点。
あとは...お笑いマッチにはならなかったということが一番だったかな。ともすれば全5試合中3試合がそうなりかねない中で基本的な技の応酬など第一試合らしい試合になっていたのでやはりプロレスはチームワークなんだなという事を改めて認識させられた。
まあ原も負けはしたけど、次につながるものがあったと思うので気を落とさずに次も頑張ってほしい。
▼第2試合 次世代継承! シングルマッチ (30分1本勝負)
ニコラス今中ジョリー vs 野本 一輝
実はこの試合が今日の再注目カード。新人の中では図抜けた存在感を持つキックボクシングがベースの一輝とこれまたキックは得意にしているニコラスとの一騎打ち。とにかく格闘技から来た人というのは、自分を小さく見せて相手の技をうけず、効率よく勝つという事をねらう人が多いのだが、一輝は真反対。
とにかくリングに上がったら自分が一番。当然、試合前の握手も拒否。その意気や良し。そこまで自分を追い詰められるというのはなかなかできないこと。だからニコラス
の本気モードを引き出す事に成功。前回はパートナー(ジェロニモ)に裏切られて散々な目に遭っている上に、後輩からの突き上げも厳しい。
正規軍のエース.JΘКЁЯが欠場という時にリーダーとしても存在感を見せつけなければ
ならない。という事で心理的にもかなりこちらも追い詰められていた。だからこそこの試合は光った。
全試合中で唯一のシングルということもあったし。一輝があえてキック以外の引き出しを出してくればニコラスが前回出せなかった分思い切り蹴りまくり(ムーンサルト.ソバットもだしていた)一進一退の末わずかだが切り札を温存していたニコラスがここぞというところで出したムーンサルトプレスで決着。試合後はノーサイドで握手を交わす二人。
▼第3試合 がむプロお楽しみ試合! (疲れん程度1本勝負)
GAM島聡&ダイナマイト九州 vs ミル・ブラック☆スティック(黒棒)&グレート.フランケン
お楽しみ試合という事ではじまったのに、なぜか試合開始から本気モード全開の試合。お笑い系だからといって決してレスリングが出来ないわけではないという事を存分に披露してくれた...のはいいんだけど、レフェリーが「ダメだし」すると全員がリングを降りてしまった。そしてあろうことか会場のお客さんをリングにあげて全員が観戦しているという「試合放棄」状態に。
しかし、素人同士に試合をさせるわけにはいかず結局またリングインするのだけど、ここで「特別ゲスト」が登場する事が告げられた。 それは...
炎!修市(大分AMW)と 白波佑助(九州プロレス)そしてさらにさらにもはや常連の菊タローに、大阪プロレスからくいしんぼう仮面までが登場。なんと豪華なタッグマッチが始まってしまった。で、ここからはしばらくゲスト同士のタッグ戦。白波がくいしんぼうと、炎が菊タローと組んで試合開始。開始からさっそく息のあったあうんの間でお客をわらかしにかかるふたりをよそに、シリアス部門の二人が熱のこもったファイトをみせれば、楽しい二人も負けじと違う意味で熱のこもったファイトを展開。
でもこれだけではなかったのである。
実は菊タローもくいしんぼうも積極的にシリアスファイトを仕掛けていき、特に菊タローは後半上半身裸で戦っていたくらい。 さらにさらにさきほどのお楽しみマッチのメンバーも加わってリング上は大混乱。まさにお笑いカオス状態になって、なんと大阪名物のムーブが次々と披露されていく。
くいしんぼうはこの日二試合目(しかも大阪から移動で九州まできているのに)ということも忘れさせるほどのファイトぶり。はっきりいっちゃうと前回の大阪の博多大会以上のファイトをしていたと思う。
いや、本当に面白かったです。参りました。ここまでの展開は読めませんでした。
▼第5試合 LOC対正規軍対抗戦(60分1本勝負)
ブルート健介 &Dr.CHAOS vs 林 祥弘&SUPER GAMROCK
この試合は当初入っていた尾原選手が怪我で欠場(余談だが今回は本当にけが人続出でカードが二転三転した)し、入場式で詫びられていたのだが、その代打として現れたのがスーパーガムロックなる選手。一目見て正体はわかってしまったけど、それはそれで楽しみが出来た。
なので、後はこの試合、林がどれだけLOCの牙城を崩せるかに注目が集まったのだが...なぜかリングサイドかぶりつきで見ているのに迫力が伝わってこない。プロレスの場合、痛みを伝えるのは相手ではなく観客なのでより相手に対して「効いているかどうか」というのは関係ない...とまではいわないが重要でもない。
競技者として、なおかつ表現者としてその資質が問われる場合、今回の林の攻めに関してはもっと新人らしくガンガンいってほしかったなという思いがある。一方突然の出場にも関わらずベストコンディションでリングに上がってきたスーパーはやはりただものではなかった。最重量級のブル健相手に真っ向勝負を挑めるのはやはりそう数多くはいないと思う。
やはりこの人がいるのといないのとでは全然ちがう。助っ人としては大正解の人材だったと思う。自団体の興業を目前に他団体のオファーとはいえ、突然の事態を乗り切れたのは彼がいてくれたからこそ。そう言う意味では本当にすばらしいと思った。
試合後、尾原選手がリングに上がり、カオスを挑発。「正体は分かっているぞ」とドラゴンばりのマイクをかますと、カオスが正体を明かした。なんとそれはLOC打倒のため海外に出たままになっていたSEIJIROH だった!!
衝撃はここではおさまらなかった。
尾原をめった打ちにするLOC。そこへ救出にはいってきたのは...LOC見習いのフランケン!!本人はヒール志望なのにもかかわらずお笑い的なキャラが災いして、トップのマスクドPTにLOC入りを拒み続けられていた男がついに意地を見せた。大型の体でなみいる悪党を蹴散らす姿はまさに大ベビーフェイスの誕生だ。はじめて肉声で
ゃべったフランケンと尾原ががっちり握手を交わす。
こうしてフランケンの正規軍入りが決定!!今回のサプライズはこれだったのだ。
▼第6試合 メインイベント タッグマッチ(60分1本勝負) がむスターズVSLOC
(がむスターズ)SMITH &TA-KI vs (LOC)マスクドPT &JERONIMO
GWAヘビーと九州ダイナマイト級王者タッグが、がむスターズのコンビ。一方のLOCは新加入のJERONIMO のヒール転向第一戦。どっちも落とせない試合で、しかも負けられない。
しかも明るく楽しい、を標榜しているがむスターズが果たしてお笑い以外で、それを表現できるのか?がむスターズがフツーに試合しても結成した意味はないわけだし。実際リーダー.スミスの挨拶では「正規軍でもないLOCでもないまったく新しいモノ」というのが売り文句になっているそうだから。
で、スミス自体はどっちかというとアメリカンスタイルののらりくらりで相手をかわしていくチャンプなので、当然のようにTA-KIがローンバトルになっていく。だが、この男.逆境になると、とにかく絵になる。ジェロニモがまだルードとテクニコの間くらいのスタイルで攻めていくのに対して真っ向からぶつかっていくスピアーは気持ちよすぎるくらい爽快感がある。
そしてヒールから新しい道を求めたスミスがどうでるか...実はほとんどかわっていなかった。ちょっと小ずるい反則を織り交ぜつつも、会場は大声援。
立場がちがうとこうもちがうものか...というかこの人根っからのベビーフェイスだったんだなということがわかる。リック.フレアーに近いスタイルでありながらベビーという知らない人にはイメージしづらいと思うが、この王者の持ち味はまさにそれなのだ。
そして、LOCの介入が入ってからもスミスの独壇場は崩れなかった。なんと会場から「スミス、うしろ」と志村けんばりの声援が飛んでお約束のようにやられてみせるのだが、これが笑いを誘うという事ではなくてハイスピードで展開していく試合の中でそれを見せた事で「これががむスターズのファイトスタイルなんだ」というのを一瞬にしてわからしめたというのはさすがとしかいいようがない。恐れ入りました。
LOCのパウダー攻撃にもめげず、必殺のエクスプロイダーでPTから勝利をゲット。おまけに荒れるPTを尻目にマイクで「PT、実はいい人」ということまでばらしてしまう。当然LOCは大激怒。次回の11月(また先が長い...)でいよいよ王座をかけた一騎打ちになりそう...というところで締めは当然がむスターズがとってみせた。試合後も明るく楽しい雰囲気で終わる事が出来たというのは最高の気分である。やはりプロレスはハッピーエンドがふさわしい。そう言う意味ではお笑いではなく、明るいだけでもない、がむスターズの闘いはこの一試合で会場のファンに認知されたと思う。すばらしかった。
後記
試合後、先に帰られるメディコさんを見おくってしばらくロビーで歓談する選手達を眺めていた。子供に囲まれてうれしそうだったスミス選手には「ハードルをあげられて大変でした」と第一声、そして「下関まで気をつけておかえりください」と声をかけていただき、TA-KI選手には「11月はもっと凄い事しますよ」とこちらにも握手していただいた。
彼らは明日からフツー通り社会人としてそれぞれの職場に戻る。それを考えないくらいの熱のこもったファイトにはただ、ただ頭が下がるというほかない。メディコさんから遅れる事20分、実は車で来ている人は別の施設の利用者だったみたいで会場に来ていた人達は交通機関を使って帰路につき始めていた。