荒野のルチャライダース／地底王国を撃破せよ！(1970年メキシコ・原題．VUELVEN LOS CAMPEONES JUSTICIERS: THE RETURN OF CHAMPIONS.上映時間82分)
あらすじ
2009年11月５日鑑賞。
メキシコの国民的英雄プロレスラー、ミル・マスカラス主演のSFアクション。怪電波を使って死者を蘇らせようとするマッド・サイエンティストと、その小人軍団に正義のマスクマン・レスラー軍団が戦いを挑む。（あらすじは、Yahoo！映画より）
マヤの末裔とネズミ人間
ミル・マスカラス主演（でも本当はブルー．デモンとのダブル主演）のＳＦ（？）アクション。
怪電波を使って死者を蘇らせようとするマッド・サイエンティスト（今回は女性、さしずめドロンジョ様を１０００倍くらいチープにしたらこうなるという感じ。
本人は「マヤの末裔」を名乗っているが＾＾）と、その小人軍団（ネズミ６匹から一体作り出されたというネズミ人間。
チャックが丸見え
これがまた背中のチャックがもろ見え。ねずみ色の全身タイツに耳としっぽだけ付けて、顔はねずみ色に塗りたくっているだけ）に正義のマスクマン・レスラー軍団が戦いをいどむ。
全編を通してチープなＳＦホラー風の作り、フラットな演出ではあるが、それを補って余りあるのがその独自の世界観である。
特権的捜査もＯＫ
まるで変身ヒーローのごとく、バイクをさっそうと乗り回すマスカラス他のマスクマン軍団は、リング上そのままのタイツとマスク姿で日常をすごし、周りの人々もそれを当然のものとしている世界である。
あまつさえ、警察当局も彼らには全面的な信頼を寄せているらしく、特権的捜査もＯＫだ。
ちなみにこの手の映画はメキシコで量産されている。メキシコならではのルチャ・リブレ（プロレス）への考え方がこうなのだ。
正義の軍団に丸投げ
いやー、のっけから同じ音楽、「同じタイトル」！シリーズなのかと思ったら、出てくる選手が同じだけで中身は全くの別もの。
いきなり全身タイツ軍団に襲われて殺されてしまう警備もだらしないが、そうと知るや、外国のVIＰの誘拐捜査を正義の軍団に丸投げしてしまうメキシコ国家警察ってどうなのよ、って感じで物語は始まる。
こんな国に誰が滞在しようなんて物好きがいようか．．．。そう言われてはぐうの音も出ないはずなのだが、それはまだいい。
なんと捜査の途中に、試合のスケジュールが入っていて、捜査そっちのけでマスクはぎマッチまでやってしまうのが、この正義の軍団なのである。
試合途中でも
そればかりか試合途中に「指令」が下ると試合途中でも捜査に戻ってしまうのだ。
どっちかにしろよ！ってかレフェリーも見のがしていないで、試合放棄で、正義の軍団を負けにしてもいいのに．．．（全日本の和田恭平レフェリーなら絶対そうするぞ＾＾）
何やっても許される
とにかく正義の味方は何やっても許されるのだ。
だから仮に試合放棄でマスク脱げと言われても絶対脱がないのは当たり前。おもちゃの銃で撃たれて気絶しようが、捜査をあっさりあきらめて敵に金持って行く役目を引き受けようが、それで敵にとっつかまろうが、自分たちの基地に易々と敵を侵入させようが、委細お構いなし。
すばらしすぎるぞ、そして自由すぎる闘いにビバだ！！
凄いぞ、メヒコ！
そして時間が来ると、おかまいなしに終わってしまうのもルチャ映画の醍醐味。ものすごい唐突にこの作品も終わってしまう。凄いぞ、メヒコ。
時間にルーズなくせに、上映時間は狂いがないなんて＾＾おさまらなかったら、無理矢理にでも落としてしまうという荒技にはただただ脱帽するしかない。
救いなのは、今回の敵であるドロンジョ様＾＾が多少おつむに味噌が入っているっぽい感じだった事くらい。
それもかなりレベルの低い位置での話しだが＾＾ちなみに正義の軍団は乱闘するだけ乱闘してバイクで去っていく．．．
頭で見るな、筋肉で感じろ！
おーい、悪役はどうなったんだヨー！
親玉捕まっていないじゃんかヨー！
なんて堅い事を言ってはいけない。
これがルチャ映画なのだ。とにかく頭で見るな、筋肉で感じろ！それがルチャ映画の正しい見方なのだ。
Amazonでは・・・
とにかくすばらしすぎた。こんな作品がまだごろごろしているなんて、大金脈じゃないか、メヒコ映画！どんどん発掘してじゃんじゃんソフト化してほしいものである。まだまだこんなのがいくらでもあるはずなのだから。
ちなみに、こちらは「ミル・マスカラスの 幻の美女とチャンピオン」と共に「ミル・マスカラス ビバ!ルチャシネマ×2 」と題したDVDに収録されている(日本語字幕版)。
2021年現在もAmazonで買えるので、怖いものみたさで、ご覧いただくのもアリかな、と思う(笑)
