プロレスリング華☆激 FIESTA DE LUCHA LIBRE 福岡市大会
(2025年10月3日金・福岡市城南体育館)
イントロダクション
がむしゃらプロレスが終わって息つく暇もなく金曜日がやってきた。
2年ぶりとなる今回の華☆激観戦は、なんといってもLMOからやってくるルチャドールの皆さんに尽きる!
本場のメキシカンルチャドールによるルチャリブレって観るのはいつ以来だろう?
かつて博多スターレーンが存在していた頃、ユニバーサルプロレスという団体が存在しており、多くのメキシカンルチャドールを呼んで、大会を開いていた。日本ではおそらく一番最初の、ルチャ特化型団体だったのではないかと記憶している。



そのおかげで、かつてUWFの「西の聖地」だったスターレーンは、ルチャの西の聖地へと変貌を遂げた。
その後もCMLLやAAAなどが日本の団体と協力する形で、スターレーンを使ってルチャの大会を開いてくれたのだが、いつしか地方では本格的なルチャは縁遠いものになっていった。

そこへきて突然本大会が九州ツアーと言う形で開催されるとあっては、なんとしても行かねばなるまい。
下関→城南体育館
今回は行きが高速バス+地下鉄、帰りが地下鉄 +新幹線+在来線だった。バスと地下鉄は手帳効果で半額になるのだが、JRは一切おまけがない上に、専用ICカードも使えないという徹底ぶりなんで、通常のICカードをもっておかないと、今回みたいに帰りを早める場合に困った事になる。

そういう学びもあった一日だった。次回の香椎大会はたぶん行き来ともバスで行けると思うのだが、一応念のため出来る準備はしておこうと思う。
天神から地下鉄七隈線に乗って、茶山駅で降りる。その駅のすぐ裏が城南体育館だった。



オープニング~入場式

本大会は交通安全を主目的にしているので、城南警察署の交通安全課の方々がリングに上がったのだが、その逮捕術がプロレスみたいですごい!


思わず見惚れてしまったが、その後、全試合開始前にプロレス教室を行う予定だった。
そのつもりでリングに上がっていたアステカとタコス☆キッドも、前説をしていたのだが、今回参戦しているルチャドールたちが各々エプロンサイドにグッズを並べはじめ、ミニバザールを開き始めてしまった。

結局、プロレス教室は飛ばして、ルチャドールと触れ合うコーナーに変更されて、思い思いにお客さんとルチャドールたちが触れ合っていた。
そして、華☆激ではお馴染みの全選手入場式が行われ、アステカと小川聡志の挨拶で
大会はスタートした。

第一試合20分1本勝負
〇ノイジーボーイ&スパイダーフライ(13分44秒 ノイジースペシャル)ドラゴン・ユウキ●&トゥルエノ・ゲレーロ
今回のルチャドールを連れてきたLMOのドラゴン・ユウキはもともと華☆激のリングでは古くから上がっているお馴染みさん。今は九州タッグ王者としても活躍している。基本的にテクニコだが、よくルードに負ける事でも知られている。

片や、がむしゃらプロレスのトゥエルノ・ゲレーロは、ホームでルードに転身した選手。

メキシコでの修業経験があり、ルチャドールのライセンスをメキシコで取得している。
したがってこの中に混じってもなんらおかしくない選手であることは間違いないのだ。
対戦相手のメクサボーイズ (ノイジーボーイ&スパイダーフライ )はメキシコの団体IWRG(NOAHにあがっているドラゴン・ペインやアルファ・ウルフなど
が所属)に上がっているタッグチーム。
いかにも今風のルチャドールだなあと思っていたら、飛ぶだけではなくグラウンドでのジャベもしっかりしており、がむしゃらのリングで「(飛んだり跳ねたりは)飽きた」と公言しているゲレーロにとっては、これ以上ない相手といっていい。
果たして、この4人が繰り出すルチャの世界は、往年の基本通りのルチャスタイルであり、WWEに買収されたAAAの影響もあって、アメリカのクルーザー級スタイルに変貌しつつあるメジャースタイルとは明らかに一線を画するスタイルと言っていい。

ノイジーボーイが飛ぶ以外に「できる」選手たちだったため、ゲレーロが「サント!」と叫んで、キャメルクラッチを決めたあたり、楽しくて仕方ないんだろうなと見ていて思った。
ちなみに、サントとはメキシコの英雄エル・サントの事。サント家の必殺技としてキャメルクラッチは代々受け継がれている。
最近はルチャをやっている選手でもサントを知らない世代が増えたし、ましてやお客さんも世代交代が進んでいるので、最低限の説明は必要になっているのだ。




さて、後半はそれでも場外に飛び出して派手な攻防も見せていくし、日本のジュニアスタイルともまた違ったメヒコの香りを十二分に届けてくれた。

試合はそのノイジーボーイが巧みな連携で、ドラゴン・ユウキからピンフォール勝ち。握手ではじまった試合は握手で終わり、最後は4人全員で手を挙げて、観客の声援に応えていた。

第二試合30分1本勝負
〇イホ・デ・ドスカラス&アルコン・スリアーノJr.(14分53秒 スカイハイ・プランチャ→体固め)フィロッソJr.&アホロートル●

さて、その昔、華☆激ではドスカラス親子を招いて開催したMASKD☆1というシリーズを手掛けたことがあった。
この時も下関大会でデビューしたドスカラス・ジュニアが来日していたのだが、この選手は後にWWEでアルベルト・デル・リオと名乗って世界的スーパースターとなった。
今回来日しているイホ・デ・ドスカラス選手は1988年生まれの37歳。アルベルト・デル.リオ選手の弟であり、ドスカラス選手の実子でもある。
今回MASKD☆1 と併せて、親子全員のサインをそろえることができたのは幸いだった。
片や伝説のレスラー、アルコン・スリアーノの息子で現在はフリーなのがスリアーノジュニア。 2005年より「アルコン・スリアーノ・Jr」を名乗り、ミニではなくエストレージャとして登録されている。
彼の父親の代から続くルチャクラスの指導者でもあり、非常に洗練された技術・テクニックの持ち主である。 1967年生まれという事でジュニア自身も大ベテラン。



対するアホロートルは、「ソチミルコの英雄」と呼ばれるルチャドールで、主戦場はやはりIWRG。
ソチミルコは、メキシコシティにある「花があふれる場所」という意味の地域であり、かつてアステカ文明の湖上都市テノチティトランの一部で、現在は世界遺産に登録されている。
また、アホロートルとは、メキシコ南部の湖に生息する幼形成熟する両生類で、メキシコサラマンダーと言われる生物。
日本ではウーパールーパーと呼ばれているので、ルチャドール「アホロートル」は、いわば闘うウーパールーパー仮面。
そして、フィロッソ・ジュニアを交えた純正メキシカン・ルチャドールによるルチャ・リブレは間違いなく黄金に輝く宝物のような試合になっていた。




中でも体格で頭抜けたイホ・デ・ドスカラスはフライング・クロスチョップにも迫力があり、場外戦でもラフに強いところをみせていく。
そして、伯父さんとは違い、対戦相手の技を気持ちよく受けていくあたりもポイントが高い。
ガタイがいい分、正面からガッチリ相手の技を受け切ると、実に映えるのだ。



とにかく始終見飽きない。もっと見たいという気持ちが強く残った試合だった。

メインイベント60分1本勝負
アステカ&〇小川聡志&フライング・ペンギン(19分14秒 コブラツイスト)新泉浩司&タコスキッド●&豊田紗也夏
こちらは通常の華☆激メンバーによる6人タッグ。

注目は2年の観戦プランクの間に、2point5女子プロレスと、華☆激のダブル所属になったフライング・ペンギンと、愛媛プロレスでしゃあとして活躍し、飛翔天女・豊田真奈美の実姪である事を公表した、T-HEARTSの豊田紗也夏の2名。


ルチャの流儀に従えば、テクニカがペンギン、ルーダが豊田になる。
叔母の技は継承しているのかどうかも気になったけど、見たところローリング・クレイドル とドロップキックがそうみたい。ローリングクレイドルは確かにスピードを重視していたように見えたけど、そこまで気にしなくてもよかったかなと思った。

むしろドロップキックやミサイルキックを磨いて、血筋をアピールしてもいいかもしれない。既に後継者がいるジャパニーズ・オーシャン系は使わないで正解だと思った。
全体通して見ていて気づいたのが、打撃で過度な音を鳴らさない点。あくまでリアルに出た音のみで迫力を伝えていた点で、これは第一試合から一貫していた。


その分激しさも半端なくきつくなっている。この試合では、新泉の強烈なエルボーで、小川が一時戦線離脱を余儀なくされるなど、代償は決して小さくはなかった。
その分、ペンギンとアステカの負担もデカくなるのだが、こういう流れになった以上、2対3でも試合は続行される。
もちろん、新泉側が手加減するなど一切してこないのは当然として、豊田もタコス⭐︎キッドも攻め手は緩めてこなかった。
前試合で本場のルチャドールたちによる素晴らしい試合があっての、メインだから言い訳も通用しない。
だからこそ、いつも以上に頑張っていたんじゃないか、と私は思う。
特に男性陣は年齢的にもみんな決して若いわけではないし、20分に及ぶ試合は楽なもんではなかったと思うけど、この後続く大分、都城の三連戦ツアーを成功させるには、このメインを機能させることは必須条件。
結局、どうにか生還した小川が最後タコス⭐︎キッドを仕留めて、テクニコ側の勝利。


エンディング
城南大会のプロデューサーでもある小川は、還暦でもこれだけやれる、という意味のマイクをして、最後はアステカと共に会場に集まったファンにお礼を述べて、全選手による記念撮影を行い、大会は終了した。


後記
試合後、ルチャドールたちによる、エプロンサイドの即売会があったけど、翌日も仕事があることを考慮して、早めに会場を後にした。
今回は行きが高速バス+地下鉄、帰りが地下鉄 +新幹線+在来線だった。バスと地下鉄は手帳効果で半額になるのだが、JRは一切おまけがない上に、専用ICカードも使えないという徹底ぶりなんで、通常のICカードをもっておかないと、今回みたいに帰りを早める場合に困った事になる。
そういう学びもあった一日だった。次回の香椎大会はたぶん行き来ともバスで行けると思うのだが、一応念のため出来る準備はしておこうと思う。
ようやく介護から解放されて残った人生は、したいこと優先で生きていきたい。もちろんプロレスもその一つ。
身体がいつ動かなくなるかはわからないんだから、後悔は少なく出来るように。
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