DDT Road to NEVER MIND 2022 in FUKUOKA
(2022年12月18日(日) 福岡・ピヴォーレ福岡:観衆226人(満員))
イントロダクション
いよいよ2022年最終の観戦となった。
博多スターレーンがあった頃は、天下三分の計が開催されていて、だいたいそれが年末最後の観戦になっていた。
ピヴォーレ福岡は、もともと3月に開催予定にされていたのだが、コロナ禍により中止されていた。
したがって本大会は仕切り直しになる。ただ、倉庫のようなピヴォーレ福岡は冬大会開催には向いていない。暖房がないからだ。
しかし、駅までの行き帰りは徒歩になるため、防寒対策をしっかりしていくことに決めていた。
下関→ピヴォーレ福岡
下関市体育館から2日後。気温は更に下がって4℃!しかも台風並みの風に雪が混じる最悪の天候。
実家に一旦戻って買い物済ませて、12時過ぎに出発。北九州まではスムーズにいき、小倉駅から新幹線に乗るべく歩いていたら、ヨガの先生とバッタリ遭遇。
そのままスムーズに博多→箱崎→ピヴォーレ福岡まで、ナビ無しでついた。
しかし、屋内の西鉄ホールと違いピヴォーレ福岡は、屋外通路が待機場所になるため、極寒の中震えながら開場を待つ事に!
西鉄ホールは日曜が催事で埋まっており、どうしても土曜開催になってしまう。
日曜開催となると、博多には手頃な会場がないため、ピヴォーレ福岡はMY WAYやDDTだけでなく、他団体も使ってきそう。
しかし、さすがに冬開催は勘弁してほしい、というのは切実に思うところである。
開場
珍しく席は通路側になったが、最近はどうしても連絡がギリギリになるため、仕方ないところはある。
会場ベンチには熊本大会に出場したというヨシヒコが座っていた。
本当はサイン会並びたいところなんだが、DDTもパンフを作らなくなってしまったため、こちらは参加できず。
ポートレートはかさばるし、パンフより高くなる上に、いろんな選手に寄せ書きしてもらいにくい。
カレンダーにサインという手もあるが、こちらも微妙に高い。
チケット代+交通費を考えると、グッズに出せるお金はしぼらないと、こちらも生活が立ちいかなくなるのだ。
オープニング
オープニングアクトは、井上マイクアナが1人で担当。
やはり、ここに今林さんがいないのは寂しい限りである。
井上さんは、福岡だから暖かいと思っていたらしいが、寒いのは沖縄除けば冬だし皆同じ。
コールはThe 37KAMIINA全員が登場。なんとか寒さを吹き飛ばそうとするが、いかんせん寒い…。
それでもサウナらしく熱パワー!で大会はスタート。
オープニングマッチ
30分一本勝負
高木三四郎&○ 平田一喜(9分10秒 奇跡を呼ぶ一発逆転首固め)赤井沙希&●小嶋斗偉
久々の博多登場になる大社長。フェロモンズ要員を彰人に押し付けて?社長業に専念していたはずだが、赤井&小嶋の急造タッグ相手にどんな試合をみせようというのだろうか?
本来ならアイアンマンのベルトをもつ赤井沙希を中心に試合が進んでもおかしくないのだが、いかんせん今年一番の寒気のせいで、大社長自ら「寒い、寒い」と言いながら入場。
なんとか暖まりたいのか、平田がやたら踊りたがるが、その度に赤井と小嶋が邪魔をする。
目を見張ったのは小嶋のチョップ。上背はないが、フォームが綺麗で威力も十分。
あわや平田がとられそうになるくらい、小嶋のチョップは強烈だった。
こちらが期待したアイアンマン絡みの展開はなかったが、なぜか小嶋が「赤井さんのダンスをみんなみたがっている」という謎理由で、平田グラスをかけて2人が踊り出すというレアなシーンまで生まれ、試合はなかなかカオスな流れに。
最後は平田の一発逆転首固めで小嶋が敗れたため、アイアンマンの移動はなし。大社長は最後まで寒そうにしていた。
第二試合
30分一本勝負
飯野“セクシー”雄貴&●男色“ダンディ”ディーノ(10分53秒 ステップオーバー・トーホールド固め)○彰人&MAO
いつのまにか、対フェロモンズ要員として、最前線に立たされている彰人は、MAOと組んでの闘いになる。
しかし、自分以外の3人は基本自由人なため、彰人にしても気が気ではなくなる可能性がある。
新宿→熊本→福岡と続くフェロモンズ対彰人率いるフェロモンズ討伐隊との前哨戦。
勝った側がTDCホール大会に勝利した時に、相手に条件を出せる特別ルールが採用されている。
フェロモンズがまず前哨戦で一勝し、1日フェロモンズ入門という条件を突きつけたが、熊本では討伐隊が勝利し、フェロモンズ解散という条件を出してきた。
そして迎えた前哨戦最終ラウンド。
新宿からなぜかフェロモンズに「入信」し、討伐隊の敗北を招いたMAOに対して、彰人副社長は「1セクシーにつき、千円減俸」と宣告。
これにより最初こそおとなしくしていたMAOだったが、フェロモンズのセクシーコールに乗せられて、彰人を裏切りまさかのフェロモンズ側についた。
まさかの1対3となり、苦境に陥る彰人。しかし、小嶋や勝俣ら、The 37KAMIINAのメンバーがサウナパワーで、MAOの目を覚まさせようとする。
仲間の力で目覚めたMAOは再び彰人側について、好アシストでフォロー。彰人の勝利に貢献した。
勝った彰人は、フェロモンズ解散にプラス「ダンディの愛犬を一カ月勝俣に預らせる」という新しい条件をつきつけた。
博多をフェロモンタウンにすると息巻いていたダンディも、この要求には悶絶するしかなかった。
結成以来はじめて苦境に立たされたフェロモンズ。果たして結末はどうなるのだろうか?
第三試合
30分一本勝負
佐々木大輔&○KANON(12分1秒 磔式コブラツイスト)高鹿佑也&●須見和馬
翌日のタカタイチ興業に参戦が決定したカリスマは、この後トンボ帰りで東京に戻らなくてはならない。
ある意味中洲で呑んだくれる予定を振り切ってまで帰京するとなれば、こちらの試合はどうなることやら。
新宿、熊本とデスペラードの技で勝利してきたというカリスマ。
しかし、あまりの寒さにTシャツの上からパーカー着て、そのまま試合をはじめてしまった。
試合の大部分はKANONに任せていて要所要所でカリスマが出てくるという感じ。
タカタイチマニアのに対するメッセージというものは、この試合からは感じられなかった。
対戦相手が若手二人ということもあったのだろうが、福岡ではメッセージを残さなかった。
これはカリスマの戦略なのかもしれないし、単純に中洲で飲めなかったことに対する不満を、試合で表現していたのかもしれない。
カリスマの本心までは最後まで読めなかった。
フィニッシュはKANONが磔式のコブラツイストで、須見を一掃したけが、実力は出し切らなくてもDAMNATION T.Aの試合だったような感じがした。
第四試合
福岡名物スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
○火野裕士&大石真翔&旭志織(12分15秒 Fuckin’BOMB→体固め)大鷲透&アズールドラゴン&●岡谷英樹
Ωが博多で勢揃いする注目の顔あわせは、地元アズールドラゴンの抜擢に注目したい。
どんな相手でも一定のクオリティで試合するアズールだが、対角線上に同じ福岡出身の旭がいることは、やはり意識していそうな気がする。
試合は旭と大石が攪乱して、火野に繋ぐと言うΩの黄金連携が炸裂し、なかなか急増コンビでは太刀打ちできない。
このあたりにはΩの絆の強さを感じた。
それでも同じ九産大出身のアズールは、積極的に旭に突っかかっていく。
ルーツを同じくする者としては、やはり負けたくなかったのではないだろうか。
とはいうものの連携では一日の長があるΩは、なかなか主導権を渡してくれない。
特に大石と旭の黄金連携は、試合の中で十分にその実力を発揮していたように思う。
フィニッシュはΩの最終兵器、火野のファッキンボムによって、岡谷が沈められてしまった。
九産大から近い場所にあるピヴォーレに凱旋したということで、旭も上機嫌にマイクを取って、前半戦を締めて見せた。
休憩
私は一番後ろの席に陣取って観戦していたのだが、私のすぐ後ろの方でチェキ撮影会が行われており、休憩中はフェロモンズの二人がやっていた、
結構盛況だったので二人とも上機嫌だったように見えた、
本当はダンディだけだったようだけど、セクシーも出てきてくれたことでお客さんもたくさん集まってきたのかもしれない。
セミファイナル
スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
○遠藤哲哉&秋山準&岡田佑介(14分19秒 旋回式トーチャーラックボム→体固め)HARASHIMA&クリス・ブルックス&●正田壮史
脅威の新人正田も博多初見参。須見と並んでDDTの未来が感じられる選手を生でみたいという気持ちが、観戦の決め手になったのだが、対戦相手はバーニングのトップどころ。
特に鈴木鼓太郎との因縁を解消してKO-D6人タッグに挑む岡田にしてみたら、年末まで星は落とせないはず。
バーニングの標的はやはり新人正田ということになったようだ。
結構正田に対しては厳しい攻撃を、3人とも仕掛けていたように見えた。
そこで感情が見えるなりなんなりすればまだ良かったんだろうと思うが、残念ながらきれいな試合をしようとしているのか?リング上の正田には感情らしい感情を感じることができなかったのが残念だった。
この壁を破るともう一つ上に行けるような気がする。
大会終了後、秋山が SNS にあげていた正田の写真に苦言を呈していたが、正田も負けて悔しがるようであれば将来性を感じることができると言う意味だろう。
それが負けてヘラヘラしているようだったら、そこまでの選手に終わってしまう。
期待されているからこそ苦言を呈されると思うので、正田がこの試合に関してどう思っているのか?本当のところを知りたいと思う。
誰がどう見ても負けず嫌いのHARASHIMAは別にしても、まだ正田の本心はファンには広く知られてないので、せめて公式に目につくところでは強がりより若者らしい感情の発露がみたい。
これからも正田には期待しテ見てみたいと思う。
メインイベント
ハリマオvsThe37KAMIINA!30分一本勝負
○樋口和貞&石田有輝(18分11秒 ブレーンクロースラム→エビ固め)上野勇希&●勝俣瞬馬
石田の熊本凱旋では黒星を喫したハリマオ。対戦相手は樋口も進めなかったD王決勝進出者でもある上野と、曲者の勝俣。
吉村の欠場で「DDTの強さの象徴」というハリマオの存在理由がブレるようだと、2023年以降の活動にも支障をきたすだろう。
この試合は年末に行われる大一番でKO-D無差別級をかけて戦う、上野と樋口の前哨戦になっていた。
だが、ポイントはそこではなく石田の頑張りにかかっていたと思う。
正直他の3人は完成されているので、未完成な石田がメインイベントに抜擢されたその理由を、お客さんに示す絶好の機会だったと思う。
そして石田は今の実力を存分に発揮し、The37KAMIINA!に叩きつけていったようにも見えた。
ただ現状の実力ではやはりどうしてもこの3人の中では1枚落ちてしまうので、強さの象徴であるハリマオで、石田はもう少し精進していかないといけない。
でないと、ハリマオのいち若手で終わってしまいかねないという危惧はある。
それでも石田はこの日は若手らしい小気味良いファイトを見せてくれた。
それは見ていて気持ちがいいし、石田なりに一生懸命頑張っているというのもよく伝わった。
結果、単なる前哨戦に終わらせなかったということでは、石田は一定の爪痕を残せたのではないだろうか?
エンディング
試合後上野と樋口が睨み合ったのち、お互いの健闘をたたえ合うように握手をした。
ここまで因縁らしい因縁がない二人なので、最後はどちらのプロレスが凄いか?という戦いになっていくのではないだろうか。
試合後のマイクでハリマオが勝ったことを素直に喜ぶ樋口だったが、同時に「九州がこんなに寒いとは思わなかった」と思わず本音もこぼしていた。
石田もマイクを取り「次に来た時は自分が取ります」という頼もしい宣言も残した。
後記
それにしてもエアコンのない会場で二大会連続観戦するというのは、非常にタフな体験だったように思う。
下関体育館に続いて、それより寒い観戦をするとは思わなかった。
これで2022年の観戦は全て終了した。
まだ自分の身の上がはっきりしないので、モヤモヤしたまま新年を迎えることになりそうである。
早くスッキリして次のステージに行きたいのだけど、なかなかうまい具合にいかないよな。
プロレスに関わる全ての皆さん、一年間ありがとうございました!