[プロレス観戦記] 東京女子プロレス「キラキラしてる女の子、博多へ羽ばたくよ!」

せかぷろ
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オープニング

大日本プロレスが終わったのが13時半。なんやかやでそのままのこっていたほうが得策と判断して、前売り券引き渡しの列に並んで、チケットを購入。いったん1Fに降りて、開場時間を待った。中に入るとパンフを購入。

東京女子にとっては、最初で最期のスターレーンだからか?パンフにカードがついてきた。表紙だからというわけではないが、伊藤麻希を選んだ。どうせならサインくらいはして欲しかったが、女子プロレスは各団体ごとに異なるルールがあるのも困る。アイスリボンがオールフリーでサイン入れてくれていたのとは対照的。どっちが基準なのかが地方民にはよくわからない。

個人的には、ツーショットはお金とってもいいとは思うけど、グッズにサインは入れてもいいんじゃないかな。もっとも最近はメルカリとかにサインを売りに出しちゃう心無いファンもいるから、一概に非難はできないが、概ねこのあたり東京女子は渋い。難しい問題だけど。

オープニングは難波リングアナの前説から、アップアップガールズ(プロレス)の歌のコーナーへ。しかし、やはり福岡での認知度は今ひとつ。結局、声援も決まりごとも東京から来た遠征組に頼らざるをえない。東京女子が、Abemaで中継している=全国区ではないという厳しい現実があるわけだ。

とはいえ、彼女たちは口パクではなく、激しいダンスを踊りながら歌い、かつこの後試合まで控えているんだから、その努力には個人的に敬意を表している。問題は彼女たちのパフォーマンスが正当に報われないことであり、それは周りの大人たちがきちんと考えてあげなくてはならないだろう。

オープニングマッチ:20分一本勝負

〇天満のどか&愛野ユキ&猫はるな vs YUMI&うなぎひまわり&×桐生真弥(10分50秒 キルスイッチ→片エビ固め)

さて、東京女子だけなぜか全席指定に。まあ、それはいいとして、スペース的には余裕があるのに、椅子がきっちり並べられていて、左隣の恰幅の良い男性(私も人のことは言えないが)のおかげで、文字通り肩身の狭い観戦になった。

前回の沖学園大会の時にはまだデビューしていなかったYUMIやうなぎひまわりをみるのも楽しみだったけど、やはりは桐生。これに対して受ける技量も高い天満のどかが対角線にいるのも好都合。

ただ、試合はうなぎが捕まってしまい、ローンバトルになる展開に。中盤に桐生の出番が来たものの、爆れつシスターズの連携の前に阻まれてしまう。ここから桐生が捕まってしまう。

必死でエルボーで抵抗する桐生だが逆エビは決め手にならず。返されて天満のどかのキルスイッチでフォール勝ちとなった。

私の右隣に今の新日本ファンと思しき男性がいて、天満のどかのキルスイッチを「パルプフリクションだ」と言っていたが、今流行りの「元祖問答」でいうなら、オリジナルはクリスチャンのキルスイッチ。

ジュース・ロビンソンのパルプフリクションは、キルスイッチと同型の技でも名前が違う。こういうのは確かに新しいファンにはややこしいかもしれない。ちなみに、天満のどかという選手、女子プロレスラーでは代表的なキルスイッチの使い手であることは述べておこう。

第二試合:20分一本勝負

〇瑞希&進垣リナ vs 小橋マリカ&×渡辺未詩(11分38秒 アクアマリン)

現・東京女子タッグ王者の瑞希は可愛い顔の割にはえげつない攻撃を仕掛けてくる選手。パートナーのK-DOJO、進垣は鹿児島出身。なかなか凱旋の機会がない自団体ではなく、ラストスターレーンのメンバーに選ばれたのも意味があるのだろう。

ただ、連携でいうと小橋&渡辺に一日の長があった。まあタッグチャンピオンといっても、瑞希と進垣は普段からタッグを組んでいるわけではない。復帰してからの小橋マリカはかなり動きもよくなっているし、未詩の分もカバーしていたと思う。

ただ、一人一人の自力は瑞希&進垣の方に分があったように見えた。瑞希は渡辺未詩の腕に噛みついて弓矢固めに移行し、序盤では未詩が捕まる展開を作り出していたし、進垣のワキ固めは独特な入り方をしていて、見ていて「おお!」と思った。

未詩がカナディアン・バックブリーカー・ドロップに行くなど、終盤も大健闘したが、レーザービームにいったところを瑞希はカウンターのアクアマリンで切り返し、勝利をもぎ取った。やはり瑞希のように勝負所を逃さないというのは経験のなせる技なんだろう。

第三試合:15分一本勝負

〇操(NEO美威獅鬼軍) vs ×らく(8分9秒 リベラ・メ)

2019年2月に復帰後、同年23日新宿フェイス大会で辰巳リカに敗れたハイパーミサヲは、なんとNEO美威獅鬼軍・沙希様の配下となり、スーパーヒーローと決別。マスクを自ら切り裂いてリングネームも操に変更。ダークな雰囲気からは、彼女が以前「東京女子の愛と平和を守るニューヒーロー」などと名乗っていたとはかけらも想像がつかない。

ミサヲ時代をしっている私ですら、このあまりの変貌ぶりには愕然としたが、生で見たインパクトはその比ではなかった。もともと頭がよく(青山学院出身)、回転も速かったから、真逆のキャラを身に宿すことなどは造作もないんだろうけど、つくづくミサヲ・・・いや操の一面しか見ていなかったんだなということを思い知らされた。

ただ、らくとしてもこのまま潰されるわけにはいかない。スタートから丸め込みを連発。バックエルボーからおやすみエクスプレスに移行して先制しようとするが、操にカウント1で返されてしまう。

以降はは操が試合の主導権を握ったまま。操が腕を固めていくところを、らくが粘って、チキンウイング・フェースロックも上から潰そうとするがカウント2で操に返されてしまう。最後は変形胴締めチキンウイング・フェースロック(リベラ・メ)でらくをタップアウトさせた。

特にヒールファイトをするでなく、無表情なままで試合する操の姿はやはり別人にしか見えなかった。

第四試合:20分一本勝負

まなせゆうな&〇上福ゆき&白川未奈 vs 万喜なつみ&×ぴぴぴぴぴなの&原宿ぽむ(11分21秒 フェイマサー→片エビ固め)

まなせ&上福&白川はグラビア三銃士といってもいいかもしれない。それもどっちかというとヒール寄りの雰囲気がある。しかし、登場するやバトントワリングの技を披露する万喜なつみには、その場の空気をがらりと変えてしまう陽の才能がある。これもまた生まれ持ったものなのだろう。

万喜を含めた4人の自己主張が強すぎて、ぽむとぴなののキャラが埋没したのはなんとも残念だったが、自己主張もプロレスでは大事なところなので、今後に期待したい。もっともぴぴぴぴぴなのは4月でやめてしまうんだけど・・・

かみーゆこと上福ゆきは女子としては非常に長身なのが魅力だが、それだけでなく鮮やかなドロップキックの使い手でもある。特に公私ともに仲がいいらしいなませとのタッグでは生き生きとした動きを見せる。

どうもまなせもかみーゆも白川も、新参者の万喜なつみのことは意識しているらしく、彼女への攻撃が一段激しいものに感じられた。まあ、あまりに本気が過ぎてプロレスの枠から逸脱するのは考え物だけど、今のところはその心配もなさそうだ。

試合は、そのかみーゆがドロップキックで逆転し、ぴなのを変形ギロチンエースクラッシャー(ビリーガンが使っていたフェイマサ―)でフォール。手足が長いかみーゆには似合う技だと思うので、フィニッシャーとしてはいい技を選んだんなと思う。

第五試合:15分一本勝負

×辰巳リカ vs 〇伊藤麻希(11分31秒 伊藤スペシャル=テキサスクローバーホールド)

いつの間にかプリプリ王座に挑戦したり、今回のように休憩明け前の締めにもシングルで登場するようになった伊藤。いつの間にか闘うクビドルというフレーズに頼らなくてもいいところまできてしまった。あとは結果さえ出てくれば、この快進撃にも弾みがつくのだろう。

さて福岡出身の伊藤には、引退試合と見まごうばかりの紙テープが多数投げ込まれる。スタートは伊藤がリカにヘッドロック。伊藤は序盤から世界一かわいいナックルを決めに行くが、辰巳はこれをあっさりかわして「世界一かわいいのみずぴょん(瑞希)でしょ!」とストンピングで伊藤を踏みつけていく。

結果が欲しいということでいうと、ホワイトドラゴン辰巳リカもそうで、長い欠場から復帰した身としては、早く上位陣に追いつきたいという気持ちもあっただろう。

ヒップアタックで流れを変えた辰巳は、伊藤の足をとってのドラゴンスリーパーからの足四の字。これに中指を立てて伊藤は反転。しかしリカも反転し返して一進一退の攻防になっていく。このあたりまでは辰巳が主導権を握っていた。しかし・・・

リカがドラゴンバックブリーカーからスリーパーへの波状攻撃は、伊藤に粘られ決め手にはならなかった。逆に伊藤はDDTで突き刺すとフライング・ビッグヘッドでフィニッシュを狙うが、ここは辰巳がキックアウト。

しかし伊藤はここからさらに粘って飛びつき高角度DDTを決めていった。辰巳は大ダメージを与えられ、伊藤は足を畳んでのテキサスクローバー・・・いや、伊藤スペシャルに持ち込んで腰を落とし、辰巳からタップアウトを奪った。

試合後、伊藤は「博多スターレーンは伊藤のデビュー地なんだけど、そんな博多スターレーンが今日で終わって、そんな今日に凱旋試合ができて、勝てて、伊藤は本当にスターだなって! 博多スターレーンのスターは伊藤麻希のことだったようだな。」と勝ち誇ったが、長いこと頭突き以外の技がなかった伊藤が、まさかテキサスクローバー…いや、伊藤スペシャルなんて隠し球を用意していたとは!まんまといっぱい食わされた!

一方で、博多スターレーンはなくなっても福岡には伊藤麻希がいる!と高らかに宣言した伊藤は「叫ぶ準備はできてるかー!」と会場にコール&レスポンスを要求。「世界一かわいいのは?」「伊藤ちゃーん!」の後、ウルトラソウルのアカペラでいつも通り伊藤は揚々と引き揚げていった。

☆休憩☆

DDTが福島から博多に向かっていることもあって、東京女子には休憩タイムがあった。ここで登場したのが先乗り組の勝俣&飯野。このあとのDDT大会のインフォメーションを挟んで後半戦に突入した。

第六試合:セミファイナル 20分一本勝負

アジャ・コング&〇中島翔子 vs 岩田美香&×乃蒼ヒカリ(15分49秒 ダイビングセントーン→片エビ固め)

坂崎ユカとともにAEW参戦が発表されているアジャ。女子団体だけを渡り歩いていた時より、明らかにレスリングの幅が広がっているのは、正直にすごいと思う。センダイガールズでは上位勢にいる岩田美香でも、巨体のアジャを相手にすると小粒に見えるんだから、やはり突出した存在でもある。

こうしてみるとアジャ&中島、そして岩田というトップどころに混ぜられたヒカリは気の毒だった。ただ、それでもアジャに真っ向から挑んでいく気概は感じたし、なるべく自力でなんとかしようという気概が感じられて好感がもてた。

とはいえ、自ら対アジャを志願したとはいえ、当然ヒカリはローンバトルに陥っていく。コブラツイストも簡単に解かれ、ドロップキックを連打でしてもアジャは倒れない。逆に重爆ドロップキック→ヒカリを抱えてボディースラムで叩き落とす→スリーパー→フルネルソンという波状攻撃で窮地に追い込んでいく。これは相当に厳しかったと思う。

終盤アジャのラリアットが中島に誤爆すると、ヒカリが裏投げで畳みかけたあたりが最後のチャンスだったと思う。この場面も岩田のダイビング・ボディープレスからヒカリがミサイルキックでつないだが、受けている中島に余力があったためダメージが与えられず、このピンチに急行したアジャに2人まとめてブレーンバスターで投げられてしまった。

最後はアジャがヒカリにバックドロップ、そして中島がダイビング・セントーンで3カウント奪取。まあ勝つべくして勝ったなという感じだったが、アジャも岩田だけでなく未詩の健闘をも称えていた。確かに未詩はアイドル以上の力を出した。問題はここからどれだけ上積みできるかなんだよなあ。

メインイベント:30分一本勝負

○TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合
<王者>山下実優 vs 坂崎ユカ<挑戦者>(19分16秒 クラッシュ・ラビットヒート→体固め)
※第5代王者の9度目の防衛

坂崎ユカは、シングルというよりタッグ屋というイメージが強い。中島との名チーム・みらクりあんずが印象に強く残っているせいだろう。

一方で東京女子随一のテクニックと策士という一面も持ち合わせている。前歴が芸人だったという彼女は、ネタが覚えられなかったというエピソードがあるらしいが、坂崎ユカは断然、プロレスに導かれてこの場にいる選手である。

この試合でも坂崎はその策士ぶりをいかんなく発揮。場外戦でペースを握ると、しばらくは坂崎のリズムで試合が進んでいく。とはいえ山下も坂崎のことは知り尽くしているわけで、一撃必殺のストライカーとして、形勢逆転できる手札はいくつも持っている。

お互いがお互いを知り尽くしている以上、短期決戦は2人の頭にはなかったのだろう。坂崎は魔法少女スプラッシュを、山下はクラッシュ・ラビットヒートを温存する形で我慢比べのような展開が続く。

一見、坂崎が優勢に見えるが、坂崎に耐性があるチャンピオンは簡単には崩れない。のらりくらりと自分の流れをキープしている坂崎と、チャンスを伺う山下という駆け引きで火花を散らし合う、タイトル戦らしい攻防に思わず見入ってしまった。

先手を打ったのは山下だった。バズソーキックからクラッシュ・ラビットヒートを狙うが、これを読んでいた坂崎がキャッチしてブレーンバスターへ。

かわって坂崎が狙ったマジカル魔法少女スプラッシュは、山下も読んでいて、すかさずショートレンジのクラッシュ・ラビットヒートに。さらに正調のクラッシュ・ラビットヒートにつないで勝負あり。特に二発目のクラッシュ・ラビットヒートは、坂崎のこめかみを狙ったかのような当たり方で、あれは返せなくても仕方ないだろう。

後記

試合後、坂崎は瑞希に抱えられて退場。山下は坂崎に謝意を述べた後、「今日で博多スターレーン最後の日ということで、この大会に出ていただいた選手に出てきてもらいたいと思います」といって全選手を呼び込み、記念撮影。

ただし大日と違って、四方に向くことはなし。試合も前説もそうなんだが、東京女子は正面しか向いてくれなかった。四方にお客さんがいるという意識に乏しいんだよな。これは東女だけの問題ではないんだけど、それだけが残念でならなかった。

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