【プロレス入場テーマ曲】 プロレス的音楽徒然草 Second Rendez-vous PartⅡ

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

プロレス的音楽徒然草 Second Rendez-vous PartⅡ

ヴォルク・ハンの名曲

今回は、創成期のRINGSにおいてコマンドサンボ旋風を巻き起こした、リングス・ロシアのヴォルク・ハン選手の入場テーマ曲「Second Rendez-vous Part II」をご紹介します。

ロシアの狼の経歴

ヴォルク・ハン選手は学生時代、フリースタイルレスリングの選手として活躍しました。当時のソビエト連邦陸軍に入隊後、同軍の空挺部隊(現ロシア空挺軍)に2年間所属し、アフガニスタン紛争(1978年-1989年)でも同地で従軍しています。その頃からサンボに転向し、全ソ連選手権で優勝後、軍学校や警察組織で軍隊格闘術(コマンドサンボなど)の教官を務めていました。

魔術師の日本参戦

1991年、日本の格闘技団体「リングス」の前田日明さんにスカウトされ、12月7日に行われたリングス第4回大会の対前田日明戦で日本デビューします。自身のバックボーンであるコマンドサンボの流れを汲む卓越したサブミッション技術で、一躍人気選手となりました。

特に全盛期の独特の間合いから一瞬で技に引き込むスピード、技の精度の高さは、稀代のテクニシャンとしての名を不動のものにしました。リングネームから連想された「ロシアの狼」のほか、独特の容貌と「まるで手品のよう」と評されたサブミッションから「魔術師」の異名をとりました。

独自の格闘術を考案

ハン選手はコマンドサンボをベースに、自らが培った技術・経験から、ボクシング、ムエタイ、レスリング、柔道などの技術を取り入れ、より総合格闘技の「闘い」に特化した「ヴォルク・ハン格闘術」を考案します。

この格闘術はサンボ着を脱いだ状態、裸体での徒手格闘を想定して構成されており、ハン選手もブラジリアン柔術一派の技術を「私自身が学び、知っている柔道と大きく違うものではない」と評しています。2012年12月16日『RINGS/THE OUTSIDER 合同大会』の船木誠勝戦をもって引退した後は、在住の地であるロシアの都市トゥーラで格闘技道場を設立し、後進の指導にあたっています。

幻想的な電子音の粋

さて、Rendez-vousというのはフランス語で「集合」などの意味があるそうです。この曲はジャン・ミシェル・ジャール(JEAN-MICHEL JARRE)の『Rendez-vous』(邦題:スペース・ランデブー)というアルバムの2曲目に入っています。

ジャン・ミシェル・ジャールはサンプラーや電子音などによる効果音を多用した独特の作風を持つ、フランスを代表するシンセサイザー奏者です。組曲形式で1枚のアルバムをなす作品が多いのですが、『Rendez-vous』もその例に漏れない一枚です。

完璧なイメージ戦略

ソビエト・ロシア系選手の入場テーマ曲というのは不思議なものです。「THE RED SPECTACLES」にしても、この「Second Rendez-vous Part II」にしても、直接的にソビエトやロシアを表現した楽曲ではありません。

しかし、いざ当てはめてみるとイメージにぴったりマッチするのが不思議です。

ちなみに原曲の「Second Rendez-vous Part II」は約10分もあるため、入場バージョンは編集されたうえで、ヘリコプターの音がかぶせられています。

選曲センスへの脱帽

Wikipediaによると、このアルバムは1986年にヒューストンで開催された、テキサス州誕生150周年やNASAの25周年を祝うイベント「ランデヴー・イン・ヒューストン」のために作曲されたとあります。

ロシアとは全く反対方向のアメリカでのイベント用に作られている点は大変興味深いですね。にもかかわらず、イメージに完璧にはまっているのは、選曲した人のセンスが一段上手(うわて)といえるわけで、つくづく脱帽せざるを得ません。

伝説のクロスヒール

ヴォルク・ハン選手といえば、やはり来日初戦で前田日明さんをギブアップさせたクロスヒールホールドの鮮烈さに尽きます。おそらくクロスヒールホールドが本格的に日本で披露されたのは、この前田対ハン戦だったはずです。あの衝撃はいまだに忘れがたいものがありますね。

この一戦で「クロスヒールホールドといえばヴォルク・ハン」というイメージが定着したのではないでしょうか。

関節の魔術師の技術

クロスヒールホールドは、アキレス腱固めの体勢から相手の両脚を交差するように固め、肘で絞り上げることによって、上になる脚はアキレス腱、下になる脚は膝を極める複合技です。

技に入るプロセスは、仰向けに寝た相手に仕掛けるほか、飛び付き式やビクトル投げからのスイッチなど多岐にわたるため、ハン選手は「関節の魔術師」とも呼ばれました。代名詞となったこの技は、コマンドサンボの奥深さを知らしめ、彼の名を一躍高めたのです。

今も響く旋律と共に

別名「ロシアの狼」とも呼ばれたハン選手ですが、『笑っていいとも!』などに出演した際にはマジックも披露しており、関節だけでなく実際にもマジシャンだったという意外な一面も見せてくれました。創成期の総合格闘技や、のちのプロレス界に彼が与えた影響は計り知れません。

今もなお、ハン選手の雄姿とともに私の頭の中には「Second Rendez-vous Part II」が鳴り響きます。まさしく名曲と呼べる一曲ではないでしょうか。

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