【プロレス入場テーマ曲】 プロレス的音楽徒然草スパルタンX

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

プロレス的音楽徒然草スパルタンX

幻の日本公開版

今回は故・三沢光晴選手の入場テーマ曲としてあまりに有名な「スパルタンX」のご紹介です。スパルタンXはいうまでもなく、ジャッキー・チェンさんの同名映画のタイトル曲なんですが、実は映画の本編(香港オリジナル版)の中では使われていません。

東宝東和が配給した日本公開版には、英語音声に日本オリジナル曲、及び主題歌「SPARTAN X」を編入し、エンドロールにもNGシーンが流れる独自仕様で公開されました。

権利の変遷と復刻

このバージョンは初ビデオ化となった東和ビデオ・LD版にも使用されていましたが、東和の権利が消滅した後、ポニーキャニオン再発売ビデオ版やTV放送版以後のソフトは、主に広東語オリジナル音源の香港版が収録されるようになったため、それらでは「スパルタンX」を聞くことはできません。

その後、2012年にパラマウントから発売されたブルーレイに、日本公開版と同じ英語音声と、それを元にした新録の日本語吹き替えが収録されました。さらに映像特典として、東和LDからダビングされた「日本公開版ED」が復刻収録され、「SPARTAN X」が流れるバージョンが再び正規ソフトとして世に出たという経緯があります。

究極の盤面が登場

2014年には、日本公開時のフィルムより全編HDテレシネを施した「日本公開版本編」収録のエクストリーム・エディションが発売されました。

2012年版ではあくまで特典扱いだったため、タイトルとEDのみの差し替えでしたが、このエディションは公開当時のままの状態で全編HD収録されているのが特徴です。「スパルタンX」に限らず、この時代のカンフー映画は、日本版用に音楽が足されて作られることが多々ありました。

木森敏之の名曲

スパルタンXもその一例でした。その多くが未CD化のままで個人的には大変残念なのですが、幸い「スパルタンX」に関しては様々な形でCD音源として聴くことができます。ちなみに本作のテーマを手掛けたのは、キース・モリソンこと作曲家の木森敏之さんです。

三沢光晴との出会い

ジャッキー映画が大好きだった三沢光晴選手が、自ら持ち込んだのが「スパルタンX」でした。プロレスの場合、選手自身がテーマ曲を持ち込み、それがファンに定着するケースは稀ですが、その代表例が本作だといえます。

三沢選手は全日本プロレス時代から20年近く使用し、当時は原曲のまま流していました。2000年8月のプロレスリング・ノア旗揚げ時から2009年2月までは、前奏にピアノの旋律を加えたアレンジ版を使用し、2009年3月にはさらなる新バージョンを導入しています。

天才の超速デビュー

三沢選手は高校卒業後の1981年3月27日に全日本プロレスへ入門し、同年8月21日にデビューを果たしました。入門からわずか5か月でのデビューは、当時の全日本プロレス史上最速です。

師匠のジャイアント馬場さんは、練習において受け身の音を聞いただけで「今の三沢だろう」と分かったといわれています。

仮面を脱ぎ捨てて

若いうちから天才肌だった三沢選手は、二代目タイガーマスクを経て、1990年5月14日、「マスクマンが上を狙うのは限界がある」との思いから、唐突に素顔へ戻ります。脱いだマスクを客席に投げ入れるシーンは伝説となりました。

素顔に戻った三沢選手は全日本退団後、プロレスリング・ノアを旗揚げ。馬場全日本時代とは異なる新しい「戦い」の風景を実現させますが、2009年6月13日、46歳の若さでお亡くなりになられました。

自己プロデュース力

プロレス入場曲を聴いていると、有能なレスラーは優れたプロデューサーでもあると感じます。これはプロレス独自の文化です。他のスポーツでは、明らかに選手が選んだと思われる場違いな選曲で、入場を台無しにしているケースも見受けられます。

選手として卓越した才能を持っていても、自己プロデュース能力が乏しい選手は少なくありません。エンターテインメントに命を懸けているレスラーが、高いセルフプロデュース能力を持っているのは必然といえるでしょう。

上田馬之助の記憶

ちなみに「スパルタンX」は、三沢選手以前に初代・上田馬之助選手の入場テーマとして使われた記録があります。

UWF対新日本プロレスのイリミネーションタッグ戦で、新日本側についた上田馬之助選手が、それまでの「地獄に堕ちろ」から「スパルタンX」に変えて入場してきたシーンは、オールドファンの記憶に鮮烈に焼き付いています。

エルボーの衝撃音

三沢選手の晩年に使用されていたバージョンには、ピアノの前奏と効果音が足されていました。この効果音は、三沢選手が多用していたエルボー系の技をイメージしたものだそうです。

今や「スパルタンX」のテーマといえば「三沢光晴」というほどプロレスファン以外にもイメージが定着しています。

唯一無二の英雄

三沢選手は一時期、二代目タイガーマスクとしても活躍しました。タイガーマスクという名は代替わりしても後世に残っていくでしょう。

しかし、「二代目・三沢光晴」と呼べる選手が今後現れるかどうかは、誰にもわかりません。そういった意味で、「スパルタンX」が今後他の誰かの入場テーマとして使われることは、そう多くはないだろうと私は考えています。

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