【プロレス観戦記】プロレスリングFREEDAMS 『いざゆけ無敵の自由軍団2023』(2023年11月25日)

せかぷろ

プロレスリングFREEDAMS『いざゆけ無敵の自由軍団2023』

(2023年11月25日(土)福岡・北九州市門司赤煉瓦プレイス)

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【お詫び】

約4000枚近い写真データがあったんですが、手違いで飛んでしまい、ほとんど手元に残っていない状態になっています。@true_yushinさんにお願いして補填させていただいた写真を使用しています。ご了承ください。

せっかくいい席を用意していただいた佐々木貴選手にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そういうわけで文章多めの観戦記となります。

イントロダクション

10月の博多大会、佐賀大会に続いての北九州大会。既に12年の歴史を数え、赤煉瓦も満員になりつつあるFREEDAMSは、確実に北九州に根付いている気がしている。

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一応博多大会と北九州大会は皆勤賞なんで、この観戦記はまさに北九州が FREEDAMSの「西の聖地」化する様子も綴ってきたことになる。

新日本ですら避けて通る北九州に、関東から定期的にやってきて地道に営業活動を行っている殿の姿には毎回敬服するほかない。

今年からコロナ渦以降では初となる「殿の宴」も復活するとあっては、参加しないわけにもいかない。

下関→門司赤煉瓦

週末は気温が下がる予報だったが、外はめちゃくちゃ暖かい。しかし、夜の宴に備えて、厚着できたらやはり暑い。

そういえば、サイン入れてもらうはずのパンフを失念してしまった。慌てるとロクなことがない。

トンネル渋滞を乗り越えて、赤煉瓦に着くとちょうど会員先行入場が始まったところだった。

オープニング

今回もオープニングアクトはチャンピオン・杉浦透。しかし「週プロもきてていない、サムライTVもきていない」と福岡大会と同じネタで、しかも復活したレスラーぽんぽんの販売のCMに余念がない(笑)

「まだ売れ残っているので」と半ば強制的に買わせようとするチャンピオンは相変わらず自由すぎるMCで大会をスタートさせた。

第一試合:20分一本勝負

◇がむしゃらプロレス提供試合 ×トゥルエノ・ゲレーロ &KENZO (10分24秒急降下ロケットランチャー→片エビ固め)○鉄生&陽樹

今までは一日二試合になるFREEDAMSメンバーがカードの中に入ったがむしゃらプロレス提供試合。

しかし、今回みたいに純粋ながむしゃらメンバー同士の試合が組まれるのは極めて珍しい。これは長年FREEDAMSとがむしゃらプロレスとの信頼関係が垣間見えるようで、うれしかった。

もっとも博多大会では鉄生とGENTAROがシングルマッチをやっているので、カードを変えてきた可能性も考えられる。

この試合の見所は 何と言ってもスーパーヘビー級同士のぶつかり合い。

特に鉄生とKENZOは激しいぶつかり合いで会場を大いに沸かせていた。

こういった攻防は小粒な選手が増えてきたプロ団体でもなかなか見ることができない。

そこにゲレーロがジュニアらしい縦の動きを加えていき、視覚的にも魅せていく。

この4人のクオリティならば、大会のオープニングマッチは安心して任せられる。

これは長年がむしゃらプロレスを見てきたものとしては当然かなと思う。

実際会場もこの試合でずいぶんあったまったように思う。

最後はジュニアとヘビーのチャンピオンが対峙し、コーナー 最上段からの急降下ダイビングヘッド バットで鉄生がゲレーロを沈めて2連勝。

GWAチャンピオンに返り咲いてから、鉄生はジュニアを苦手にしなくなってきた。

今の鉄生には、今のところ死角が見当たらない。

来週に迫ったがむしゃらマニアのタイトルマッチ、果たしてどういう風な結果になるだろうか?

今から楽しみでならない。

第二試合:20分一本勝負

◇6人タッグマッチ ○正岡大介&GENTARO &拳剛 (12分14秒エビ固め)進祐哉&ヴァンヴェール・ネグロ&×ヴァンヴェール・ジャック

お互いが兄弟分を自認する拳剛とネグロが博多に続いて対戦。ここにかつて博多ではマスクマンとして活躍したGENTAROが加わる。

GENTAROとしてはあくまで「現在」の闘いだが、見る側にしてみれば九州の過去と未来がぶつかり合うかもしれない注目のカードなのだ。

乱暴にくくるとGENTAROが90年代、進が2000年代、ネグロ親子が2010年代の華☆激にあがっていた。ここにゲレーロがいたら、ほぼ華☆激の歴史は網羅できる。

この試合、ネグロ親子としてはあくまでルチャがやりたかったのだろうけれど、正岡や、GENTARO、拳剛はあえてルチャを封じるような動きをしてきた。

これは自軍のペースでプロレスを進めるにあたって当然だと思う。

MY WAY親子に助っ人として入っている進はルチャにもプロレスにも対応できるけれど、ネグロ親子は頑なにルチャにこだわりすぎると、もう一ランク上に進化できないような気がしている。

もし普通のプロレスでもすごい試合が見せられるようになれば、ジャックの才能で世界を驚かせることは簡単だと思う。

この試合で個人的に一番いいなと思ったのは、ネグロと兄弟分として絆が深い拳剛とネグロのバチバチのやり合いだった。

心の底に信頼関係があるとは言いながら、こういうゴツゴツとした試合はMY WAY内の闘いではなかなか見られないような気がしている。

たくさん試合を見てるわけではないから、私が偉そうに言える筋合いはないかもしれない。

しかしGENTAROのような難敵は世界を見渡せば、たくさんいる。

おそらくメキシコに行ってもそういうテクニションはゴロゴロいるだろう。

これから福岡発「世界」を目指していくのであれば、どんな選手が来ても対応できる精神と技術を磨いて、より一層の研鑽をしていってほしいと思う。

オートスタジオにはなかなか行く機会がないけれど、陰ながら彼らの活躍はチェックして応援したいと思っている。

第三試合:30分一本勝負

◇タッグマッチ マンモス佐々木&×ドラゴン・リブレ (11分11秒右肘→片エビ固め)○杉浦透&香取貴大

かつては、マンモスギとしてタッグ王者だった、マンモスと杉浦が対角線上でぶつかり合う。

ここに組み込まれた香取とリブレがどれだけ存在感を残せるか?それが注目ポイントになりそうなカードである。

試合開始直前、香取を意識しあう リブレが香取の持っているうさぎのぬいぐるみを放り投げ、戦闘開始。

マンモスと杉浦もそれに乗っかる形で熱い戦いを繰り広げる。

今回はリブレと香取の攻防が目立ったように思う。

普段だとかぴぃのキャラクターを優先させる香取が珍しく、「香取貴大」で試合をしていたような感じがした。

それに引っ張られる形で杉浦とマンモスも激しくやり合った。

結果的にこの試合が真ん中にあったことで、大会が非常に締まったような感じがしている。

チャンピオンとしてメインイベントを務めるのも大事なことだけど、大会の空気をビシッと締めた杉浦は、伊達にベルトを巻いてるわけではない。

結局、試合後も意識しあっていたリブレと香取。

ただリブレの敗因はあまりに香取の方しか目に入ってなかったことかもしれない。

結局杉浦の強烈な「右肘」が入ったおかげでリブレは大の字になってしまった。

意識し合えるライバルとしては、いいターゲットを見つけたな、と思うけれど、タッグマッチとしては パートナーを置き去りにしてしまった。

そんな中で元タッグチャンピオン同士のぶつかり合いは、タッグの中における「組んでよし・戦ってよし」の姿勢をリブレと香取に見せられたのではないだろうか?

意気揚々と引き上げる杉浦とは裏腹に、香取は最後まで悔しそうにしており、自ら持ってきたはずのぬいぐるみを放り投げてしまうくらい悔しがっていた。 その気持ちが本物であるなら、これからもどこへ行って熱い試合を繰り広げることだろう。

そうなることを私も願っている。

セミファイナル:45分一本勝負

◇シングルマッチ
○藤田ミノル (変形サムソンクラッチ)×ドブネズミ・フッキー

確か、佐賀でも組まれていたカードでそれ以来の再戦となるはずの顔合わせ。

団体によって入場テーマ曲も役割も変幻自在に変えてくる藤田ミノルだが、フッキーもなかなかの曲者。

佐賀は観に行けなかったので、今回は楽しみなカードでもある。
試合前なぜか日本語で喋るドブネズミ。

藤田も思わず「ネズミが喋ってるぞ」とレフェリーに言うのだが、フッキーが着ているTシャツはなぜかどれも藤田絡みのもので「何でそんなの持ってんだよ」 と本人が詰め寄ると、フッキーは「家にあった」と答える。マスクマンに変身してからこんなにしゃべるフッキーは久しぶりに見た。

このようにもともと自由度の高い2人なので試合中も主に藤田が適当に喋りながらやっていた。

さらに場外乱闘になって「上に上がるぞ」と言って観客に上コールを要求する藤田。

階段の上に上がって「上がったぞ」と叫ぶ藤田は「今度は下に行くぞ」 と言って下に降りると会場は「下コール」をするのだが、こんなコールは初めて聞いた。

実際は吉野レフェリーいわく「いい年したおっさん2人が階段を上って降りただけ」という何の生産性もない光景なのだが、これもプロレスになってしまうのが面白いところである。

ツッコミ役の様子の吉野レフェリーがいなかったら多分成立しないと思うのだが、二人ともボケ倒すので扱いが大変だったろうな。

それでも最後の方になるとテクニック合戦になり、藤田が珍しくアンクルホールドを決めたり、「SAYONARA」をフッキーがカウント2で跳ね返したり、なかなかテクニカルな攻防も見せてきた。

最後は丸め込み合戦になり、変形のサムソンクラッチで藤田が勝利。

とはいえ 最後までよくわからない試合だったのは事実。まさにこの2人にしかできない ワールドだった。本当に自由な闘いとはこういうことをいうのだろうなあ。

メインイベント60分一本勝負

◇6人タッグマッチ
葛西純&○佐々木貴&竹田誠志 (17分51秒エビ固め)ビオレント・ジャック&×植木嵩行&佐久田俊行

ある意味、FREEDAMS地方カードの定番カード。今回は正規軍に竹田誠志を加えた強力な布陣で、ERIを迎え撃つ。

立場的にはヒールながらなかなか憎めないERIと、 FREEDAMS強力トリオの対決はメインイベントに相応しい内容になるだろう。

入場はE.R.Eが先でFREEDAMS正規軍が後だった。竹田・葛西までは普通に入場できたのだが、最後の佐々木貴の所で、皆が「バキューン」を待ち望んでいたタイミングで、 E.R.Eが突然襲いかかり、そのまま場外乱闘になだれ込む。

あちこちでフリーダムな戦いが繰り広げられ、その中で何とかしてリングに戻ってきた殿がもう一度バキューンを試みようとするが、またしてもビオレント・ジャックに邪魔をされてしまう。

こうした中で試合の主導権をほとんどE.R.E が握り続けてきたが、さすがにこの3人が揃っていてそのままでは済まされるわけがない。

葛西や竹田の暴れっぷりも半端なく後半フル回転で巻き返してきた。FREEDAMS正規軍は最後の勝負を、殿に託した。

今回は比較的コミカルの動きを見せていた植木に照準を絞り、最後は殿自らが勝利をもぎ取った。

簡単に言えば「完全懲悪」なのだけれど、会場は大盛り上がり。

やはり古き良き時代のプロレスを今にうまくアジャストしているところが、FREEDAMSの面白いところだと思う。

今のプロレスも悪くはないけれど、デスマッチ団体であるにもかかわらず、最後はハッピーエンドで帰れるというところが味噌。

特にデスマッチ禁止の会場で色々経験を積んできたものが、こういう形に反映されているのだと私は考えている。

エンディング

最後にマイクを握った殿は「ある男との約束で北九州にダムスは西の聖地として毎年毎年帰ってきます!」 と宣言。

「がむしゃらプロレス、MY WAY、FREEDAMSで福岡県を熱く盛り上げたい」とも語って、最後は3人揃ってのバキューンで大会を締めた。

終わってみれば非常に多幸感あふれる大会で満足のいく大会だった。

ただ 残念だったのは土曜日開催ということで、仕事の都合で行けなかった人たちも多数いたんだろうな、ということがわかる入りだったこと。

前回がフルハウスだったのは日曜開催ということも大きかったんだろう。門司赤煉瓦プレイスも西鉄ホール同様、日曜日に取れるとは限らない。

人気会場であるだけに非常にもったいないなと思った。

またいつかどこかでデスマッチができるような会場が見つかるといいんだけど、今のところ 思いつく限りでは小倉北体育館ぐらいしかないのかな、と思う。現状ではちょっと厳しいかもしれない。

殿の宴

少し早めに居酒屋がむしゃらについてしまったので、外で話をしながら準備が終わるのを待っていた。

久しぶりの殿の宴はとても楽しかったけれど、ちょっと選手の座る位置からは私の場所が離れていたので、あまり話すことはできなかった。

よってレポートは観戦記の中に組み込む形で終わりにしたいと思う。

幸い宴のデータは飛んでいなかったので、こちらの写真は載せることができた。

後記

大会自体も満足だったし、宴も満足できてすごく気分よく帰れることができただけにデータを取り込み損ねたことだけは悔いが残る。

来週のがむしゃらプロレスではそういうことはないようにしたいなと、心に誓っている。

写真をお借りしたみなさん、改めてありがとうございました!


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