[プロレス観戦記] DRAGON GATE THE GATE OF PASSION 2015第10戦・下関大会

DRAGON GATE THE GATE OF PASSION 2015第10戦下関大会

(2015年4月24日・金・山口・海峡メッセ下関)

写真はこちらから

イントロダクション

前回の下関大会が風邪で行かれなかったため下関でのドラゲー観戦は約一年ぶり。まあ間で博多なんかでみているせいもあってか、それほど間が空いた気はしない。

しかしひとつ気になることがあって、今大会は今までのように街のいたる所でみかけていたポスターも今回は不思議と目にしなかったし、割引券も置いてあるところを探すのに苦労した。

どこの団体もこれで当日が伸びたためしがないので心配はしていたんだが、案の定当日券が伸びてない。

オープニング

ひとり観戦の時に、連れがいないと決まって端っこの席をあてがわれることが多いドラゲーで、両隣前列ががらーんと空いた状態で、私はぽつーんと座っている状態になっていた。

たぶん、この空いたことろが当日券であてがわれた席なんだろうなというのは容易に想像がついたけど、北口正面以外はやたら空席が目立ち、しかもそれは最後まで埋まらなかった。公式発表は400になっていたけど、あれは絶対よくて150というところだろう。旗揚げから欠かさず来ているドラゲーですらこの入りとは・・・・下関のプロレスシーンはいよいよ終わりを迎えようとしているのだろうか?

ちなみにもっちーが広島大会で腰を負傷。第一試合のKzyのパートナーは決まってないとのアナウンスが…

エキシビジョン5分

△山村武寛 対 △琴香(時間切れ)

前回春の大会でも若手同士のエキシがあったけど、今回は純粋に練習生対先輩のシングルマッチ。こういう若手に先輩が胸を貸す機会を地方で与えているのはさすがだと思う。やっぱプロレスはお客さんの前で積んだ実戦経験がものをいうからねえ。DDTもDNAの選手たちに地方の前座を任せたりしているけど、こういう傾向はとてもいいことだと思う。できたら練習生同士のエキシもみたいところだが、まあそれは次回以降の楽しみにしておこう。琴香が普段のハイテンションキャラを封印して、ひたすら基本に忠実なレスリングをしていたのが印象的だった。

山村はまだ技に対する耐性が足りてないのか?体つきはまあまあだが、一発けりを受けると動きがとまってしまう。

この辺はまだ課題がありそうだなあと思った。いい感じできているんだけど、もう何かひとつこれという売りがないと、上の先輩たちの濃いキャラに太刀打ちもできないだろうし、その前にプロレス自体が成立しない。

やっぱいくらドラゲーでも受けてなんぼのところはあるんで、根性だけでない、自信みたいなものがみなぎってくるとまたかわってくるのかな?

琴香が最後に見せたボストンクラブはまさに若手いじめの技というか、これに耐えてこそのレスラーなんだってことを教えていたように見えた。

山村がいつかメインに立つ日がきたら今日の試合をきっと思い出すんだろうなあと思いながら見ていた。

第1試合 タッグマッチ

Kzy&ヨースケ♥サンタマリアvs ジミー・ススム&斎藤“ジミー”了
×ヨースケ♥サンタマリア(13分28秒、横須賀カッターから体固め)ジミー・ススム○

で、もっちーが欠場でパートナーが決まらないKzyはセコンドのハルクやキッドにも懇願するが、2人はあとで試合があるためやんわり拒否。「誰でもいいから俺と組んでくれ!」と絶叫するKzyに応じて出てきたのは、ミレ二アルズのマリア!頭を抱えるKzyだったが、なかばやけ気味にタッグ結成を承諾。みてて思ったのは、前回博多でもユニットの違うハルクと鷹木がコンビを組み、またヒールサイドではベテラン軍を飲み込んだマッドブランキーが勢力を拡大している。まあ、ディアハーツはできたばっかだからあれだけど、いずれ他のグループは統廃合される流れができ始めてるのだろうか?今回のもっちー欠場はアクシデントだろうけど、ミレ二アルズとかだんだん色合いが薄れてきているし、どうなっちゃうのかな?そういえばエルリンダマンはこの日セコンド業務だけだったし、パワーファイターとして売り出し中のビッグR清水もきてなかった。ああいう新しい流れは地方で浸透させる意味でも試合に出した方がいいと思うのだが…

さて、これを黙って見逃すジミーズではない。なんとあれほど決まらないのがお約束になっていたサイリョーのサイクリングヤッホーがなんとこの試合で決まってしまった。そして決まったことに当の本人が一番びっくりしている!ある意味この日一番のハイライトだったかもしれない。試合はやはり付け焼刃のチームが熟練したベテランのはかなうはずもなくマリアがつかまって終わってしまった。正直次につながるかといえば・・・・???
な試合だった。

第2試合 シングルマッチ

鷹木信悟 vs ジミー・神田
〇鷹木信悟(10分23秒、スライディング式パンピングボンバーから片エビ固め)ジミー・神田×

顔合わせとしては悪くないけど、今このカードを見ても次につながらないといえばこの組み合わせ。確かに実力者同士の試合だし、外れはないだろうなと思っていたけど、今の鷹木に負ける要素が皆無な状態ではやはり興味は半減した。確かに神田のうまさも光ったし、鷹木の試合だからはずれでもなかったんだけど、ドラゲーの場合、連綿と続くストーリー展開が一つのうりになっているわけだし、そういう意味では物足りなさもあった。そもそもモンスターエキスプレスとジミーズの対立概念が薄らいでいる以上、いくらこの2人でもただのシングルマッチ以上のモノにはできなかったということだろう。ある程度おぜん立てがあってのシングルと、いきなり組まれたテーマ性0のシングルでは、正直これ以上の意味合いは見いだせなかった。

第3試合 タッグマッチ

T-Hawk&フラミータ vs 堀口元気H.A.Gee.Mee!!&ジミー・カゲトラ
〇フラミータ(12分00秒、450°から片エビ固め)堀口元気H.A.Gee.Mee!!×

構図としてはベテラン対若手軍ということでまだこっちの方がわかりやすい。お客のノリもあきらかに前の試合とは違っていて、「H.A.Gee.Mee」の間に「フラミータ」と合いの手を入れてみたり結構ノリノリだった。カゲトラはなぜかセコンドのマリアにちょっかい出すなどしてまともに組みあわなかったり、ジミーズの地味なインサイドワークが光った試合だった。もちろんミレ二アルズの2人をうまく生かしたうえで、ジミーズの売りもしっかり見せていくという点では安定していた。

最後のスピーディーな畳み掛けはなんだかんだいってもドラゲークオリティなんで安心してみていられたし、堀口の「神が宿る逆さ抑え込み」もあわやという場面を作ったが、やはり今が登り調子のミレ二アルズは力のT-HAWKとスピードのフラミータの、お互いの特性が噛み合っていたので、これを崩すのはさしものジミーズでも厳しかったのかもしれない。まあ、堀口はもう負けても価値の下がらない選手にはなってるんで、この勝利が即、何かに繋がるとは思えなかったけど。

セミファイナル タッグマッチ

土井成樹&サイバー・コング vs B×Bハルク&ドラゴン・キッド
〇サイバー・コング(14分24秒、ファイヤーサンダーから片エビ固め)ドラゴン・キッド×

休憩明けはディアハーツ対マッドブランキー。ハルクもキッドもいいんだけど、やっぱ地方でビッグR清水をお披露目してほしかったなあ。せめてセコンドでもいいからきていて欲しかった。

普段なら数にものを言わせるマッドブランキーだが、土井&サイバーはそれだけで強力な布陣なんで、さしものハルクとキッドもやや劣勢気味。特に再三再四ロープワークをサイバーに邪魔されたキッドは最後まで自分の試合リズムが作りきれていないように見えた。ハルクも孤軍奮闘してはいたけど、やっぱ難敵土井とサイバー2人を相手にすると厳しいかなあ。ここでもっちーがセコンドにいたらだいぶ様相も変わったんだろうけど、こうなるとマッドブランキーには負ける要素が見当たらない。やっぱ「え?」と思わせるような意外性のある結果がなかったというのは、今のドラゲーの体制がやや曲がり角にきているということかもしれないんだけど、この中でユニットを再編成してもそれほど魅力的なシャッフルになりそうもないところが、問題といえば問題かもしれない。ディアハーツが自分のチームカラーを出し切れないまま終わった試合だったように見えた。

メインイベント タッグマッチ

YAMATO&CIMA&×Gamma vs 吉野正人&戸澤陽&○しゃちほこBOY
×Gamma(19分48秒、ラ・マヒストラル)しゃちほこBOY〇

公式HPの試合結果が間違っていたので、訂正。まあ意外性という点ではこの試合が一番意外性があった。まあでもしゃちほこはもともと実力はあるんで結果自体に驚くことはなかったんだけど。それよりCIMAとGammaが顔にロードウォリアーズばりのペイントを施し、完璧にモンスター化していたのがまずびっくり。笑いに走ったかと思えば、突然悪いことをする。好き放題やって試合のリズムまで壊そうとするベテラン2人の暴れっぷりを特に制御するでもなしに放し飼いにしているYAMATOという形になっていたけど、なんとなく先輩2人を持て余している感じもした。ともすればYAMATOが目立たなくなっているし。まあこのキャリアで新しいキャラをやれるCIMAとGammaがすごいとも言えるけれど。

そこは空気を読んだのか、サイバー以下セコンド陣が試合に積極介入。なんとかYAMATO
の面目は保ったものの、あのベテランの好き勝手ぶりは一見するとまとまっていそうなマッドブランキーの中にあって危険要素をはらんでいる感じはした。

一方モンスターエキスプレスはお互いの信頼関係を軸にしてこっちはぶれないチームワークで攻めていたけど、この差が明暗をわけたような気がする。だからしゃちほこにすべてを任せてカットに行っても、これで泣けそうな気がするとは思えなかった。実際結構厳しい攻めを受け続けていたしゃちほこも実はローンバトルにはならなかったし、抗争の中で目に見えないスキルアップしたところも、プラスに働いた感じがした。結果CIMAの粉爆弾も誤爆させ、しゃちほこ大逆転勝利に終わった。

試合後、CIMAが「全方位にケンカ売る」といって売店のジミーズを呼び出しておいて、堀口とサイリョーがリング下にくると「お前ら誰や?」と呼んでおいてやりたい放題。しかも「あとはお前らが締めろ」といってモンスターエキスプレスに丸投げして帰ってしまった。最後あのしゃちほこが結構頑張ってマイクでしめた。ここはややお得だったかな?

後記

いやでもやはり入りが厳しいという点では今までで一番だったと思う。何か抜本的な対策を講じないと下関のプロレスシーンは衰退する一方だろうなあ。

どこが来ても厳しいということはいえると思う。もはや下関単体では興業が成立しないんで、時期をあけて小倉と連携するとかツアースケジュールを見直すとかしもいいのかもしれない。そんなことを思った一日だった。

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