プロレスリング華☆激・子ども夢応援プロジェクト・交通遺児支援・チャリティープロレス(2021年4月4日・日・さいとぴあ 多目的ホール)
イントロダクション
華☆激自粛明けの春日大会は、父の転院が重なり、行けなかったので、個人的には、2021年初華☆激が、さいとぴあになった。
華☆激のさいとぴあ大会は、多分2015年くらいからやっていないはず。コロナ禍でなければ、さざんぴあという選択肢もあったはずだが、たまには違う会場も悪くない。
そもそも最後に華☆激見たのが、ライガー引退の時だから、気がつけば随分間が空いてしまった。コロナ禍でYouTube配信番組「カツカレー大盛りTV」もないから、あれだけ会っていた華☆激のメンバーともご無沙汰になってしまった。
しかも、久々観に行く大会が直前でカード変更を余儀なくされたので、現場は大変だっただろうが、見る側としては、まさかのトゥエルノ・ゲレーロ参戦というサプライズが生まれたので、全然問題ない。
近年は西日本社会人団体との交流が活発化して、華☆激とがむしゃらプロレスは、交わる機会もなかったのだが、新しい時代にまたこうした関わりができたのは、素直に喜んでおきたい。
オープニング
さて、新年度というのは、色々変化があるもんで、いつも小倉→博多間で利用している「よかよか切符」は、当日乗車分の購入ができなくなっていた。
時間には余裕があるので、仕方なくソニックに切り替えて、久々に在来線の旅を楽しむことに。とはいえソニックも新幹線と対して変わらないので、いざというときの手段としては使える切り札である。
さいとぴあについて、もう一つサプライズが待っていた。心臓疾患があるアステカが体調不良のため、試合出場を見合わせ。
それに伴い本来出場しない予定だったエル・ファルコが急遽参戦し、セミは、上田馬之助&アズールドラゴン&聖氣対RANMA&エル・ファルコ&トゥエルノ・ゲレーロに、メインの博多タッグは、セミに出る予定だったエル・ブレイブが小川聡志と組んで、新泉&ネグロに挑戦することになった。
第1試合 10分1本勝負
○タコス☆キッド(6分14秒 キッド☆ロック)ウロボロス●
3.6春日大会でデビューしたウロボロス。華☆激では久々の新人だが、早くも先輩に噛み付くなど、不穏な動きをみせている。
春日大会は行けなかったので、初めて見るウロボロスには注目してみてみたい。
そういえば、タコス☆キッドになってから、試合初めてみるんだが、ハラキリ時代より、試合の幅が広がっている感じがした。
なんだかんだで、ハラキリハカタのキャラには縛りがあるから、タコス☆キッドというオリジナル(あちこちホーガンを意識していたけど)を手に入れた事で、のびのび試合をしていた。
対してウロボロスは、オリジナルなのに、なんか何処かでみたような感じがして、自分なりの持ち味がまだ出せてない感じがした。
デビュー二戦目という事で大目にみたい部分はあるんだが、試合の組み立てもバラバラで、しばらく実戦訓練が必要なようだ。
最後は、これもハラキリハカタ縛りでは出せなかったてあろう、柔術のテクニックを駆使して、タコス☆キッド快勝!
ハラキリ時代には、ライトヘビー級挑戦もしているから、今度は新しい顔でまたチャレンジしてほしい。
第2試合 20分1本勝負
○ヴァンヴェール・ジャック(10分23秒 体固め)ユーセー☆エストレージャー●※トラロック
時を経てMY WAY所属として、高校生になっての対戦。
多分、MY WAYとしても、高校入学後も初対決になる2人が、あれからどう進化したのか?注目してみてみたい。
私はいずれこのカードは、ドームのど真ん中に立つくらいになると思っているので、止まらない彼らの進化に期待したい。
試合開始早々にバチバチのしばき合いから、空中戦へと一瞬たりともとまらない2人。
明らかに中学時代より進化していた。その最たる例がグラウンド。奇しくも同じ卍固め→グラウンド卍固めの攻防になったが、右サイドから入るユーセーと、左から入るジャックという、同じ技を違う入りでみせるあたり、この2人のレスリングは、当分進化をやめそうにない!
最後は、初代・双琉王・ジャックがユーセーを、コーナー最上段からの、ダイビングダブルニードロップである「トラロック」(アステカ文明の雷の神の名前)でユーセーから激勝。上背がない分、ジャンプの高さをつけて、たっぷり体重を乗せる工夫もしていて、これならピンとられても仕方ない内容。
しかし、ユーセーも打撃やグラウンドで格段の進化をみせてくれた。正直次戦ったらどっちが勝つかはわからない。それくらい2人のプロレスは、素晴らしいものがあった。
恐れ入りました。
第3試合 30分1本勝負
○RANMA&エル・ファルコ&トゥルエノ・ゲレーロ(15分48秒 体固め)ニ代目上田馬之助&アズールドラゴン&聖氣●※シージャ
急な代打出場になった、がむしゃらプロレスのトゥエルノ・ゲレーロ。相手は難敵・ダークサイドFTOに、聖氣を加えた曲者軍団。
しかも、セミファイナル登場という破格の扱いである。アズールはTwitter上で早くも反応を示していたが、なんだかんだいいながら、ゲレーロが標的にはなりやすい。
その上、アステカの欠場で急遽カード変更という形で、本来ファルコの代打出場になるはずのゲレーロが、そのファルコとタッグを組むということに。これだからプロレスは何がおこるかわからない。
これで、本来狙い目であったはずのゲレーロから、ダークサイドFTO&聖氣は、ターゲットを、緊急出場のファルコに切り替えた。
一度は出られない形になったエル・ファルコとしたら、降って沸いたチャンスを逃すわけにはいかない。
だが、意気込むファルコを馬之助もアズールも上手にあしらっていく。おまけに同じMY WAY所属ながら、ライバルでもある聖氣も、ファルコ には厳しい攻めをみせていく。
しかし、ゲレーロがうまい具合にカットに入ったり、上背では負けない馬之助相手にガンガン攻め込んだりと、見せ場をたっぷり作り、自軍にチャンスが来るのを待った。
やはり、ゲレーロはルチャのリズムがやりやすいのだろう。はじめて組んだとは思えないリズミカルな攻撃で、RANMAに繋ぐと、聖氣を逆転の空中弾でピンフォール。かつての生徒の門出に、師匠から手痛い卒業証書をもらうことになってしまった。
試合終わればMY WAYとRANMAはノーサイド。健闘を称えるRANMAの前では、聖氣もファルコも一瞬生徒に戻っていた。
そして自軍の選手の退場をロープをあけてサポートしたゲレーロ。このあたりもプロ選手へのリスペクトが感じられて、大変清々しかった。
第4試合 博多タッグ選手権試合 60分1本勝負
〔挑戦者組〕○小川聡志&エルブレイブ(19分46秒 エビ固め)〔王者組〕新泉浩司●&ヴァンヴェール・ネグロ
※ブレイブのシャイニングウィザードから。小川&ブレイブが第12代王者となる。
本来、チャンピオンサイドとして、挑戦を受ける側だった小川が、アステカと組んで、タッグに挑戦する…予定だったのが、当日にカード変更。
こうなると、降ってわいた二冠のチャンスを、生かすも殺すも小川次第だろう。
新泉浩司&ネグロにしてみたら、虎の子のベルトを、簡単に渡すわけにはいかないだろう。ましてや、新泉は小川に博多ライトヘビー級を奪われているわけだし、急に出てきたチャレンジャーに、タイトルは渡したくないはず。
だから、序盤から王者組はブレイブに狙いを定めていた。ただでさえ急造タッグなんだから、ここを崩せば勝てる、と踏んだのだろう。
だが、意外にもブレイブが粘る。粘る。特別エル・ブレイブになって、上手くなったわけでもないのだが、ふってわいたチャンスをモノにしたいという気持ちだけで、試合していたように私にはみえた。
小川も度重なるカード変更で、モチベーション維持に苦労したのではないか、と思うが、急造チャレンジャーチームは意外なくらい噛み合っていた。
新泉のファイトにややらしさがない感じがしていたのは、体重の乗った打撃があまり見られず、グラウンドで決めにかかっていた点だった。
もしかすると、以前痛めた箇所が万全ではないのかもしれないが、今振り返ってみると、チャレンジャーチームに十分なダメージが与えられなかったことが敗因に繋がったのかもしれない。
結局、新泉が攻勢にでたところを、逆に体を入れ替えた小川がフォール勝ち。見事二冠王になることができた。パワーファイターの小川が小技できたのは意外だったが、多分新泉もネグロも、これは想定していなかっただろう。
試合後、マイクで華☆激が2021年で設立25年、2022年で旗揚げ25周年という話をする小川。呼び込まれた代表のアステカが忘れていた、というオチがついたが、敗戦を機に新泉はネグロとのチームを解消して、闘う側に回ると宣言。しばらく遠ざかってしまった博多ライトヘビー級再チャレンジも視野に入れているのだろう。
後記
華☆激の25年は紆余曲折ありすぎて、いつ潰れてもおかしくはなかった。それが四半世紀もつなんて、私も想像していなかった。
私も途中、ブランクを挟みながら、気がつけば25年も観てきたんだなあ、と思うと感慨深い。はじまりはどうなることか、と思いきや、最後は結局面白かった!で終わる不思議な団体、プロレスリング華☆激。今日の大会は、まさに華☆激の25年そのものだったような気がする。
結局、四半世紀すぎてもこの団体とは付き合っていくことになりそうだ。