[プロレス観戦記] プロレスリング華☆激レッスルどんたく2014

せかぷろ

プロレスリング華☆激レッスルどんたく2014(14.5.4 日 博多どんたく 港本舞台会場特設リング)

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イントロダクション

博多どんたく港まつりは以前から行きたかったんだけど、がむしゃらの巌流島と重なっていて行かれなかった。

今回はスターダムからコグマ&山口県光市出身の宝城カイリが来るとあって迷わず、こっちを選んだ。

しかしマリンメッセの近くとは言いつつも、看板一枚出てない状態。無理もなくこれは町あげてのどんたくの一環としておこなわれているため表示自体がなかったんだろう、と好意的に解釈してみるが、正直あれはよそから来た人間にはわかりづらい。

主催者ももう少し配慮していてほしかったな。

オープニング

で結構ぎりぎりの到着になった。周囲は椅子が並んでいたけどリングをランバージャック状態で囲むように密着していた。場外戦をやらない配慮からかもしれないけど、かえって空中戦を減らしてしまったんで、見どころをひとつそいだ感じに見えた。過去に何か問題があってこうしたのかもしれないので今回は特に問い詰めはしないけど。

那須レフェリーに挨拶して、ステージ側で立って観戦した。

入場口が後方にあって選手が出てくる花道でプロレスをみるという体験はなかなかないし、こういう位置もおもしろいと思ったのだ。

で、全選手入場式開始。またまたどうでもいいんだけど、「ロッキー4」の「ハーツオンファイアー」は若鷹ジェット信介にイホデルパンテーラ、過去には神取忍、長与千種、K1の角田がつかってきた、もう使いまわし感たっぷりの曲なんでこういう演出するときはむしろかけない方がいいと思うんだが、まあこの辺に無頓着なのが華☆激らしいちゃらしいところなんでこれもあえて今回は追及しない。

そして代表アステカの口からスターダムの試合がメインになることが告げられた。あれ?第一試合じゃなかったんだ?

でも自分の試合をメインにしないであっさりゲストにメイン譲っちゃうあたり、昔のアステカじゃ考えられなかったこと。いい意味でこだわりがなさすぎなのも華☆激の緩い魅力だったりする^^

第1試合 30分1本勝負

○ジライヤ 対 ●ヴァンヴェールネグロ(11分10秒 カサドーラ→小包み固め)

レアル対決は師匠ジライヤと弟子のネグロの対戦。本来ルードであるはずのネグロがいい意味でも悪い意味でも試使用に遠慮しているのがまるわかりになるのもこのカードの特徴。

実は高木三四郎もひそかに認める力をもつネグロがもう一皮むけると、いろんな団体からお声がかかるとは思うんだけど、まだそこまではいききれてない。息子のジャックがいろいろすごすぎるんで、どうしても親父さんの試合は厳しめでみてしまうんだけど、やっぱプロとしてやっていくんであれば、ジライヤさんが出した課題を試合の中でひとつひとつクリアしていってほしい。

で、その上で最初にダメ出ししておくと、やっぱルードがピンチになって声援もらうのはどうかと思う。

人柄がしのばれるのはいいんだけど、裏返せば誰もネグロがジライヤさんに勝てるとは思っていないということでもあるんで、ここはやはりレアルルチャの看板選手として「なにくそ!」という気持ちで師匠にぶつかっていってほしいのだ。実生活ではいい人なのはけっこうなんだが、それをリング上に持ち込まないでほしいのだ。

そしてまだ無駄な動きが多く試合がドタバタしてみえるのも難点。たとえばジライヤをコーナーにつめてチョップ放って(しかも中途半端な当たり)さらに対角線にふってラリアットうっていたシーンがあったけど、ここは最初のチョップはいいから後のラリアットをよりガツンと決めていたらインパクトもあったのにと思ってしまった。

対してジライヤは丁寧にルチャの動きも含めて今のネグロの課題をひとつひとつ試合で洗い出している感じがした。公開授業としてはかなり贅沢な時間だったと思う。

第2試合 45分1本勝負

アステカ&コスモ☆ソルジャー&●KING 対 ・小川聡志&○新泉浩司&谷口勇武(17分05秒 背中へのサッカーボールキック→片エビ固め)

名古屋組のコスモを入れた華☆激純血メンバーそろい踏みによる6人タッグ。そもそも普段の興業で自前の選手だけで6人タッグができないことが多い華☆激にあってもと所属の谷口を含めた6メンは相当レアでもある。

まあ主催が別にいると、それほどお金の心配しなくていいんで、イベント試合が定期戦より豪華になることは華☆激では珍しいことではない。

で、見てて思ったのは皆元気いいなあということ。実年齢がほとんど初老のメンツだけど、これだけはつらつと動いているのをみるのは気持ちいい。

心配だったのは谷口なんだけど、さすがにこのメンバーならだれを思い切りけっても、投げても許される力量があるので、自団体でみせる俺様何だか、こじんまりしてるんだかわからないファイトスタイルよりは数段まともにみえた。不幸にも小川が足を痛め、途中シューズを脱いで試合していたが、そのフォローにも的確に回っていた。

ただちょっと想定外に出番が多くてテンパっていたのか、ツープラトンしかけるところでコーナーに戻ったりしていたけど、この辺は独立した弊害かもしれない。だいたい北九Zには谷口が思い切って自分をぶつけていける選手がいない。

他団体から呼ぶにしても試合数が少なすぎるし、あのメンツの中でやっていたらモチベーションも保てないから向上心も薄くなる。せっかくいい素材なんだけど、全体的に残念という今の谷口の評価はあんまり変わらなかった。

とはいうものの途中足をけがした小川の分まで新泉とともに頑張っていたので、この試合に関してはそんなに辛い評価はしていない。

一方KINGはというとでかい体の割にはまだバタバタしすぎている感じ。もっとどっしり構えた方がより存在感が増すと思うんだけど、どうしてもスピードの速い試合になればなるほど、流されてしまう感じがした。残念だったのは小川のけがでそれでも試合を投げなかったのはいいとしても年齢から考えて今後が気になるところ。

年と共になおしにくいこともあるし、前回のけがから復帰してまたケガというのもどうなんだろうなあという気がする。無事これ名馬ではないが、体が資本のプロレスラーがけがに泣くことが多いというのはあまり感心しないからだ。

 

我慢大会ではないのでなおすときはじっくりなおす、出る時はベストな状態で出て欲しい。理想論かもしれないけれど、他の選手のコンディションがよかっただけにやや残念ではあった。

しかし昔ならアステカがフライングボディアタックを決めたら試合はほぼ終わっていたのに、最近は新泉がフィニッシュをとることも多くなった。私が「アステカが勝った試合ほど記憶に残らない」といったからではないとは思うけれど、やっぱこういうのって大事なことで、先々レジェンドクラスになれば、それでもいいけどまだ第一線でやりたいならフィニッシュをとる選手はいろいろいていいと思う。

特に新泉がとどめにKINGに放った背中への強烈な蹴りはダメ押しというには十分すぎる威力で、あれではさしものKINGも返せないと思わせる説得力があったからなおさらそう思った。

華☆激で唯一黒のコスチュームで無骨な雰囲気を醸し出す新泉は、今のなにげに華☆激のキーマンでもあったりするのだ。

第3試合 30分1本勝負

○宝城カイリ 対 ●コグマ(8分34秒 ダイビングエルボードロップ→片エビ固め)

なぜかこの時から気が付いたらビデオカメラを構えた胡散臭そうな人が女子レスラーを撮影していたんで誰かなと思ったら、なんとロッシ―小川・スターダム社長であった。これは失礼。

てっきりストーカーかと思った(爆)。

どうしても全女時代のイメージが強いのでなんかずいぶん老けたなあという感じがした。でもなんでこの試合がメインにきたのかがやっとわかった。そりゃ社長がきてたら気を遣うよね、ふつう。

田川出身のコグマは運動神経抜群の期待の若手。聞けば大概のスポーツはなんでもこなせるらしい。そしてキャリアはデビュー半年という。対する宝城は、ゆずぽん相手に二年前にデビューした山口県光市出身のもとヨット選手。だから海賊コス・・・なのか!

やっぱ今後のスターダムの屋台骨を支えるであろう選手の一人ではある。だが試合が始まってみると先輩の宝城が攻め、コグマがひたすら受ける展開に!これはびっくり!いや、宝城が先輩プロレスをしてるのではなく、ましてやコグマがヒールとして試合を作ってるわけでもない。

ただ、宝城もコグマもスターダムを代表してここにきて、数少ない地方での試合の機会をものにしてより多くのお客をよびたいのが真意としてあるだろうから(実際11月に福岡にまたスターダムが来るらしい)、全力で試合するのは当然なんだが、デビューして半年の選手が、キャリア二年の宝城と対等に渡り合っていることに驚愕した。

スターダム、意外と隠し玉もってるんだな!というのが正直な感じ。でもこの勢いでいけば間違いなく女子プロ界にとって大きな存在になることは間違いないだろう。

打たれ強い上に、スピードもあって、なおかつファイティングスピリットにもあふれている。正直宝城目当てで行ってコグマのファイトに魅せられるとは思わなんだ。でもこういう意外な出会いがプロレスの面白さであったりもする。タレントもやってる宝城と比べてもルックス自体悪くないし、大成する素養は充分と見た。

あとはいくつか代表的な技を身につけていけば、さらに化けるだろう。なんせこの団体にはあの高橋奈苗がいるわけで、名コーチのもとで、これからどう化けて出るかが楽しみで仕方ない。

しいて言うなら上背がないのがやや悲しいものの、コグマの可能性自体はかなり高いとみた。

試合後、さすがに舞台慣れしている宝城は堂々と他団体のマットのメインをマイクでしめてみせた。

なんだかんだいってやっぱ華があるというのは大事なこと。ロッシーも老けたとはいえ、目までは曇ってなかったんだなと感じた。いや時間の都合がつけば今度こそスターダムの地方大会にはぜひ行きたいと思う。

後記

三試合とも個性が違っていてお祭りらしいプロレスがみられたのは収穫だった。華☆激とは長い付き合いだけど、イベント試合は久しぶりに見たかな?

こういう華やかな場所でみるのもまたいいもんだと思う。前日のゴージャスな新日とはまた違ったテイストを確かに味わえた一日でした。みなさん、ありがとう!またお会いしましょう。

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