プロレス的音楽徒然草 MY WAY(AL.ver.)(ヴァンヴェール・ジャックのテーマ)
MY WAYとは
今回は2022年1月現在、MY WAYのヴァンヴェール・ジャック選手が使用している、難波章浩さんの楽曲「MY WAY」です。
タイトルでは(AL.ver.)と添えているように、アルバムバージョンとシングルバージョンではアレンジが異なります。
MY WAYは福岡を拠点にし、2021年5月2日に旗揚げしたプロレス団体です。代表はジャック選手のお父さんであるヴァンヴェール・ネグロ選手がつとめています。
書き下ろしではない
ちなみに、難波章浩さんの「MY WAY」は、2001年2月に発表されており、このことからもジャック選手に書き起こされた曲でないことがおわかりいただけると思います。
しかし、このアルバムバージョンの疾走感は16歳にして、今世界に羽ばたこうとしているジャック選手にピッタリ合った選曲になっています。
MY WAYとSTAY GOLD
さて「MY WAY」の歌詞はオール英語詞で、その中に「STAY GOLD」というフレーズがあります。「STAY GOLD」は、難波さんのインタビューによると、
「僕は地獄にいたと。その時に救ってくれたのが、“STAY GOLD”っていうメッセージだった。」と語っておられます。
MY WAYのメッセージ
そして、その「STAY GOLD」というメッセージを盛り込んだ歌が「MY WAY」だったわけです。
では、「STAY GOLD」とはどういう意味でしょうか?文字通り約すと「輝き続けろ」という意味になるそうです。ただ、これだけだと本来意図する意味が隠れてしまうようです。
「stay」と「gold」という単語がはじめて一緒に使われたのはロバート・フロストという詩人の「Nothing gold can stay.」という詩になります。
諸行無常
「自分自身に素直でいる童心」こそが「gold」である、とこの詩では言っています。
つまり「すべてのものが老いていく」「時間は刻一刻と流れていってしまう」と解釈することができます。日本語の「諸行無常」に近いようです。
「お金」「成功」とは真逆
「gold」=「お金」「成功」などとは真逆のニュアンスが本来の「stay gold」なんですね。
これで「MY WAY」と「STAY GOLD」が一本の線で結ばれました。
メッセ-ジが届いていた
難波章浩さんは、1970年6月9日生まれの51歳。Hi-STANDARD、NAMBA69のボーカル・ベースを担当されているベテランミュージシャンです。
注目すべきは50代の難波さんが作った「MY WAY」が、10代のジャック選手、そしてその父・ネグロ選手にもしっかりメッセ-ジが届いていたと思われることです。
センスに脱帽
もしかするとジャック選手サイドは「歌詞の意味は考えずに選曲した」のかもしれません。
しかし、それならまるでオリジナルとして書き下ろされたかのような楽曲を、入場テーマにチョイスするセンスには脱帽せざるを得ません。
ジャック選手のための曲
個人的にはジャック選手の前テーマ「THE GIFT」も好きなんですが、こちらは難波さんがやっているバンド「Hi-STANDARD 」の楽曲になります。
終始一貫して難波作品がジャック選手の入場を彩ってきた歴史も含めて「 MY WAY(AL.ver.)」はまさにジャック選手のための曲と言ってもいいと私は思っています。