プロレス的音楽徒然草 約束の橋(三沢光晴のテーマ)
約束の橋
今回は、三沢光晴さんが、二代目タイガーマスクから、素顔になったばかりの頃に使用されていた、佐野元春さんの「約束の橋」です。
実は、「約束の橋」が入場テーマ曲として使われていた事実を、私は長いこと知りませんでした。
スパルタンX以外
後年有名なスパルタンXに至るまで、三沢さんは、映画「惑星大戦争」のサントラ曲や、アニメ「メガゾーン23PART II」のサントラ曲「レッド・ゾーン・ファイター」、そして佐野元春の「約束の橋」を使用していたのです。
「約束の橋」のオリジナル版は、佐野さんのアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」の先行シングルとして、1989年4月21日に発売されています。
自身を励ますために
当時スランプに陥っていた自身を励ますために書いた楽曲です。
自己を鼓舞するために作られた楽曲が、巡り巡ってプロレスの入場テーマ曲になるというのも、縁を感じずにはいられません。
調べがつかず
アルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」に収録されたバージョンと基本的に同じですが、曲冒頭のカウントがカットされています。
「約束の橋」は、1992年にフジテレビ系「二十歳の約束」の主題歌となったため、ボーカルなどをレコーディングし直して再リリースされています。
残念ながら、三沢光晴さんが使用した「約束の橋」のバージョンがオリジナル版か、アルバム版か、再レコーディング版かは調べがつきませんでした。
サウンドストリート
今回「約束の橋」を取り上げたかったのは、1978年11月23日から1987年3月20日までNHK-FMで放送された「サウンドストリート」の事を書いておきたかったからです。
特に私がよく聞いていた1980年代は、月曜・佐野さん、火曜・坂本龍一教授、水曜・甲斐よしひろさん、木曜・山下達郎さん、金曜・渋谷陽一さんという布陣でした。
プロレス入場曲にも
このうち、音楽評論家・編集者である渋谷さんを除く月〜木はミュージシャンで、しかもプロレス入場テーマ曲に関わっているのです。
(月)「約束の橋」(佐野元春)…三沢光晴のテーマ
(火)「“カクトウギ”のテーマ」(坂本龍一&カクトウギセッション)…全日本プロレス引き分けのテーマ
(水) 「HERO(ヒーローになる時、それは今)」…ハイパーミサヲのテーマ
(木) 「クリスマス・イブ」(山下達郎)…全日本プロレス最強タッグ最終戦武道館大会エンディング(達郎さんは他の曲も使用歴あり)
こんな感じです。
当時のリスナーとしては
甲斐さんを除くと、使用歴は全日本プロレスで占められていますね(笑)
しかし、後年サウンドストリートのメンバー達が、こんな形でプロレスに関わるとは思ってもいませんでした。
それゆえに、当時のリスナーとしては非常に感慨深い思いでいっぱいなのです。