プロレス的音楽徒然草 傷だらけの栄光
あしたのジョー2の主題歌
本日は「傷だらけの栄光」という曲のご紹介です。この曲はあしたのジョー2(テレビ版)前期のテーマ曲で、おぼたけしさんという方が歌われています。あしたのジョー2の前には前作の力石徹編までを再編集した劇場版が公開されています。その劇場版のテーマ曲「美しき狼たち」に続き、あしたのジョー2でも、おぼたけしさんが起用されました。
アニメ版あしたのジョー(PART1)は、原作に追いついてしまい、止むを得ず途中で終了することになりました。
劇場版
そして、時を経て1980年にテレビシリーズの力石徹との死闘までを再編集した、劇場版「あしたのジョー」が公開になりました。「あしたのジョー2」というのは、力石戦から、原作最終回にあるジョーが真っ白に燃え尽きるシーンまでをアニメ化したものです。
要するに一度目のアニメ化では描かれなかった原作後半の部分をアニメ化したのです。監督はテレビ版パート1と同様、出崎統さんが起用されました。「あしたのジョー2」は、劇場版に先んじてテレビシリーズが作られて、放送されていました。ちなみに、放送枠はルパン三世(第2シリーズ)が放送されていた月曜夜7時から放映されていました。
根性路線からの転換
ちなみに、あしたのジョー2はルパン三世同様、山口県ではリアルタイムでは放送されていませんでした。1980年代は山口県に民放は二局しかなく、日テレ系列の山口放送が、テレビ朝日とのクロスネットをしていたからです。同じ理由で全日本プロレス中継も長らく見られずにいました。
この時代は「心に汗を」の回でも触れたように、根性至上主義からの転換期にありました。しかし、あしたのジョー2の場合は、演出や作画がスタイリッシュになった以外、時代に沿うようなことはないように、私は思いました。
違いは歌声
ただ、新・巨人の星II(アニメオリジナルの最終回)の飛雄馬と、あしたのジョー2のラストでジョーが、共に「旅立つ」ようにとれる(飛雄馬はアメリカにいく形で描かれています)形でラストを迎えているのは、なんとなく象徴的な感じがしています。
さて、「美しき狼たち」と「傷だらけの栄光」との大きな違いは「歌声」にあります。
モッチーバージョン
「傷だらけの栄光」では、曲のイメージを生かすため、おぼたけしさんはわざと声を枯らした状態でレコーディングされたそうです。この「傷だらけの栄光」を入場テーマ曲にしているのが、ドラゴンゲートの望月成晃選手です。
以前はオリジナル版を使用していましたが、現在は望月選手自らがカバーしたバージョンが使われています。オリジナル版をプロレスラー自身がカバーして入場している例はそうたくさんないはずなんで、聞き比べても面白いと私は思います。