【プロレス観戦記】MARIGOLD SHINING ATTACK 2026(2026年5月10日)

MARIGOLD観戦記

MARIGOLD SHINING ATTACK 2026(2026年5月10日・日・KDDI 維新ホール)

イントロダクション

旗揚げからなかなかタイミングが合わないまま、時間だけが過ぎていったマリーゴールド。

個人的には、山口を故郷に持つ岩谷麻優と、「エゴイスト2世」である心希のダブル凱旋がずっと見たかった。しかし、昨年は岩谷が怪我で欠場し、今年も直前で負傷。なかなかついていない状況で、2025年に関しては断念せざるを得なかった。

そんな折、林下詩美退団の報が入る。今大会が、所属として彼女の試合を生で見られるラストチャンスになってしまった。しかも対戦カードは、これも最初で最後になるであろう、心希との一騎打ち。これは刮目せざるを得まい。岩谷の欠場は痛いものの、2026年は維新ホールへ行くことに決めたのだ。

さて、スターダムやNJPWがよく利用する「KDDI維新ホール」も、私にとっては今回が初めて赴く会場だ。ようやくタイミングが合ったのも、何かの縁だろう。

ただ、新山口駅隣接の維新ホールが頻繁に使われるようになったからか、比例して下関方面の大会は激減してしまった。下関市民のプロレスファンとしては、なんとも複雑な状況である。ちなみに、下関から博多間は高速バスで90分、下関から新山口まではJRの鈍行で50分強。同じ県内の移動だが、結構な旅になる。

下関→ KDDI 維新ホール

今回もWWEのPLE「バックラッシュ」が日程的にバッティングしていた。さすがに前夜のスマックダウンから早朝のバックラッシュをリアルタイム視聴するのは無茶がすぎる。メインイベントと日本人対決だけをチェックし、車で最寄り駅まで向かい、そのまま各停の電車で新山口へ。

防府行きだと新山口駅で長い待ち時間が発生するが、今日はここがゴールなので幾分気持ちが楽である。普段使いしている高速バスに比べると、JRはえげつないくらいに揺れる。久々だったので「こんな感じだったかな?」と思いつつ観戦記の前談を書いていたが、手元がガタガタして非常に書きづらい。

新山口駅に到着し、徒歩5分圏内にKDDI維新ホールはあった。到着すると、すでに長い列ができていた。しばらくするとファンクラブ列と一般列に分けられ、私は一般列へ。

ふと見ると「心希ママ」こと大向美智子さんの姿があった。こうして見ると、レスラーでもプロモーターでもなく、一人の親御さんの顔をされているな、と妙に感心してしまった。

会場内に入ると、思った以上に広い。ふと見れば「MY WAY」の売店があり、口に黒マスクをした金髪の男性がいた。プロレスのマスクを被っていなくても一目でわかった。娘の付き添いで来ているヴァンヴェール・ネグロその人だった。今日は口マスクをしているだけまだマシだが、本当にマスクマンとは思えないほど素顔でウロウロしている。

KDDI維新ホールの内部は、配信で見るよりかなり広く、感覚としては後楽園ホールより少し狭いくらいか。新幹線の駅から徒歩5分という好立地、色んな団体が使うのも納得である。

オープニング

大向美智子がアルシオン時代に使用していたテーマ曲「エゴイスト」が流れ、心希ママ登場かと思いきや、美祢の「住みます芸人」ちょいやん永田さんが単独で登場。なんでも、娘の凱旋大会に奔走する大向さんは忙しくて出てこられないらしい。

ちょいやんさんがじゃんけん大会などのミニイベントで会場を温めると、今度は欠場中の岩谷麻優本人がリングに登場した。2年続けての凱旋大会欠場を詫びた代わりとして、次回のマリーゴールド山口大会は5月21日の湯田温泉大会、そして11月22日の美祢大会の開催を発表。しかも美祢大会は入場無料だという。これはでっかく出てきたな、と驚かされた。

そして、リングに残ったちょいやん氏と岩谷の掛け声により、大会は華やかにスタートした。

オープニングマッチ

◆3WAYマッチ(15分一本勝負)
〇橘渚vs ×ザ・レディAI vs 瀬戸レア

(7分15秒、ラ・マヒストラル:もう一人は瀬戸レア)

怪我人や退団者が続出するマリーゴールドにおいて、3WAYを組める層の厚さはありがたい。噂のザ・レディAIは、配信でも一度しか見ておらず、どんな選手なのか楽しみにしていた。3WAYは選手の地力が試される形式だけに、期待が高まる。

カードとしては地方大会らしい構成だが、以前のようなもたつきがなく、スムーズに進行していたのが印象的だった。3人とも経験値が積み上がってきたのか、あるいはコーチを務める近藤修司の指導が効いているのか。

SNSでは色々と言われがちな団体だが、生で観た限り、選手たちに暗い影はない。瀬戸レアについてはもう少しじっくり見てみたかったし、橘は空中姿勢が非常に綺麗だ。そして新人のザ・レディAIも、先輩2人に食らいつく姿勢が素晴らしかった。

人の噂を鵜呑みにせず、自分の目で確かめることの大切さを思い知らされた。

第二試合

◆タッグマッチ(15分一本勝負)
桜井麻衣&〇翔月なつみvs 石川奈青&×越野SYOKO.(10分58秒・蒼魔刀→片エビ固め)

桜井の試合を最後に見たのは2023年のスターダム下関大会。他の選手は初見である。特に、配信で気になっていた越野SYOKO.に注目していた。

試合は、越野&石川の凸凹コンビが良くも悪くも引っ掻き回した。

。元シンガーソングライターの越野が歌いながら入場してくるも、石川がマイクを奪い取り、勝手に演歌調で歌い出す始末。入場からすでにギクシャクしている。

桜井&翔月も「仕方なく付き合ってあげている」感があり、その対比が面白い。

息を合わせようとする越野に対し、あえて意思疎通を拒むかのような石川。挙句の果てに石川が敵陣に入って3対1の状態になれば、勝機はゼロに近い。

特別なことをせずとも、最後は越野組が空中分解。

試合後、負けた越野が石川を背後から襲撃するというおまけまで付き、最後までドタバタした展開を楽しませてもらった。

第三試合

◆6人タッグマッチ(15分一本勝負)
後藤智香&天麗皇希&×メガトンvs 野崎渚&松井珠紗&〇CHIAKI

(13分43秒ダイビング・ギロチン」・ドロップ→片エビ固め)

こちらは正規軍(?)とダークネスレボリューションのユニット対抗戦。人気はあるが試合内容にムラがある正規軍3人の力を、ヒールユニットがどこまで引き出せるかが鍵となる。

試合はダークネスレボリューションの奇襲で幕を開けた。

「ゴチカ」こと後藤智香の体重が、私とほぼ同じになっていたのには驚いたが、以前は持て余し気味だったその体躯を、ようやくコントロールできているようだ。

増量期に見られたジャイアントスイングの危うさもなくなり、パワーの安定感が目に見えて増している。

メガトンも奮闘したが、ダークネス側の組織的な攻撃の前には自力で返すのが精一杯だった。

結局、ダークネスが余裕の勝利。マイクを握ったCHIAKIがベルトを掲げて挑発する姿は、次回の後楽園大会への期待を抱かせるものだった。

セミファイナル

◆6人タッグマッチ(15分一本勝負)
青野未来&南小桃&×ハミングバード vs山岡聖怜&山﨑裕花&〇CoCo

(14分7秒ファイヤーバード・スプラッシュ→片エビ固め)

九州地区ではお馴染みのCoCo。彼女の試合を見るのは長門大会以来だろうか。山岡、そしてデビュー1年に満たない山﨑の成長も見届けたい。

注目はやはり10代トリオだ。メインの心希を含め、若い世代が躍動する団体には可能性しか感じない。山岡にはアマレスの土台があり、CoCoはルチャの英才教育を受けたエリート。そこに度胸満点の山﨑が加わり、勢いが加速する。

対する青野、小桃、ハミングバードら「お姉さんチーム」も、若い世代の壁として立ちはだかり、必死に呼応していく。私からすれば全員娘のような年齢だが、リング上には追う側と追われる側のリアルな感情が渦巻いていた。

最後はCoCoが鮮やかに仕留め、マイクで「10代でプロレス界を引っ張る」と力強く宣言。

若い力が大会そのものを牽引している姿は、実に清々しく、彼女たちのプロレスに無限の可能性を感じずにはいられなかった。

メインイベント

◆心希凱旋記念試合(15分一本勝負)
心希 vs 林下詩美

(12分43秒トーチャーラック・ボム→片エビ固め)

今回、観戦を決めた最大の理由がこのカードだ。5月末で退団を表明した林下詩美と心希のシングルは、最初で最後になるだろう。

5月10日は母の日。客席で見守る実母・大向美智子に捧げる一戦として、これ以上のシチュエーションはない。白い衣装で入場した心希、そして詩美。両者に溢れんばかりの花束が贈られた。

試合開始早々、心希がドロップキックで先制。キャリアも体格も勝る詩美がそれをがっしりと受け止める。心希のベースは毛利道場で培った空手だが、この日は母・大向美智子直伝のプロレスを前面に押し出し、敢然と詩美に挑んでいった。

執拗な腕攻めと、的確な一点集中攻撃。デビューから1年に満たない高校生レスラーが、全力でぶつかっていくその立ち振る舞いは実に堂々としていた。長年プロレスを見てきた私の心も、激しく揺さぶられる。

特筆すべきは、大向美智子の遺伝子を持つ彼女が、山口の英雄・長州力の必殺技「サソリ固め」を繰り出したことだ。

腰を深く落としたそのフォームは実に画になっていた。長州や大向の若かりし頃を知る身としては、山口の魂が込められたその瞬間に、深い感慨を覚えた。

しかし、林下詩美は強かった。心希の全てを受け切り、最後は跳ね返した。それは去りゆく詩美から、残る心希への無言のメッセージだったのかもしれない。

普段は妹キャラになりがちな詩美が、この日は頼れる姉のように見えた。

この一戦を現地で見られた幸運に感謝したい。

エンディング

勝った詩美がマイクをとり、心希に対して「大きくなったね」と慈しむように語りかける。

勝った詩美がマイクを握り、心希に「大きくなったね」と慈しむように語りかける。心希も「今だけは詩美お姉ちゃんでいいですか?」と答え、二人は感極まって抱き合った。

さらに詩美の招きで大向美智子さんもリングへ。心希が、大会のために奔走してくれた母へ感謝の言葉を伝える。かつて大向さんに連れられ、がむしゃらプロレスを観に来ていたあの小さかった少女が、これほど立派なプロレスラーになった。その成長を見届けられるのは、ファン冥利に尽きる。

最後は岩谷、詩美、心希の4人で締め。オッキーリングアナの挨拶には温かい拍手が沸き起こった。地方大会ならではの、実に多幸感溢れるエンディングだった。

サイン会

帰りの電車は1時間に1本。山口凱旋のご祝儀として、心希選手と岩谷選手のポートレートを購入した。普段はあまり買わないようにしているが、今日ばかりは特別だ。

心希選手は、凱旋メインという重圧で喉がガラガラになりながらも、懸命に対応してくれた。続いて岩谷選手の列へ並んだが、こちらはさすがの長蛇の列。ようやく自分の番が来た頃には電車を1本逃していた。しかし、岩谷選手から「ポートレートを間違えて2バージョン書いちゃったからアタリですよ!」と上機嫌で言われ、こちらも思わず笑顔になった。

マリーゴールドの選手やスタッフの対応は非常に丁寧で、清々しい印象を残してくれた。

後記

会場を出ると、新山口の空はまだ明るい。ホームで酵素風呂の予約を入れ、揺れる車内でこの観戦記を書き進める。

CoCoや心希。あんなに小さかった子たちが、立派にリングで躍動している。私自身は親になったことはないが、長くプロレスを観続けていると、親の代から子の代へと受け継がれる時間の流れを、これほどまでに愛おしく感じることができる。

これは、プロレスファンに与えられた一つの幸せの形ではないだろうか。やはり、プロレスは素晴らしい。

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