【プロレス入場テーマ曲】 プロレス的音楽徒然草 The Heat Goes On

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

プロレス的音楽徒然草 The Heat Goes On

ザ・コブラの入場曲

本日はエイジアの「ヒート・ゴーズ・オン(The Heat Goes On)」をご紹介してみましょう。この曲は、初代タイガーマスクの突然の引退に伴い、新日本プロレスが急遽後釜に据えたマスクマン、ザ・コブラの入場テーマとしてプロレスファンにはつとに有名です。

豪華すぎる布陣

エイジアはプログレ系の名だたるアーティストが集結したイギリスのバンドです。オリジナル・メンバーは、ジョン・ウェットン(元キング・クリムゾン他)、スティーヴ・ハウ(元イエス)、カール・パーマー(元EL&P)、ジェフ・ダウンズ(元バグルス、イエス)です。 その後メンバーチェンジを繰り返しますが、2008年には再びオリジナル・メンバーでアルバムをリリースし、来日を果たしています。音楽性はポップ寄りでコンパクトな曲が中心のため「産業ロック」とも位置づけられますが、随所にプログレ的な要素も見られます。この音楽性は賛否を呼びましたが、楽曲のクオリティはどれも非常に高いものです。また「ヒート・ゴーズ・オン」以外にも、プロレスの入場テーマ曲として使われている楽曲が多数存在します。

最高傑作の2nd

「ザ・ヒート・ゴーズ・オン」が収録された2ndアルバム『アルファ』は、前作同様の路線でありながら、さらなる完成度を誇っています。目立った捨て曲もなく、本作を初期の最高傑作に挙げるファンも非常に多いです。 「Don’t Cry」はポップでキャッチーながら、イントロは実にドラマティック。英国らしい哀愁のメロディーが交差するエイジア屈指の名曲です。「The Smile Has Left Your Eyes(偽りの微笑み)」は、程よいポップさと哀愁を兼ね備えたバラード。徐々に盛り上がる展開やSEの効果も素晴らしいものがあります。

英国特有の哀愁美

「Never in a Million Years」も、透明感のあるコーラスとメロディーが美しい英国らしい一曲です。「My Own Time」はややアメリカン・プログレ・ハードに近い質感で、哀愁漂うメロディーが際立ちます。 「The Heat Goes On」は、まさにプログレ・ハードの真骨頂。ドライブ感があり、厚みのあるコーラスと哀愁のメロディーが美しく響きます。「Eye to Eye」はストレートな構成ながら、ハードな手触りとメロディーの良さが光ります。

劇的なサウンド構成

「True Colors」はプログレ的な展開を見せ、サウンドもゴージャス。叙情的なメロディーが非常に美しい曲です。そしてラストの「Open Your Eyes」は、哀愁漂うメロディーと爽やかなサビが絶妙。中盤から後半にかけてのドラマティックな展開も聴きどころです。

時代を象徴する名演

エイジアの「The Heat Goes On」は、プログレッシブ・ロックのエッセンスをポップスへと昇華させた3分半の楽曲であり、バンドを象徴する代表曲の一つです。卓越したテクニックを持つメンバーたちが、あえてシンプルなポップミュージックを演奏するという斬新なスタイルは、世界中で大ヒットを記録しました。 この曲は、ドラマティックで哀愁たっぷりのアップテンポ・ナンバーであり、90年代以降に登場した多くのメロディアス・ハードロック・バンドが手本とした、まさに元祖とも言える楽曲なのです。

揺れる新日本プロレス

さて、コブラが登場した時期は、正直なところ、ドル箱であった初代タイガーを失い、新日本プロレスが最も迷走し始めていた時期でもありました。 団体側が、言い知れぬ不安や苦悩を一気に解決すべく放った起爆剤が、ことごとく不発に終わる……。そんな状況が繰り返されていたため、それがリング上にも反映されたのでしょうか。 抜群の運動神経を持ち、ビルドアップされた肉体美を誇ったにもかかわらず、ザ・コブラはあっという間に姿を消してしまいました。

裏目に出た演出策

迷走しているときというのは、いくらお膳立てしても上手くいかないものです。 団体がライバルとして用意したザ・バンピートは、日本デビュー戦の試合前に突然マスクを脱ぎ捨て、正体がデイビーボーイ・スミスであることを明かしてしまいました。さらには、スミスとタッグを組んでいたタイガーの宿敵ダイナマイト・キッド共々、全日本プロレスに移籍してしまいます。 結果、新設されたIWGPジュニアヘビー級の初代王者には、当時全日本から移籍してきた越中詩郎が君臨することとなったのです。

格闘路線への執着

そんなコブラの唯一の名勝負が、新日本に格闘スタイルを持ち込んだ高田延彦戦でした。 これはひとえに高田の技量によるものだと今でも思っていますが、素顔に戻ったコブラ(ジョージ高野)はこれに味を占めたのか、本来生かすべきバネを利用した空中戦を封印し、格闘スタイルへと傾倒していきます。

プロレス道の険しさ

ますます「何がしたいのかわからない」選手になっていってしまったコブラ。 一人の選手生命を大きく狂わせたという意味では、望まないタイミングでの変身は、才能あるレスラーを不幸にしたとも言えるかもしれません。 もっとも、スター性だけでやっていけるほど、プロレスは簡単な世界ではないのですけれど。

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