【プロレス入場テーマ曲】 プロレス的音楽徒然草 魔王凱旋

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

プロレス的音楽徒然草 魔王凱旋

猪木への憧れと入門

今回は高田延彦選手が新日本プロレスのジュニア黄金時代に使用していた、聖飢魔IIの「魔王凱旋」をご紹介します。

高田選手は燃える闘魂・アントニオ猪木さんに強く憧れ、中学生の頃にはプロレス界入りを固く決意していました。中学卒業後、新聞配達などのアルバイトをこなしながら独自の方法で鋼の肉体を鍛え上げ、1980年に念願の新日本プロレスへ入門を果たします。

まさに「選ばれし者の恍惚と不安」を背負った第一歩でした。

UWF移籍と出戻り

その後、第1次UWFの旗揚げに際し、師匠である「関節鬼」こと藤原喜明選手の誘いを受けます。当初は新日本からの貸し出しという形での参戦でしたが、後に正式に移籍。

しかし団体は迷走し、事実上の崩壊を経て新日本プロレスへと戦場を戻します。「魔王凱旋」は、この第1次UWF軍団が新日本プロレスへ電撃的な出戻り参戦を果たした前期に使用された、血気盛んな時期の楽曲です。

越中との名勝負数え唄

特に越中詩郎選手を不滅の好敵手として「新・名勝負数え唄」と呼ばれる伝説的な死闘を繰り広げました。

IWGPジュニアヘビー級王座のベルトを巡る激しい抗争は、ファンの熱狂を呼び、高田選手の名を一気に全国区へと押し上げました。

当時『ワールドプロレスリング』でマイクを握った古舘伊知郎アナは、その鋭いキックを多用する姿を「わがままな膝小僧」や「戦うジェームズ・ディーン」と形容し、時代の寵児となったのです。

古舘節が踊る黄金期

当時の高田選手は女性人気が凄まじく、バレンタインデーには段ボール2、3箱分ものチョコレートが届く「殺戮の美青年」でした。

UWF軍団が「牙を剥いたカムバックサーモン」として新日本のリングを席巻した際、高田選手と山崎一夫選手のコンビは、越中選手やザ・コブラ選手と文字通りの決死の闘いを展開。

古舘アナの「キックと関節技の荒くれ二丁拳銃」という呼び名は、今聞いても当時の殺伐とした空気感を呼び覚まします。

悪魔が来たりて

この入場テーマ曲「魔王凱旋」は、聖飢魔IIの第一大教典(アルバム)『悪魔が来たりてヘビィメタる』の1曲目に収録されています。魔暦紀元前14年(1985年)9月21日に発布されたこの作品は、彼らの記念すべきメジャーデビュー作です。

制作当初は「聖飢魔IIのテーマ」という仮題でしたが、コンテスト出場を機にレパートリーを増やす目的で、「地獄の皇太子」と同時に生み出された由緒正しき悪魔の旋律なのです。

Uインター以前の記憶

高田選手といえば、後のUWFインターナショナル時代の「トレーニング・モンタージュ(映画『ロッキー4』より)」があまりにも有名ですが、古参の私にとってはこの「魔王凱旋」こそが、ジュニア時代のギラついた高田選手を象徴する曲です。

全日本プロレスから新日本へ移籍し、外敵の猛攻を耐え抜いた越中選手。彼が馬場さんの教えである「構えを大きく」を貫き、あえて「人間サンドバッグ」となって高田選手の蹴りを受けた姿は涙を誘いました。

受けの美学と一撃必殺

この越中選手の意地が共感を生み、彼は「越境者」でありながら大ベビーフェイスとして覚醒しました。その後、プロレス界ではキックを胸で受けるスタイルが定着していきます。

かつてカール・ゴッチさんはレスリングにおけるキックに難色を示したと言われますが、時代の流れの中で蹴りはプロレスの日常風景となりました。しかし、昨今はつなぎの技としての蹴りが増え、かつてのような「一撃必殺」の重みが薄れているようにも感じます。

魂が震える真剣勝負

越中対高田の闘いがなぜ「名勝負」だったのか。それは高田選手が殺意すら感じるほど本気で蹴り飛ばし、越中選手が魂の咆哮とともに倒れまいと踏ん張った、その真剣勝負の熱量にお客さんが酔いしれたからです。

受けることが前提の予定調和ではなく、互いの矜持を懸けた「闘い」だったからこそ、40年近い時を経てもなお、私たちの胸の中で「魔王凱旋」の調べと共に鳴り止まないのです。

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