[プロレス観戦記] GAMSHARA SPRING CRASH 2025

がむしゃらプロレス観戦記

GAMSHARA SPRING CRASH 2025

(2025.4.20[日]門司赤煉瓦プレイス)

はじめに

父が3月26日に亡くなり、その1週間後に母がてんかんで救急搬送されたため、仕事を休まずをえず、プロレスどころではない生活を強いられていた。

幸いなことに、行きたい大会はあったものの、お金と時間の問題で元々観戦する予定はなかった。

その代わりにどうしても観に行きたいと最初から思っていたのが、4.20のがむしゃらプロレスだった。

カード云々というより、そろそろ生でプロレス観たいなあと思っていたタイミングだったからなんだけど、ちょうど気分転換には持ってこいだった。

イントロダクション

とはいえ、この日は世界最大のプロレスイベント「レッスルマニア」DAY1当日。

そりゃギリギリまでみて、速攻で門司に向かう手もなくはなかったが、土日の関門界隈における渋滞は舐めてはかかれない。

そもそもまだ観ていない配信もたくさんあるし、取捨選択するだけでも一苦労なんだから、プロレスってつくづく現実逃避に向いているコンテンツなんだなあ、と思わずにはいられなかった。

さて、赤煉瓦最大のテーマはこの時期にしては珍しいGWAヘビー級戦が決まっていること。

タッグ王者でもあるKENZOが、パートナーである嵐弾次郎の承諾なしに勝手に決めてしまったタイトルマッチというところがポイント。

本人は至ってやる気満々なんだが、それだけでタイトル取れるほどプロレスは甘くない。

弾次郎との関係もどうなるかわからない中、不穏な空気が流れなければよいのだけど。

カード的にも今回は正直言って「これは!」という組み合わせもない。苦肉の策といえばそれまでだが、果たして吉とでるか、凶とでるか。

下関→門司赤煉瓦

意外と朝早く目が覚めたので、レッスルマニア見ながらくつろいでいた。途中うつらうつらしていたのだが、WWEがメキシコ第二の団体AAAを買収したというニュースで一気に目が覚めた!

そこからDAY1メインのハイテンションを引きずって門司赤煉瓦へ。今年に入ってから関門橋のリフレッシュ工事で度々渋滞する関門トンネルが、日曜なのにすんなり通る事ができて、13時過ぎには現地到着。

当然先乗りしているWWEにはあまり興味ない人に、レッスルマニアの素晴らしさとAAA買収の話をしまくった。

レッスルマニアはともかくAAA買収はさすがにみんなびっくりしていたが、それは世界規模のお話。今から見るがむしゃらプロレスは、一番縁遠いところにあるのだが、午後からはとにかくそれを楽しんでいきたい。

オープニング

今回の前説はメインでGWAタイトルに挑戦するPanzer4。しかし、ある程度場慣れしててるHIROYAはまだしも、HAGGARとKENZOはやっばりぎこちない。

途中入場口から顔だけ出したダイナマイト九州がダメ出ししていたが、それでも勢いだけでなんとか乗り切って大会はスタートした。

第1試合:

タッグマッチ(疲れん程度1本勝負)
◯パンチくん&ダイナマイト九州(13分23秒※丸め込み)ポール・ブレイザー&リキ・ライタ×

戴冠以来あまり防衛戦をしてないGWA6人タッグ。今回はSMITHが出てないので、九州とポールが敵味方に分かれての対戦。

クオリティはまず保証されているだろうけど、ポイントは初タッグになるリキ・ライタとポールのチームになるだろう。

敢えて初めてだからこそ、ギクシャクしてても面白くなるかもしれないし、きっちり決まりきったものになるよりはマシかもしれない。

最初は九州&パンチくんが入場。しかし、後ろから昨年夏も登場した背の高い九州2号が登場。

今回は最初からいるので、タッグマッチなのに、3対2の構図!

しかし、九州2号はとりあえず大人しくセコンドについたため、そのまま普通に試合はスタートしてしまった。

先発は九州とポール。ポールはお馴染みの「フォウ!」という雄叫びで、会場のハートを掴んでいく。

九州も及び腰で「フォウ」をやるのだが、会場との一体感がイマイチで、早々に諦めてようやく試合がスタート。

普段なら疲れん程度一本勝負はその名の通り、疲れん程度ではあるのだが、この試合なぜか四選手ともハイテンションで、滅多にやらない場外乱闘まではじめてしまった!

ここで、どさくさに紛れたパンチくんがポールの頭頂部に容赦ない攻撃を仕掛けていく。

ある意味、これはポール最大の見せ場で、リングの上でやってこそ美味しくなるのだが、リング下では混乱していて、一部の人にしか見られない。

ポールにしたら、ボケ潰しもいいところで、何の得にもなっていない。

おまけにリングに戻るとセコンドの九州2号も含めてやりたい放題。

しかし、なんとか九州&パンチくんの猛攻を凌ぎ切ったポールは、リキ・ライタと共にダブルの四の字を決めていく。

最後は隙をついた丸め込みで、パンチくんが九州の見せ場を奪って勝利!

九州は微妙そうな顔をしていたが、とりあえず3人で?勝ち名乗り。

それにしても最初から場外乱闘はさすがに想像できていなかった。

第2試合:

ングルマッチ(30分1本勝負)
◯陽樹(12分33秒※YCD) MIKIHISA×

SNSで陽樹もぼやいていたが、人数不足のがむしゃらプロレスでは、本戦でもテーマがないカードが出てきやすい。

強いて無理やり見どころを見出すとしたら、すでにベテランの域にある2人が、体重差を超えた闘いを見せてくれる事だが、正直難しいような気もするし、まあ最終的には観てみない事にはなんともいえないよなあ。

しかし、試合はMIKIHISAの奇襲でいきなりスタート。しばらくは場外でもやられ放題になってしまう陽樹。

床には最近入場時にばら撒いている陽樹札が散乱し、大混乱。この時点でまだゴングもなっていない。

ようやくリングインしても蹴りと関節技でMIKIHISAの猛攻は続く。

ところが、中盤以降なぜかお互いの鼻に一点集中する謎試合に!

プロレスの一点集中は相手の怪我した箇所や、足なら足、腕なら腕を攻めて、フィニッシュに繋げていく、プロレスでは古来からある展開なんだが、お互いが鼻を攻め合うという試合はなかなかない。

その鼻攻撃だが、やはりヘビー級の陽樹は叩きつけるような感じだし、MIKIHISAは関節技を使って巧みに鼻を攻めていく。

コミカルになりそうでならない不思議な感じの試合は、気がつけば結構噛み合ったいい試合になっていった。

蹴りと関節で追い込んだMIKIHISAだったが、やはり最後に物を言ったのはパワー差だったように思った。

身長差ではそんなに変わらない両者だったが、やはりがむしゃらで勢いのあるスーパーヘビー級である陽樹が、MIKIHISAを振り切って勝利!

MIKIHISAとしては残念な結果に終わったが、陽樹としては負けられない試合にきっちり勝てた事の方が大きかったのではないだろうか?

第3試合:

スペシャルタッグマッチ(30分1本勝負)
竹村豪氏&トゥルエノ・ゲレーロ× (14分54秒※バーミヤンスタンプ)◯つぼ原人&HIROYA

すでにプロ団体参戦の経験豊富なゲレーロとHIROYA。ユニットとしては敵対関係にあるが、ありそうでなかった組み合わせの試合をどう成立させるのか?

キャリアはあるがブランクのある竹村と、どこまでも我が道を征くつぼ原人は、なかなかにハードルが高い。

手堅いカードには違いないが、竹村対陽樹、つぼ原人対MIKIHISAだとよかったかなあ、と最初は思っていた。

試合はプロ2人に混じって、各々が様々なプロ団体でもまれてきたゲレーロとHIROYAが噛み合った熱戦に。

もちろん、プロ選手も負けてはおらず、8年ぶりの参戦になるつぼ原人は、相変わらずのつぼワールド炸裂!

何もしないままHIROYAにタッチしようとしたり、観客に握手したら、そのまんまリング下に落っこちたり、なかなか試合が始まらない。

片や下関を出ると愚連隊モードになる竹村は愚連隊モードのTAKEMURAとして、ヒール全開のスタイル!

派手な場外乱闘はもちろん、HIROYAの顔に口に含んだ水を吹きかけるなど、下関市市議会議員の顔は完全に脱ぎ捨てていた。

最近プロ混じりの試合が少なくなったがむしゃらプロレスではあるが、やはりプロ団体でデビューした選手は、細かいところまでプロレスの魅せ方を熟知している印象が伺えた。

最後は丸め込み合戦でつぼ原人のバーミヤンスタンプが炸裂!ゲレーロが犠牲になってしまった!

第4試合:

シングルマッチ(30分1本勝負)
×尾原毅(12分34秒※リングアウト)久保希望◯

休憩明けなこちらは最近なかなか勝率がふるわない尾原毅に、同じNASTY OUTSIDERSの久保希望がカツを入れるというスタイルの試合。

二月の大会で試合後、久保が提案して尾原が受諾したため決まったカードだが、メインを除くと1番テーマがはっきりしているカードになる。

Uスタイル以外にも積極的に取り組んできた尾原毅が、再び勝利への執着を口にできるように慣れてかが注目されてくるだろう。

尾原にカツを入れるための試合は、久保の奇襲からスタート。

しかし尾原もただではすまない。鋭い蹴りに大外刈りから関節技で久保を追い込んでいく。

ところが久保もアックスボンバーを主軸に打撃や蹴りで尾原を圧倒していく。

こうして、中盤からはバトラーツを彷彿とさせるバチバチファイトに移行していく。

両者ともいわゆる「蹴りが走る」状態で鋭く威力のある蹴りがお互いのヒットポイントを削り合っていく。

がむしゃら内でここまで自分に肉薄する存在というのは、尾原もなかなか経験がなかったのではないか?

ましてや同門となると、なかなか対戦の機会もないわけで、そういう意味では新鮮で、かつ遠慮ないぶつかり合いが見られたのは我々にとってはありがたい話だった。

結果的に2度の場外でペースを握った久保が床に尾原を叩きつけて、リングアウト勝ち!

試合後負けた尾原にゲレーロが肩を貸して退場するというハプニングがおきたが、これは次に何か繋がるストーリーの始まりなのか?

期待して待ちたいと思う。

セミファイナル:

タッグマッチ(30分1本勝負)
◯鉄生&YASU (16分08秒※鋼鉄ロケットランチャー)嵐弾次郎&HAGGAR×

同期でありながら、素顔で感情を表現できるKENZOに比較すると、マスクマンのHAGGARは、どうしても後塵を配しやすい立ち位置にいる。

一方、Re:ZARDを追放された鉄生は同じく無所属のYASUと組んで、ライバル嵐弾次郎の前にたつ。

どうしても1人でRe:ZARDに立ち向かうのは分が悪すぎるが、ユニットを作るにも今のがむしゃらプロレスではあまりに人数が足らなすぎる。

追放された復讐を果たすにはまず、鉄生には足元を固めてもらいたいのだが…

この試合も場外乱闘!パワーの鉄生とスピードのYASUが組むと無敵感倍増。

いくら嵐弾次郎がタッグチャンピオンの一翼を担っているとはいえ、上のほうであまり試合経験がないHAGGARは、他の3人の中ではどうしても一枚落ちにみえてしまう。

具体的にいうと、チョップの威力。本当は痛いのかもしれない。しかし、それが会場に届いていない。

お客さんから「(チョップが)弱い!弱い!」という檄が飛ぶうちは、まだメインイベンターとして認知されていないということになる。

同ユニットでありながら、急造タッグになっている弾次郎とのコンビも、組んだり闘ったりと経験豊富な鉄生とYASUの前ではどうしてもギクシャクしてしまう。

新作マスクを新調したHAGGARも健闘したが、力及ばず。弾次郎相談役の仕事はまだまだ減りそうにない。

メインイベント:

GWAヘビー級選手権(60分1本勝負)
【挑戦者】KENZO×(19分26秒※ノーザンライトスープレックスホールド)【第17代王者】サムソン澤田◯

こちらも二月の大乱闘から派生したタイトルマッチ。この時期にヘビー級の王座戦がメインに来たのは殆ど記憶にないのだが、勢いだけで勝てるほどサムソン澤田は甘くはない。

勢いにのるRe:ZARDにとっては、ここでガッツリ防衛して、年末のマニアでGAM1 の勝者を退けておきたいところ。

さて、入場からやる気満々のKENZOは、気合いも十分。片や王者には余裕すら感じられる。

当然Re:ZARDのメンバーもついてくるのだが、それはもちろん織り込み済み。

厄介なのは最初からRe:ZARDが試合に絡んでくるわけではないこと。

だからKENZOとしては序盤で自分のベースに持ち込む必要があった。

しかし、序盤からハイスパートで飛ばしていくKENZOを、チャンピオンは場外戦を交えながらうまくいなしていく。

結局この試合で全試合場外乱闘確定!しかしダメージはKENZOの方に深く刻まれてしまった。

Re:ZARDはそれを見越して椅子を投入したり、レフェリーの足を引っ張ったりと実に巧妙な手段で、KENZOのメンタルを削っていく。

KENZOにとってはあくまで正々堂々とやるのが信念であるため、椅子を手にしても放り投げてしまう。

しかし、椅子を手にした時点で、使っても使わなくてもベビーフェイスは損するようにできている。

使えば反則負けだし、使わなければその葛藤をヒールが突いてくる。

もちろん椅子だけでなく、ノーレフェリー状態にしてからのセコンド介入などで、反則はしてくる。

しかし、勝敗に絡む部分ではRe:ZARDは絶対に手を出さないので、お客さんからはサムソン澤田が実力で、KENZOを返り討ちにした印象が強く残る。

結局、絶妙に反則を織り交ぜつつ、勝負どころではテクニックを混ぜてくる澤田の前に最後はKENZOが力尽きた。

エンディング

エンディングで「いつ何時誰の挑戦でも受ける」というサムソン澤田。しかし誰もでてこない。

ところが待った挙句出てきたのはSMITH代表。

しかし本大会出番がない代表は、次回7.13をSMITHGAME2として開催すると勝手に発表。

この時点で、GWA次期挑戦者の話はどっかに行ってしまった。

困惑するRe:ZARDを置き去りにして、上機嫌なSMITH代表は、そのまま「3.2.1、がむしゃらーっ!」で大会を締めてしまい、流れはGWA王座よりも完全に夏のSMITH GAME2に向けて動き出していったのだった。

後記

カード的には少し弱いと思っていたが、蓋を開けたら大盛り上がり。

全試合場外乱闘はサービスしすぎな気もしたけど、2ヶ月ぶりの生観戦としては非常に満足がいくものだった。

残念ながらまだ父の残務処理と、母の通院が残っているので、夏くらいから本格的にプロレスを観に行けたらいいなと思っている。

とりあえず5月26日の小文字祭りは行けることが決定したので、5月は再び生観戦が出来る。それまでに夏以降の観戦が出来る目処がたっているとありがたいなと思っている。

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