GAMSHARA NEW YEAR IMPACT 2025
(2025年2月9日(日)門司赤煉瓦プレイス)
はじめに
観戦後帰宅したら、デジカメのSDカードからデータがごっそり消えており、やむなくSNS用に撮ったスマホ画像で写真は代用しました。ご了承ください。
もはや観戦記が主で観戦が従みたいになってますが、毎回数千枚の写真から「これは!」という数十枚をピックアップするのは、楽しみでもあったし、結構凹みました。
その分、文章で頑張りましたので、この後をお楽しみいただければ幸いです。では、どうぞ。
イントロダクション
一月に入りトラブル続きの上に、MOS試験のお金まで飛んで、明らかに赤字。年明けてから無駄遣いはしていないのだが、物価高騰の煽りで、普通の生活が成り立たなくなってきた。
そんな中で今回の観戦に関しては行くべきかどうするか、非常に悩んだが結局更に生活費を切り詰める事で乗り切る決断をして、当日を迎えたのである。
ちなみに試験は合格したのだが、金銭的アクシデントによるショックの方がデカくて、凹んでいたため、せめて気分転換でもできればと思ったのだ。
悪い流れはプロレスで断ち切りたい。今までもそうしてきたのだから、回数は減ったとしたとて、今後もそうしていきたいから。
さて、年末でベルトを落として、Re:ZARDから追放された鉄生は、今大会でリスタートを切るわけだが、対戦相手はそのRe:ZARDにいるゲレーロ。
これはただ事ではすみそうにない。果たしてこの抗争はどうなっていくだろうか?
下関→門司赤煉瓦
火曜から降り続いた雪も午前中でやみ、多少雪が残る中、無事に家を出られた。

ただし積雪の影響で道路は意外と混雑しておらず、スムーズに赤煉瓦へ到着。門司は多少寒さはあるが、雪のかけらもなく日も当たって過ごしやすかった。


終盤風が強くなってきたけど、しばらくしたら開場して暖かい室内に入ることができ、暖をとりちょっとホッとした。

当たり前のようにきていた赤煉瓦も、今後はいつ何時来られなくなるかわからない。そう言う意味ではこの瞬間を大切にしたいな、と思った。

オープニング
オープニングアクトは、この日が初めての登板になるPanzer4の3人。しかし、なぜかHIROYAは、後輩2人より自分の人気ばかり気にしていると言う進行。

同じユニットというよりライバルには負けたくないという気持ちが先行しすぎているようにみえた。
今思うと相談役の弾次郎が欠場している影響がこんなところにもでていたのかもしれない。

第一試合:
オープニング3WAYマッチ(20分1本勝負)
HAGGAR vs YASU vs MIKIHISA
×YASU (9分41秒) MIKIHISA◯
※ごっつぁん固め
3WAYというのは、プロでも難儀する試合形式で、しかもゲーム性が高いルールのため、勝負論に捉われやすい日本のプロレスには向いていないとされる。
エンタメ系よりのアメリカなどでは名勝負が連発されるが、日本人にはあまり向いていないとされるだけに、選手の頭脳が問われる試合になりそうである。
いざ始まってみたら、三者三様に知恵を絞った展開で、1人混じったキャリアの浅いHAGGARを、YASUとMIKIHISAのジュニア2人がうまい具合に活かして試合は進んで行った。
ジュニア同士とは言え、空中戦とスピードのYASUと、打撃&関節技主体のMIKIHISAではまたカラーが違う。

そこにヘビー級のパワーでHAGGARが混じってくるからいいアクセントになり、お互いがお互いの個性を活かし合った好勝負になっていった。
残念ながらなかなかメンバーが増えないがむしゃらプロレスだけど、工夫次第ではまだまだ新鮮な顔合わせや試合形式で、面白い試合がいくらでもできる。
試合はHAGGARがリング下に叩き出され、ジュニア同士の白熱した攻防になったが、一瞬の隙をついてMIKIHISAがYASUから勝利。
このわずかな隙で勝敗が決まるというのもプロレス本来の持ち味。KOやギブアップだけが素晴らしいのではなく、本来あるべきカウント3つで白黒つくのもまたプロレスなのである。
第二試合:
『新春』スペシャル8人タッグマッチ(疲れん程度1本勝負)
ダイナマイト九州 & ブラック★スティック & ×リキ・ライタ & ミスター鏡餅
(17分36秒)
パンチ君 & ミスタートランプ(SMITHの親友)◯ & 竹ちゃんマン & WABISABIソルジャー
※ゴールデン★バズーカ
豪華ゲスト2名を加えた8人タッグは全員がマスクマンになるという異様な光景で幕を開けた。
ただでさえキャラクターが渋滞しているこのメンバーの中で、唯一の素顔選手であるはずのSMITHが現れず、代わりとして、親友であるというMr.トラ◯プが久々の登場。

これによって素顔の選手が誰もいなくなってしまったのだ。当然絵面だけでなく、試合内容も混沌を極めた!
ミスター鏡餅は正式に試合で絡むのははじめて。そしてこちらは約1年振りの登場になるWABISABIソルジャー。
このメンツが加わるだけで、かなり期待値は上がるのは間違いない。
前大会より復帰したリキ・ライタも含めて久々に賑やかな1年の始まりが見られそうで、見る前から楽しみにしていた。
大統領と同じチームにWABISABIソルジャーがいるので、てっきり日米タッグかと思いきや、この日のWABISABIソルジャーは、ワノココロをどっかに置いて、Mr.トラ◯プへのUSAコールを煽ったり、完全に忍者というより、大統領の手先になっていた。
一方ミスター鏡餅も今回は物騒な包丁も持ち込まず、このメンバーの中に溶け込んでいた。
もちろんがむしゃらメンバーも負けじと奮闘したのだが、中でもいきなりヘビー級に転身した3代目竹ちゃんマンが大活躍。
何処かでみたようないかにも痛そうな蹴りと、極められるとギブアップ必至の関節技で、WABISABIソルジャーを攻めあげる。
あまりの威力に立てなくなるWABISABIは大ピンチ!
しかもトラ○プは試合中に勝手に電話で物騒な指令を出したり、やりたい放題なんで敵味方通じておいてけぼり。
挙句、九州はお客さんといつもの技のコール練習をした直後の一瞬の隙をWABISABIソルジャーに居合い切りでやられてしまい、昏倒。

最後はトラ○プ大統領のゴールデンバズーカが炸裂し、これをまともに浴びたリキ・ライタがピンフォール負け!
第三試合:
シングルマッチ(30分1本勝負)
×鉄生(13分18秒)トゥルエノ・ゲレーロ×
※ノーコンテスト
昨年末のGAMSHARA MANIA でまさかの王座陥落→ユニット追放という憂き目にあった鉄生。
デビューからユニットを変えつつヒール一筋で歩んできた鉄生にとっては、大転換点にきているのは間違いない。
対するはRe:ZARD加入後勢いを増すゲレーロで、もとメンバーを追放するだけでは飽き足らず、更に追い討ちをかけてくる事が予想される。
がむしゃらプロレスにとっても今後の流れが左右されかねない試合になりそうな予感がしてきた。

試合開始からしばらくは、片方がリングに上がれば、片方が場外に出るといったやりとりが続き、短気な鉄生をいらつかせる。
ゲレーロのセコンドについていた陽樹や澤田にも食ってかかろうとするが、これは当然Re:ZARDの思う壺。
心理的に優位に立ったゲレーロは、階級差を超えて、徐々にダメージを鉄生に与えていく。
冷静になれば、お互いかつてはチームメイトで、一番近くでみていたはずなんだが、怒りに我を忘れた鉄生は自ら泥沼にハマっていく。
守護神のチェーンも持ち出そうとしても、通常ルールに阻まれてしまう。さすがに場外に出たら自動的に1対3になる事は分かり切っていたのか、自制してはいた。
だが、K.Kレフェリーを審判不能に追い込んだRe:ZARDは、他の2人も入ってきてやりたい放題。加えてイス攻撃で鉄生はダメージを広げてしまう。
それでも一度は3人を雞散らかして、フォールに持ち込むが、レフェリーはまだ戻れない。
やっと戻ってきたK.Kレフェリーに対してついにはRe:ZARDが暴行。試合続行不可能とみなし、ゴングを要請。
しかし、解せないのは明らかにゴング要請の時点で反則していたのはRe:ZARDだったので、鉄生の反則勝ちかと思いきや、発表は両者反則のノーコンテスト!

結末こそ納得いきがたいものだったが、鉄生としても、Re:ZARDとしてもここで終わるわけにはいかないだろう。
しかし、孤軍奮闘する鉄生が3人のRe:ZARDを相手にし続けるのは、明らかに無理がある。
この先どういう着地点が待っているだろうか?
セミファイナル:
タッグマッチ(30分1本勝負)
◯レオパルドン横山 & 上原智也(13分02秒)久保希望 & 尾原毅×
※ダイビングギロチンドロップ
NASTY OUTSIDERSの実力者コンビ対西日本を代表する社会人プロレスラーの越境コンビが激突!
特に受けるだけでもシンドイ尾原の蹴りと関節技は、1年振りの参戦になる横山にはハードルが高いことは容易に想像がつく。
しかし、なぜかその尾原毅の戦績が、ここのところ芳しくない。

試合内容はいつも通りだし、時々コミカルな流れに振り回される事はあるけど、基本はブレてないし、年齢による衰えも感じさせない。

尾原&久保といえば、現在欠場中の豪右衛門を除けばNASTYの事実上のトップ2。

しかし、実力者同士が組んだからといって簡単に勝てるほどプロレスは甘くない。
見た感じ急造タッグっぽい横山と上原だが、根底には全包連という繋がりがある。

果たしてチームワークに関しては、明らかに上原&横山に分があった。
決して下手ではないのだが、昔から尾原にはタッグよりシングルの方が好きだという嗜好があって、たまにそれが足枷になる?
確かにシングルマッチでは今だに衰え知らずではあるのだが、タッグ戦となると途端に白星を献上してしまうのが、尾原という選手の不思議なところなのである。
何度か戦ってみて、真っ向勝負は明らかに不利だということを熟知している上原は、横山との連携で勝負にきた。
自分たちが確実なダメージを負わないように、相手に調子づかせないように、インサイドワークを巧みに駆使する実力はさすがの一言。
シングルとタッグの両方で実績も積んできているだけに、NASTY がだんだん後手に回る場面が増えていった。
どうも歯車が噛み合わない久保と尾原は結局、タッグらしい連携もそんなに見せることなく、逆に連携を駆使して、横山のダイビングギロチンに繋ぎ、尾原から直接勝ち星をあげた。
試合後、首を捻る尾原に再びパンダギャル姿に戻った久保が、最近尾原が勝ち星から遠ざかっていると指摘。

次いで次回4月大会で自身との一騎打ちを提案。これを尾原が受諾してNASTY OUTSIDERSの同門対決が実現することになった。

メインイベント:
タッグマッチ(30分1本勝負)
KENZO & HIROYA×(16分25秒)陽樹 & サムソン澤田◯
※ノーザンライトスープレックス
嵐弾次郎が事前欠場となった今回、Panzer4はKENZO&HIROYAという組み合わせで、前タッグチャンピオンと対戦。
ユニット内お家騒動があったRe:ZARDに対して、Panzer4はここから追い討ちをかけて、一気に天下取りに持っていけるか?
はたまたサムソン澤田を頂点に生まれ変わったRe:ZARDが、若い力をねじ伏せるか?2025年注目のメインイベントといっても過言ではあるまい。

さて、Re:ZARD入場時、ゲレーロがお札のようなものを撒き散らかしながら入場してきた。
拾ってみたら、なんと陽樹の肖像が使われた「陽樹札」!」。
このド派手な入場で会場の空気は完全にRe:ZARDが支配。
キャリアが浅く、カッとなりやすいPanzer4にしてみたら、これはこの上ない挑発に映っただろう。
このように、Re:ZARD勢は当然3人で入場。Panzer4も3人いるのだが、いかんせん悪のチームプレイでいうと、Re:ZARDが明らかに上。

しかも、敢えて自分たちのフィールドである場外戦に出ないで、レフェリーの目を惹きつけたり、ノーレフェリー状態を作ったり、自在に場をコントロールしていくのは、さすがというほかない。
もともと血が上りやすいHIROYAとKENZOは、結局このRe:ZARDが張り巡らせた罠にがんじがらめにされ、勢いも封じ込まれてしまう。
しかもレフェリーの目は明らかにPanzer4寄りになっているため、タイミング的にも、2人もしくは3人で一人にダメージを与えられない。
当然抗議はするんだが、その間はRe:ZARDが無法をやらかしているので、Panzer4はどんどん不利になっていく。
冷静に離れて見たらわかるんだろうけど、当事者として輪の中にいると、なんでこうなってしまっているのか、がわからなくなっていたのかもしれない。

最後はシングル王者、澤田のスピアーからノーザンライトスープレックスでKENZOがピンフォール負け。
軍団対抗戦といいつつ、弾次郎がいないだけで、ここまでPanzer4が完封されるとは思いもよらなかった。
エンディング
試合が終わっても両軍は大乱闘。勝ちを収めて意気揚々と立ち去るRe:ZARDを、KENZOがマイクで呼び止める。
個人的には、てっきり弾次郎の承諾なしにタッグタイトルをかけた勝負に出るのか?と思いきや、負けたKENZOがまさかのGWAヘビー級タイトルに挑戦させろ!とアピール。
マイクでは運営とRe:ZARDはグルじゃないか?とまで言っていたが、敵はあくまで過程でしか汚い手を使っていない。

決まり手に至るまでの流れは、サムソン澤田が実力を発揮したにすぎないのだが、それがわからなくなるくらい、KENZOは怒りに我を忘れていた。

そもそもタッグでも勝ててないのに、シングルで勝算があるのか?という疑問は見ていて抱いたが、「これはしめしめ…」と思ったのか、王者・サムソン澤田はKENZOの挑戦を受諾。
かくして次回4月20日の大会で、異例のGWAヘビー級タイトルマッチが組まれることになった。
KENZO本人は、タッグも防衛してシングルも奪取する気まんまんなんだが、離れて見ている弾次郎にしてみたら、これは気が気ではないだろう。
下手したらユニット内に亀裂が入りかねない危険な兆候だけに、タイトルマッチの先に何が待っているのか?
個人的には、不安と楽しみが交錯するラストとなった。
後記
私事だが、だいぶ前に他団体の赤煉瓦大会で、お世話になっていた人の訃報を受け取ったことがある。
その先の観戦予定も全部白紙になり、大変な目にあったが、実は2月に入り、入院中の父の容体があまり芳しくないとお医者さんから告げられていた。
幸か不幸か、2月9日は病院からの電話もなく、無事最後まで観戦できたのだが、今後の大会を安心して見られる保証はない。

4月20日の大会は既にシングルマッチが二試合決まり、復帰してくる嵐弾次郎も参戦してくるだろう。
可能な限り調整して、節約に励んで、束の間の安らぎを求めて、次回も門司赤煉瓦に来られたら、と思う。
人間の寿命がいつ終わるかは誰にもわからないけど、それでも希望だけは持っておきたい。祈りに近い願いではあるけど…。
現状、無職で病人である私には金銭的余裕もないし、体力的にもなかなか厳しいものがある。
それでもプロレスが見られているうちは束の間でも現実から離れられるのも事実。
交通費の高騰であれだけ通っていた博多にも行く事は叶わなくなり、本当に近辺だけにしか行かれない状態ではあるけれど、可能な限りプロレスは見続けていきたい。
それが今自分にできる最大の癒しなのだ。