がむしゃらプロレス第13回創造館小文字祭(2024年5月18日)
イントロダクション
あちこちで何度も言いまくっているが、今から40年前、1984年5月18日に私ははじめてプロレスを生観戦している。
それから時間が経過してピッタリ40年経つ記念日にプロレスが見られるというのは、本当にありがたい事である。
40年経つとプロレスとの関わり方にも変化が出てきて、のべつ幕なしに見に行くより、回数絞って無理ない範囲で観に行くようになってきた。
とはいえ、新しく建造されている下関市の新体育館とか、まだプロレス未観戦の会場もあるし、近隣で制覇したいミッションもあるから、簡単にはプロレスファンをやめられそうにない。
そんな節目の日に、私が年間で最も多く観戦しているがむしゃらプロレスのイベント試合が当たるというのも、なんだか運命的な気がする。
さて、小文字祭はコロナ禍による中断を挟んで、5月に開催される定番のイベント。ここにがむしゃらプロレスが試合するのもすっかり風物詩になった。
事前に発表されたカードもなかなかだったし、これは期待がもてそうだな、とはじまる前からワクワクしていたのである。
下関→創造館
過去二回は雨天で室内でのマットプロレスになった小文字祭。この季節、晴天になると屋外は直射日光で夏のような暑さになるが、雨天だと途端に肌寒くなる。
実は着るものが天候にめちゃくちゃ左右されるのが5月に開催されるプロレス大会なのである。
ということで、紫外線対策でロンTの上にTシャツを重ね着して家を出立。気温は10時半の時点で25度。もはや夏日である。
トンネル渋滞も多少あったが、今回は門司経由で創造館に向かうルートで一時間後に無事到着。駐車場に空きがあったのは幸いだった。
創造館についてみると、去年もやっていた太鼓演奏のパフォーマンスがちょうど盛り上がりをみせていたところだった。
オープニング
オープニングでは創造館の代表も含めて参加選手がリングに上がり、このイベントをつないでくれた、前代表・ドン・タッカーへ10カウントゴングが鳴らされた。
創造館の方は基本プロレス好きな方が多く、この前のイベントでマイクを握っていた方は、マスカラスとエル・カネックが好きだと公言していた。なかなかいいところをついてくるな。
プロレス教室
今回は第一部が中学生までの子どもの部とそれ以上の大人の部の二部構成。本来なら前転や簡単な運動がメニューにはいるのだが、いかんせんこの陽射しで、マット上はフライパン状態になっているため、なるべく火傷しない配慮で、進行していた。
最初はYASUとHAGGERが担当していたが、途中から売店にいた鉄生が参加。チョップ体験も加わって、それなりに盛り上がった。
しかし、昼12時というイベントとしては一番苛酷な時間帯になってしまったが、創造館自体が既にプロレスに慣れ親しんでいるので、特に事故もなくスムーズに進行していった。
去年までの本大会だと、イベントスタートはゲレーロやダイナマイト九州がやることが定番だったが、ルードに転向したゲレーロは姿をみせず、リングに残ったのはYASUと鉄生だけになってしまった。
既にヒールモードになっている鉄生は、スターターとしてSMITH代表を呼びつけるが、4月の大会での仕返しのつもりか、それとも日陰で涼んでいるのか?一向にでてこないため、鉄生が大会スタートを宣言し、いよいよ試合開始となった。
第一試合
タッグマッチ 30分一本勝負
HAGGAR &◯KENZOvs×MIKIHISA &久保希望
(14分18秒 ダイビングボディプレス)
同期としては先にGWAタッグベルトを戴冠し、HAGGARとの差を開けた感があるKENZOだが、久々にそのHAGGARと組んで、同じNASTY OUTSIDERSのMIKIHISAと久保と対戦するカードが組まれた。
4月の大会で悩める豪右衛門の壁になった久保がまた違う形で、KENZO&HAGGARの高い壁になるであろう試合。イベントとはいえ、本戦につながる試合になりそうである。
さて、がむしゃらプロレスは他団体と比較しても上半身裸で戦う選手が非常に多い。となると厄介なのがフライパンと化したリング上のコンディションである。
当然基本的な技のやりとりは立ち技中心となり、できるだけ寝技を避けて試合を組み立てないと、自分が火傷をしてしまう。ある意味デスマッチより苛酷な条件下で試合をしないといけないため、四者四様に体力と頭脳を使ったはずである。
ただ、普段正式に組んでいるわけではない久保とMIKIHISAは同じNASTYということもあって、連携には不安はない。一方でユニットを超えた次世代軍となったKENZOとHAGGERはこれからチームとしての完成度をあげていく段階。
したがって、チームワークではやはり先輩組が優位に立つし、何だったら寝かせて関節とるのも、空中殺法も得意にしているだけに、なかなか攻略ポイントが見出せない感じにみえた。
しかし、それでも愚直に若さとパワーで上回る同期タッグは少しずつ自分のペースに持ち込む。
最後は難敵久保をHAGGARが抑えて、体重差で上回るKENZOが、コーナー最上段からのダイビングボディプレスで、粘るMIKIHISAから勝利。
タッグ王者として最初の試合を白星で飾る事ができた。
ただ、このがむしゃらプロレスの未来を担う2人を追いかけてくる存在が、今のところ見当たらないのが、何とも頭の痛い所である。
今のメンバーがいる間にどうにかして新戦力が加入してくれないか、と切に願わずにはいられない。
第二試合
タッグマッチ 30分一本勝負
YASU&◯SMITHvs×トゥエルノ・ゲレーロ&鉄生
(17分55秒 スミスマジック)タッグマッチ
4月の大会で、闇落ちしたゲレーロに対して苦言を述べていたSMITH。ついに代表自ら勢力拡大で勢いにのるRe:ZARD制圧に乗り出した。
ユニットとしてもある意味存亡の危機にあるDREAM TUBERの立て直しと、様々なら課題を抱えるがむしゃらプロレスの代表として、SMITH自ら出陣するこの試合は、本戦にも繋がる内容になるかもしれない。
そう思ってみていたら、この陽射しで焼けついたマットを利用して、SMITHはRe:ZARDにさっそく「この暑い中黒いよ!」と口撃から入ってくる。
そして、なんだかんだいいながら鉄生をマットに触れさそうとする意地の悪さをみせつける。
これではたまらないとばかりにRe:ZARDは、YASUとSMITHを場外に連れ出して大乱戦に持ち込んでいく。
第一試合もそうだったけど、リング上があまりに暑すぎるので、場外乱闘は多めだった。
だが、場外にはマットがなく、舗装された床は照り返しが半端ない。
暑さから逃れてきたはすが、床の上で受け身とって、結果的にリング上にいるより暑い思いをするハメになったのは皮肉な話ではあった。
鉄生は割と正直に日向で暴れていたが、黒ずくめになったゲレーロはちゃっかり建物の中に入って涼んでいた。
このあたりの自由さはRe:ZARDに入って見せ始めたゲレーロの新しい一面だったように思えた。
そうこうしているうちになぜかSMITHに対してお客さんから「アメリカパンツ」コールが発生。最初はアメリカバンザイって聞こえたんだけど、聞き間違いだったみたい。
いずれにせよ、この謎人気で勢いづいたSMITHは、暑い中大ハッスル。気分的に乗らせると怖いSMITH代表は、GWAのヘビーとジュニアのチャンピオン相手に大立ち回りを演じる。
これにYASUが好サポートでフォローして、SMITHに繋ぐ。最後は連続式の逆さ抑え込み(SMITHマジック)が炸裂し、GWA6人タッグ王者のSMITHが、ジュニア王者のゲレーロからビンフォール勝ち!
七月に開催予定のSMITHプロデュース大会に弾みをつける形になった。
エンディング
最後はYASUとSMITHが勝ち名乗りを受けてマイクアピール。アメリカパンツのコールにSMITHは上機嫌で「新しいファンが増えました」と笑顔でこたえる。
最後にお客さんと創造館に謝意を述べたSMITHは、自ら音頭をとって大会を締めた。
後記
今回は特に照り返しが半端なく、陽射しがガンガン刺しこむ中、見ている我々も暑さと戦いながらの観戦になった。
今回レアな光景として普段スタッフとして参加しているジェロニモがレフェリーデビューしたのも面白かった。初めての割にはよく頑張っていたと思う。
すっかりお祭りの一部になったがむしゃらプロレスは、観客からも施設かはもすっかり受け入れられていた。
本当はお祭りに出ている出店の料理も食べたいんだけど、今無駄遣いできる身分ではないので、来年くらいに収入が安定してきたら今度はお祭りそのものを楽しみたいと思う。
帰宅してSDカードがエラーを出してしまい、ほとんどの写真が使えなくなってしまったが、幸いスマホでそこそこ写真を撮っていたので、それを使って観戦記を完成させることができた。
それにしてもフリーソフトでもだめだったし、SDカードは突然不調を起こすから怖い。
SDカード自体はもう触らないでこのままおいておこうと思うので、いつかサルベージできたらいいなと思っている。
とりあえず個人的な40周年は色んな方に祝っていただけたし、プロレスもお祭りも楽しかった。想い出はプライスレス。それでいいと思う。暑い中みなさんありがとうございました。