[プロレス観戦記]10.12.12.DDT博多スターレーン.天下三分の計

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この日は早くから出て、小倉に直行。目的地は昭和町。そうこの後がむしゃらに向かう想定で最初から駅から遠い場所を選んだのだ。もっとも駐車料金が安くあがるというのもあったけど小倉を散策して色々写真撮りたいという目的もあった。そうこうして駅に着くと12月半ばなのに汗だく。まあ予備のシャツは用意済みだったので、博多スターレーンについてからトイレに入って着替え。フロアで待っているととまりん♂さんと合流。

いつに間にかがむしゃらのマスターもいらしていたので、チケットを受け取ってご一緒されていたジェロニモ選手をとまりん♂さんにご紹介。普段のジェロニモさんは極めてプロレス愛あふれる好青年なんで、とまりん♂さん、びっくりされていた^^ちなみに席は特リンのすぐ後ろ、2列目のど真ん中!DDTは招待なしなんで特リンの前にA席など存在しない。8000円の席は1列目のみ。ちなみに我々の席は5000円。国際センターなら2階の隅である。

会場入ると売店にはシットハートファウンデーションがそろい踏み(除く高尾)してにこやかにサインいれていた^^前日も大ブ―イング飛ばされていたマイケルも大人気。売店部長の大家も一生懸命売り子していた。復帰したら今度はユニオン博多でライガ―と一騎打ちだな。なんといっても福岡でやれば、ライガ―の交通費.宿泊代はいらない^^

で、新藤アナのいつものあれ^^があって大ブーイングが飛んでいよいよスタート!!

第1試合:オープニングマッチ 30分一本勝負
●中澤マイケル vs ばってん多摩川○
9:13 体固め
※とんこつ・もつ・武田鉄矢エルボー

これはもうマイケルワールドにつきる!半年に1回しか見られないけど、自身が目標として挙げていたランディ.サベージの域に近づきつつある。汁レスラーというキャラを保ったままで^^これは凄いことだ!そしてマイケルの凄さをみんなわかっててブーイングを飛ばしているのだ。これも凄い。

ただ、ばってんが大社長の新しいおもちゃとして同じ立ち位置に入り始めたことでばってんに大ブーイングが!地元なのに、この不人気ぶり。だいたいはマイケルが嫌われて、ばってんがやっつけるという形にしなければ、どっちにもブーイングでは特に地方大会では試合が成り立たない。

しかし、ここでもマイケルは職人芸をみせる。派手な受け身と、巧みな話術、微妙にカンにさわる態度、すべて観客からどう見られているかを知り尽くしたうえで、なんとあのばってんを試合中にベビーフェイスにしたててしまったのだ!

本当にうまい!そしてお客とばってんを手のひらにのせ、ばってんも必死でくらいついた。西口プロレス(当時)所属の芸人でありながら芸能人オーラ0のばってんを相手にちゃんとプロレスを組みたてた。本物の職人芸だ!もっともばってんは勝ちこそしたものの退場時、第2試合にでた大社長に思い切りぼこられてちゃんと「役目」をはたしていたが^^

第二試合 20分一本勝負
MIKAMI&●美月凜音vs高木三四郎〇&入江茂弘
9:38 エビ固め
※S.H.B.

美月は博多凱旋する際はいつも入口に美月宛の個人名義での花輪がでている。率先して売店にも立ち、にこやかにファンサービスも怠らない。おそらくチケットも相当数さばいているんだと思う。

だからいままではわりと無難な線でマッチメークが組まれていて、勝っても負けてもそこそこ商品価値の傷つかない使われ方をしてきた。しかしそこが彼のレスラ―としての成長を阻んでいたのでは?とうすうす思ってはいた。そこにこのカードである。相手は若手№1のガタイと破壊力のある入江に大社長!組んでいるのは体型こそ似通っているがこの道の大先輩.MIKAMIである。

はたして試合の9割は相手チームに持っていかれていた。率先して本人が希望したわけではないはずのローンバトルを強いられる美月。また大社長も全く容赦しない。ゆずぽんキックをはじめ三四郎ワールド全開!入江も体格差をみせつけるようにして美月を完全に潰しにかかっていた。

確かに要所要所では綺麗な技を決めて見せてはいたし、レスラーとしての才能もないわけではない。意地も感じられたし、耐え抜いた事は認める。しかしいかんせん1つ1つの技が軽い!

同じ技をMIKAMIがやると全く説得力が違うのだ。それを単にキャリア差だけと考えない、何が自分とどう違うのかを美月自身は考えないといけない。これは大社長の「置き土産」だったのだ。もうしばらく大社長とは絡めない。それだけにこの試合が美月の糧になってくれれば、たぶん一番喜ぶのは大社長だと思う。こういうのはプロレスでしかありえないけど、プロレスでしか持ちえない魅力なんだよね。この試合で美月はたたきつぶされた。でも今度は一皮むけて凱旋してきてほしい。それをみんなまっているはずだから。

第三試合 30分一本勝負
○ディック東郷&ヤス・ウラノvs 大鷲透&平田一喜●
11:34 片エビ固め
※ダイビング・セントーン

大鷲「班長」もしばらく博多にはこられないし、東郷は博多ラストマッチ。正直淋しいものがあった。まあこの組み合わせで、職人タッグがとられる要素は皆無だったんだけど、平田が埋没しなかっただけでもよしとしたい。

それにしても本当におしまれるのが東郷の引退。「惜しまれて辞めたい」という本人の意向がなければなんとしてでもひきとめたかった。そのくらい全てにおいて無駄がひとつもない。厳鉄魁として、この博多スターレーンで試合を見てからかれこれ20年あまり。あのころから卓越はしていたけど、本当に努力と研鑽の賜物としかいいようがない。別れを惜しむように見ていたこっちとは対象的にまったく普段着の試合に徹した職人コンビは、まさに本物の職人だった。

第四試合 30分一本勝負
○HARASHIMA vs 石井慧介●
6:55 体固め
※蒼魔刀

これはチャレンジマッチといっていいんだろうか?全体的に若手の底上げが狙いのようなマッチメークが続く。ストーリー性とエンターテインメントを重視するDDTでは珍しいことである。だいたい他団体の地方興業はこんな感じなんだけどDDTがあえてこういうマッチメークを
「当日カード変更なし」でやったというのは逆に凄い事なのだ。おそらく三四郎抜きのDDTを見据えたうえで考えられたんだと思う。

そういう意味では入江は期待にこたえていた。では石井の場合はどうであったか?相手はなんせ前.KO-DチャンプHARASHIMAである。蹴りは半端ないし、要は真っ向からいったらたたきつぶされる相手。若手らしく無策で突っ込んで散るのも「らしい」選択だが、「底上げ」が求められているミッションではそれは許されない。

そこで石井がとった手というのが….おんぶ式スリーパー。これで体格差もあるHARASHIMAに密着し、しかもしつこくかけていくことで蹴りをくらわず、スタミナを奪う展開にでたのだ。少なくともこの日の石井には「一矢報いてやろう」というより明らかに「勝ち」をとりにいっていた。

しかし、勝ちを意識するということは周りを見えなくする。結局スタミナは奪ったがHARASHIMAの余裕までは奪えなかった。それでもHARASHIMAが容赦ない蒼魔刀でなぎ倒し、試合後を「鍛えているからだー」で締めなかったのは石井に対しての最大限の礼をはらったとみていいだろう。

ここで休憩。休憩中もにぎやかな売店でサイン会。

第五試合 
CMLL認定KO-Dタッグ選手権試合 
60分一本勝負
アントーニオ本多、□佐々木大輔<第33代王者組> 
vs 高尾蒼馬、松永智充■<挑戦者組>
14:9 反則

※高尾の凶器攻撃、レフェリー暴行。
33代王者が初防衛に成功。

これもいわば底上げマッチ。シットハートはあのブレッド.ハートの名テーマ「Hitman」で入場していたけど確かハートファウンデーションの時は違うテーマ使っていたような気がするんだが。
で、佐々木もなにげにHITMANリスペクトの男なんで、リング上はなにげにブレッドだらけ。天国のミスター・ヒトさんが見たら泣いて喜ぶ….わけないか^^

試合はマイケルも加わっていわゆるいつものお約束「いやよいやよも好きの内」からはじまるあれをやって、悪役らしい試合運びでいわゆるわかりやすい試合運びで、見るからに善玉のチャンピオンチームの、特に佐々木をピンポイントで攻めていく。

でも松永が基本「愛されタイプ」の人柄なんで、どうしても、どんだけわるいことしても「松ちゃ~~~ん」と声援を集めてしまう。そこで誰かが悪役として泥をかぶらないといけない。

ま、マイケルはもともともっているものがあるし^^そもそも試合権限自体がないんで、そうなるとその役目は高尾が担わないといけない。で必要以上に気障で嫌味な悪役ぶりを前面に押し出していたのだが、いかんせんまだ付け焼刃にしかみえない。確かにシットハートに入って一皮むけた印象はあるものの、諸先輩方がひいたレールの上を必死で走っているような感じがしてならない。

そこが見えなくなれば、高尾の理想とする悪役像に近付けると思う。正直松っちゃんやマイケル、そしてアントンや佐々木がいなかったらここまでできたかどうか?

やや厳しめに書いたが、大社長がいなくなるという危機感を持った若手がいなかったということで課題を残した感じになってしまった。だがまあDDTの若手ならきっとやってくれる
と信じたい。

第六試合
セミファイナル 30分一本勝負
●佐藤光留 vs KUDO○
13:33 片エビ固め
※右ハイキック

これはもう激しい試合になることは予想できるカード。キャリアのあるKUDOは普通に考えても難敵。ひかるんがあのままタイトルもっていたら防衛戦になってもおかしくないカードである。

はたして、壮絶な打撃戦がこれでもかとばかりに展開!で、ここぞというところでさっと関節とって行き、絶妙のタイミングで間を外し、さらに純プロレスでも引き出しをたくさん持っている
ひかるん。正直KUDOが出来るとはいえ序盤から中盤にかけては全く勝ち目が見えなかった。

とはいえKUDOも蹴りに関して言えばこだわりがある。自分の土俵で決して引くわけにはいかない。だから真っ向勝負になった。

終盤あきらかに打ち疲れるほどスタミナロスしていた両者は最後まで蹴りにこだわった。そして徐々にプロレスのフィールドにもっていったKUDOの執念が最後に勝利を呼び込んだといっていい。

本当に明日死んでもいいくらいの迫力でお互いが死力を尽くしきった。相手しかみえていない
というのはプロレスのセオリー的にはあまりあってはならないが、ここまで死力を振り絞って
戦われたら、何もいえない。

そして、ひかるんは元チャンプの名誉もパンクラスの看板も何もかもかなぐり捨てて、KUDOの凄みを最大限に引き出して壮絶にちった。

DDT総選挙で語っていた決意は本物だった。そしてエビスコ店長というリング外の話題しかなかったKUDOの凄みも完全に蘇らせた。KUDOも漢だ!そしてひかるんも漢だった!!
素晴らしい!!ありがとうKUDO!ありがとう!ひかるん!!真性のど変態だけど^^

大好きだ!!!!

第七試合
メインイベント 60分一本勝負
●飯伏幸太 vs 男色ディーノ○
16:9 ゲイ道クラッチ

この試合を奥で大社長が観戦していた。やはり自分が去った後を任せる2人の試合を見ておきたかったのだろう。さあ、これは飯伏にとってはハードルの高い試合である。相手はなにせ百戦連魔の難敵、そしてホモ!!頭も体もフルに使ってなお勝てっこない相手である。なにせ、出来るのに近づけばセクハラしかけ、そうかと思えばしたたかなテクニックで痛めつける。全く自分のペースを掴ませてくれないのが男色ディーノなのだ。

それでいて、総選挙で見せた熱い一面を持つ情熱家でもある。いくら飯伏がIWGPをもっていても、これは想像もつかない試合だった。

で案の定、「スリル」にのってセクハラしまくるディーノ。前の席の男性は唇奪われていたし、女性ファンのデジカメ取り上げて自分のタイツにつっこんで中身写して返したりやりたい放題。

これで人気者なんだから並みの選手なら本当に嫌だったろう。しかし飯伏はさすがというか、IWGPのベルトもってさっそうと登場するや、序盤こそディーノのセクハラに嫌がるふりをして、なんと自分からキス攻撃!

さすがのディーノも面喰らったか…と思ったらさにあらずで^^場外戦でもリードを許さない。しかし飯伏はここでも天才ぶりを発揮!ディーノが外から持ってきた資材搬入用の台車にディーノを寝かすとなんと壁を登り始めた!!

スターレーンというのは基本足場らしきものはほとんどないに等しい会場で空中戦には不向き
にできている。天井も低いし。だが、飯伏はその少ない足場から国旗が貼ってある壁からなんとムーンサルと!!こんなところから飛んだ選手って飯伏くらいなものだろう!!!!私もかれこれ約30年通っていて初めて見た光景だった。

だが、そこからのディーノはついに隠していた牙をむき出しにし始めた。もちろんどれだけ飯伏
蹴られて意識が飛んでいてもホモである事を貫き通して!!!中盤にさしかかかった時のチキンウイングアームロックは普段の研鑽のたまものだろう。こういう引き出しももっているのが男色先生なのだ!!!

そして飯伏に自分の世界をとられまいとディーノも必死になった!!最後はタイツの中に飯伏の顔を突っ込んで男色ドライバーからゲイ道クラッチ!!見事としかいいようがなかった。

ぐったりとしてリング上で大の字になってそれでもマイク持って「勝ったわよ―」と第一声。「こんなぶよぶよした体でもIWGPに勝ったのよ!」と誇らしげにしかし堂々と勝利宣言。もちろん誰も文句なんかいうはずがない。

「ひとつだけ約束する。今度博多へ来た時は今日よりちょっとだけ面白いものをお見せするわ!」と言葉を絞り出すように言い放った男色ディーノ!!あんた本物のプロだよ!!素晴らしかった!!!

彼がいるからこそ大社長も安心してユニオンにいけるんだと思う。飯伏より人気.実力とも上の男色先生がいる限りDDTの未来は明るい!!

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