スターダム・5★STAR GP 2019(2019年9月16日(月祝)・福岡・西鉄ホール・夜の部)
イントロダクション
昼の部はこちら
初観戦になったスターダムには色々謎な部分がたくさんあった。一つは昼の部と夜の部のチケットがまとめて買えないという謎。まあ会計の問題かもしれないんで、それは深く追求するまい。
だが、昼夜通してファンクラブ先行入場をした割には、すぐあとに一般入場をはじめているのは、ほんとに謎だった。他団体だと、先行入場すれば、中でゆっくりグッズ買えたり、選手と撮影会したり、という特典があるけど、スターダムの場合「ただ先に入れる」以外のメリットがない。
しかも全席自由ならまだしも全席指定では、それこそ好きな席を選ぶまでもない。ほんとにスターダムのファンクラブってどんなメリットがあるのか、今度調べてみたいもんだ。
ちなみに、昨日のマーベラスからずっとリングはプロレスリング華☆激のものを使っているらしい。緊急復活したレフェリー・ゼブラ那須も含めて、大活躍である。
なぜか夜の部は最初からライトがついていたが、小坂井アナの歌のコーナーにはバックダンサーはついていなかった。観客も昼の部からの居残り組が殆どで新規のお客さんはあまりいなかったし、相変わらず席も空いていた。
① オープニングマッチ◆3WAYバトル
○ビー・プレストリー vs スターライト・キッド vs ×飯田沙耶(5分5秒・バックドロップホールド)
ジャングル叫女の欠場に伴いカード変更の末、シングルマッチが3wayバトルになったこの試合。結果的にはスターダムらしい華やかなオープニングマッチになった。
昼の部ではライト消されていてわかりにくかったけど、照明がきちんとついたら彼女たちの表情もよくわかる。ということは、あれは演出ではなかったのか?
そのあたり一切説明がなかったけど、やはり3人の中では飛び抜けてデカく、しかも動けるビー・プレストリーは一人で二人を相手にしても問題ないくらいの働きっぷり。
まあ、それでもハンディキャップマッチにするよりは3wayの方がそれぞれの特色が出てよかったと思う。昼の部との違いはやはりマッチメイクだと私は思う。同タイプ、近い体格の選手の中に大型のビー・プレストリーを混ぜたこと。これが全てだったと思う。
たしかに飯田もスターライト・キッドも次世代のスター候補だけど、現役のチャンピオン相手だとやはりまだ善戦どまり。それをこれから彼女たちはキャリアを重ねて、名勝負にしていく素質がある。それがわかっただけでももうけもんだった。
②レッドスターズ公式リーグ戦
×AZM vs ○エバリー(6分25秒・ハンマーロック式DDT→片エビ固め)
昼の部でも感じたことだが、エバリーがなぜ負け先行だったのかが理解できない。
しなやかな身体と、たしかなブリッジワーク。特にリバースダブルアームバーに、ブリッジで駄目押しするあたりは、まさに女子プロレスならでは!あれはフィニッシュホールドにしてもおかしくない技だとは思うんだが、つなぎで使うのはもったいないかな。
仮に肩甲骨あたりが硬い選手だったら、間違いなくギブアップしそうな拷問技なんだが、ああした技をさらっとやってのけるあたりが、ただものではない感を出しまくっている。
もしもリーグ戦の経験が乏しく、しかもスロースターターなら話はわからないでもない。だが、もし来年継続して参戦するならば、エバリーはきっと本命になる選手になりえるだろう。
③タッグマッチ
○渡辺桃&小野崎玲皇vs 木村花&×上谷沙弥(7分15秒・Bドライバー→エビ固め)
ジャングル叫女の負傷欠場に伴ってカード変更された試合。奇しくも昼の部の追撃戦になっていた。なんか既視感あるな、と思っていたら、新日本のG1クライマックスと似たマッチメイクだったからだ、ということに気づいた。
まあ、スターダムは新日本ほど長いツアーを組んでいるわけではないけど、毎回のように前哨戦だ、追撃戦だ、というカードばかりみていると、さすがに食傷気味にならざるをえない。
関係性はよくわからんのだが、木村花と上谷は普段組まないパートナーだったようで、新人の上谷を「顔じゃない」とばかりにけりたおす花は一人で戦っているかのようだった。
個人的にはデビュー6戦目でこんな先輩選手に囲まれて堂々としているだけでも大したもんだ、と思わずにはいられなかったが、さすがにギクシャクしているチームに、渡辺&小野崎が甘い顔をみせるはずもない。
結局、善戦むなしく上谷は敗れ去るが、試合後花が肩を貸して退場したあたりは、試合前より上谷を認めていたのかもしれないな、と思った。
④ブルースターズ公式リーグ戦
○小波 vs ×刀羅ナツコ(5分38秒・トライアングルランサー)
昼の部と比べると夜の部は公式リーグ戦があまり目立たなかったが、時間こそ短いがテイストはどちらも異なり、引き締まった試合になっていた。
刀羅ナツコはラフ主体で、小波は関節技主体で試合を進めていき、昼の部みたいなバタバタした感じもなかった。それでいて女子プロレスらしいしなやかさも備えている内容だった。
最後は小波が脇固めの体勢からディスアーマー気味に強引に身体を剃り返して、刀羅からタップアウト勝ち。大江戸隊のラフに苦しめられながらも、テクニックで押さえ込んだ勝ちっぷりだった。
⑤レッドスターズ公式リーグ戦
○鹿島沙希 vs ×葉月(2分47秒・起死回生)
これも見応えあるシングルマッチになった。二人とも花があるし、絵的にも映える。まあ、今時の選手らしく身体が薄いのは仕方ないが、15分という枠の中では精一杯見せようという意識で戦っていたように思う。
特に葉月は地元凱旋だし、ハイスピード王座をかけて6月に鹿島から防衛を果たしたばかり。まあ、それで負けるとは本人的にも思ってはいなかったのだろう。
だが、勝った方は忘れていても負けた方は覚えているものである。鹿島はわずかながらも葉月の隙を見逃さなかった。見事な押さえ込みによるスリーカウントに、負けた葉月は呆然。
それくらい僅差だったが、村山大値レフェリーの判定は覆らない。鹿島沙希にまんまとリベンジされた葉月としては、悔しさばかりの対戦になってしまったかもしれない。
⑥8人タッグマッチ
○岩谷麻優&星輝ありさ&中野たむ&里歩vs 花月&アンドラス宮城&×夏すみれ&ジェイミー・ヘイターwith大向美智子(13分54秒・ドラゴンスープレックス・ホールド)
大江戸隊は昼間には来ていなかったラスボス大向美智子のオリジナルTシャツを、全員が着ての入場。やはりラスボスがいるだけで会場の雰囲気はガラリと変わる。
だが、STARSとしても助っ人に里歩を加えたメンツで負けるわけにはいかない。とは言いつつも前半は、大江戸隊が場外戦から、ラスボスの竹刀攻撃で攻勢に出る。
みているとラスボスは大江戸隊の精神的支柱のようで、ポイントポイントでは介入するが、実質試合の流れを作っていたのは、花月だった。多人数戦での戦い方を熟知しているかのように水を得た魚のような大江戸隊の攻撃に防戦一方となるSTARS。
しかし、STARSのキーウーマンはやはり里歩だった。助っ人としてはこれ以上ない活躍っぷり。負けじとSTARSのメンバーも奮起。次第に流れがSTARS側に傾くと、岩谷が一気に勝負を決めてハッピーエンド。
後記
試合後のマイクでいつのまにかSTARSのメンバーにされていた里歩がしどろもどろになっていたが、とりあえずSTARS大勝利ということで華麗な世界観は幕を降ろした。
昼の部では正直どうなることかと思ったが、夜の部では見事に明るく楽しく華やかな女子プロレスを見せてもらった。私が期待しているのは間違いなく夜の部のスターダム。そういう意味では望んだ形の大会が見られたのは大満足だったが、正直昼夜通じての大会はいらなかったかな?夜だけなら割とまとまって見られたと思う。
今回は残念ながら林下やジャングル叫女ら見られなかった選手もいたので、次回見るときは全員そろったところを見てみたいなと思う。