[プロレス入場テーマ曲] プロレス的音楽徒然草 Walk On (Some More)

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草

G1といえばこの曲

今回はG1クライマックスといえばこの曲しかないということで、ボストンのWalk On (Some More)をご紹介します。ボストンというのはアメリカン・プログレ・ハードロックの代表格として名高いロックバンドですが、実は創始者・トム・ショルツがほぼ全般を創作するため、トム・ショルツのプロジェクトというとらえ方もされているようです。

日本でいうと、故・大滝詠一さんのような方だといってもいいかもしれません。このように、トム・ショルツはいわゆるミュージシャンというより職人という感じが近いのかなと、私は思っています。

全パートを一人で演奏

実際トム・シュルツはデモテープを作る際、ヴォーカル以外の全パートを一人で演奏してしまうため、アルバム制作などでは、ショルツの演奏をプロのクオリティで忠実に再現することが求められたそうです。

そのため、バンドメンバーはすべてオーディションで選ばれたそうです。ちなみにこれはライブ活動を念頭に置いたレーベル側の発案であり、トム・シュルツ自身は当初ライブ活動をしない方向だったそうですね。

曲のテンポは「手拍子」で測っていた

トム・ショルツはさまざまな音源を何重にも重ね、独特の分厚い重厚感を持たせていました。

多重録音には不可欠と言われるリズムボックスすら一切使用しておらず、曲のテンポは全て「手拍子」で測っていたというから徹底していますよね。

「一発録り」的な迫力

これによっていわゆる「一発録り」的な迫力が生まれ、ほとんどショルツ一人の演奏であるにもかかわらず、あたかもビッグバンドであるかのような迫力あるサウンドとなった点はよかったのですが、それと同時にショルツ一人が関わったミックス作業には、大変な労力が必要となってしまったので、まさに良し悪しというやつですね。

さて、このWalk Onですが、アルバム「Walk On」に入っているバージョンは4曲目「Walkin’ At Night」から7曲目「Walk On (Some More)」を繋ぐ形でインストゥルメンタルの曲が収録されているのが特徴で、後に繋いだ形でシングルカットされています。そのWalk On (Some More)はこのアルバムの7曲目に収められています。

G1の開幕を告げる壮大さ

G1で使われていたのは、冒頭の壮大なファンファーレとも呼べる箇所で、いかにもG1の開幕を告げる壮大さが個人的には印象に残っています。これを聞くと「ああ、G1だよなあ」とオールドファンの私は特に思うんですよね。最近のオリジナル制作されたテーマ曲は、Walk Onに比べるとどうも薄味で仕方ないのです。

ボストンのポリシーとしては「No Synthesizers Used(シンセサイザー使用せず)」「No Computers Used(コンピュータ使用せず)」という有名なクレジットがアルバムに刻印されています。綿密に手を加えられた音源と、膨大な時間と労力を費やしたミックス作業は、そうした電子機器を必要としなかったのです。

プロレスと結びつけるのは

そのボストンがアルバム「Walk On」の3曲目に収められているLivin’ For Youで初めてシンセサイザー(ストリングアンサンブルの音)が使ったため、今までアルバムにクレジットされていた『No Systhesiezer』の項目は外されたそうです。

ちなみにアルバム「Walk On」には狩猟、肉食、毛皮売買、家庭内暴力の一切を禁止を訴える内容が、写真付で大々的にパンフレットに記載されているのですが、私のイメージでは、プロレスって毛皮売買を除くとほかの要素は大概ありそうな気がしているので、あまりプロレスと結びつけるのは、トム・ショルツ的によいことではないのかもしれませんね。

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