【プロレスブログ】 プロレス的発想の転換のすすめ(74) 見る側を貫くファンの道

[プロレスブログ] プロレス的発想の転換のすすめ

プロレス的発想の転換のすすめ(74) 見る側を貫くファンの道

変わらない自分

今回は、プロレスファンとしての自分の「在り方」についてお話しします。

プロレスを見始めた頃は、まさか自分が60歳を過ぎて独身のまま、これほど熱心に「闘い」を観続けている未来など想像もしていませんでした。

「変わらないこと」はある意味で誇れることでもありますが、あまりに変化がない自分に対して「これでいいのかな」と自問自答することもあります。

孤高のファン継続

数年前、東京在住のプロレスファンの友人から「未だにプロレスファンとして、純粋に関わり続けているのはハラダさんくらいだよね」と言われたことがあります。

長年ファンを続けていると、選手や関係者との繋がりができ、そのまま業界側(提供する側)へ回るケースは決して少なくありません。

仲間の背中を見て

実際、私の周囲でもレフェリーや選手、リングアナウンサーになった事例はいくつもあります。

かつての仲間がいつの間にか『週刊プロレス』の選手名鑑に、スタッフやレスラーとして紹介されているのを見ると、いろいろと感慨深い思いを抱くことがあります。

山口のプロレス事情

特に都心部にいると、ファンとレスラー、あるいは関係者との垣根がいつの間にか曖昧になることも多いでしょう。

しかし私の場合、山口県の片田舎住まいで、今日のように地域密着型団体が普及するまでは、まさに「プロレス僻地」にいました。

年に一度、地方巡業がやってくるのを指折り数えて待ち、体育館の硬い椅子に座って遠くのリングを見つめる。

そんな物理的な距離感が、私と「闘い」の間に適切な境界線を引き、甘美なお誘いもないまま今日に至る純粋さを守ってくれたのかもしれません。

最高の贅沢とは

ですが、プロレスファンとして純粋に「闘い」を享受できるのは、ある意味で最高の贅沢かもしれません。

この数十年の間に、レスラーとファンの関係性は激変しました。SNSによる交流など、私の学生時代には想像もしていなかった光景です。

観戦に特化した道

また、選手の小型化も、かつてからは想像もつかないほど進みました。

私は元々「やる側」には関心がなく、一貫して「見る側」に特化したスタンスを貫いてきました。

職人肌の選手への憧れ

したがって、プロレスラーになるという選択肢も、プロレスマスコミになるという選択肢も、端から頭にありませんでした。

私が憧れるのは、例えば木戸修選手のような、派手なパフォーマンスは控えめでも、リング上で確かな技術と「仕事」を見せる職人肌の選手です。

スポットライトの中央で叫ぶ主役よりも、その「闘い」を成立させるために黙々と関節技を極め、受けの美学を体現する背中に惹かれるのです。

自分自身も、人から目立ちたい、認められたいという欲求はほとんどありません。

ドラマを完結させる役割

不思議なことに、これまで日常で人に技をかけたことすら、ほとんどありません。

ここまで徹底して「見ること」にこだわったのはなぜか。

自分でも不思議に思うほど、自分が主役になろうとは露ほども思わなかったのです。

四角いジャングルを見つめる一対の視線として、そのドラマを完結させる役割に徹したかったのでしょう。

己の場外戦を終えて

ですから、たまに自分がスポットライトを浴びるような場面があると、ひどく場違いな感じがして居心地が悪い思いをすることも多々ありました。

しかし、日陰にいようと日向にいようと、私は私。基本がブレなければそれでいいのだと感じています。

今さら自分を勘違いする要素もありませんし、自分のありようがそこそこ見える年齢になりました。

周囲の評価で自分の価値が左右されることも、少なくなったからかもしれません。

激しい「闘い」の結末を見届け、静まり返った会場に一人残る時、リングの照明が消えても消えない自らの芯のようなものに気づかされます。

私はリングに上がるレスラーではなく、最前線で声援を送るセコンドでもなく、ただ客席からその「闘い」を凝視し続ける存在。

メインイベントのゴングが鳴り響き、選手が引き揚げた後の静寂の中で、心地よい疲労感とともに、ようやく自分の「ありよう」がはっきりと見えてきた…と思える今日この頃なのです。

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