[プロレス入場テーマ曲] プロレス的音楽徒然草 ツァラトゥストラはかく語りき (Also sprach Zarathustra)

[プロレス入場テーマ曲]プロレス的音楽徒然草
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サップ版との違い

今回のプロレス的音楽徒然草は「ツァラトゥストラはかく語りき(Also sprach Zarathustra)」をご紹介したいと思います。この曲は日本ではボブ・サップのテーマ曲として有名ですが、アメリカに行くとネイチャーボーイ・リック・フレアーのテーマ曲として有名です。

日本ではNWA王者のテーマ「ギャラクシー・エキスプレス」で入場する事が多かったため、日本人としてはいまいちイメージとしてはピンとはきませんね。

この二人、実は同じ曲を使いながらバージョンは全く異なります。一番ざっくり説明すると、オーケストラバージョンがサップ、そうでないのがWCW時代のフレアーのテーマという感じでいいかなと思います。

第一部の導入部

もともと、「ツァラトゥストラはかく語りき」はリヒャルト・シュトラウスが1896年に作曲した交響詩で、フリードリヒ・ニーチェの同名の著作にインスピレーションを得て作曲された曲です。原作の思想を具体的に表現したというわけではなく、原作のいくつかの部分を選び、そこから受けた印象・気分を表現しています。でもこの曲を世界中に有名にしたのはなんといっても映画「2001年宇宙の旅」ですね。

この曲は三部構成になっていて、映画では「ツァラトゥストラはかく語りき」第1部の「導入部」が使われていることは最早説明の必要がないくらいです。

映画が与えた影響

「2001年宇宙の旅」の冒頭シーンを模倣し日食などの天体現象を図案化したデザインがレコードやCDジャケットで多用されるほど「ツァラトゥストラはかく語りき」という楽曲に与えた影響は強く残っています。

ちなみに映画で使用された演奏は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるデッカ盤と呼ばれるものです。カラヤンがウィーン・フィルとの共演を望みデッカの録音技術に惚れ込んでいたそうで、それまで専属だったEMIから移籍してからの最初の録音だったそうです。

デッカ版が被った損害

ただ、キューブリック監督からの使用申請に対しデッカの経営陣が指揮者・演奏団体を表記しない事を条件にしたため、映画が成功し競合他社も争うようにこの曲のレコードを発売してデッカは大変な損失を被ったらしいですね。

最初に発売されたサウンドトラック盤には映画とはまったく違うカール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の録音が収録されていたのですが、最新のサウンドトラックCD (EMI) にはカラヤン指揮のデッカ録音があらためて収録されています。

導入部のみカバー

フレアー版はこの「ツァラトゥストラはかく語りき」の「導入部」のみをカバーしたバージョンですので、やや荘厳さという点では物足らないのですが、あのメロディとフレアーのイメージは切っても切れないものになっていますね。

むしろアメリカンプロレスからフレアーを知った世代には「ギャラクシーエキスプレス」の方がピンとこないかもしれません。

ギャラクシーエキスプレス

もっとも「ギャラクシー・エキスプレス」自体がフレアーだけでなく、美獣ハーリー・レイスの入場でも使用されていたため、ファンの間でも「フレアー」派と「レイス」派に分かれていることろがあります。

ですので、実質フレアーだけのテーマ曲としては「ツァラトゥストラはかく語りき」に軍配が上がるのかな?と思います

大概看板倒れ

ちなみに愛娘にしてWWEディーヴァであるシャーロットの入場テーマには、父フレアーの「ツァラトゥストラはかく語りき」が織り込まれています。WWEはこういうところがうまくて、ヒットマン・ブレッド・ハートの姪であるナタリアや、テッド・デビアス(ジュニア)らも父(叔父)のテーマ曲を自分のテーマ曲に取り込んでいます。翻って日本では二世レスラーがあまり大成しないこともあって、こういう例はまれですね。

坂口征二さんが安田忠夫に譲ったとされる「燃えよ、荒鷲」などオリジナルをそのまま使う例はたくさんありますが、大概看板倒れに終わるケースが多いので、あまり人のテーマ曲を受け継がない方がいいのかもしれないですね。

老け込むには・・・

余談ですが、たまにフレアーがシャーロットのセコンドで番組に出てくると、シャーロットの背中が親父さんそっくりで、遺伝というのはすげえなあと見るたびに思ったりします。

もっとも横に立つフレアーは現役を引退したせいかすかり老け込んでしまってますね。可能ならばたまにレジェンドとして試合をしてもいいのではないかなと思うのです。

ルー・テーズなんて生前74歳まで現役を続けましたし(彼の場合、単にお金が欲しかっただけかもしれないですけど・・・)、

8の字固めの見た目

マスカラスやテリーら、かつて同じ全日本プロレスにあがった選手たちも現役でいるし、なんかもったいないなあと思ったりするのです。

またシャーロットは父より足が長いため、試合でノーマルの四の字がきっちり決まる感じがしなくて、そのせいかフィニッシュの8の字固め(四の字を決めてブリッジで反り返る技)にもイマイチ説得力がないなあと思ってます。

この辺は二世といえどもすべて父から踏襲するのではなく、自分の特性に似合う技を使ってほしいなあと私は思います。

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プロレスオタクで心理カウンセラーの資格を持ち、両親の介護をしながらガンサバイバーとして生きる著者が、自分の人生や仕事について赤裸々に語ります。プロレスやオタク文化に関する豊富な知識や経験、心理カウンセラーとしてのスキルや活動、介護やガンサバイバーシップに関する悩みや工夫など、興味深く感動的な内容が満載です。あなたも著者のストーリーに共感しませんか?







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