[プロレス用語辞典] (ハ行) ハードコア ・レスリング
過激な試合を特徴とする
今回の用語辞典はハードコア・レスリングです。
ハードコア・レスリングは、プロレスにおける一種の形態を表す名称で、過激な試合を特徴とするプロレスを指します。
スリリングさをアピール
ハードコア・レスリングのルールとして、凶器の使用などの反則裁定が一切なく、またリングに限らず、どこでも決着がつけられるルールを主としています。
これは観客にスリリングさをアピールする狙いがあります。
わけられて考えられる
デスマッチもハードコア・レスリングの範疇に含まれますが、日本においては、デスマッチのほうが、危険度の高いルールや状況下で実施されることがほとんどなので、ハードコアとはわけられて考えられています。
デスマッチファイターの雄である、プロレスリングBASARAの木高イサミ選手は「突き刺さる利器を使うのがデスマッチ」、「椅子やラダーがハードコア」と区分しています。
エクストリーム
また、デスマッチが盛んな大日本プロレスでは「反則カウントがあり、指定された道具を使うことができるルール」がデスマッチ、「反則カウントがなく、レフェリーが特に危険とみなしたもの以外使うことができるルール」がハードコアという分け方をしています。
DDTやGCW、TNAのように、高度な空中技なども合わせた類似の区分「エクストリーム」が設けられているケースもあります。
FMWがルーツ
ハードコア・レスリングの歴史は遡ると、フレッド・ブラッシー選手らが繰り広げていた流血試合まで行きつきますが、現代のスタイルが確立されたのは、1990年代の日本になります。
それは、1989年に創設されたFMWが、過激なデスマッチを売りにしたことに起因しています。
大日本の登場
そして1995年に誕生した大日本プロレスは、画鋲、蛍光灯、炎などの小道具をふんだんに用いて、FMWを凌ぐほどの過激な試合を世に送り出し、台頭していきました。
アメリカでは、IWAミッドサウスが1997年から「キング・オブ・ザ・デスマッチ」というトーナメント戦形式の大会を開催しています。
フィラデルフィア
続いて1999年のコンバット・ゾーン・レスリング(CZW)誕生、そして20世紀終盤に、初期のFMWから着想を得たことで生まれたECWが有名です。
CZW、そしてECWはともに本拠を置いた場所が、フィラデルフィアでした。
メキシコでも
こうしたことからか、フィラデルフィアを「ハードコア・レスリングの聖地」と表現する場合もあります。
ハードコア・レスリングは、このようにアメリカと日本で盛んにおこなわれていますが、メキシコでも2001年にハードコアスタイルを取り入れたX-LAWが旗揚げされています。