[プロレス用語辞典](ヤ行) 八百長

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[プロレス用語辞典](ヤ行) 八百長

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的外れな批判

今回のプロレス用語辞典は「八百長」です。

プロレス用語としては、プロレスを理解していない人間がしばしばプロレスに対して投げかける的外れな批判としてよく使われます。

学のなさを露呈

八百長は、下手に使うと「八百長という言葉の意味すら知らない」という学の無さを露呈する羽目になるため、注意が必要になる言葉です。

とはいえ、プロレスラーに転向したはずの故・北尾光司選手がSWS時代に「この八百長野郎!」発言で、当時失笑を買ったくらいですから、選手でもどれだけ理解しているのかは何とも言えません。

表面だけ真剣に

では、八百長とは本来どういう意味になるのでしょうか?

本来八百長とは、前もって勝敗を打ち合わせておき、表面だけ真剣に勝負を争うように見せかけることです。

八百長=注射

転じて、一般に、前もってしめし合わせておきながら、さりげなくよそおうことでもあります。

語源については諸説ありますが、大相撲の隠語としての「八百長」は「注射」と呼ばれ、逆の真剣勝負は「ガチンコ」と呼ばれます。

力道山発?

おそらく「日本プロレスの父」力道山選手が大相撲からきているので、八百長(正確には注射ですが)も相撲由来で入ってきた用語だと思われます。

勝負事においては競技の如何を問わず、常に非合法の賭博が絡むなどの現実的側面が付きまとっています。

厳しく処分

ですから、公営ギャンブル対象競技はもちろん、公営ギャンブル対象ではない他の競技でも組織の内部規定によって永久追放・出場停止・降格など厳しく処分されるわけです。

八百長と呼ばれる行為では、選手、審判およびその家族や関係者を脅し、わざと敗退を強要する場合や、選手に金品などの利益を供与し、便宜を図って行われる場合などがあります。

真剣勝負でない

さて、プロレスにおける八百長ですが、どうも「真剣勝負ではない」=八百長という解釈で使われる事が多いように思われます。

どちらかが勝つか負けるか決まっているというのが、真剣勝負ではない八百長だというのであれば、映画やドラマも八百長になりますよね。

台本の存在も

しかし、そういう言われ方はされません。台本のあるなしも、八百長とセットで出てきます。

ただ、映画やドラマのように「上手から下手に走って、このタイミングで技を受ける」などという台本を毎回書いて、それを選手が覚えて実践していたら、それはそれですごい事です。

競技化を行うならば

しかも、プロレスに非合法の賭博や金銭が絡んでいるという話は聞いた事がありません。

もし金品が絡んだ競技化を行うならば、闘う選手同士の条件づけを厳格にする必要があります。

予想を難しく

身長、体重、キャリア、実力などを厳正かつ公平にして、どちらが勝つのか?予想を難しくする事も求められるでしょう。

なぜならば、片方があからさまに有利だと、皆そちらに賭けてしまうので、ギャンブル自体が成立しないからです。

ギャンブルの対象外

こうした競技化は総合格闘技ではやりますが、プロレスではほとんど行われていないのが実情です。

つまり、プロレスはギャンブルの対象になる競技ではないということです。

仕組みを放棄

八百長は、あくまで勝敗によって金品が動き、誰かが得をする(あるいは損をする)システムがあって、はじめて成立する用語なので、そうした仕組みを放棄しているプロレスは、八百長になりようがないのです。

さらに、Wikipediaで八百長の事例をみていくと、ほぼほぼ公営ギャンブルや大相撲あるいは、プロ野球、サッカーなどがでてきます。

プロレスに関する事例

その中にプロレスに関する事例は一つもありません。

かつて、反社会組織が興行としてつながりがあり、平成初頭くらいまではダフ屋が会場付近を徘徊していたのは確かです。

迂闊に口にすれば

ただ、彼らが勝敗に絡んで、金品の絡む事態になっているとは考えにくいですね。

このようにプロレス八百長論というのは、使い方がそもそも間違っており、迂闊に口にすれば、学のなさを露呈してしまうというわけです。

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