プロレス的音楽徒然草 スターサイクル(ワールドプロレスリング次期シリーズ予告BGM)
次期シリーズ予告
今回は、1980年代のワールドプロレスリングで、次期シリーズ予告のBGMとして使用されていた、ジェフ・ベックさんの「スター・サイクル [Star Cycle (Hammer)]」をご紹介します。
私はそれほど音楽に詳しいわけではないのですが、ちょうどこの時期に洋楽を聴き始めた事もあり、この曲でジェフ・ベックさんを知りました。
3大ロック・ギタリスト
ジェフ・ベックさんは、日本では、エリック・クラプトンさん、ジミー・ペイジさんと並ぶ3大ロック・ギタリストの一人とされています。
イギリス生まれのジェフさんは、12歳になるとジュニア・アート・スクールに通い始め、ギターに目覚めます。
自作のギターで
当初はギターが高価で手に入れられず、自作のギターで演奏していたそうです。
16歳になると通っていたアートスクールを退学し、バンド活動の傍ら、ギタリストとして様々なセッションにも参加していきます。
フュージョンギタリストへ
アートスクールでは、ジミー・ペイジさんとも出会っており、ジミーさんの紹介で、ヤードバーズというバンドのギタリストとしてデビューします。
当初はロックギタリストとして活動していましたが、次第にフュージョンギタリストへと移行していきます。
フュージョンブーム
フュージョンとは、1970年代初頭にに発生した、ジャズを基調にロックやラテン音楽、電子音楽、時にはクラシック音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンルです。
ちょうど「スター・サイクル [Star Cycle (Hammer)]」が発表された1980年ごろは、日本でもフュージョンブームがおきており、その波に乗って「スター・サイクル [Star Cycle (Hammer)]」もよく流れていた記憶があります。
華やかなりし時代
「スター・サイクル [Star Cycle (Hammer)]」は、ジェフさんにとってはソロ3枚目となるアルバム「ゼア・アンド・バック(There and Back)」の一曲目に収録されています。
80年代といえば、まだプロレス中継も華やかなりし時代で、次期シリーズ用の煽りVなども番組中で流れていました。
空前のブームに
入場テーマ曲を最初に手がけた国際プロレスや、「スカイ・ハイ」でプロレスに入場テーマ曲を根付かせた全日本に比べると、新日はやや遅れを取っていたのです。
そんな中、80年代に入り新日本が空前のブームになってくると、ワールドプロレスリングも入場テーマ曲に力を入れてきました。
猪木さんと藤波さんにも
異種格闘技戦から芽生えた友情により、モハメド・アリさんから贈られた「アリボンバイエ」をカバーして、1977年に「炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜」がアントニオ猪木さんのテーマ曲となりました。
そして、一番弟子の藤波辰巳(辰爾)さんにも、1978年にオリジナルテーマ曲「ドラゴンスープレックス」が与えられるなど、徐々に陣容が整っていきました。
カセットテープにも
そんな新日本黄金期に、次回予告ながら「スター・サイクル [Star Cycle (Hammer)]」は、存在感を放つ曲として、当時のプロレスファンの記憶に刻まれました。
私ごとですが、今は亡きブルースブロディ氏からいただいた、プロレス入場テーマ曲を集めたカセットテープにも「スター・サイクル [Star Cycle (Hammer)]」が入っていました。
1月10日に
そんなスターサイクルを生み出したジェフ・ベックさんですが、細菌性髄膜炎を患い、2023年1月10日にお亡くなりになられました。
亡くなられる直前まで意欲的に音楽に取り組まれていたそうで、2020年4月16日、ジョニー・デップさんとコラボした「孤独」をニュー・シングルとして公開されています。
哀悼の意を
ベックさんの訃報には多くの音楽関係者、ファンが哀悼の意を示しました。
私はいちプロレスファンですが、友人との想い出に刻まれているスターサイクルは、欠かす事のできない名曲です。
ジェフ・ベックさんのご冥福を心よりお祈りいたします。