プロレス的音楽徒然草スパルタンX
本編の中では
今回は故・三沢光晴選手の入場テーマ曲としてあまりに有名なスパルタンXのご紹介です。スパルタンXはいうまでもなく、ジャッキー・チェンの同名映画のタイトル曲なんですが、実はスパルタンX本編の中では使われていません。
予告では散々使われていたので、イメージ的にはガンガンながれている印象なんですけどね。
日本版用に音楽が足されて
実をいうと。この時代のカンフー映画というのは本編とは別に日本版用に音楽が足されて作られることも多々ありました。
スパルタンXもその一例でした。その多くは未CDのままで、個人的には大変残念なんですが、幸いスパルタンXに関しては色んな形でCD音源として聞くことができます。ちなみにスパルタンXのテーマを手掛けたのは、キース・モリソンこと作曲家の木森敏之さんです。
卓越した自己プロデュース
そのジャッキー映画が大好きだった三沢光晴選手が持参したのがスパルタンXでした。プロレスの場合、選手自身がテーマ曲をもちこんで、それがファンにも定着するケースはかなり稀なんですが、そのレアケースの代表例がスパルタンXだといえます。
ただ、有能なプロレスラーは有能なプロデューサーであることも多々あるのがプロレスの独自性でもあります。
他のスポーツだと
他のスポーツだと、明らかに選手か自分で選んだと思われる場違いな選曲で、入場を台無しにしているケースをよく見かけます。
選手として卓越した才能を持っていても、自己プロデュース能力はゼロに近い選手はザラにいます。
そういう意味ではエンターテイメントに命をかけているプロレスラーが、高い自己プロデュース能力を持っていても不思議ではないと私は考えています。
初代・上田馬之助選手も使用
ちなみに、スパルタンXは、三沢光晴選手以前に初代・上田馬之助選手の入場テーマとしてつかわれた記録があります。
UWF対新日本プロレスのイリミネーションタッグ戦で、新日本側についた上田馬之助選手が、それまでの入場テーマ曲である「地獄に堕ちろ」から「スパルタンX」に変えて入場してきたシーンは、オールドファンの記憶には鮮烈に焼きついていると私は思っています。
エルボー系の技をイメージ
三沢選手の晩年に使用されていたスパルタンXには、ピアノによる前奏と、効果音が足されていました。
この効果音は、三沢選手が多用していたエルボー系の技をイメージしていたのだそうです。
今やスパルタンXのテーマ=ジャッキー・チェンではなく、「=三沢光晴」というくらいイメージづいています。三沢選手は一時期二代目タイガーマスクとしても活躍していました。
スパルタンXは一代限り
タイガーマスクは代替わりしても、後世に残っていくでしょう。しかし、二代目三沢光晴と呼べる選手が今後現れるかどうかは、誰にもわかりません。
そういう意味ではスパルタンXが今後入場テーマ曲として使われるケースはそう多くはないのではないか、と私は思っているのです。